以前、「自宅でできる英語発音トレーニング」では、英語らしいスピードとイントネーションを身につける方法と、英語特有の音を体系的に学べる「フォニックス」についてご紹介しました。今回は、英会話の先生や英語の勉強仲間に協力してもらって「ゲーム感覚でできる英語発音トレーニング」のアイディアをご提案したいと思います。
苦手な音をペアにして発音&聞き取りトレーニング!
発音は、自分ひとりで練習しているとどうしても独りよがりになりがち。相手に伝わるようはっきり区別しようと心がけたり、音の違いを聞き取るために注意深く聞いたり、そんな練習がとても効果的なのです。
ご紹介するトレーニング法はとてもシンプル。[s/sh][l/r][s/th]など、発音し分けるのが難しい音や単語をペアにしてリストを作って、先生を相手に発音し、どちらの音を発音したのかを当ててもらいましょう。次に相手に発音してもらい、どちらを言ったのか自分が当てる。これを何度かくり返すトレーニングです。
ゲームの相手はもちろん英語ネイティブの方がベストですが、日本人同士でワイワイやっても十分効果はあります。
英語発音トレーニングにはオンライン英会話がぴったり
オンライン英会話をされている方なら、先生に相手になってもらって毎日最初の5~10分をこのゲームに当てるのもいいでしょう。
しかし気になるのが講師の発音。例えばフィリピン人講師の場合、「発音は大丈夫?訛りは?」という不安の声をよく耳にしますが、フィリピンは世界各国の中でも英語レベルの高い国だといわれています。もちろん、母国語訛りのある人もいますが、米国系企業のコールセンター勤務経験のある人たちはネイティブ並みに流暢で発音もきれいですし、何よりご自身が厳しい発音指導を受けた経験があるため、アドバイスも的確です。
ネイティブ並みの発音でも、添削指導があまり得意ではない先生もいれば、母国語訛りがあっても「教師」としては優秀な先生もいるので、私は何名か試してみて、「厳しく添削してもらいたいときはこの先生」「発音練習の相手はこの先生」と決めていました。まずはいろんな先生のレッスンを受けてみましょう。
ネイティブやオンライン英会話の先生にゲームをお願いするときのフレーズと、音・単語ペアの一例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
<フレーズ例>
I’d like to practice pronunciation with you today.(今日はあなたと発音の練習をしたいのです)
I’m going to pronounce these pairs of sounds(words), so could you guess which one I said?(これらのペアになった音(単語)を発音するので、私がどちらを言ったか当ててもらえますか?)
Now, let’s take turns. Could you pronounce them? I’m going to guess which one you said.(では、交代しましょう。発音してもらえますか? どちらを言ったのか私が当てます)
<リスト例>
tongue twister(早口言葉)で英語発音トレーニング!
上級編として、言い分けが難しい子音や母音の含まれたtongue twisterで練習するのもおすすめです。tongue twisterとは「舌をもつれさせるもの」、つまり「早口言葉」のこと。”tongue twister”でGoogle.com検索するとたくさん出てきます。
あくまで「発音」トレーニングですので、早く言う必要はありません。ネイティブやオンライン英会話の先生に聞いてもらって、個々の単語が正しく伝わるかチェックしてもらいましょう。
子音l, rの発音練習
How can a clam cram in a clean cream can?
(どうしてきれいなクリームの缶に貝がぎっしり入ってるの?)
子音s, shの発音練習
She sells sea-shells on the sea-shore.
The shells she sells are sea-shells, I’m sure.
For if she sells sea-shells on the sea-shore
Then I’m sure she sells sea-shore shells.
(彼女は海辺で海の貝殻を売っている
彼女が売っている貝殻はきっと海の貝殻だ
だってもし彼女が貝殻を海岸で売っているのなら
海の貝殻を売っているに違いない)
母音a, i, u, e, oの練習
Betty Botter bought some butter,
“But,” she said, “this butter’s bitter.
If I put it in my batter, it’ll make my batter bitter.
But a bit of better butter—
that would make my batter better.”
So she bought a bit of butter,
better than her bitter butter,
and she put it in her batter,
and the batter was not bitter.
So ‘twas better Betty Botter
bought a bit of better butter.
(ベティ・ボターはバターを買った
「でも」と彼女、「このバターは苦いわ、
もしこの苦いバターを入れたら、生地が苦くなっちゃう
でももっといいバターが少しあれば
生地がおいしくなるわ」
そこで彼女はいいバターを少し買った
苦いバターよりいいバターを
そして生地に入れたら
生地は苦くならなかった
だから、よかったことに、
ベティー・ボターはもっといいバターを少し買った)
これらを何度か口ずさんでいると、日本語を話す際には使わない口の周りの筋肉が痛くなってきて、鍛えられているのを実感します。野球でいうところの「素振り」のような感覚で、ぜひトレーニングしてみてくださいね。
前回記事はこちら「自宅でできる英語発音トレーニング」
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