知らないのは日本人だけ!?「資料作り」のグローバルスタンダードを学ぼう

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昨今の急速なグローバル化に伴い、海外進出する企業や海外企業と取引をする企業は増加しています。また、それだけにとどまらず、国内でも外国人を積極的に雇用したり、社内公用語を英語とする動きも活発化しています。

実際に、プレゼン資料や議事録・報告書などといった文書を英語で読んだり作成したり、仕事で英語を使う必要に迫られている方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、英語で資料作成する際に、知っておきたいポイントについてご紹介します。

英語で資料を作るなら、「コミュニケーションスタイルの違い」を知ることが大事!

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英語で資料を作成する際に、まず知っておきたいことは、「日本語と英語でのコミュニケーションの違い」です。もちろん、日本語と英語には言語の成り立ちに明確な差異があるのですが、この差異は国民性や文化の違いとも大きく関連しています。そのため、資料作成にあたっても、まずこの前提をしっかりと理解しておくことが大切です。

ローコンテクストとハイコンテクスト

グローバルな環境で仕事をしていく上で知っておきたいのが、「ローコンテクスト」と「ハイコンテクスト」と呼ばれるコミュニケーションの概念です。これは、アメリカの文化人類学者エドワード・ホールが、世界中の言語コミュニケーションの型を高文脈文化(ハイコンテクスト文化)と低文脈文化(ローテクスト文化)に分類したことから生まれました。

世界で最もハイコンテクストといわれる日本文化

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日本は、世界の中でも最もハイコンテクストな社会と言われています。日本の特徴のひとつとして、“Homogeneous society(同質的社会)”という言葉が使われますが、日本は少ない民族で構成されており、異なった文化やバックグラウンドを持つ外国人の流入が少ない社会です。こういった背景から、日本人特有のコミュニケーション方式として、行間を読んで相手の言いたいことを理解しようとする、「暗黙知」が存在しているとされています。

「一を聞いて十を知る」(“Hear one, understand ten. ”)ということわざのように、日本人は物事の一端を聞いただけで全体を理解しようとし、「空気を読む」ことを相手にも期待します。このようなスタイルが、ハイコンテクストと呼ばれるのです。

これに対して、アメリカやイギリス・ドイツなど、多様な文化によって成り立つ欧米社会は、ローコンテクストなコミュニケーション手段を主体としています。ここでは、文脈に依存をするのではなく、言葉で表現された内容のみが情報としての意味を持ちます。そのため、文章を書く際にも、詳細やプロセスまで説明することを重視しますし、直接的かつ明確な表現が好まれます。

このような違いがあるため、日本と同様のスタイルでは、言いたいことが伝わらない可能性が高まり、誤解や対立を生む危険性も孕んでいるのです。

資料作りの留意点

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これまで日本と海外諸国とのコミュニケーションスタイルの違いについて説明してきましたが、日本語ではなく英語で資料を作る際には、どのような点に留意したらいいのでしょうか。

1.論理やプロセスを明確にする

価値観や文化が異なる相手に何かを伝える場合には、「言わなくても分かってくれるだろう」という考えは捨て、言語化して伝えるように心がけることが大事です。

ローコンテクスト社会では、「暗黙知」ではなく「形式知」(誰でも認識が可能で、客観的に捉えることができる知識のこと)を基にしたコミュニケーションが主体となっています。つまりは、「言語化すること」が大前提であり、資料にも論理やプロセスが明確に記されていることが必要とされます。

資料作成において「形式知」を徹底するのであれば、一見分かりやすいように思えるイラストや図でも、伝わりやすさを重視するのであれば多用は控えたほうが良いでしょう。多用しすぎてしまうと、イラストの間に存在する論理を読むことを相手に要求することになるからです。こういった場合には、必要な箇所に説明文などを入れて補うなど、工夫するといいでしょう。

グローバルな環境下で、多種多様な人々の目に触れる資料を作る際には、「これは分かっているはず」という先入観や思い込みを極力なくすよう、いつも以上に意識していくことが大切です。

2.資料が読まれるのは、その場限りだと思え

資料作成における第二の留意点は、相手がその場で全ての内容を把握できるようにすること。これは、意思決定の場面における日本人と欧米人との違いと関係があります。日本では、その場で意思決定をするというよりは、会議で検討した内容を一度持ち帰り、再度検討するという流れになることも多いですよね。

これに対して、海外の会議では、その場で意思決定を行うことも多く、会議資料を再度じっくり読むということはしません。ですので、基本的には、自分が作成した資料が読まれるのは、会議中のみと考えておくのがいいでしょう。そのため、資料を作成するときには、会議中に網羅できるような内容にするよう意識する必要があります。情報過多になりすぎず、要点をしっかり抑えた資料作りを心がけましょう。

それでは、ここからは、実際に英語で資料を作成するときに使える具体的なノウハウをご紹介します。

「箇条書き」のポイント

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日本語のみならず英語でも、資料は内容を簡潔かつ魅力的に伝えることが一番大切なこと。そのため、資料には「箇条書き」(Bullet Points)が多く用いられます。

英語で箇条書きをする上で、気をつけたいのが次の2つの表記方法です。

1.主語や冠詞(“a”や“the”)を省く

英語資料において、主語が明らかな場合や、箇条書きの項目の前に主語を特定している場合などは、省略されることが多いです。また、“a”や“the”などの冠詞についても、抜いても意味が通じるものに関しては、省くことで文字数を抑え、コンパクトにします。

<例>
・We will launch a new website this year.
 →Will launch a new website this year(=主語の省略)
・Our company developed a new kind of building material.
 →Developed new kind of building material(=主語・冠詞の省略)

2.品詞などの表記方法を統一する

箇条書きの上にある文の終わりは、ピリオドではなく「コロン(:)」で結び、箇条書きの部分は、品詞を揃えるようにします。たとえば、例のように、最初の項目で動詞から書き始めたのであれば、以降もすべて動詞で統一します。

<例>
Items to be discussed:
Review the results of the questionnaire
Discuss plans for cost reduction
Share the information about the new product

なお、箇条書きの項目は、あまりにも長さが異なる場合、読み手に違和感を与えてしまうので、同じくらいの長さになるよう調整するといいでしょう。

フォント選びのコツ

日本語だけでなく、英語での資料作成でも「フォント選び」は大切です。使用するフォントにより、印象は大きく変わりますよね。選ぶ基準としては、日本語と同様で、やはり可読性(読みやすさ、読み疲れない)が重要となります。

ここでは、欧米で標準的に使用されているフォントを2つご紹介します。

1.Arial

arial
「Arial」は、Excel・PowerPointなどでも、フォントリストの一番上にあり、あらゆるシーンでよく使われるスタンダードなフォントです。滑らかな曲線を持ちデザイン性も高く、その読みやすさとシンプルさからも、ビジネスレターやレジュメ・カバーレターなど、各種ビジネス文書に適しています。また、資料をスライドに投影した時にも、可読性が損なわれないという利点も挙げられます。

2.Times New Roman

timesnewroman
「Times New Roman」も、その可読性の高さから、ビジネス文書などで一般的に使われているフォントです。こちらも「Arial」と同様、欧米では標準的なフォントなので、ガイドラインや形式などに厳しい保守的な企業向けには、このフォントを使っておけば安心でしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 「資料」はビジネスにおけるコミュニケーションの媒体となる重要なアイテムです。皆さんも、グローバルスタンダードを意識して、相手により伝わりやすい資料作りを目指していきましょう!

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