日本人の多くが英語のリスニングに苦手意識を抱いています。つまり、英語がなかなか聞き取れないということです。その主な原因は日本の英語教育にありますが、聞き取れない理由は人それぞれ異なります。
ここでは聞き取れない根本原因を探り、どのようにしたら克服できるのかを解説します。自分が聞き取れない原因を知り、苦手なリスニングをメキメキ上達させましょう!
英語が聞き取れない理由を知る
あなたはどっちのタイプ?
英語が聞き取れる状態とは、聞いて内容を理解できるということ。反対に、英語が聞き取れない状態とは、聞いても内容を理解できないということです。しかし、一口に「英語が聞き取れない」と言っても、全く理解できない人もいれば、多少なりとも単語を聞き取れる人もいるでしょう。
このように聞き取れない中にも、いくつかのタイプがあります。まず知るべきことは、「英文を読んでも理解できないのか」あるいは「英文を読めば理解できるのか」ということです。
「英文を読んでも理解できない人」の場合
英文を読んでも聞き取れない理由は、語彙力・文法力がともに不足しているから。目で見ても理解できないものは、当然、聞いて理解できるはずがありません。まずは自分のレベルを知ることから始めましょう。
語彙に関しては、どのくらい英単語を知っているのか、知っている単語の使い方を知っているのかなど、自分の語彙力の質と量を確認してみてください。英文法に関しては、基本的な文法、つまり中学英語の何年生レベルなのかを確かめてみましょう。
「英文を読めば理解できる人」の場合
英文を読めば理解できる人は、ある程度の語彙力や文法力が備わっています。もちろん、語彙力や文法力の不足も考えられますが、このタイプの人はネイティブの発音、スピード、リズム等に慣れていないのが聞き取れない主な原因です。おそらく、途中から頭が真っ白になってしまうのではないでしょうか。
英文を理解できない人のリスニング上達法
英文を理解できない人は、いったいどのようにリスニング力を上達させればいいのでしょうか?
語彙力をつける
英単語が分からなければ英文を理解することはできないため、語彙力をつけていく必要があります。つまり、聞き取れて発音できる英単語を増やすということ。
しかし、全ての英単語を覚えるのは不可能な上、効率的ではありません。まずは自分の生活に密着したものや事柄から始めること。簡単で短いフレーズから進めていくと覚えやすいでしょう。
例:
・watch TV (テレビを見る)
・go shopping (買い物に行く)
・hung out with my friend (友だちと出かける)
・eat breakfast/lunch/dinner (朝食・昼食・夕食を食べる)
このようにフレーズで覚えていくことは、英単語だけで覚えるよりも効率的です。なぜならある程度覚えたら、watch TVのTVをa movie(映画)やa baseball game(野球の試合)などに入れ替えることで表現の幅が広がるから。もちろん、文法力を高めることにもつながります。
文法を理解する
基本的な文法を理解することが重要です。なぜなら、理解していなければ文を作ることができないから。「文法」と聞くと難しいと感じる人もいるかも知れませんが、簡単に言えば「英単語の並べ方を知る」ということです。日本語とは異なる語順ですが、英語ではこの語順が重要となるため、リスニング力の向上に文法理解は必須なのです。
まず、中学一年から三年までの文法を復習しましょう。参考書や問題集を入手する際には、CDなどの音声付きがおすすめ。多くが受験用となるため、自分の目的やレベルに合ったものを選ぶようにしましょう。
簡単なフレーズなら、Google翻訳でも音声が聞けるので便利です。ただし、長文になると翻訳が正確ではなくなるので、あくまでも短文のみで使用した方がいいでしょう。もちろん、アプリや動画などを利用すれば、ゲーム感覚で楽しいですね。
おすすめアプリ
Duolingo
世界で最もダウンロードされている英語学習アプリ。単語や文法はもちろん、リスニングやライティングなども初心者レベルからあるので便利です。ゲーム感覚で英語学習ができます。
英単語アプリ mikan
サクサクと英単語を覚えられる英単語アプリ。選択問題でクイズ形式に答えていくので手軽に学習できるのが特徴です。
アルク英単語パス
「単語レベル診断」が搭載され、簡単に自分の英単語の実力を知ることができます。
他にも、学年別で中学英語の文法を学習できるアプリも多数あるので、楽しめるものを見つけてください!
