アジアの英語教育は日本に比べて優れてる?在日外国人に直撃インタビュー

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「日本の英語教育は遅れている」とよくいわれますよね。たしかに、勉強してもあまり話せるようにならないのは、日本の教育に問題があるからかもしれません。

では、日本以外の地域では、どうやって英語を勉強しているのでしょうか。実際のところ、聞く機会はあまりないものです。彼らの英語教育は日本とどこが違うのでしょうか?

今回は、アジアのいろいろな地域の英語学習者へのインタビューを通して、世界の英語教育の現実を探ってみましょう。

英語の使い方いろいろ

インタビューに入る前に、英語の使われ方についてかんたんにお話しします。

世界中の人が英語を話しているといわれています。ですが、ひとくちに「英語を話している」といっても、その使い方にはいろいろあるのです。

a.ENL (English as a native language):ネイティブとしての英語

いわゆるネイティブです。アメリカやイギリスなど、英語を使う地域で生まれ育った人や、家族が英語ネイティブの人がENLの人たちです。お金をかけて勉強しなくても、自由自在に英語を操ることができます。

b.ESL (English as a second language):第2言語としての英語

「第2言語」として英語を使う人たちです。第2言語とは、自分の生まれ持った言語以外にもう1つ使える言語のことです。

たとえば香港では、日常生活は広東語・正式な場面では英語と使い分けています。インドやシンガポールのように、1つの国の中でとてもたくさんの言語が使われているところでは、意思疎通のために英語を使っています。

ESLの人たちは、日常的に英語を使っています。そのため、会話の能力はネイティブとほとんど変わりません。

c.EFL (English as a foreign language):外国語としての英語

英語を使わない地域で生活する人たちです。日本人の英語はこのEFLですね。他にも、フランスや中国などがEFLです。英語を使う機会がほとんどないので、上達するのはとても大変だといわれています。

今回インタビューするのは、このEFLの地域の方たちです。日本人と同じように英語を使うチャンスの少ない人たちは、どうやって英語を勉強しているのでしょうか?

韓国の英語教育

英語教育・日本語教育を勉強している韓国の留学生3名が、インタビューに答えてくれました。

日本にくらべて英語教育が進んでいるといわれることが多い韓国では、5歳くらいから英語を始めるそうです。かなり早いですね。

韓国はリーディングとスピーキングに注力

学校の授業はリーディングとスピーキングにわかれています。以前はリーディングをとても重視していましたが、最近はスピーキングにも力を入れています。

スピーキングでは、ネイティブの先生が発音の練習もしてくれます。リーディングでは文法に力を入れ、教科書はほとんど丸暗記するそうです。学校だけでなく英語塾にかよう人も多く、英語にとても力を入れているのがわかります。

どうしてこんなに英語に力を入れているのでしょうか? 3人の答えはそろって「就職のため」でした。企業から、英語力がとても強く要求されるそうです。TOEIC900点をもっていないと、一流企業や国家公務員のような仕事には応募もできないのです。

英語ができなければいい職につけないという厳しい環境

では、韓国人は全員英語ができるのかときくと、3人そろってそんなことはないと答えます。そもそも、韓国社会で普通に生活していると、英語を使う必要はまったくないそうです。

「外国人に道をきかれたときくらいです。後は学校の英語のクラスだけ」

韓国のセンター試験では、英語力が1級から9級にわけられます。3級以上が英語上級レベルで、TOEICで言えば800点より上くらいだそうです。ここにランクインするのは、受験生の20%くらいしかいません。日常会話もあやしい学生も多いそうです。

2016年のTOEICテストの平均点は、韓国では679点でした。日本の516点より高いとはいえ、上級レベルになっていない受験者も多くいることがわかります。

彼女たちの話によると、英語ができる人は家がお金持ちで、塾にかよったり語学留学をしたりして英語を鍛えている場合が多いそうです。普通の家庭の人たちはほとんど英語を使う機会がないので、英語力をのばすのが難しくなっています。

英語ができなければいい仕事につくのは難しいのが韓国社会です。英語力のせいで格差がひろがってしまうという不安が、韓国人の中でも大きくなってきているそうです。

TOEIC900点の秘訣はひたすら座学

そういった中で、彼女たち自身は、どうやって英語を勉強したのでしょうか。

2人は、高校生まで英語塾に通っていたので、あまり苦労しなかったそうです。

1人は、塾に通わず自力で勉強しました。高いTOEICスコアを目指して、ひたすら問題集を解き、力をつけてきました。その結果、TOEICスコアは900点を超えています。それでも、話すことは少し怖いそうです。

