旅の醍醐味のひとつとして欠かせないのが、現地の食べものではないでしょうか。特に、その土地ならではのスイーツは、味はもちろん目でも楽しめます。
最近では、日本でも海外で流行したスイーツが紹介され、実際に口にすることもできます。さまざまなスイーツの中でも、根強い人気があるのがガトーショコラ。
「ガトーショコラ」はその響きからイメージがつく人もいるかもしれませんが、英語ではなくフランス語の名前がそのまま日本でも使われています。スイーツといえばフランスというのは世界的な共通イメージです。実際、「ガトーショコラ」以外にもフランス語の名前を日本でもそのまま使っているスイーツがたくさんあります。
今回は、「ガトーショコラ」をテーマに、英語圏での名称や関連表現、そして海外のスイーツ事情もご紹介します。
スイーツと一緒に楽しみながら英語表現を覚えていきましょう。
「ガトーショコラ」と「チョコレートケーキ」の違いは?
「ガトーショコラ」といえば、チョコレートケーキの仲間というのはわかっているけど、違いはあるのでしょうか?
まずは、英語圏で「ガトーショコラ」がどのように表現されているのかを確認することから始めましょう。
「ガトーショコラ」を英語にすると「チョコレートケーキ」
「ガトーショコラ」は、英語圏でも「Gâteau au chocolat」とフランス語のまま表記されていることがあります。発音は「ガトー・オ・ショコラ」です。
一般的に、英語圏のレシピや庶民的なカフェやケーキ屋さんでは、「Chocolate cake(チョコレートケーキ)」と表現されていることが多いです。実際、イギリスの国営放送BBCが運営する「BBC Food」のレシピコーナーでも「Chocolate cake」として紹介されています。
「American chocolate cake」と「French chocolate cake」
イギリスでは「Chocolate cake」が主流ですが、同じ英語圏のアメリカでは、「ガトーショコラ」は別の呼び方がされています。それが、「French chocolate cake」です。
そして「ガトーショコラ」ではなく、昔からあるスポンジケーキスタイルの「チョコレートケーキ」を、「American chocolate cake」と呼んでいます。国名を入れているからなのか、この「American chocolate cake」はイギリス人には通じません。
製菓用チョコレートから作る「ガトーショコラ」と、小麦粉にココアパウダーを混ぜて作る「チョコレートケーキ」を、「French」と「American」で区別しているのは、ある意味わかりやすい表現かもしれません。
「フォンダンショコラ」は英語で?
ここで「ガトーショコラ」と互角の人気を争うチョコレートスイーツ「フォンダンショコラ 」についても確認しておきましょう。
「ショコラ」という言葉遣いからもわかる通り、「フォンダンショコラ 」もフランス語がそのまま使われています。
英語では、「Chocolate fondant(チョコレイト フォンダントゥ)」と言います。「fondant」に、「中に液体が入った温かい状態で食べる小さなケーキ」という意味があり、そのチョコレート味という呼び方ですね。
アメリカでは、「Molten chocolate cake(モルトゥン チョコレイト ケイク)」と「溶けたチョコレートケーキ」という呼び方もされています。
海外のスイーツ事情:「ガトーショコラ」は人気?
日本でも次々に新しい魅力的なスイーツが登場しています。これは、海外でも同じなのでしょうか?
ここでは、「ガトーショコラ」発祥の地フランスをはじめとする、諸外国のスイーツ事情をご紹介します。
スイーツも健康志向なフランス
伝統的なフランススイーツも多くありながら、さすがフランスは新しいスイーツの発信力があります。
ここ最近は特に健康への意識が高まり、その志向はなんとスイーツにまで及んでいるようです。スイーツといえば小麦粉が欠かせないイメージがありますが、なんとグルテンフリーのスイーツが人気のお店が話題になっています。
パリにある「Foucade Paris(フーケード)」は、ヘルシーでもちろんとてもおいしいケーキや焼き菓子が揃っていることで、食にうるさいフランス人に注目されているようです。
ハイブリッドなスイーツがお好みのイギリス
食に関してはあまり良い評判がないイギリスですが、最近では「モダンブリティッシュ」と呼ばれる新しいイギリスの食文化が世界的に話題になっています。
そんなイギリスでは、ガトーショコラの甘さでは物足りないのか、「Cronuts(クロナッツ)」というスイーツが話題になっています。これは、「クロワッサン」と「ドーナッツ」を組み合わせたスイーツ。聞いただけで、そのパンチの強さは予想できます。
イギリス全土に展開している「Dum Dum Donuts」は特に、このクロナッツで有名なお店。日本への上陸が待ち遠しいですね。
カラフルさも楽しみたいアメリカ
サイズもボリュームも桁違いなのがアメリカのスイーツ。特にあらゆる民族のあらゆる文化が最先端のスタイルで融合するニューヨークでは、ユニークなスイーツが話題になっています。
香港のスイーツをニューヨーク風に進化させたバブルワッフルにチョコレートソースをしっかりトッピングした見た目にも楽しいスイーツが大人気です。「New Territories NY」はバブルワッフルだけではなく、ミルクシェイクも有名で、どれもフォトジェニックでおすすめ。
