英語に慣れていないと、よく知らない人や初対面の人と会話が続かず、気まずい雰囲気になってしまうことがあります。会話がはずまない原因は、相手がどんなことに興味を持ち、何を好むのかを聞きたくても、英語でどのように表現すればいいのか分からないからでしょう。
そこで今回は、そんなシーンに直面したときに役立つフレーズをご紹介します。相手の「好み」を聞き出して、会話を盛り上げましょう!
好みを聞く便利なフレーズ
相手の好みを聞くと言っても、あまり知らない相手に踏み込んだ質問をするのは失礼に当たります。特に初対面の場合は、会話がはずむまでプライベートな話題を避けた方がいいかもしれません。会った場所やシチュエーションにもよりますが、国籍、出身地、相手の文化、趣味、ペット、食べ物、仕事など、話しやすい話題から始めると会話がはずむでしょう。
では、好みを聞く便利なフレーズを見ていきましょう。
What/Which ~ do you like?
「どんな/どの~が好きですか?」と聞きたいとき。
What sports do you like?
(どんなスポーツが好きなの?)
Which sport do you like the most?
(どのスポーツが一番好き?)
What colors do you like?
(どんな色が好き?)
1つ目の例文ではいくつかあるスポーツの中から好きなスポーツを尋ねていますが、好きなスポーツが1つとは限らないのでsportsと複数形が使われます。反対に2つ目の例文のように「一番好きなスポーツ」と限定したときには、sportと単数形で尋ねた方が自然です。
これは3つ目の好きな色の場合も同様で、1つの色だけを聞きたいシチュエーションなら単数形のcolorになります。フレーズをマスターする際には、単数・複数の使い分けにも注意すると自然な英語が身につきやすいでしょう。
また、likeを他の動詞に変えれば、より多くのことが聞けます。
What sports do you often play?
(よくどんなスポーツをするの?)
What TV shows do you usually watch?
(たいていどんなテレビ番組を見る?)
often(よく)、やusually(たいてい)などの副詞を入れると自然な発話になるので、積極的に使ってみてください。
favorite
favoriteは「最もお気に入りの」「一番好きな」という意味を持つ形容詞。名詞の場合は「一番のお気に入り」「大好きなもの」という意味です。「最も」「一番」という意味を含むことから、最上級のthe most favoriteという使い方はしないので注意しましょう。
What is your favorite movie?
(一番好きな映画は?)
Who is your favorite actor?
(最もお気に入りの俳優は?)
Where is your favorite city in the world?
(世界の都市の中でどこが一番好き?)
Why is winter your favorite season?
(どうして冬が一番好きなの?)
favoriteの後の名詞を、food(食べ物)、car(車)、singer(歌手)などに変えれば、いろいろなことに関して好みが聞けますね。また、使う名詞に合わせて疑問詞も変えましょう。
さて、What is your favorite ~?とWhich is your favorite ~?の違いが分かりますか?
What is your favorite game?
(お気に入りのゲームは何?)
Which is your favorite game?
(お気に入りのゲームはどれ?)
上記2つの文は意味的に大きな違いはありませんが、Whatを使った文では「全てのゲームの中でお気に入りはどれか」を尋ねています。一方、Whichを使った文ではWhich of these is your favorite game?という意味合いで、「これらのゲームの中でお気に入りはどれか」という意味。この機会に、WhatとWhichが持つイメージを併せてつかんでおきましょう。
prefer
preferは「~の方を好む」「むしろ~を選ぶ」という意味を持つ動詞。
Do you prefer coffee or tea?
(コーヒーと紅茶とどちらがいい?)
Which do you prefer?
(どちらがいいですか?)
Which do you prefer, rice or bread?
(ご飯とパンとどっちがいい?)
Would you prefer a quieter restaurant?
(静かなレストランがお好みですか?)
Would you prefer me to drive?
(私が運転しましょうか?)