「まわりの人は、英語塾や留学先できれいな英語をマスターしています。でも、私の英語は独学なので、ちょっと変な発音もある。それで笑われるのが怖いときもあります」

間違えるのが怖いのは、日本人だけの問題ではないようです。

「私たちも、英語を使うときはけっこう怖いんです。私たちの英語は完ぺきではありません。お互いさまですから、外国人同士で話すときくらいは気楽に英語を使ってもらいたいですね」

インドネシアの英語教育

東南アジアの島国、インドネシアはどうでしょうか。TOEIC990点の留学生にうかがいました。

「インドネシア人にとって、英単語はすごく簡単です。だって、同じ単語をたくさん使っていますから」

母国語が複数存在するインドネシア

インドネシアは多言語国家で、いろいろな言語が使われています。それをまとめる公用語(インドネシアのどこでも通じる言語)がインドネシア語です。

インドネシア語には英語からきた単語がたくさんあります。例えば哲学(philosophy)は「filosopi」、酸素(oxygen)は「oksigen」といった感じです。

「日本語も英語の単語をたくさん使ってますが、発音は日本語風ですよね?インドネシアでは英語の読み方をそのまま使っています。だから、たくさんの英単語を自然につかえるんですよ」

でも、単語を知っていることがマイナスになることもあるそうです。

「単語をならべただけで会話ができてしまうので、学校では文法をしっかり教えないんです。だから、私たちの英文法は世界的にみて低レベルかもしれません」

「文法軽視」なインドネシアの英語力

日本では「文法偏重」の教育がよく問題になりますが、インドネシアでは「文法軽視」の問題があるようです。

インドネシアでは3歳から英語教育がスタートします。英語教育にはとても力が入れられていて、就職活動のときも英語が話せるのが最低限のスタートラインだそうです。

とはいっても、バリ島のような観光地に行かなければ、英語を使う機会はありません。

秘訣は話す環境を自らつくりだすポジティブさ

「空港にかよいつめて、ボランティアで通訳をしました。そうでもしなければ、とても話せるようにならなかったと思います」

積極的にチャンスをさがさないと、英語上達はむずかしいようです。

「英語の勉強は負担が大きいですよ。というのも、インドネシア語は私の本当の言語ではありません。本当の言語はブギス語という言語。だから、インドネシア語だって外国語を話しているような感じなんです。さらに英語まで勉強するのはけっこう大変でした」

インドネシア語も国民にとっては「外国語」

多言語社会のインドネシアでは、「インドネシア語」も外国語。それに加えて英語まで勉強するのですから、負担は大きそうです。

「インドネシアの英語力は悪くないと思います。でも、東南アジアの中では下の方ですね。シンガポールやフィリピンのように、英語を公用語にしている地域には勝てません」

やはり、英語を使う機会があるかどうかは、大きな問題のようです。

「英語を勉強する日本の方には、もっと貪欲になってほしいです。私たちのように英語を使わない地域でくらしていると、話す機会はなかなかありません。積極的に英語を話すチャンスを探さないと、上手くなるのはむずかしいと思います」

タイの英語教育

「微笑みの国」タイの英語はどうでしょうか? 現地の大学で外国語教育を教える、現役大学教員にうかがいました。

「タイはタイ語だけで100%問題なく生活ができる地域です。英語を話すチャンスは全くありません」

やはり、タイも日本と同じ状況のようです。

「私がこどものころは、小学4年生から英語を勉強していました。最近は1年生からになりましたが、国民の英語力はそこまで変わっていないと思います」

英語力は日本とほぼ同等

タイのTOEIC平均点(2016)は496点で、日本の516点を下回っています。英語がとても得意な地域とはいえないようです。

「就職のとき、多くの企業がTOEICスコアを求めてきますが、600点あればOKというイメージです。もちろん、外国とかかわる仕事の場合はもう少し高いスコアになりますが」

この状況に対して、大学などの教育機関はどういう対策をしているのですか?

「大学の卒業試験に英語をもりこんでいます。以前はCEFR(EUで使われている語学力のランクづけ)のB1レベルで卒業できていました。かんたんな会話ができるくらいですね。でもこれからは、もう1ランク上のB2レベルが求められますよ。専門的な内容を自分の口からいえるようにならなければ卒業できなくなります」

英語学習を見直し始めているタイ

そのような改革をしている理由はどこにあるのでしょうか?

