有名企業の外国人採用比率の動向から見る、多国籍化する日本の未来

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近年、日本では多様な人材を活用して企業の競争力を高めようとするダイバーシティ推進の動きが活発化しています。特に、海外進出や海外企業との取引の増加に伴い、外国人を積極的に採用しようとする日本企業の動きはますます顕著になってきています。

今回の記事では、近年行われた外国人採用に関する調査やデータをもとに、日本企業の間で今起きている変化や今後の見通しについてご紹介していきます。グローバル化に向けた有名企業の動向から見える、多国籍化する日本企業の未来とはどのようなものでしょうか?

近年の日本企業における外国人採用の動向

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日本企業における外国人採用の動きは、ますます活発化しています。最近では、アジアを中心とした海外展開を担うことができる人材獲得を目指す企業が増えており、また、開発現場を牽引する技術者の採用にも積極的です。

日本貿易振興機構(JETRO)が、海外ビジネスに関心の高い日本企業に向けて2015年11月~2016年1月にかけて行ったアンケート調査(約3,000社が回答)によると、2015年度に外国人社員を雇用している企業は44.4%という結果が出ています。(※1)

外国人採用は、自動車・電機産業などが先行していましたが、小売業やサービス業などといった内需型産業でも急速に広がってきています。また、最近では大企業のみならず、中小企業も積極的に海外展開を行う流れになってきており、販路拡大や人脈・ネットワークの活用、組織の活性化のために外国人の人材獲得に意欲的な企業は増えています。

「中途採用」→「新卒採用」へ

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企業の採用動向において、ここ数年で見られる大きな変化のひとつが、外国人社員の採用形式です。かつては、専門性のある人材の獲得を目的とした「中途採用」が中心でしたが、近年は、海外の大学・大学院を出る学生や外国人留学生をターゲットとした「新卒採用」へと変化しています(※2)

日本企業が新卒採用に積極的であるという動きは、日本経済新聞社が2016年春にまとめた採用計画調査の結果からも明らかとなっています。

「新卒の定期採用の枠内でグローバル採用をしている」と答えた企業が35.9%と15年の調査から3ポイント増えるなどグローバル人材の採用は広がっている。

出典:日本経済新聞

「外国人留学生」の積極採用の動き

また、別の調査データからは、「外国人留学生」の活用へ意欲的な企業の姿勢を垣間みることができます。株式会社ディスコが、全国の主要企業を対象に、外国人留学生の採用に関する調査を行った2015年のデータからは、「大卒以上の外国人留学生を雇用している企業は50.6%」「外国人留学生の採用を見込んでいる企業の割合は、2014年度48.4%→2016年度57.1%へと増加」という現状や見通しが明らかとなっています。(※3)

日本で就職する「外国人留学生」が増加している

実際に、日本の大学や大学院を卒業後、日本で就職する外国人留学生は急増しています。「法務省入国管理局」が発表したデータによると、在留資格を申請し、それを許可された人数は、2014年には12,958人(前年比11.3%増)にものぼります。これは、10年前の5,264人(2004年)に比べ、約2.5倍へと増加している結果となっています。(※4)

このような流れの中で、リクナビやマイナビといった国内の大手就職情報サイトも、日本で就職活動をする外国人留学生向けのサービスを提供し、就職支援を強化しています。また、政府も外国人の人材の受入れや活用をサポートすべく、規制緩和に動き出すなどこの流れを後押ししています。そのため、外国人留学生に限らず、外国人社員の採用はますます活発化していくことでしょう。

有名企業の外国人採用の取り組みについて

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では実際に、日本企業は具体的にどのような施策や方針で外国人採用に取り組んでいるのでしょうか。ここでは、最近話題となったニュースやランキングなどから、人材の国際化が進んでいる有名企業をピックアップし、その採用動向をご紹介します。

1)ローソン

2009年より新卒採用の3割を外国人にするという数値目標を設定し、2011年には3割の目標を達成しています。また、2014年には外国人の採用と研修を行う子会社を設立するといった動きもあり、グローバル人材の獲得に意欲的です。
外国人社員340 名のうち、正社員が100名程度(2014 年2月現在)で、その大半が新卒採用の外国人留学生となっています。ダイバーシティ経営推進の具体的な取り組みとして、今後も外国人留学生の採用を積極的に行う方針です。(※5)

