「on」は私たち日本人にとってむずかしい表現の1つです。学校英語では「上に」という意味で教えますよね。でも、「上に」だけでは説明できないものがたくさんあります。例えばTOEICの指示で出てくる「Go on to the next page(次のページに進んでください)」のようなフレーズはどう理解したらいいのでしょう?
実は、onにはもっと本質的な意味があるんです。
今回はonの意味について「乗る」「続く」「機能する」に分けてご紹介します。
英語のonの意味:「乗る」
onのいちばん基本的な意味は「乗った状態」です。何かの上に何かが乗っていることが大事なんですね。乗っていると、
・上にある
・くっついている
この二種類の状態が想像できると思います。
英語の「on」の中心は「くっついた状態」
To sit on the chair.
椅子に座る。
To put the cup on the table.
テーブルにコップを置く。
椅子に座るとき、必ず体は椅子の上にありますよね? テーブルにコップを置くときも、必ずコップはテーブルの上にあります。
日本語ではいちいち「椅子の上に座る」「テーブルの上に置く」と言わなくてもわかりますが、英語では必ずonをつける必要があります。
A picture on the wall.
壁にかかっている写真。
onの大事なポイントは、「くっついている場合はonを使う」ことです。壁にかかっている絵は、「上」とは思いづらいですよね? でも、英語ではonを使わないといけません。ネイティブは、くっついている=上にあるものだと思っているからです。
onは、「くっついている」ことを表します。「くっついている」場合には、名詞の前にonが必要になるのです。
「今電車!」英語ではI’m in the train? on the train?
電車の中にいるときに、外国人から電話がかかってきたシチュエーションを想像してみて下さい。今電車にいるよ! 後でかけて! と言いたい時、どっちが正しいでしょうか?
I’m in the train.
I’m on the train.
inは「中」、onは「上」だと教わりましたよね? 私たちの感覚では、「電車の中にいる」ので、in the trainを使いたくなります。でも、実際はon the trainもよく使われているんです。
「足が電車の上にくっついている」「体が椅子の上にくっついている」、立っていても座っていても、何かの上にくっついていますよね? 英語では「上にある(接触している)」方に注目して、onを使ってもいいのです。
頼る=何かに乗っかるイメージ だから英語ではon
「頼る」「依る」のように、なにか別の物の力を借りる動作はonを使います。別の物に乗っかっているイメージがあるからです。
My mother relied on me for financial support.
母は経済的に私に頼っている。出典:Merriam-Webster Dictionary
We’re not sure if we’ll have the picnic. It depends on the weather.
ピクニックができるかは今のところ分からない。天気によるよ。出典:Merriam-Webster Dictionary
別の物に頼っている時には、onが出てきやすくなります。
英語では、「乗っている」時にonを使います。そこから「触れている」「頼っている」というニュアンスが出てきます。
英語のonの意味:「続く」
英語のonの意味の中で、とても大事なのにしっかりと教えられていないのが「続く」です。何かの動作が続くときに、動詞の後ろにonが出てきます。
英語のonは「その状態が続く」ことも表わせる
動詞の後ろにonが出てくると、その動作が続いていることが表わせます。例えば、よく使われるのがkeep onです。
The rain kept on throughout the day.
雨は一晩中降り続いた。出典:Merriam-Webster Dictionary
keepの後にonがついているので、「降り続いたんだ」ということが強調されています。その他にも、go onで「○○し続ける」という意味になります。
He went on talking.
彼は話し続けた。出典:すずきひろし・ミツイ直子『イメージで比べてわかる前置詞使いわけBOOK』ベレ出版
onがついていると、動作が「ずっと続く」ことが強調できるのです。
Go on to the next page.
次のページに進んでください。
次のページに~というのは、引き続き問題をやって下さい! という意味ですよね。「続いて」のニュアンスを出すためにonをつけているのですね。
長く続けられる動作+onは「続く」になりやすい
長く続けられる動作の後にonが来ると、「ずっと続く」場合が多いです。
His legend lives on.
彼の伝説は生き続ける。出典:Merriam-Webster Dictionary
She thought about retiring, but she finally decided to stay on for a few more years.
彼女はやめることも考えたが、後何年かは続けると決心した。出典:Merriam-Webster Dictionary
live(生きる)、stay(留まる)のような動作は、長い間続けるのが普通です。こういった動詞の後にonが付くと、「続ける」というニュアンスになりやすいのです。
英語のonの意味:「機能する」
onの意味の中でも、意外に忘れられがちなのが「機能する」のonです。何かが使える状態の時にonを使うのですね。オフのスイッチをオンにすると、テレビが観られたりエアコンが付いたりします。そんなニュアンスのonです。
英語のonの「機能する」用法:スイッチオンのオン
日本語でも「スイッチをon/offにする」と言いますが、英語でも同じようにonを使います。
Turn on the light.
明かりを点けて。
It’s cold here. Put on the heater.
この中、寒いじゃない。ヒーターを入れて。出典:日向清人『英語はもっと句動詞で話そう』語研
turn onやput onは、どちらも「オンにする」というニュアンスで使うことができます。機能させるのonですね。
「機能する」のonは意外によく使う
We go on at 12:00 p.m.
12時に出勤します。
動詞のgoの後にonをつけることで、12時には仕事についている=働く準備が整っているという意味でonが使われています。
また、onだけでも「動いているかどうか」を聞くことができます。
I’m not sure if my gas is on, or off,
ガスを消してきたかちょっとわからない。
ガスがオンなのかオフなのかを、gas is on / gas is offとシンプルなフレーズで表わすことができました。be onで「オンになっている」という状態を表せるのです。
onには、「機能しているかどうか」という意味もあるのです。
まとめ
onのような基礎的な単語ほど、英語の授業では教えてもらえません。でも、ネイティブの英語ではonが何度も何度も出てきます。
1つ1つのフレーズを丸暗記するのは大変です。大事なのは、onの持っているニュアンスを理解すること。「乗る」「続く」「機能する」、この3つがわかっていれば、見たことのないonでも想像できるようになるはずです。
かんたんなものほど、本質は複雑だったりするのが語学です。その本質をつかめば、一気に効率よく勉強できます!
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