英語の「must」っていつ使う? 「have to」との違いは?

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英語の助動詞の中で「しなければいけない」と言う意味で使われるのが「must」です。
一見かんたんそうですが、have toshouldなど似たようなフレーズが多くて混乱してしまうこともありますよね。

You must finish your paper.

You have to finish your paper.

You should finish your paper.

どれも「レポートを終わらせなさい」と言う意味ではありますが、この3つ、一体何が違うのでしょうか?

結論からいうと、mustは「何があっても絶対にやらなければいけない」ほどの強い義務を表わすのです。

英語のmustは助動詞

mustは「しなければならない」を表わす助動詞です。まずは、助動詞についてかんたんに復習します。

助動詞は動詞のすぐ前に置きます。三単現のsなどはつきません。

He must find a job by the end of this year.
彼は何があっても今年の終わりまでに仕事を見つけなければいけない。

ネイティブが面白いと思う日本語が、「今年のマストアイテム」です。must itemには動詞がないので、英語的には不自然になります。

item you must have
絶対に持たなければいけないアイテム

このように、動詞の前に置くと自然になります。

英語のmustはニュアンスがかなり強い

must=しなければならないという翻訳は、ニュアンスがちょっとずれています。mustはかなり大げさな表現で、「何があってもしなければいけないんだ!」くらいのニュアンスがあります。
「したほうがいいよね」「しなくちゃ」くらいであれば、have toのような別の言い方をした方が自然になります。

英語のmust とhave toは何が違うの?

mustの方が強い意味をもつ

mustはかなり意味が強くなります。mustを使うと、どうしても大げさな表現になってしまいます。先ほどの例で言えば

He must finish his paper.
彼は何があっても絶対にレポートを終わらせなければいけない。

He has to finish his paper.
彼はレポートを終わらせなきゃいけない。

これくらいのニュアンスの違いがあります。そのため、mustを使うのはかなり大きな義務のあるときになります。

We must preserve the environment of the earth.
地球の環境を守らなければならない。

こんな人類レベルの義務でないと、mustは使いにくいのです。

英語のmustは助動詞:形が変わりにくい

He must finish his paper.

He has to finish his paper.

どちらも、「彼はレポートを終わらせなければいけない」という意味です。ですが、have to のhaveは動詞なので、三単現のsをつけなければいけません。mustはそういう変化がありません。

He must have finished his paper yesterday.

He had to finish his paper yesterday.

「昨日」のように過去の場合は、must have + 過去分詞の形になります。have toの方はhaveを過去形にするだけでOKです。

英語のmustの否定形は「絶対にやるな!」

mustの否定must not (mustn’t)は「絶対にやるな!」という強い禁止です。have toの否定don’t have toは「しなくていいよ」という許可になります。

You must not (mustn’t) work when you catch a cold.
風邪を引いてるときは働くな!

You don’t have to work when you catch a cold.
風邪を引いている時は働かなくていいよ。

mustを使うと、絶対にやるなよという禁止になります。インフルエンザなのに無理に職場に来る人には「You MUST NOT come」と言うと「お願いだから絶対に来ないでくれ」というニュアンスが伝わるでしょう。

don’t have toを使うと、来なくてもいいよという許可の言い方になります。無理をしている人に「休んでいいよ」と伝える表現です。

英語のmustとshouldは何が違うの?

mustとshouldはどちらも助動詞で、「しなければいけない」という義務を表します。この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。

結論からいうと、mustの方がより「強い」表現です。

英語のmust>should 絶対にやり遂げるのがmust

mustの義務はshouldと比べてもかなり強いです。

I must do that!
絶対に私がやらなければ!

I should do that.
私がやったほうがいいかな

日常会話でmustを使うと、ニュアンスが強すぎて怖くなってしまいます。普段ではshouldを使うのが良いでしょう。mustを使うのは、絶対にやり遂げる! という強い意志を見せたい時です。

I must stop smoking!!
絶対に禁煙してやる!!

I should stop smoking.
禁煙した方がいいだろうなあ。

絶対こうするぞ!と宣言する場面では、mustを使うことでそのニュアンスを表せます。

英語のmustは勧誘に使える

「是非来てね!」と言った勧誘にはmustが良いでしょう。

〇You must visit us when you come to Japan!
日本に来るときは絶対会いに来てね!

△You should visit us when you come to Japan!
日本に来るならこっちにも来た方がいいよ。

お誘いはmustを使うと良いでしょう。mustの持っている「強さ」が、そのままお誘いの気持ちの強さになります。

英語のmustは「未来の可能性」に使いにくい

英語では「これからこうなりそうだ」と思った時に助動詞を使います。例えば、空模様を見て「やばい、これ降りそうだね」と言おうとする場面で

〇It should rain.
こりゃ降るだろうなあ

△It must rain.
何があっても絶対に降る!!

shouldとmustではかなりの違いがあります。shouldはただ話している人が思っているだけです。mustを使うと、「何があっても絶対に降る! 俺は知っているんだ!」くらいの強い確信になってしまいます。雨が降るかどうかは100%予測できるものではないので、mustは使いにくいです。

未来の予測ではshouldの方が使いやすいでしょう。

英語ではmust notは強烈すぎる?

mustの否定形を使うと強烈な禁止を表します。「しないでください」くらいのニュアンスならshouldn’tを使いましょう。

You mustn’t smoke here.
ここで絶対にタバコだけは吸うな!

You shouldn’t smoke here.
ここではタバコはご遠慮ください。

shouldの方が穏やかな言い回しになります。

英語のmustをもっと学びたい方へ

mustには紹介しきれなかった意味や面白い表現がまだまだあります。もっとmustを勉強したい方におススメなのが
デイビット・セイン 古正佳緒里『ネイティブが教えるほんとうの英語の助動詞の使い方』研究社です。
とてもわかりやすい文章で、英語の助動詞の細かなニュアンスや使い方の違いを徹底解説しています。山ほどの語学参考書を見てきた私が、一番わかりやすいと確信している一冊です。ぜひお試しください。

『ネイティブが教えるほんとうの英語の助動詞の使い方』

まとめ

助動詞は英語のニュアンスのカギを握っています。辞書的に覚えるだけでなく、ニュアンスや使い分けまで含めて理解すれば、英語の幅がグッと広くなります。

筆者はmustとshouldの使い分けを知らなかったころ、研究室で通話している外国人に「You mustn’t talk on your phone here!(ここで電話だけは絶対にやめろ!)」と注意してギョッとされてしまったことがあります。ここではshouldを使って「やめてくださいね」というニュアンスを出すべきでした。

この記事を読んだあなたなら、こういう失敗は起こらないに違いありませんよ。

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