【留学・海外旅行の前に!】英語も大事だけど、宗教のことも知っておこう!

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アメリカ同時多発テロ、イラク戦争、やむ事のない内戦…
世界は宗教の力で大きく動いていると言っても過言ではありません。

しかしながら、概して日本には宗教のことには疎い人が多いのではないでしょうか。私たち日本人にとっては普通のことでも、ある宗教を信じる人にとってはタブーなことは少なくありません。海外旅行や、留学に行った時に、宗教のことをある程度知っていれば、思いがけないトラブルを避けることができたり、異文化や違う価値観を理解しそれらを楽しむことさえできるでしょう。

世界の主な宗教であるイスラム教、キリスト教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、仏教についてそれぞれどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

1. 世界に影響を与える「イスラム教」

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イスラムとは、「神に帰依する」という意味であり、わかりやすく言えば「神様に全てをゆだねて心の平安を得る」ことを指します。イスラム教信者は世界で約16億人いると言われており、世界の約4人に1人はイスラム教徒ということになります。

● 増え続けるイスラム教徒

イスラム教と聞くと中東のイメージが強いですが、実は一番教徒が多いのはインドネシアで、マレーシアやシンガポールなどのアジア圏にも多くいます。もちろん中東や北アフリカなどではほとんどがイスラム教徒であり、その信者数は今後も世界中で増え続けるだろうと予測されています。
なぜなら、イスラム教では、信者を増やす事が神の意思とされているからです、それに加えてイスラム諸国における出生率の高さや、医療の進歩によって乳幼児の死亡率が低下していることも、イスラム教徒が増加するだろうと予想される要因です。

● イスラム教のタブー

また日常生活と宗教が深く結びついているのもイスラム教の特徴で、イスラム教徒は天国に行くために、六つのことを信じ、五つのことを守らなければなりません(六信五行)

その中には、1日5回の礼拝、年に一度の一ヶ月間の断食など私たち日本人にはなじみのないルールが多くあります。また、偶像崇拝の禁止、豚肉を食べてはいけない、飲酒してはならないなどの禁止行為もあります。偶像崇拝とは、仏教では仏像にお祈りをし、キリスト教ではイエス像にお祈りをしますが、そうした神様の像(偶像)を拝むことを、イスラム教では禁止しています。「神様=偉大な存在」とされているイスラム教において、ちっぽけな人間が神様の姿をイメージし形にすることは許されないのです。

また、イスラム教と聞くと、女性が全身を衣類や布で覆っている姿をイメージする人も多いのではないでしょうか。イスラム世界において女性は真珠のような高貴な存在なので、肌を覆って保護することで、きれいな肌を家族以外に見せないようにし、不本意に男性の気を引かないように自分を守っているのです。さらにイスラム教では、左手は不浄とされています。よって、左手で握手することや、物を渡したりすることはタブーにあたります。

2. 欧米諸国の歴史を作った「キリスト教」

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キリスト教はざっくりと言ってしまえば、「イエスの教えを信じる宗教」です。キリスト教と聞くと、アメリカやヨーロッパに多い印象を受けますが、南米やアジア、アフリカなど世界各国に拡大していて世界中で約20億人の信者がいます。

● プロテスタントでないと大統領になれない?

キリスト教にも複数の宗派があり、その中でも特に大きな宗派が「カトリック」「プロテスタント」です。ローマ帝国の崩壊に伴い、キリスト教にも少しずつ考えの違いが起きるようになり、カトリック教会と東方正教会の二つの宗派に分離します。その後、カトリックは西ヨーロッパへと拡大していきますが、やがて本来の教えからの逸脱行為が目立つようになり、これに異を唱えたのがプロテスタントということです。

アメリカは、勤勉精神を特徴とするプロテスタント系移民が作った国と言われており、「大統領になるにはプロテスタントでなければならない」とまで言われています。
またこれも日本人には信じがたいことかもしれませんが、アメリカでは大統領選挙の際に、候補者は自分が教会で祈る様子を撮影させてテレビや新聞で放送するなど、自分が熱心なキリスト教徒であることをアピールします。それはアメリカが、キリスト教を信じていることを前提に成立している国だからです。

● キリスト教のタブー

程度の差こそあれ、キリスト教の世界にもタブーが存在します。とくに、『聖書』に書かれたことを忠実に守ろうとする人たちをキリスト教原理主義者と呼びますが、彼らが近年もっとも力を入れているのが「同性愛、同性婚」と「妊娠中絶」の反対運動です。なぜなら聖書には、「汝、殺すことなかれ」という戒めがあり、キリスト教の教えにおいて「神が人間に男と女をつくり、一緒になって子どもを産み育てると決めた」とされているので、彼らにとって、これらの問題は決して認めることができないのです。ニュースでもこのような話題をよく目にしますが、そこにはこんな背景があったのですね。

またキリスト教の一派であり、ユタ州に本部を置くモルモン教の信者は、タバコ、アルコール、コーヒーや紅茶などの刺激物を一切とりません。

3. 拡大を続ける「ユダヤ教」

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ユダヤ教信者は欧米諸国に多く住む印象を受けますが、アメリカやイスラエルを中心にアフリカやアジアなど世界中に散らばっており、その数は約1400万人と言われています。

● ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神様は同じ?