2)三越伊勢丹ホールディングス

三越伊勢丹HDは、2016年春採用の新卒社員から外国人採用を本格的に始めると発表し、アジア出身の学生を中心に6人を採用しました。意外なことに、計画的に外国人の採用を行うのは今回が初めてとなるようです。多様な文化・価値観を持つ人材を獲得することで、多様化する消費者ニーズに対応していくことを狙いとしています。(※6)

3)東芝

東芝は、東洋経済オンラインに掲載の「CSR企業総覧」(2013年度版)をもとに作成された『外国人従業員数ランキング』においても、6位にランクインした実積を持っています。2013年には、外国人採用を従来よりも3割増やすなど、グローバル化に意欲的な企業です。その後、2015年度に行った海外企業の買収・国内での事業再編により、海外従業員比率がさらに高まり、2016年3月末の海外従業員比率は44%を超えています(※7)

4)パナソニック

パナソニックは、2011年度の新卒採用のうち、その約8割ともなる1100人の外国人を採用しました。国内の外国人社員数は300人を超えており、国際的な職場環境で働く日本人社員に対し、文化や習慣が異なる外国人社員への接し方に関する社内サイトを用意するなど、サポート体制も整えています。
また、2016年4月には、専門組織である「グローバル人事部」を本社に新設し、国内外の経営幹部・管理職の評価を世界統一していくという新たな動きも見せています。共通の基準で評価する新たな人事評価制度の仕組みを整えることで、優秀な外国人人材を獲得するという狙いです。(※8)

5)楽天

楽天は、先ほどの東芝と同様、『外国人従業員数ランキング』でも8位にランクインした実積もあり、2012年より社内公用語を英語にするなど、グローバル人材戦略に積極的な企業の代表格といえるでしょう。
楽天の採用HPでも、三木谷社長自らが英語で企業紹介やメッセージを発信している動画を掲載しており、外国人の獲得に意欲的な印象を与えています。
また、2014年に入社した開発職は、約100人中8割以上が外国籍と、外国人のエンジニア採用が進んでいます。2015年1月には、ダイバーシティ推進の象徴ともなる動きとして、開発職の採用において「新卒一括採用」から「通年採用」へと方向転換を行っています。(※9)

おわりに

いかがでしたでしょうか?
グローバル化に意欲的な日本企業による外国人採用の動きは、これからますます活発化していくことでしょう。今後の動向に目が離せませんね。

<参考URL・資料データ一覧>
(※1)「2015年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(P38:日本貿易振興機構)
(※2)加速度的に“脱・日本企業化”する日本企業 外国人採用、英語公用語化、実力主義人事…
(※3)「外国人留学生の採用に関する企業調査」アンケート結果 <2015 年11月調査>(株式会社ディスコ キャリアリサーチ)
「外国人社員の採用に関する企業調査」アンケート結果-2013年9月調査(株式会社ディスコ キャリアリサーチ)
(※4)平成26年における留学生の日本企業等への就職状況について(法務省入国管理局)
平成16年における留学生等の日本企業等への就職状況について(法務省入国管理局)
(※5)新卒外国人を呼び込みやすい環境に(日本経済新聞、2014/7/29)
外国人留学生が活躍できる基盤を5年かけて構築、ノウハウを社内全体にも水平展開(PDF形式)
(※6)三越伊勢丹HD、外国人の本格採用開始 (日経新聞社、2016/2/5)
(※7)「外国人管理職数ランキング」トップ100
東芝企業HP「事業概要」
(※8)パナソニック、ユニクロは8割……急増する外国人採用数
関西企業、ムスリム配慮 社食や寮で アジアの社員増加(日本経済新聞社、2016/9/8)
パナソニック、経営幹部の評価を世界統一 優秀な外国人採用へ(日本経済新聞社、2016/3/18)
(※9)「新規採用のエンジニア約100人中8割以上が外国籍」楽天のダイバーシティは日本のグローバル化に風穴を開けるか【特集:New Order】

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