「英語のできる同僚の前で話すのはつらい」「他人よりも英語の上達が遅く、自分はダメなやつだと思ってしまう」他人と自分を比べてもしょうがないとわかっていながら、ついつい比較してしまい「上達しないのかも…」と落ち込んでしまうこと、誰だって一度は経験があるのではないでしょうか……。
しかし、みなさんが日々頑張っている学習の成果を最大化するためには、このマインドから抜け出すことが大切!とはいえ、どうすればいったいどうすれば抜け出せるのでしょうか?この記事ではその心理学的なメソッドを解説していきます!
他人と自分の英語力を比較してしまう人の心理
1.劣等感は誰でも持っているもの?「劣等感」と「劣等コンプレックス」との違いとは?
意外と思われる方も多いかもしれませんが、劣等感自体はけっして悪いものではなくむしろ正常な心の動きと言われています。劣等感をうまくバネにしてプラスのエネルギーに変えることができれば、英語の上達にも大きなプラスになります。しかし、なかには「自分はダメだ」と感じてしまうことによって、英語学習のモチベーションがぐっと下がってしまっている方もいるでしょう。
だとしたら、それは劣等感が「劣等コンプレックス」の域に達しているからかもしれません。劣等コンプレックスとは、心理学者のアドラーが提唱する考え方のことです。
劣等コンプレックスとは、自らの劣等感をある種の言い訳に使いはじめた状態のことを指します。
――嫌われる勇気(ダイヤモンド社)p82より一部引用
例えば「自分は同僚よりも英語の上達が遅いから、英語は向いてないのかもしれない」と思ってしまうことは、「劣等コンプレックス」と言えるでしょう。劣等コンプレックスに陥らないための方法として、アドラーは次のように述べています。
健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるものではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
――嫌われる勇気(ダイヤモンド社)p92より引用
他人と比較するのではなく「理想の自分」と比較することで健全な劣等感を持つことができます。とはいえ、それが一番難しいんですよね…。他人と比較しないための方法をもう少し掘り下げてみましょう。
2.他人との比較に陥らないための「セルフ・エスティーム」
他人と自分を比較してしまう人は、他人の結果に目が向きがちです。「理想の自分」との比較による健全な劣等感を生み出すためには、もっともっと「自分」に目を向けてあげる必要があります。そこで重要になってくるのが、セルフ・エスティーム(self-esteem)です。自己肯定感とか自負心と訳されます。セルフ・エスティーム研究の先駆者であるナサニエル・ブランデンは次のように述べています。
自負心は、<人が自分のことをどう思い、どう感じるか>ではなく、<自分が自分自身をどう思い、どう感じるか>なのです。
――自信を育てる心理学(春秋社)p22より引用
つまり、健全なセルフ・エスティームを持つことができれば、他人との比較の世界から抜け出せるということ。とはいえ、どうすれば比較して落ち込まなくなるのでしょうか?ここでは2つのポイントを紹介します。
1.まずは「できない自分」を受け入れよう
「同僚と比べて英語ができない自分」を受け入れてあげることが第一歩です。無理にポジティブに考える必要はありません。そして、そもそも自分を大きく見せる必要がないということも受け入れましょう。他人と比較して落ち込んだり、他人の目があって恥ずかしいと思ったりする人は、「現在の自分」よりも自分を大きく見せようとしていることが原因です。「英語ができる人」だと思われたいという気持ちが先走って、「現在の自分」を受け入れられないのです。
英語の学習歴は人それぞれですし、自分とまったく同じ条件で英語学習をしている人は誰一人としていません。条件の違う他人と比べて落ち込むのは、あまり意味がないことです。まずは「現在の自分」を受け入れて、大きく見せる必要はないと知ることが重要です。
2.自己イメージがセルフ・エスティームにつながる
「現在の自分」の英語レベルを受け入れた上で、自分に対するとらえ方を変えることがセルフ・エスティームにつながります。
私たちの運命をつくるのは、自己イメージです。(中略)それは、自分自身についてのもっとも深い見方が、人生の重要な選択や決定すべてに影響を与えるので、人生そのものを決めてしまうことになるからです。
――自信を育てる心理学(春秋社)p26より引用
「できない自分はダメだ」と思っていると、その自己イメージが今後の英語学習にも影響してしまいます。他人との比較ではなく、過去の自分と現在の自分、さらには理想の自分との比較によって自己イメージをつくる必要があるのです。
過去と現在の自分を比較して、まったく成長していない人なんていません。自分が成長したことを認め、その次に「理想の自分ならばどうするか?」ということを考えます。理想の自分に到達するために必要な行動があれば、その行動を取り入れるのです。例えば「会議において英語で発言できる自分が理想」だとしたら「その自分はどのように勉強しているか?」といったような視点で考えることが重要です。
上達を実感してモチベーションをあげるための3つの行動
セルフ・エスティームを持つためのマインド面についてご紹介してきましたが、ここでは実践的な行動面について3つご紹介します。
1.自分にとって上達とは何なのかを考える
あいまいなゴールを目指すのでは、モチベーションが保ちにくいです。例えばマラソンを走っていて、ゴールが何km地点にあるのかわからなかったら、ペース配分もできないしモチベーションを保つのも難しいでしょう。
また、ゴールが具体的でないと達成したかどうかが不明確になってしまうため、「いつまでも達成できない自分」に落ち込んでしまうことになりがちです。自分にとってのゴールは、具体的にするのがポイントです。「英語をスムーズに話せるようになる」という目標があったとしたら、「スムーズ」の程度を明らかにしましょう。例えば「会議で1回以上発言できるようになる」ぐらいの具体性があれば完璧です。
2.達成感を自分で感じるための仕組みをつくる
ゴールが具体的になったら、ゴールまでの道のりも具体的にしてみましょう。設定した小さな目標をチェックリストで一覧表にするのが効果的です。「過去の自分」と「現在の自分」の成長レベルが可視化できると、他人と自分の差ではなく、自分の中での比較ができるようになります。
また英語学習が習慣化できない自分に落ち込んでしまう人は、物理的な報酬を用意してみましょう。「英会話で先生に3回質問できたら、美味しいラーメンを食べに行く」とか、自分にとって喜ばしい報酬を用意してみるのが良いです。本来ならば英語学習における目標に対してモチベーションを持てるのがベストですが、勉強し始めの頃は、なかなか難しい場合もあります。チェックリストや物理的報酬で自分のモチベーションを上げて、「自分ってできるじゃん!」と思えるようになるのがポイントです。
まとめ
みなさんも劣等感をマイナスにとらえるのではなく、前に進むためのエネルギーに変換できるよう、ぜひ記事で紹介した方法を試してみてください。日々の学習の中で「自分ってできるじゃん!」を積み重ねることができれば、きっと目標とする自分の姿にどんどん近づいていくことができるはずですよ。
▼参考文献
・岸見 一郎、古賀 史健(著)「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社)
・ナサニエル・ブランデン(著), 手塚郁恵 (翻訳)「自信を育てる心理学 -「自己評価」入門 」(春秋社)
・メンタリストDaiGo(著)「ポジティブ・ワード」(日本文芸社)
・石田 淳(著)「人生を変える行動科学セルフマネジメント~自分を変化させるたったひとつの方法」(大和書房)
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