アジア発のスイーツがアメリカでどのような進化をしているのかを見ているだけでも楽しいですね。
「ガトーショコラ」のレシピから学ぼう!お菓子作りに登場するフレーズ
海外で流行しているスイーツだからといって、日本上陸を待つ必要はありません。最近では、簡単にレシピをオンラインで手に入れられるので、お家で作ってみましょう。
海外のレシピを使えば、おいしいスイーツが食べられるだけではなく、英語の料理用語を一緒に学べて、一石二鳥ですね。
今回は、「ガトーショコラ」のレシピから、料理用語を英語で確認してみましょう。使用したレシピはこちら(allrecipes)です。
stir in vanilla(バニラを入れて混ぜる)
「混ぜる」は料理には欠かせない言葉です。ここでは、「stir(スター)」という「かき混ぜる」という意味の単語を使います。
同じく「混ぜる」という意味でよく使う単語に「mix」がありますね。この2つには違いがあり、「stir」は物や液体をスプーンなどで「かき混ぜる」動き、「mix」は2つ以上の物や素材を「混ぜて1つにする」動きです。
このレシピでは、バニラを加えて「かき混ぜる」ので、「stir」ですね。
beat the egg yolks(卵黄をよくかき混ぜる)
ここでは「混ぜる」の別の表現を学びましょう。「beat(ビート)」という「打つ」という意味がある単語を使うことで、卵を混ぜるときのように、「勢いよくかき混ぜる」動作を表現します。
英単語のもつ意味をイメージで明確につかむことで、「混ぜ方」も単語の使い分けで伝えることができます。
sprinkle sugar(砂糖をふりかける)
ガトーショコラといえば、粉砂糖が大切なポイントですよね。今回のレシピでは、ケーキを焼く前に砂糖を加える動作として「sprinkle(スプリンクル)」が使われています。
「sprinkle」は、この写真にあるように「パラパラとふりかける」イメージです。調味料をかける動作としてよく使われる表現なので覚えておきましょう。
pour cake mixture into the prepared tin (用意した焼き型にケーキミックスを流し込む)
「pour(ポア)」は、「注ぐ」という意味の単語で、このレシピのように「流し込む」動作だけではなく、コップに水を「注ぐ」動作にも使います。
a skewer inserted into the center of the cake comes out clean(ケーキの中心に挿した串がきれいに出てくる)
ケーキの焼き具合を確認するステップですね。ここでチェックしたいのが、「skewer(スキュア)」です。今回のような竹串も、バーベキューで使用する鉄串も「串」の形状のもの全般を指すことができます。
「insert(インサート)」も「挿し込み」という意味合いでカタカナのまま使う場面が増えてきているので、イメージがしやすいでしょう。新しい単語は、意味を写真やイラスト、実際の動きを使ってイメージ化すると、すぐに定着させることができます。
イギリスで大人気!「王道」と「最新」のショコラ系スイーツ
ここでは、ガトーショコラが大好きだという人に是非試してもらいたいイギリスのショコラ系スイーツをご紹介します。
輸入食品店などで日本でも手に入るものもあるので、この機会にイギリスの「食」に触れてみてくださいね。
王道!「シャルボネル・エ・ウォーカー」のトリュフ
トリュフといえば、フランスやベルギーが有名ですが、イギリスにも王室御用達の名店があります。「Charbonnel et Walker(シャルボネル・エ・ ウォーカー)」という1875年創業のショコラティエで、ロンドンで有名な「Royal Arcade」にあります。
見た目にもゴージャスで、プレゼントにも自分へのご褒美にも最適。日本からもお取り寄せできるサービスがあるので、女王が愛するトリュフを堪能してみてくださいね。
庶民のおやつ!「ジャファケーキ」
イギリスのスーパーに行くと、驚くほどたくさんの種類のクッキーやチョコレートに出会えます。アフタヌーンティーの国だけあって、ティータイムのスイーツのバリエーションは豊富です。
あらゆるチョコレート菓子の中でも、長年愛されているのがオレンジジャムとチョコレートの組み合わせがたまらない「Jaffa Cake(ジャファケーキ)」です。ケーキという名前ですが、ソフトクッキーという感じです。
日本でも輸入食品店などで購入できるので、イギリスのティータイム気分をジャファケーキで味わってみてはいかがでしょうか。
最新のブリティッシュ!「The Ivy」のChocolate Bomb
ブリティッシュガーデンで食事ができることでも有名なロンドンのレストラン「The Ivy(アイヴィ)」のチョコレートスイーツが話題になっています。
その名も、「Chocolate Bomb(チョコレート爆弾)」。まんまるのチョコレートだけかと思うと、サーバーが熱いキャラメルソースをその場でかけて、溶かして食べるという、まるでショーを見ているような気分になれるスイーツです。
まとめ
最近は海外のスイーツが続々と日本で紹介され、実際に楽しむことができるようになりました。
「このスイーツが誕生したのはどんな国?」という好奇心は、英語力アップを後押ししてくれます。楽しみながら、「好きなもの」を英語で学んでみましょう。
まずはガトーショコラのレシピを英語で読み解くとこから始めませんか?
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