語学向きの性格なんてない?言語科学から見る英語と性格のはなし

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英語を勉強していて思わせられるのが、性格で損しているんじゃないかということです。「あの人は明るくて元気だから、積極的に外国人と会話できて羨ましい。自分はメンタルが弱いからなあ……」筆者は以前こんなことばかり考えていました。

ですが、開放的な性格の友人にも悩みがあるそうです。「机に向かって本を読むのが苦手だから、むずかしい単語は全然おぼえられない」つまり、日常会話がペラペラになっても、中身のあることが言いづらいこともあるようです。

こうしてみると、英語で得する性格ってほんとうにあるのか気になりますよね?

今回は、英語の勉強と性格の関係について考えてみましょう。

性格と語学力の関係とは

言語習得と性格にはどんな関係があるのでしょうか? 特に注目されているのは「外向的」「内向的」の違いです。外向きの人はどんどん外国人と話すので、会話がすぐに上達しそうに思えます。反対に、内向きの人はなかなか会話が上達しないように思えますよね。

「内向き」「外向き」については研究が積み重ねられているようです。例えば、少し古いものですが、日本人を対象にした実験があります(Busch 2000)。この実験では、日本の学生の性格を、心理学のテストで外向型と内向型に区別しました。その上で英語の授業を受けさせた結果

・英語上達と性格(内向・外向)にはほとんど関係がない。
・内向的な人は、外向的な人にくらべて少しだけ発音が上達しやすい。
・外向的な男性は、そうでない人にくらべて少しだけ会話が上達しやすい。

というような結果が出ています。でも、性格で語学力が決まってしまうというほどのものでもありません。その他の調査でも、内向きな性格だから語学が上手くならない、という結果はでていません。

一方で、性格によって勉強法がちがう、ということはよくあります。外向的な人は積極的に外国人を探して練習する一方、内向的な人はできるだけ授業の中から学び取ろうとする傾向があるようです。例えばWakamoto (1982)の実験では、外向的な人はどんどんネイティブに質問し、コミュニケーションの中で学んでいく傾向があると言われています。

・性格で語学力は決まらないのではないか?
・ただし、性格によって好きな勉強法は違う。

言語習得研究から、このように考えられそうです。

ここからは、筆者自身の意見を述べさせていただきたいと思います。

外向的な人はやっぱり話すのが上手くなる

外向的な人は、確かに話すのが上手くなりやすいです。決して上手でなくても、積極的に友達を作って話しかけます。練習の機会が多いので、上手になるのも早いです。

外向的な人は、スタートダッシュが速いのです。私のようなタイプがまごまごしている間に、あっというまに日常会話をマスターしてしまいます。

外向的な人はインプット不足になりがち?

スタートダッシュに強い外向的な性格の人たちですが、そこで息切れしてしまった友人・生徒さんも少なくありません。

言語のマスターには良質のインプットの必要です。日常会話だけでは、どうしても似たようなフレーズばかりが出てきてしまいますから、インプットの種類が少ないのです。新しい刺激を求める性格の方たちですから、これではだんだん飽きてきてしまいます。

・日常会話だけではインプット不足
・外向的な性格だからこそ、刺激が足りずにだんだん飽きてしまう
・結局、語学をやめてしまうことに……

外向型の人が語学で挫折するのはこういうパターンが多いのではないかと思います。

内向的≠語学ができない

内向的な人は、スタートダッシュが遅くなりがちな印象です。どんどん友達を作って…というのが苦手なので、どうしても教科書を読むのが中心の勉強になりがちだと思います。

ですが、その分「正確さ」については内向型の方が上の印象です。冒頭の「内向型の方が少し発音が上手だった」という結果にもそれが現れています。論文の筆者は、「内向型の人は、よりていねいに発音を練習するからだろう」と述べています。私もそうではないかなと感じます。

内向的な人は語学で損をする?

内向的な性格の方の弱点は、やっぱりアウトプットが不足してしまうことです。外国人と話すのが苦手(あまり興味がない)なので、口が語学に慣れていきません。ものすごく勉強しているのに、話すことができない方はタイプだと思います。

・会話やチャットに興味がない
・知識はあるが慣れていない
・話せない・書けない

この悪循環で苦しんでいる方が多いと思います。

外向的な人向けの勉強法

スタートダッシュに強いが飽きっぽい、という外向型の方には、意識的にインプットの質を上げるのがおすすめです。

少しずつインプットを増やそう

英語学習の目標にもよりますが、中身のあることを言おうと思うと、どうしても日常会話の語彙では足りなくなりがちです。映画などで地道にインプットを増やしていくのも手ですが、時間がかかってしまいます。TED TALKSなど、よい動画教材もありますが、硬いテーマが多い上に長いので、途中で飽きてしまうかもしれません。

筆者がおすすめしたいのは、YouTubeの「解説系」動画を見漁ることです。自分のすきなものについて、英語の短い動画をたくさんみるのはとても刺激的です。

筆者が最近みて「面白い」と思ったのは、任天堂の『星のカービィ』シリーズ解説動画です。

短い動画で、人気ゲームの豆知識をたくさん仕入れることができます。もちろん、明日からの話題にもなるのです。

会話の中から新しい表現を学び取ろう

よくある方法ですが、会話の中で「ワンランク上」の表現を使ってみるのもよいです。「Do you have time?(時間ある?)」の代わりに「Let’s go hanging out!(遊びに行こうよ!)」を、「Can you come?(来られる?)」の代わりに「Can you show up?(来られる)」を使ってみましょう。

「hang out」「show up」は「句動詞」と呼ばれています。外国人はなかなかできない句動詞を使えれば、会話も一気にネイティブらしくなるのです。会話の中でレベルアップできるテクニック、この記事(https://www.rarejob.com/englishlab/column/20180712/)も参考に、ぜひトライしてみて下さい。

内向的な人向けの勉強法

内向的な性格の場合は、上手なアウトプットを目指しましょう。

無理に話さなくてもOK!

語学の基本はインプットです。話せないことに罪悪感を持つ必要はありません。もしかしたら、今は話す必要がないだけなのかも?インプットが足りてさえいれば、話す訓練を少し受けるだけですぐに話せるようになります。今は、自分の英語力に水をやるようにインプットしましょう。

冒険のオンライン英会話

アウトプットはしてみたいけれど、知らない人といきなり話すのはなあ……と思ったら、オンライン英会話を試してみましょう。画面越しに、手軽に英語を話すことができます。高校と英会話スクールを結んでオンライン英会話をさせる実験では、学生たちはどんどん緊張が解けて、話せるようになっていきました。

それもハードルが高ければ、スマートフォンの録音アプリを使い、そこに日記を吹き込んでいくのがおすすめです。英語を口から出す練習ができる上に、誰に聴かれることもありません。これだけでも、アウトプットの不足を補えるのです。

まとめ

性格と語学力そのものには大きな関係はありませんが、勉強法は異なります。
自分に向かない勉強法を続けると、どんどん語学が嫌になります。負担なく続けるためには、自分に向いた勉強法を探すことが大切です。

この記事を参考に、オリジナルの勉強を見つけましょう!!

参照文献
BuschDeborah. (1982). Introversion-extraversion and the EFL Proficiency of Japanese Students. Language Learning32, 109-132.
WakamotoNatumi. (2000). Languge learning strategy and personality variables: Focusing on extroversion and introversion. IRAL38, 71-81.
廣森友人. (2015). 英語学習のメカニズム. 大修館書店.

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