英語でやさしく「怒る」方法

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英語を使っていると、どうしても怒らなければいけない場面がでてきます。

仕事でミスをしたとき、約束を守ってもらえなかったときなど……怒り方は日本語でも気を使うのに、どうやって英語で言ったらいいのでしょうか?

ポイントは、「私は」嫌だったと強調することにあります。

英語で怒るフレーズは日本語と大きく変わらない

叱り方には2種類あると言われています。”I”メッセージと”You”メッセージです。

相手の行動で困った時に、「誰を主語にして叱るのか」という違いが重要だと言われています。

・”I”メッセージ

I was shocked.
私はショックだった。

I don’t want you to do so.
私はそういう風にしてほしくない。

・”You”メッセージ

You are wrong!
あなたが間違っている。

You broke your promise.
あなたが約束を破りました。

“I”メッセージは「私の気持ち」なので、相手を厳しく批判する感じにはならず、やわらかいニュアンスになります。一方で、”You”メッセージは「あなたが悪い!」という攻撃的なニュアンスになります。

英語で怒るなら”I”メッセージを使おう

あなたが悪いんだ! と直球で言われるよりも、「私はショックだった」と言われた方が、言われた側は受け止めやすいもの。

英語でも日本語でもそれは変わりません。怒るときには、”I”メッセージを出すことで、感情的にならずに済みます。

英語で怒るとき、使ってはいけない”You”メッセージ

逆に、使ってはいけないのが”You”メッセージです。「あなたが悪い」「お前のせいで」「どうしてあなたはいつもいつも…」こんな風に言われたら、やっぱりショックですよね。

「英語は直球の言語だ!」と思っている方が多く、英語で話すとなんでも”You”メッセージを出してしまう方がいます。でも、それで相手を傷つけたり、よけいに起こらせたりしてしまうのです。

英語で怒るときに使える「キツすぎない」フレーズ

頭に来た! こんな時、人間関係を壊さずに叱るにはこんなフレーズが便利です。

英語で怒る:I was shocked ~.

I was shocked that ~.
~のことで私はショックでした。

「私はショックを受けました」という”I”メッセージです。

I was shocked that you drank so much.
あなたが飲みすぎてしまってショックでした。

「私がショックだった!」ということを強調しているので、優しいニュアンスがあります。”You”メッセージを使うと、

Why can’t you stop drinking?
なんでお酒を止められないの?

相手を詰めるようなニュアンスが出てしまい、キツい一言になってしまいます。

I was shocked that your team didn’t meet the goal.
チームが目標を達成できずショックでした。

I was shocked that you plagiarized the work.
あなたがあの作品から剽窃したことはショックでした。

「私がショックだったのだ」と強調することで、コミュニケーションのコストを下げることができます。

英語で怒る:I felt let down ~.

I felt let down that ~.
私は残念でした。

「あなたに期待していた分、残念でした」というニュアンスを伝えるなら”feel let down”が使えます。ちなみに、”let down”はがっかりするという意味で、”won’t let you down”(期待にお答えします!)のような形でよく使われますね。

I felt let down that you missed the deadline.
納期を守っていただけず、残念に思いました。

I felt let down that didn’t do your best.
本気で取り組んでもらえなかったのが残念です。

feel let downも使いやすい”I”メッセージです。

英語で怒る:I was disappointed that ~.

I was disappointed that ~.
私の期待からは外れていました。

disappointedも、期待していたからこそ残念だったという時に使えます。「がっかりした」というニュアンスが強いですね。

I was disappointed that you were late.
遅刻してしまったのは残念でした。

I was disappointed that you broke your promise.
約束を守ってもらえなかったのが残念でした。

“disappointed”は「がっかりした」というニュアンスで使われます。直球すぎない「残念」の言い方ですね。

“I”メッセージの副作用:押しつけがましくなる場合も

“I”メッセージはやわらかい表現ですが、あまり使い過ぎると「はっきりしない」言い方になってしまう場合もあります。

もってまわった言い方ばかりしていると、「結局だれに責任があるのか?」がわかりにくくなってしまう場合も。時には直球で怒ることも大事です。

ただし、「英語は直球の言語だから」という理由で”You”メッセージを出し続けると、攻撃的で怖い人になってしまいます。”I”メッセージを使いこなすことで、コミュニケーションの手札を増やすことができるのです。

英語で怒ることができると、怒りも理性的になる

英語を使わない人でも、英語での怒り方をマスターする価値があります。自分の怒りをいったん収めることができるのです。

自分の怒りを一度翻訳するということ

英語で怒れるようになるとはどういうことでしょうか。自分の怒りをいったん収めて、外国語に翻訳できるようになるということです。

日本語なら、気持ちのままに怒鳴りつけたり、皮肉ったりすることが出来てしまいます。でも、外国語なら「あれ、これって英語でどう言うんだっけ」と冷静になる瞬間が出てきませんか?

感情→怒りから、感情→外国語→伝えるへ

日本語では、「頭に来た!」→「怒る!」まで一直線です。

英語ならどうでしょう。「頭に来た!」→「どうやって言えばいいんだろう?」→「伝える」というパターンになりますよね。

いったん自分の怒りを「翻訳する」ステップが入ってくると、冷静な頭に戻れるのです。怒りを客観的にみることは、日本語だけで生活しているとなかなか身につきません。

でも、外国語を勉強することで、「怒ることで相手になにを伝えたいのか」が明確になりませんか? 「外国語を勉強すると日本語が磨かれる」とよく言われます。感情とのつきあい方は、英語を通して磨かれるのです。

まとめ

グローバル化が進む中で、外国人とのつきあいで不愉快な思いをすることも増えてきます。英語を使うなら、「楽しい」だけでなく「頭に来た」ことも英語で伝えなければいけないのです。

怒るのは心の消費カロリーの大きい行動です。人間関係にひびが入ることだってあります。だからこそ、伝わりやすい怒り方を身につける必要があるのです。

英語の怒り方を身につけて、真のグローバル人材になりましょう!

参考:
https://www.beyondintractability.org/essay/i-messages

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