英文を理解できる人の上達法-発音&リズム
英語の発音の特徴を知る
リスニングを上達させる近道は、「英語の発音の特徴を知る」ことです。日本語と比べながら特徴を解説していきます。
日本語にはない音
日本語の母音は5つ、子音は16ですが、英語は母音も子音も24ずつあると言われています。それだけでも日本語にはない音が多く存在することが分かるでしょう。例えば、以下の3つはどれも日本語の「あ」のような発音ですが、「あ」とは微妙に異なる上、それぞれの発音も違います。
cat /kǽt/ (ネコ)
country /kʌ́ntri/ (国)
father /fɑ́ːðər/ (父)
その他にも日本語にはないth、sh、v、rなど日本人が苦手な音がある上、「二重母音」や「無声子音」があるのも特徴。二重母音とは、2つの母音あるいは母音と子音でできた母音のことで、1つの音となります。
例:
eight /eɪt/ (8)→日本語「エ・イ・ト」と3音節で発音
英語では「エイ・ト」と2音節
無声子音とは[p][t][k]など、声帯を振動させない音のことで、聞き取れないほどしか発音されません。
例:
cup /kˈʌp / (カップ) →「カッ(プ)」
great /gréɪt/ (素晴らしい) →「グレイ(ト)」
week/wíːk/ (週) →「ウィー(ク)」
アクセント位置
日本語には橋と箸のように高低アクセントがありますが、英語にはアクセント位置があります。patternは「パ」の位置にアクセントがあるので、日本語のように「タ」を強く言うと通じません。また、英語では「パタン」のように「タ」を伸ばしません。
例:
pattern /pˈæṭɚn/ (パターン・型)
このように、単語のアクセント位置を知らないとネイティブに通じなかったり、ネイティブが言っていることが理解できなかったりします。英単語を覚える際には、アクセント位置に注意して覚えましょう。
リズム
日本語は高低アクセントで文が作られますが、英語は文の中に強弱があります。以下の例では、Whereとgoingとtomorrowが強く、ゆっくり発音されます。
例:
・ ・ ・
英語 →Where are you going tomorrow? (明日どこへ行きますか?)
日本語 →アシタ ドコニ イキマスカ?
イントネーション
イントネーションは否定・肯定・疑問文で異なりますが、「オリビア」という名前1つでもイントネーションが変われば意味も変わります。話者の気持ちを反映するので、しっかりと把握しておく必要があるでしょう。
例:
Olivia →語尾が下がれば普通の呼びかけ
→語尾が上がれば「どこにいるの?」と探している
→下がって上がれば「聞きなさい!」と説教が始まる
→上がって下がれば「何てこと!」と怒っている
リエゾン
簡単に言えば、リエゾンとは音声変化のこと。単語と単語がつながることで、切れ目が分からなくなってしまう現象です。
例:
I like it. (好きです) →likeとitがつながり「ライキッ(ト)」のように聞こえる
Thank you. (ありがとう) →kとyがつながり「キュー」
Give up. (あきらめるな) →veとupがつながり「バッ(プ)」
ある程度英語が聞き取れるようになっても、リエゾンは難敵です。スクリプトとネイティブの音声を入手して、脱落しやすい語や連結の具合を確かめながら慣れていくしかありません。
おすすめアプリ&映画
英語リスニング
英語音声とともに日英字幕がスクロールするので便利。倍速、字幕オフなどの機能も充実しています。
英会話リスニング
旅行・留学・仕事など定番シーンになっているので、必要なものが学べます。
リスニング上達に役立つ映画は、トム・ハンクス出演のものがおすすめ。トム・ハンクスの英語は癖がなく、聞きやすいからです。古いものなら『フォレスト・ガンプ』や『キャスト・アウェイ』、最近のものなら『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』や『幸せへのまわり道』など多数あるので、興味のある映画を選んで字幕とともに見てみましょう。
英文を理解できる人の上達法-スピード
自動化できている?
ゆっくりなら理解できても、ネイティブのスピードになると理解できないという人も多いことでしょう。それは英単語や英文法が自動化されていないからです。スピードについていけなくなると思考が停止してしまい、もうその後の文章は頭に入ってこないことでしょう。
「自動化」とは第二言語習得研究で使われる言葉で、知識を自動的に使えるようにすることです。つまり、日本語に置き換えることなく英文を理解できるようにすること。そして、単語、文法、発音の知識を自動化することによって、「英語脳」が作られます。この「英語脳」がリスニング上達のポイントです。
英語脳を作るには?
「英語脳」なんて作れないと思われがちですが、時間をかければ不可能ではありません。知識を自動化して英語脳を作るためには、英文をその都度、日本文に訳さないこと。英文の語順のまま内容を理解する練習をしましょう。
例:
I’m cooking dinner, but I don’t like cooking. (料理が好きじゃないけど、夕食を作っています)
→(夕食を作っている、でも、私、好きじゃない、料理)
日本文に訳さずに意味を理解できるようになったら、英文をアウトプットするようにしましょう。そして、自分自身もネイティブのようなスピードで話せるようにトレーニングします。
その後は、リピーティング・音読・シャドーイングなどでレベルを上げていきましょう。リピーティングとは音声通りに発音することで、音読とは声に出して読むこと。シャドーイングとは、音声の後を追うように1~2語遅れて音声通りに発していくことです。
まず音声を聞きながら英文を目で追い、音読しながら意味を確認します。その後、一文ずつ音声通りにリピーティングし、慣れたら音声と一緒に読んだりシャドーイングしたりしてみましょう。このようなトレーニングにはアプリが便利ですが、オーディオブックや動画なども活用できます。
まとめ
リスニングで大切なことは、最初から一語一句全てを聞き取ろうとしないことです。ポイントとなる単語は何かを聞き取り、「何を話しているのか」を推測することから始めましょう。最初は少ししか理解できなくても、数を重ねればより多くの英単語を聞き取れるようになるはずです。「習うより慣れよ」の精神で、チャレンジしてみてください!
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英語を学んできたのに、いざ話そうとなると全く言葉が出てこない、その原因は圧倒的にアウトプット量が不足していることにあります。
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