Do you prefer ~は「どちらの方を好むか」という比較構文です。一方、Would you preferは仮定法過去、つまりwouldは推量willの過去形で「できることなら~を好む」という婉曲表現。また、prefer someone to ~で「どちらかと言うと(人)に~してもらいたい」という意味になります。
その他のフレーズ
これまでのフレーズと似ていますが、その他の表現も示しておきます。
What kind of anime do you like?
(どんなアニメが好き?)
Which one do you like?
(どちらが好みですか?)
Which do you like better, the sea or the mountains?
(海と山とどちらの方が好き?)
また、趣味を聞く場合は以下のように表現します。
What do you like to do in your free time?
(時間があるとき何をする?)
What do you usually do on weekends?
(たいてい週末は何をするの?)
What is your hobby? と趣味を聞きたいところですが、英語の「hobby」と日本語の「趣味」はニュアンスが異なるため適していません。hobbyはスキルや知識を要することを指し、さらに仕事や学校以外の時間を全てつぎ込むほど熱中しているようなものだからです。そのようなマニアックな趣味を聞く際には、複数形のhobbiesを使い、以下のように言います。
Do you have any hobbies?
(趣味はありますか?)
好みを聞かれたときに便利なフレーズ
ここでは定番フレーズで例に上げた質問に対する返事を例示していきます。なぜなら、コミュニケーションは双方向で成立するため、自分が質問されることも想定しておく必要があるからです。
What ~ do you like?
I like tennis because I used to play. How about you?
(以前やっていたのでテニスが好きだな。あなたは?)
I grew up near the sea, so I like swimming the most.
(私は海の近くで育ったので、水泳が一番好きです。)
I like blue color because I love the ocean!
(海が好きだから青が好きだよ!)
自分の好みを英語で答えるときには、その理由も伝えると会話がはずみます。また、「あなたは?」と聞き返してもいいでしょう。
favorite
My favorite movie is “Star Wars”.
(一番好きな映画は『スター・ウォーズ』だよ)
My favorite actor is Tom Hanks! He is a great actor, isn’t he?
(お気に入りの俳優はトム・ハンクス。彼は素晴らしい俳優でしょ?)
My favorite city is Barcelona! But I would like to see the Egyptian pyramids, so I would love to go to Cairo the most.
(最もお気に入りの都市はバルセロナ!でも、エジプトのピラミッドを見たいから、一番行きたいのはカイロかな)
The winter season is my favorite because I love skiing! Do you like skiing?
(スキーが好きだから、冬が一番好きな季節だよ!スキーは好き?)
相手に関心を持たれるかもしれないので、質問の答えにもう一言添えてみましょう。
prefer
I prefer coffee to tea.
(紅茶よりコーヒーの方が好きだ)
I prefer the country to the city because there are too many people in the city.
(都会より田舎の方がいいな。だって都会は人が多すぎるから)
I prefer rice (to bread).
(ご飯の方がいいな)
I would prefer a lively restaurant.
(どちらかと言うと、にぎやかなレストランの方が好きです)
I would prefer it if you don’t mind.
(よろしければお願いします)
prefer A to Bで「BよりAを好む」という意味です。また、I prefer riceのようにto breadを省略しても構いません。
その他のフレーズ
I like/prefer fighting anime such as 『HUNTERxHUNTER』.
(『ハンターxハンター』のような戦闘アニメが好きだよ)
I like dogs about as much as I like cats.
(ネコと同じぐらい犬が好きです)
I like mountains better than the sea.
(海より山の方が好きだ)
as much asは「と同じ程度に」という意味。趣味を聞かれたときには、以下のように答えましょう。
In my free time, I love to work out at the local gym.
(時間があるときには、地元のジムで運動するのが好きです)
I usually see my friends on weekends and sometimes enjoy riding my bike.
(週末はたいてい友達に会って、時々サイクリングを楽しむよ)
異性の好みを聞くフレーズ
会話がはずめば、異性の好みについても話すかもしれません。簡単にフレーズを示しておきます。
直接的な表現
What is your type?
(あなたのタイプは?)
What type of girls/guys do you like?
