英語の「多読」で手に入れる英語脳の作り方

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英語学習をしている人なら誰もがぶち当たる壁。

「自分にはセンスがないのかもしれない…」
「もうこれ以上頑張れない…」「英語が嫌いになりそう…」

そう感じて英語学習をやめてしまった人、今まさに英語にくじけそうになっている人は少なくないはず。勉強でも仕事でも、スランプという壁はいつも私たちの前に立ちはだかります。

ではその英語スランプを乗り越え、ワンランク上の英語力を身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。

その答えは、意外にも「多読」にありました。今回は多読を通して、真の「英語脳」を手に入れるメソッドを紹介いたします。

1.誰もがつまずく言語係数0.3の壁

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英語を習得しようとするとき、初めのうちは勉強すればやった文だけ英語力が伸びますし、自分もそれを実感することができます。しかし、「ある程度のレベル」までいくとそこからなかなか伸びなくなってしまいます。これはたとえ海外留学をしていても同じことです。

言語係数とは何か?

ここで言う「ある程度」の英語力とは、個人差はあるものの、英語を使ってレストランでオーダーできたり、道案内ができたり、友達や家族の紹介ができる程度のレベルを指します。しかしながら、趣味や仕事の話を少し掘り下げられると、途端についていけなくなってしまう。留学している人なら、語学学校の先生はゆっくりと簡単な英語で話してくれるので理解できるが、ネイティブがネイティブスピードで話すことはさっぱり分からないという状態も当てはまるでしょう。

そのような英語力の「壁」のことを、35年以上にわたって”使える英語”の教授法を研究されてきた遠藤尚雄氏は、「言語係数0.3」と表現しています。

言語係数とは遠藤氏が提唱している言語能力を計る指標で、相手の言ってることを一回聞いただけで全て理解でき、また自分の考え方も全て伝えることができる状態のことを言語係数1と定義しています。つまり多くの日本人の日本語言語係数は1ということになります。

※遠藤尚雄氏
元ファナック株式会社 常務取締役
独学で習得した英語力を武器に世界で活躍。ファナック、富士通、本田技研などの大手企業の海外赴任者向けの英会話教育に従事。現在も日本の英語力を上げるべく活動中。著書に『英語は独学に限る』、『英語脳DVD BOOK』などあり。

あなたの英語力は言語係数0.3より上?下?

それに対し、ある日本人の英語言語係数が0.3であるということは、英語を用いて自分の考えを3割しか伝えることができず、英語で言われたことを3割しか理解できない状態を指します。言語係数が0.3でも繰り返し言ってもらえば、相手のいうことを7割くらいは理解できることもあるでしょう。この「言語係数0.3」という習熟レベルを厳密に定義するのは難しいですが、だいたいの人の英語力がこのレベルにおいて頭打ちになることが多いようです。

たとえ商社などの駐在員で海外で数年以上生活している人でも、言語係数0.3でとどまっている人は多いのだそう。そのような英語力の人たちでも、英語のできない日本人から見れば、ペラペラに見えるかもしれませんし、本人も自分の英語力を過剰評価してしまっている場合が少なくありません。

2.英語を本当に話せるようになりたければ、英語の本をしっかり読むべき

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英語を話したり、読んだりするとき、日本語が介在することなく、直接英語で考えるように脳が働くことを「英語脳」と言います。もし真の英語脳を手に入れることができたならば、私たちは日本語と同様に自由自在に英語を操ることができます。

英語脳を手に入れるための3ステップ

ご自身も独学で英語脳を手に入れた遠藤氏が提唱する遠藤学習法(遠藤メソッド)では、英語脳を手に入れるためのステップを①発音の矯正→②ヒアリングと語彙の増強→③多読の3つに分けています。

まずは言語の基本である音をしっかりと理解する。最初に正しい発音を身につけておかないと、英語を話しても通じないし、相手の英語も聞き取ることができません。次にヒアリング力を高めながら、語彙を増やしていきます。同時に文法も習得し、この段階で言語係数0.3ぐらいまで引き上げます。

そして、多読によって英語脳を作り英語の総合力を一気に底上げします。つまり、多読によって多くの人が苦しむ言語係数0.3の壁を乗り越え、言語係数1に近づけていきます。日本語でも、「日本語の力をつけたければ読書をしなさい」とよく言います。考え方はそれと同じで、いたってシンプルなのです。

多読において大事なことは「とにかくたくさん読む」こと。英語学習を始めた人、リーディングに慣れていない人にとっては、毎日たくさんの英文を読むことは簡単なことではありませんが、英語を読むことで読むスピードや精度は上がっていきます。最終的にはネイティブの話すスピード(200単語/分)を目標としましょう。

遠藤氏は、言語係数1になるまでは、目安として毎日2時間を5年くらい続けることが必要だと説いています。時間にして3500時間。この数字を聞いて、唖然とする方もいるかと思いますが、言語習得は甘いものではありません。地道な努力しかそれを達成する方法はありません。

多読のすすめ

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多読に慣れるまでは、英文を読むこと自体が楽ではないため、仕事関係や自分の興味のあるテーマを選び、自分のレベルにあった英文を読むようにしましょう。以下に、オススメの多読教材を紹介します。

・語彙制限本

ラダーシリーズやPENGUIN READERSなどの、英語学習者を対象に使用語彙数を制限した「読み易い工夫」がなされた読み物です。レベルが上がるにつれて語彙も文法も難しくなっていくので、自分のレベルに合わせて難易度を選択することができます。本格的な多読に入るまでの「プレ多読」としてオススメです。

・対訳本

ページ見開きの左に英文、右側ページに日本語対訳の構成をとった本です。同じ内容の文章を英語と日本語の両方で読んでいくことで、リーディングに慣れてない人でも、どういう意味か分からないまま読み進めていくということがなくなります。日本の歴史や文化に関する対訳本から、映画の対訳本までさまざまなものがあるので、興味のあるものから読んでいくといいでしょう。

・英字新聞

英語力向上と同時にトレンドや最新のニュースも押さえることができます。全て英語だとキツいという方には、『The Japan Times ST』や『Asahi weekly』などの英字新聞のウィークリー版がオススメです。英語学習者用に、語彙の説明や、一部日本語訳などがついています。

・英語ニュースサイト

こちらも英字新聞と同様、英語を学習しながら最新の時事も知ることができます。日本語のニュースや新聞と違い、英語でニュースを読むことで、日本語では得られない情報を得られたりもします。ABC NewsやVOA Newsなどの海外ニュースサイトも、スマホで無料で見ることができるので、通勤・通学時間を使って気軽に読むことができます。また、レアジョブ英会話のレッスン用教材であるDaily News Articleも、毎日更新されており会員でなくても読めるので、多読に活用することができます。

3.Practice makes perfect(継続は力なり)

英語学習には壁やスランプはつきものです。
「私には素質がないかも」とフラストレーションがたまることもあるでしょう。確かに英語の上達には個人差があるのかもしれません。
しかし一番大事なことは「諦めない心」と「努力」です。英語習得は容易でないからこそ価値があるのです。まずは毎日、英語を読む、英語に触れることから始めてみてください。

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