グローバル人材を目指すために身につけておきたい「クリティカル・シンキング」とは?

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「クリティカル・シンキング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?日本語では「批判的思考」と訳されるクリティカル・シンキングは、苦手とする日本人が多い一方、グローバル人材として世界で活躍するためには必要不可欠な思考法だと言われています。

この記事ではそんなグローバル人材としてこれから世界で働くために欠かせない「クリティカル・シンキング」について解説したいと思います。

グローバル人材の必須能力「クリティカル・シンキング」

Critical Thinking Creative Brainstorm People Concept
市場のグローバル化、国を越えた人材活用、インバウンド需要などさまざまな要因から“グローバル人材”のニーズが高まっていると言われています。

以前は単に海外に出て働く人のことを指していたグローバル人材ですが、いまや働く国や場所を問わず、「世界的な視点で物事を考える人」のことを指すようになりました。世界を舞台に活躍しようというビジネスパーソンなら、英語力だけでなくグローバルに通用する物事の捉え方も身につけていく必要があるのです。

実践的な英語力と並んで、苦手意識をもっている日本人が多いと言われているのが、「クリティカル・シンキング」と呼ばれる思考法です。MBA取得者には必携の思考法と言われ、アメリカでは国籍、人種を問わず、「クリティカル・シンキングを身につけていないビジネスパーソンは出世できない!」と言われるほど重視されている能力です。

なぜ日本人がこうした思考法を苦手としているのかは後述するとして、まずはクリティカル・シンキングの意味について確認していきましょう。

「自分で考えて判断する思考力」が足りない?

Businessman without head
クリティカル・シンキングは、「批判的な」という意味の「critical」と 「思考」を表す「thinking」を組み合わせた言葉です。日本語では「批判的思考」と訳されることが多く、物事に対して批判的精神を持って客観的に分析、思考することを言います。

与えられた情報や事実をそのまま鵜呑みにするのではなく、批判的な視点を持って客観的に分析するというのがクリティカル・シンキングの基本的な概念です。

「批判的」というと、何でもかんでも疑ってかかるという後ろ向きな視点に思えますが、クリティカル・シンキングは、物事を「否定する」ための考え方ではありません。義務教育初の民間校長を務められ、中学生に実践的な社会学習を体験させる「よのなか科」などユニークな取り組みで知られる奈良市立一条高校校長の藤原和博さんは、クリティカル・シンキングを「複眼的思考」と訳されています。

藤原さんは、著書『今、話したい「学校」のこと-15歳からの複眼的思考』の中で、日本人に馴染みにくいクリティカル・シンキングをこんなふうに説明しています。

クリティカル・シンキングとは、たとえば、テレビのコメンテーターや新聞の論調を「ホントかな?」と疑う多面的で本質的な思考力のこと

正解がひとつでない問いと向き合うには、縦、横、斜めなど複数の視点から物事をとらえることが大切だと藤原さんは説きます。つまり、「常識」や「当たり前」とされていることでも、自分で考え分析し、判断するのがクリティカル・シンキングの肝なのです。

アメリカ人がディベートに強い理由

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クリティカル・シンキングは、アメリカでは1960年代から教育論として注目され、80年代には小学校低学年から教科を問わずさまざまな授業に取り入れられてきました。

九九や公式を徹底して“覚える”のが中心の日本の教育とは対照的に、数式だけでなく答えを導くまでの考え方や根拠を文章で示すのがアメリカ流。思考力を発展させて、自らの意見を自由に発するブレインストーミングやディスカッション、ディベートなどを幼少期から行うアメリカ人に比べて、与えられた正解を教わる“正解主義”に慣れている日本人がクリティカル・シンキングを苦手とするのも無理もありません。

「次の四つの中から正解を選べ」お馴染みの四択問題も「この中に正解がある」だから「その正解を素早く見つけ出さなければ」と、受験勉強のスキルを磨くのがこれまでの学習法でした。しかし、「四つの中に正解はないかもしれない」し、「正解を探すことより、なぜそれが正しいとされているのか?」と考えることの方に意味を見出すのがクリティカル・シンキングなのです。

正解主義は、基礎学力の向上や情報処理能力の向上という意味では有効です。しかし、社会に出てから直面する問題は、唯一無二の“正解”が存在しないことがたくさんあります。計算問題や四択問題のように正解がひとつではない場合に求められるのが、どれだけ多くの人に賛同してもらえるかという“納得解”を導き出す能力です。納得解を導き出すためには、そこにある事実を材料に自分で考え、時には批判的な目で物事を見たり、理解を深めたりして判断を下す必要があります。

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正解を探してしまう癖のある日本人と、そもそも正解ではなく納得解を導こうと思考するアメリカ人がディベートで戦うことになれば、どちらの言い分に論理的説得力があるかは明白ですよね。

アメリカ人がディベートに強いというのは、「自分の意見を持っている」とか、「議論慣れしている」という以上に、子どもの頃からクリティカル・シンキングで物事をとらえ、自分なりの答えを考える姿勢が身についていることに寄るところが大きいのです。

正解主義とクリティカル・シンキングの違い

・正解主義・・・・・・「絶対的な正解」にいかに早く、正確に辿り着けるかというスキルを身につけることを目的とする

・クリティカル・シンキング・・・・・・「正解はひとつではないかもしれない」という仮説の下、事実や資料を精査、分析し、自分なりの答えを論理的に導き出す

海外で活躍するために「語学力」と並行して身につけたいもの

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「学習への取り組み時間や勤勉さでは引けを取らないのに議論ができない」こうした構図は、文法や知識は完璧なのに英会話に苦手意識のある人が多いといわれる日本人と重なります。

グローバル化の流れを踏まえ、日本の教育方法を変える取り組みはすでに始まっています。2020年に、センター試験に代わる新たな大学入試制度の導入、それに伴う教育改革が予定されています。改革の根本にあるのは、選択肢の中から答えを見つける教育ではなく、クリティカル・シンキングのような思考力や判断力を身につける教育へのシフトチェンジ。小学校3年生からの英語必修化、5年生からの教科化などもこの改革の一環です。これからの教育は、クリティカル・シンキングで思考し、英語でアウトプットできるグローバル人材を見据えているのです。


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「英語はビジネスの手段であって目的ではない」すでに日本を飛び出してグローバルキャリアを歩むビジネスパーソンがよく口にする言葉です。

グローバルに活躍する人材には、学歴や資格、語学力が必要というイメージがありますが、物事をとらえる考え方、姿勢としてのクリティカル・シンキングは、間違いなく重要項目のひとつとして挙げられるでしょう。

正解を追い求めるのではなく、納得解を見つける。そのために自分なりに仮説を立て、情報や資料を精査し、分析に基づいて自分の考えを組み立てていく。世界の一流ビジネスパーソンが漏れなく身につけているクリティカル・シンキングは、次代を生きるすべての人に必要な思考法と言えるでしょう。

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