(どんなタイプの女性/男性が好み?)
What kind of girls/boys do you prefer?
(どんな女性/男性が好み?)
あまり親しくない間柄なら、直接的な表現で異性の好みを聞くのは踏み込み過ぎかもしれません。直接的な表現を使うなら、以下のような聞き方がいいかもしれません。
May I ask what kind of girls/boys you like?
(どんなタイプの女性/男性が好みか聞いてもいい?)
間接的な表現
次いで、間接的な表現を示します。
What kind of girl/guy are you attracted to?
(どんな女性/男性に惹かれる?)
What is your ideal woman/man?
(理想の女性/男性は?)
What do you look for a partner?
(パートナーに何を求める?)
What is your favorite type of girl/guy?
(好みのタイプの女性/男性は?)
What kind of woman/man are you looking for?
(どんな女性/男性を探しているの?)
be attracted to Aで「Aに惹かれる」という意味。また、ideal personは「理想の人」です。
自分の異性の好みを伝えるには
I like a charming person.
(チャーミングな人が好きよ)
charmingを他の形容詞に変えてみましょう。例えば、kind(親切)、funny(面白い)、positive(積極的な)、independent-minded(独立心がある)、respectful(敬意を表する)、polite(礼儀正しい)など。また、似たような表現ですが、以下のように言ってもいいでしょう。
I like someone with beautiful smile.
(笑顔が素敵な人が好きだな)
この場合もwithの後をa kind heart(心が優しい)、a sense of humor(ユーモアのセンスがある)など、好みに合わせて変えてみてください。
コーヒーやワインの好みを聞く
最後に、コーヒーやワインの好みを聞く際に便利なフレーズと関連する単語を見ていきましょう。
コーヒー
コーヒーを入れたり買いに行ったりする前に、話し相手のコーヒーの好みを聞く機会もあるかもしれません。まず、コーヒーを飲むかどうかを尋ねましょう。
Would you like some coffee?
(コーヒーを飲みますか?)
Do you want to drink coffee?(コーヒーが飲みたい?)は親しい間柄で使われるカジュアルな表現。初対面等には適さないので避けた方がいいでしょう。
また、このように聞かれたときには以下のように答えます。
Yes, please. Could you please put some milk?
(はい、お願いします。ミルクを少し入れていただけますか?)
Yes, coffee with milk please.
(はい、ミルク入りのコーヒーをお願いします)
No, thank you.
(いいえ、結構です)
No, I’m OK.
(いいえ、結構です)
Do you prefer strong coffee?
(濃いめのコーヒーがお好みですか?)
Yesの場合は、どんなコーヒーが好みなのか聞いてみましょう。put some milk/sugarで「ミルク/砂糖を入れる」、ミルクも砂糖も入れないときにはno milk and sugar pleaseと言います。また、「濃いめのコーヒー」はstrong coffee、「薄めのコーヒー」はweak coffeeです。
ちなみに、「アイスコーヒー」ice coffeeではなくiced coffeeです。また、「アメリカン」もそのままでは通じません。しかも国によって表現が異なり、アメリカではregular coffee、オーストラリアではlong blackと言います。
ワイン
これまでに示したフレーズで十分ワインの好みを尋ねられますが、レストランのワインのソムリエやウエイターは以下のように好みを聞きます。
May I ask your taste of wine?
(ワインの好みをお聞きしてもよろしいですか?)
ワインの「好み」はtasteを使います。「赤ワイン」はred wine、「白ワイン」はwhite wine、「ロゼワイン」はrose wineです。「甘口」はsweet、「辛口」はdry、「おつまみ」はfinger foodと言うので併せて覚えておきましょう。
まとめ
相手の好みを尋ねるフレーズは数多く存在します。初対面なら最初は無難な話題を選び、徐々に相手の好みを尋ねていきましょう。英語で好みを聞く表現が身につけば、自信を持ってコミュニケーションが取れるはず。少しずつでも着実にフレーズを使いこなし、自分のものにしていきましょう!
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