英語の冠詞を使い分けている?わかりやすくルールを徹底解説!

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英会話のレッスンを始めると講師に「冠詞が抜けている」と指摘される人は少なくありません。ある程度英語が話せるようになっても、冠詞が抜けたり使い分けを間違えたりすることがあります。

その理由は、日本語に冠詞が存在しないからでしょう。つまり、私たち日本人は冠詞の存在自体に慣れていないということです。ここではそんな難敵である冠詞を使い分けるために、ルールをわかりやすく解説します!

冠詞とは?

冠詞の定義

中学英語で習った「冠詞」ですが、ここでもう一度おさらいをしておきましょう。

アメリカで最大シェアを有する英英辞典『Merriam Webster Learner’s Dictionary』によると、「冠詞(article)」の意味は以下のように書かれています。

“grammar : a word (such as a, an, or the) that is used with a noun to show whether or not the noun refers to a specific person or thing”

引用元:Merriam Webster Learner’s Dictionary

上記を訳すと「文法:名詞が特定の人やものを指しているかどうかを示すために名詞とともに使用される単語(a/anあるいはthe)」となります。要するに、冠詞(a/an/the)は名詞の属性を表す単語ということです。

ちなみに、冠詞は限定詞の1つで、その他の限定詞にはthisやthatのような「指示詞」、myやyourのような「所有限定詞」、a littleやmanyのような「数量詞」などがあります。

冠詞の種類

冠詞は以下の3つに大別できます。

1.不定冠詞:名詞が特定されていない(a/an)
2.定冠詞:名詞が特定されている(the)
3.無冠詞:冠詞をつけない

これら3つについては、ルールとともに詳しく後述します。

英語の冠詞はなぜ必要なのか

冠詞のルールを解説する前に、なぜ英語に冠詞が必要なのかを日本語と比較して説明しておきます。

日本語では何冊であろうと「本」は「本」、何本であろうと「花」は「花」としか言いません。もちろん、他の名詞でも同様です。しかし、日本語は「数詞」に厳格な言語で、和語の数詞である「1つ、2つ…」に始まり、本、冊、匹、枚、台、軒など多くの数詞で名詞の数と属性を表しています。

一方、英語は日本語と比較すると「名詞」の使い分けに厳格な言語です。1冊の本ならa book、5冊の本ならfive books、限定された1冊の本ならthe bookです。他の名詞も同様となり、冠詞a/an/theや複数形s、数量詞someなどを伴い名詞に意味を持たせています。

このように日本語と英語には「名詞の使い方」に大きな違いがあります。日本語で数詞を使わずに「3の車」あるいは「3車」と言っても、それが「3台の車」を指すのか「No.3の車」を指すのかは不明です。それと同様に英語でも冠詞を使い分けないと意味が正しく伝わりません。だから英語の名詞には冠詞が必要なのです。無冠詞の場合も「無」であることが必要だと考えましょう。

不定冠詞のルール

では、不定冠詞の特徴と使い方のルールを解説します。

anが使われる場合

不定冠詞にはaとanの2つがあります。多くの人は、不定冠詞に続く名詞の最初の文字が母音(a、i、u、e、o)のときにanが使われることを知っているでしょう。

例:an apple, an orange, an elephant, an umbrellaなど

一方、hourはhで始まるのにan hourとanが使われますが、どうしてなのでしょう?ここで注意しなければならないのは、いくつか例外があるということです。

母音a、i、u、e、oが後続するとanを使いますが、それはスペリングではなく音(発音)により決まります。つまり、後続する名詞の最初が「ア、イ、ウ、エ、オ」という音ならanを使うということ。だから、hour(アワー)もhで始まっているのに発音が「ア」だからanになるというわけです。(このように発音されないhを「無声のh」と言います)

反対にuで始まるuniversityやunicornは発音が「ユニバーシティ」「ユニコーン」となるので、a university、a unicornになります。

例外

uやeで始まる名詞でもy(ユ・ヨ)のような発音の場合はa

I’d like to see a European river.
(ヨーロッパの川を見たい)

hで始まる名詞でもa/oのような発音の場合はan

He is an honest person.
(彼は正直な人だ)

oがwのような発音の場合はa

in a one day(1日で)
※この場合のoneは強調となりin a dayとも言います。

数えられる名詞の概念

不定冠詞a/anは数えられる名詞、つまり「可算名詞」の単数として用います。目で見て明らかに数えられるものは可算名詞です。

例:a book(本)、a shop(店)、a pen(ペン)など

ネイティブの中にはaを「ア」ではなく「エイ」と発音する人もいるので注意しましょう。上記の例なら「エイ・ブック」「エイ・ショップ」「エイ・ペン」となります。

一方、数えられないものは「不可算名詞」と呼ばれ、物質名詞や抽象名詞などがその代表です。

例:物質名詞→ water(水)、gold(金)、iron(鉄)、money(お金)など
抽象名詞→ beauty(美しさ)、happiness(幸福)、convenience(便利)など

また、人物、場所、製品(固有名詞)は、同じ人やものが2つ存在しないので不可算名詞です。

可算名詞か不可算名詞かの区別がしにくい場合は、その名詞の1つ1つに「区分けできる境界線があるのか」を考えてみましょう。

例えば、本やペンはもちろんですが、店や部屋なども空間として区分けできます。だから可算名詞になるわけです。一方、水や金、美しさ、便利などの名詞は、区分けする境界線が存在しないので不可算名詞。つまり、数えられる名詞とは境界線で区分けできるものを指し、その境界線が存在しないものが数えられない名詞ということです。