「同じ東南アジアに、マレーシア・フィリピン・シンガポールのようにとても英語が得意な国がありますよね?その国に負けているという焦りがすごく強いんです。日本でも、台湾や韓国と比べて日本の英語は……という意見が多いですよね?近くにある国に負けているというのは、やっぱり嫌なものなんです」

それらの国は、英語が公用語ですよね?勝つのはむずかしくないですか?

「それは、日本をふくむ英語が公用語でない国の共通の課題ではないでしょうか。フォーマルなものがすべて英語でおこなわれている国に対抗するのは、正直とても難しいですね」

英語をつかうことが語学習得には必要不可欠

どうすれば、彼らと渡り合えるのでしょうか……。

「かんたんには答えられないですが、やはり英語を使う機会を自力で探すしかないのではないでしょうか。今はネットがありますから、外国人と話す機会はあちこちに転がっています。ネイティブと話すことが怖ければ、ネイティブでない人と英語で話すところから始めてみてはいかがでしょうか」

タイの英語に対する焦りは、どうやら日本とよく似ているようです。

ロシアの英語教育

アジアとヨーロッパの中間、ロシアの研究仲間がインタビューに答えてくれました。彼は英露翻訳者として活躍しながら、日本語・韓国語・リトアニア語・フランス語をあやつる語学習得のプロです。日本では、こども向け英会話にもとりくんでいます。

英語よりもドイツ語を学習するロシア人

「ロシアでは、小学校に入るころから語学を勉強しはじめます。みんなが英語を勉強するわけではありません。実は、ドイツ語にもとても力を入れているんです。一部の学生は英語のかわりにドイツ語を勉強します」

ロシアの一般的な英語力は、日本とそう変わらないというのが彼の意見です。

ロシア人も発音や文法が苦手

「ロシア人はあまり英語が得意ではないので、海外に行きたがらない人もいます。旅行先としても、トルコやエジプトのようなロシア語が通じる地域が人気です」

ロシアではロシア語以外の言語を使うことは少ないので、ロシアの人たちはそこまで「英語を勉強しなければ」とは思っていません。特に、発音はあまりこだわっていないようです。

「たとえば、ロシア人は「th」の発音が苦手で、「f」の音で読んでしまう人が多いです」

「the」が「ファ」になってしまうというのは、少しおどろきですね。日本人の英語も発音がよくないといわれますが、ロシアでも同じような意見が多いそうです。

「ロシアでも、英語教育の専門家はもっと発音を勉強するべきだといっています。でも、一般の人はそこまで深く考えていません」

さらに、文法でも困らされることがあるそうです。

「ロシア語にはbe動詞のようなものがありません。だから、be動詞がとても苦手なんです。英語で自己紹介をしたとき、”I is from Russia”といってしまったことがあります。日本では、中学生でもこんな間違いはしないでしょう」

彼の意見では、ロシアの英語教育は、まだまだ発展途上なようです。では、彼自身はどうやって英語を勉強したのでしょうか?

分からなくても英語の世界に飛び込む

「私は大学生のころ、リスニングが苦手でした。英語の映画を見たりはしましたが、あまり効果がなくて……。そこで、思い切って英語で行われている授業に出ました。工学の授業で、毎回1時間のビデオをみて、そのあと討論するというスタイルだったんです。ただでさえむずかしい内容を英語で聞くのは本当につらかったのですが、勉強になりました」

英語を使う環境に勇気をもって飛びこんだ結果、英語力が大きくアップしたのだそうです。

「日本の学習者のみなさんも、まずは英語を使わざるをえない環境に飛びこんでみてはどうでしょうか。オンラインなら、英語を使うチャンスはたくさんあります」

大事なのは、失敗をおそれないで、まずは英語環境に飛びこむこと。この言葉がつよく印象に残りました。

まとめ

「英語を話すチャンスがない」

英語を使わない地域で勉強した方たちには、共通の苦労がありました。そんな中でも、英語を使う授業にでたり、ボランティアの通訳をしたりと貪欲に勉強したことが、今の彼らの英語力につながっているようです。

英語が公用語でない地域の方たちはみんな、日本人と似た悩みをかかえています。ですから、英会話でつまずいても、「私がダメだからだ」と思う必要はありません。それはEFLという地域に共通の、グローバルな悩みなのです。

オンライン英会話などを上手く使って、英語を話すチャンスを貪欲にさがすことが、英語上達につながります。世界の先輩たちの経験を活かして、チャンスをつかみましょう!

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