最近話題の「英語の大学入試改革」。結局なにがかわるの?

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2020年度より大学入試センター試験(以下、センター試験)に代わり、「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が実施されるという話は耳にされた方も多いのではないでしょうか。

しかし、その変更点や試験の概要について、正確に幅広く理解されているとはいい難い状況です。

今回は、2020年度、つまり現在の高校1年生からが受験対象となる「共通テスト」のポイントを整理したいと思います。

従来の英語試験が「2技能」から「4技能」に。

今回の共通テストにおける最大の変更点は「4技能」化への変更であることは間違いないでしょう。従来のセンター試験で測られていた「読む・聞く」の2技能に、2020年度からの共通テストでは「書く・話す」を加えた4技能が測られることになります。

この変更による教育界へのインパクトは相当大きなものになります。大学入試を見据えた受験産業だけではなく、高校や中学校で行われている授業にも大きな影響を与えるでしょう。

実際に、現行のセンター試験でもそれまでの「読む」にプラスして、2006年度から「聞く」技能を測定するリスニングテストが導入されました。この年度をさかいにして、中学や高校の授業における「聞く」能力に焦点を当てた授業が極端に増加しました。

今回の変更においても、予備校や英語スクールなど、2年後の変更を見据えて早くからその対策コースを導入し始めています。

この変化の背景には経済界からの強い要望があったようです。何十年も前から「日本の大卒新入社員は中学校から英語を10年間も勉強してきたはずなのに全く話せない」という不満を持つ企業が多くありました。

「英語が使えない日本人」というイメージも多くのグローバル企業が持っていました。楽天の三木谷社長なども文科省の有識者会議のメンバーになるなどして、強く行政側に要望してきました。

このような社会全体の動きが今回の共通テストにおける4技能化につながってきたと言えるでしょう。

4技能テストの実施方法

4技能化される共通テストにおいて、多くの人が「どうやって、話す・書くを評価するの?」と疑問を持たれるでしょう。従来の「読む・聞く」といった英語力は他の教科と同じようにマーク方式で評価されてきました。しかし、当然のことながら「書く・話す」といった能力はマーク式では評価できません。

そこで活用されることになったのが、民間の英語外部試験なのです。2020年度からの試験では、TOEIC、GTEC、英検(新形式)など8種類の民間試験が利用されることになりました。

これらの試験を高校3年生の4月から12月の間に受験し(2回まで受験可能)、その成績が大学入試センターに送られ、各大学の入試で活用されるのです。

外部試験活用に問題はない?

外部試験の導入について懸念を持たれる方も多いと思います。実際に外部試験導入の時期が近づいてくるにつれ、メディア等でもこのような話題が取り上げられることも増えてきたようです。次の2つが代表的なものです。

テストの公平性について?

今までのセンター試験では同じ日の同じ時刻に試験が行われてきました。しかし、外部試験では試験の実施日時も実施形態も異なります。

具体的には先述の通り、試験は3年生の4月から12月に行われます。大学受験を経験された方なら記憶にあると思いますが、この高校3年生の4月から12月という時期は人生の中でも最も学力(英語力)を伸ばせる時期のはずです。

こういった時期の4月に受けたテストと12月に受けたテストの成績を同列に比較することに対する疑念は大変大きくなっています。

また、受験地や受験料の問題もあります。そもそもテストによっては試験自体が実施されていない都道府県もあります。

また、受験料も受験生が負担することになります。地方に住んでいる受験生の中には、前泊しなければならない場合や、新幹線などの交通機関を利用しなければならないケースも考えられます。

テスト内容について

大学入試問題は、高校で学ぶべき学習内容をどれだけ理解できているかという基準で作成されるべきです。

実際に、現行の大学入試センター試験は、学習指導要領と呼ばれる高校での学習内容に準拠しているかが綿密に調べられています。一方、外部試験は当然のことながらその目的も対象も異なります。試験自体の歴史も現在の学習指導要領よりも古いことから、学習指導要領に準拠しているとは言えません。

このように、学校の教育内容に準拠していない試験を大学入試で用いるということに疑問を持つ関係者も多くいます。

まとめ

今回の「4技能」化される大学入試改革に私は賛成しています。全国の高校生の「英語を話す」「英語を書く」能力は格段に向上するはずです。

しかし、一方で、その公平性や妥当性には懸念が残ります。また、人生を左右するともいえる大学入試においてこの公平性と妥当性は非常に大切なことです。2020年度の実施までにこのような懸念が払しょくされること願っています。

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