実はユダヤ教は、先述したイスラム教とキリスト教と同一の神様を信じているため、これら三つの宗教は「兄弟」に近い関係性を持っています。詳細は省略しますが、「この世界を創造した唯一の神を信じる」ユダヤ教徒は、イエスを信じません。キリスト教はユダヤ教から生まれたのですが、両宗教間には大きな隔たりがあるのです。
そして、アメリカで起きた同時多発テロやイラク戦争など、世界中で起っている争いには、そのようなこれら三つの宗教の信者が持つ考え方の違いが関係していることが少なくないのです。

● ユダヤ教のタブー

ユダヤ教には旧約聖書の『レビ記』に則った「カシュルート」と言う食事規定があります。その中で食べることが禁止されている食べ物は以下のものです。ブタやウサギなどの割れた蹄が無く反芻しない動物。またタカなどの猛禽、地をはう動物、羽のある昆虫、爬虫類、甲殻類も食べる事はできません。加えて、ユダヤ教では肉と乳製品を一緒に食べることは禁じられており、どちらかを食べてしまった際は、次のものを食べるまで数時間〜6時間を空ける必要があります。

4. 「ヒンドゥー教」から見るインド人

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インドを中心にネパール、フィジー、中東、欧米などにも広がりを見せるヒンドゥー教。なんとインド人の約80%はこのヒンドゥー教徒でその信者数は、インド国内だけでも約10億人にのぼります。

● 今なお残るカースト制度

ヒンドゥー教は、他の宗教のように一人の開祖によって始められた宗教ではなく、バラモン教と混じり合って自然発生的に生まれた宗教であることも大きな特徴です。よってバラモン教の「カースト制度」と呼ばれる階級制度が受け継がれています。1950年のインド憲法制定において、カースト制度による差別は禁止されたものの、現在でもインドにはカースト制度は色濃く残っているのが現状です。
例えば食べ物に関して言えば、多くのヒンドゥー教徒は自分よりも下位のカースト集団から食べ物を受け取ったりすることを嫌う傾向があり、生まれつきこのような意識がすり込まれています。

● ヒンドゥー教のタブー

ヒンドゥー教は牛を聖獣としているため、一般的にヒンドゥー教徒は牛肉を食べません。しかし、年老いて働けなくなった牛を、低カーストの人々が食べることはあります。このようにカーストごとに異なる食事ルールを持ち、高いカーストの人ほど肉食を避ける事が多いです。またインドにはヒンドゥー教以外にも、肉類を一切食べない「菜食主義者」と呼ばれる人々がいて、彼らは豆類や野菜、果物中心の食生活を送っています。

5. 日本人にも身近な「仏教」

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仏教とは文字通り「仏の教え」であり、「仏」は「ブッダ」のことを指し、「お釈迦さま」とも呼ばれています。信者数は世界中で約4億人。日本を含む東アジアから東南アジアで盛んに信仰されています。この日本人に最もなじみ深い「仏教」には、イスラム教やキリスト教と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

● イスラム教やキリスト教にはない「輪廻」の考え方とは

仏教の考え方の根本に「輪廻(りんね)」というものがあります。輪廻とは、人間を含めた全ての生き物は、死んだ後も再び別の人間や生き物に生まれ変わり、永遠にそれを繰り返すというサイクルのことを指します。このような「生まれ変わる」という概念はキリスト教やイスラム教には存在しません。
死んでしまっても、また新たな命として生まれ変われるというのは、一見素晴らしいことのように思えますが、仏教ではそう考えません。なぜでしょうか。それは、仏教においては、「生きること=苦しみ」と捉えているため、いつまでも生まれ変わるということは、いつまでも苦しみ続けることになるからです。この輪廻は「悟り」を開くことで抜け出すことができるとされていて、これを「解脱(げだつ)」と言います。

仏教にも、キリスト教やイスラム教と同じく宗派が存在します。ブッダの死後、仏教は大きく「大乗仏教」「上座部仏教(小乗仏教)」に分かれました。「乗」とは教えのことであり、乗り物に例えられます。小乗仏教の世界では、出家して修行を積んだ僧侶のみが救われる、と考えます。それに対し、「ブッダならもっと大きな乗り物を用意してくれるはずだ」という思想のもとに誕生したのが「大乗仏教」なのです。日本に伝えられた仏教では、この大乗仏教を基本としています。

● 仏教のタブー

仏教において、動物の殺傷はタブーとされています。また台湾の一部で信じられている観音信仰では、牛肉を食べてはいけないなど、地域や宗派によってタブーや習慣の差があります。

英語はあくまでツール。大切なのは相手を理解し尊重すること

いかがでしたでしょうか。名前は知っていても、それぞれどのような特徴があって、どのように社会に影響を与えているのか、知らなかったことも多かったのではないでしょうか?

英語を学ぶことはもちろん大切ですが、今回紹介した宗教をはじめ、各国の政治体制などを知っておくことは、グローバル化する現代において必要不可欠と言えるでしょう。

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