不定冠詞はたくさんあるうちの1つ

不定冠詞a/anは可算名詞の単数に使われ、「たくさんある中から1つを取り出す」というイメージです。

I will stay in a hotel tonight.
(今夜はホテルに宿泊する)

I have an idea.
(アイディアがある)

上記の例文では、「たくさんあるホテルの中の1つ」「たくさんある(であろう)アイディアの1つ」という意味合いになります。

不定冠詞は初めて話題に上がる名詞に

不定冠詞が使われるのは、その名詞が初めて話題に上がったときです。つまり、聞き手はその名詞を特定できないということ。言い方を変えると、聞き手はその名詞に関して情報を持っていないということです。

Let’s have dinner at a restaurant.
(レストランで夕食を食べよう)

上記例文でも、レストランで食事をすることはわかりますが、聞き手は具体的にどのレストランなのかは特定できません。つまり、たくさんあるレストランの中のどれかということ。なぜ特定できないかと言うと、その名詞(レストラン)が初めて話題に上がったからです。

このように初めて話題に上がった名詞にはa/anを用いて、その名詞が「特定できない」ことを示します。不定名詞は「特定できない」というのがポイントです。

定冠詞のルール

では次に、定冠詞theについて解説します。

定冠詞は唯一無二の名詞に

定冠詞theは不定冠詞と異なり、対象となる名詞を「特定できる」ときに用います。特に、他には存在しない唯一無二の名詞に使われます。

例:the moon(月), the earth(地球), the sun(太陽)

その他の例

・海、川、砂漠、森など:the Mediterranean sea(地中海), The Nile river(ナイル川), The Sahara(サハラ砂漠)
・State, republic, Kingdomがつく国名:The United States of America(アメリカ), the United Kingdom(イギリス), the Republic of Singapore(シンガポール)
※基本的に国名には冠詞がつかないが、上記の場合にはつきます。

定冠詞は一度話題に上がった名詞に

不定冠詞は対象となる名詞が初めて話題に上がった場合に使われますが、定冠詞はすでに話題に上がった名詞に使われます。要するに、話し手と聞き手の両方に認知された「特定のもの」を指す場合です。

唯一無二で例示したものだけでなく、一度話題に上がった名詞も2つと同じものがありません。従って「the+名詞」は1つのものや事柄を指すときに使い、theを使うことで特定のものを表しています。

I bought a dictionary yesterday. The dictionary is very useful.
(私は昨日、辞書を買った。その辞書はとても役立つ)

1つ目の文にあるa dictionaryはたくさんの中の1つを買ったことを示し、2つ目の文のThe dictionaryはすでに1つ目の文で話題に上がっているのでtheが使われます。「昨日買った辞書」は1冊しかなく唯一無二であるからです。

文脈や状況から判断できる名詞に

文脈や状況から判断できる名詞にも定冠詞が使われます。これまでの解説通り、特定できるからtheが使われるということです。

Please shut the door.
(ドアを閉めてください)

同じ空間にいてドアが1つしかない場合、その状況からどのドアか判断できます。

I bought a car last month, but the door got broken.
(先月車を買ったが、ドアを壊された)

車の話をしているため、「ドア」と言えば車のドアであることが難なくわかるのでtheが使われています。

特定の時間や空間

その他にも、特定の時間や空間にも定冠詞が使われます。これも時間や空間を特定して、1つのまとまりとして捉えているということでしょう。

例:in the morning, in the evening, in the sky, in the air など

無冠詞のルール

最後は無冠詞です。名詞にいかなる冠詞もつけないということですが、つけないことで意味をなしているので、そこに定冠詞をつけてしまうと意味が異なるので注意しましょう。

可算名詞の複数形

数えられる名詞の複数形には冠詞が必要ありません。

She ate strawberries too much.
(彼女はイチゴを食べすぎた)

I have been growing some tomatoes.
(私はトマトをいくらか栽培している)

I bought a few apples.
(私はリンゴを少し買った)

この場合、冠詞の代わりにsome、many、a fewなどの数量詞が名詞の前に置かれて、その量を表します。

不可算名詞

数えられない名詞の場合も冠詞は必要ありません。

Can we drink tap water in this country?
(この国の水道水は飲めるの?)

Would you like some milk?
(ミルクを少し飲む?)

You should earn a lot of money.
(あなたはお金をたくさん稼いだ方がいい)

waterやmilkなどは、glass of waterやa cup of milkのように表現することも可能です。可算名詞の複数形と同様に不可算名詞もsomeやa lot ofなどとともに使われます。

What a lot of smoke!
(なんて煙たいんだ!)

He has a lot of desire.
(彼は欲が深い)

Give me some bread.
(パンを少しくれ)

その他の冠詞をつけない例

可算名詞の複数形と不可算名詞以外にも冠詞をつけない場合がありますので、以下に例を示しておきます。

・国名:Japan, Jamaica, Canada, New Zealand
・スポーツ:baseball, football, tennis, basketball, volleyball
・言語:English, Spanish, French, German, Chinese
・教科科目:mathematics, science, biology, physics
・時間:3 o’clock, 5 o’clock
・月や曜日:January, February, Monday, Tuesday
・季節:spring, summer(特定の季節の場合は定冠詞theをつける→in the summer of 2000)
・家族:father, mother, brother, sister(myやyourなどの所有格をつける→my father)
・食事:breakfast, lunch, dinner(特定の食事の場合は定冠詞theをつける→The dinner was superb.(ディナーは見事だった))

まとめ

冠詞を間違えるとネイティブには不自然に聞こえます。使い分けるには多少の時間が必要ですが、まずは冠詞の存在を意識することから始めましょう。そして、それぞれの冠詞の基本的なイメージとルールを理解することが使い分けの近道です。焦らずに少しずつ習得していきましょう!

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