英語脳をつくるために大切なのは「想起力」というはなし

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みなさんは、自分の記憶力に自信はありますか?人の顔や名前を覚えたり、予定や新しい業務の内容を覚えたり…と、日常生活や仕事でも記憶が必要となる場面は何かとありますよね。

英語学習でも、切っても切り離せないものがこの「記憶力」です。実際、英語を勉強するときには、単語やフレーズ・文法など、いろいろと覚えなくてはいけないものがあります。しかも、いざ実践の場で、ここぞというときに限って「あれ、英語でなんて言ったっけ?」となってしまう……学習を進めていくと、こんな場面に遭遇することもきっと多いはずです。

では、このように「覚えているのに、なかなか思い出せない…」という問題を解消していくためには、一体どうすればいいのでしょうか?

今回の記事では、我々の記憶のメカニズムの観点から「想起力」というものに注目し、そこから導き出される効果的なトレーニング方法をご紹介していきます。

記憶のメカニズム:記憶の3段階とは?

ひとことで「覚える」「記憶する」といっても、実は記憶には3段階あるということはご存知でしょうか。その中のひとつが、今回フォーカスする「想起力」です。まずはこの3つについて、簡単にご説明していきますね。

1.銘記(覚える力)

記憶といったらまず思い浮かぶものがこの「銘記」です。銘記とは、いわゆるインプット作業のことで、つまりは情報を頭に入れていくこと。本や教材・教科書などの内容を、頭の中に記憶として蓄えていくことです。

2.保持(忘れない力)

「保持」とは、取り入れた情報を忘れないように頭の中に保存しておくこと。例えば、テストや試験前に一夜漬けで覚えた内容は、試験後にはきれいサッパリ忘れてしまう…なんてことがあるかと思いますが、これは保持力が弱いからなのです。

かの有名な「エビングハウスの忘却曲線」でも、人は覚えたものを一日後には74%も忘れてしまうという結果がでていますが、保持のためには定期的に復習をして、記憶を定着させていく必要があります。

3.想起(思い出す力)

「想起」とは、保存された情報を思い出すこと。冒頭で述べた「覚えているのに、思い出せない」というパターンは、実は記憶から失われてしまったというわけではなく、この「想起力」が弱いことに起因します。ちなみに、想起はさらに次の3つに分けられます。

・再生…保持されている記憶がそのままの形で再現されること
・再認…以前経験したことを「経験した」と認識できること
・再構成…保持されている記憶のいくつかを組み合わせて再現されること
(※引用元URL:http://kagaku-jiten.com/cognitive-psychology/perception/memory-processes.html)

このように、記憶のプロセスには「銘記」「保持」「想起」の3段階があります。この3つをそれぞれ強化していくことは、記憶力を向上させていくにあたり、とても重要となってきます。というのも、覚えることができたとしても、それを保持できなければいずれは忘れてしまう。また、仮に保持できていたとしても、それを思い出せなければ、意味がありません。

特に、実践的な英語力を身につけていくためには、最後の「想起力」が大事な要素となります。必要な情報を素早くアウトプットできる・覚えたものをすぐ使える状態にしておくことが、実践のコミュニケーションの場では必要となります。

では、この想起力を高めるためには、どのような学習方法が効果的なのでしょうか。具体例とともにご紹介していきます。

想起力を鍛える3つの方法

1.コロケーションで覚える

コロケーションとは、簡単にいうと「単語と単語の組み合わせ」のことです。日本語では「共起表現」や「連語」と呼ばれます。単語には、自然な組み合わせや繋がりというものがあり、いわゆる相性があるんですね。いくつか具体例を挙げてみましょう。

たとえば、「コーヒー」という単語とよく使われるものとして、「濃い」「薄い」という表現がありますよね。この場合に使われるのは、“strong”“weak”という単語です。“heavy”や“thin”とはいいません。そして、この語彙情報を覚えるためには一語一訳で覚えるよりも、「濃いコーヒー=strong coffee」とひとかたまりにして覚えた方が定着しやすい、というのがコロケーションの発想です。

同じように、「注文する・発注する」という日本語を英語にするときには、“place an order”という表現がよく使われます。この“order”という単語と相性がいいもののひとつが、“place”です。ちなみに、これはTOEIC試験でもよく出てくるフレーズなのですが、コロケーションを知っていることで、すぐ解答できるような問題も多いですよね。

このように、単語には組み合わせというものが存在しています。ある単語の前後には、どのような単語がよく使われるかということを意識して学習することは、想起力を高めていくのにとても効果的です。また、実際の会話で使えるようになるためには、個々の単語の意味だけではなく、その単語がどのような言葉と一緒に使われることが多いのかまでセットとし、ひとかたまりで覚えていく。これにより、自然なフレーズも身につけることができます。

2.付帯情報と関連付けて覚える

単語やフレーズを覚えていくときには、それを記憶したときの状況と一緒に覚えていくといいでしょう。つまりは、「特定の情報に、別の情報を付け加えて記憶していく」というやり方です。

たとえば、オンライン英会話のレッスンや仕事で英語を使う場面で出てくる新しい単語やフレーズ。これらの言葉を誰が発したのか、どういった文脈で使ったのか。前後の情報とともに、ここにも注目してみてください。

他にも、その単語を覚えるときに、講師や同僚・クライアントなどの顔を思い浮かべるのも良いでしょう。どんな表情だったのか、どんな声のトーンだったのか、どういったシチュエーションで出てきた言葉なのか……このように、ある単語の意味だけを単純に覚えるのではなく、他に付随する情報を出来る限り紐付けて覚えることにより、それを思い出すきっかけを増やすことができ、連鎖的に記憶が想起されるようになります。

3.イメージと結びつける

単語・フレーズなどを覚えるときには、視覚情報を増やす。これも、想起力を高めるのにとても効果的な学習方法だといわれています。具体的には、イラストやイメージ・写真などとセットで記憶するというやり方です。市販の単語本や教材の中には、イラストを取り入れたものがありますよね。これは、左脳と右脳の両方を使って記憶していくことができるため、効果的であるといわれています。左脳を使い、単語や表現を文字として覚えるだけではなく、右脳も使ってイメージと一緒に脳に記憶することで、想起力を高めることができます。

仮にそういったものがない場合でも、インターネットの画像検索で写真やイラストを探してみたり、自分で簡単なイラストを書いたりすることでも、視覚情報を増やしていくことはできます。また、イラストに限らず、簡単なメモやペンを使ってのマーキングなどでも、思い出すきっかけを作ることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。想起力を鍛えて覚えたものをすぐに引き出せるようにして、“使える”英語力を身につけていきましょう!

【参考】【心理学用語の学習】(http://psychologist.x0.com/terms/116.html)

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