英語の領収書は日本語のものとどう違う?英語領収書はこうやって見よう

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海外に行ったことのある人なら、たいてい一度は英語の領収書を手にしたことがあるでしょう。とはいえ日本の領収書との違いにとまどうこともあったのでは?

領収書は海外旅行のときのみならず、海外のネットショップで商品やサービスを注文するときにも受け取ります。英語の領収書の基本的な用語や見方を学び、必要なときにきちんと確認できるようにしましょう。

英語の領収書の基本の形と単語

海外ではレシート=領収書という考え方なので、日本とは違い手書きの領収書をレシートと別に発行する文化はありません。領収書はA5やA4で印刷されたものから、レジ用紙など様々です。

タクシーは普通のレジ用紙が領収書となります。ホテルやネットでの商品購入、銀行の領収書は印刷されたA5やA4の利用料の詳細が印刷されたもの、またレストランは基本的にレシートですがホテルと同じようなもう少しきちんとした領収書が発行される場合もあります。

英語領収書の基本構成

英語の領収書の基本的な構成は次の通りです。

・領収書のタイトル
・会社名(ホテルやレストランの名前など)
・連絡先(住所・電話番号・メールアドレスなど)
・領収書番号
・発行日(利用日)
・商品やサービスの内訳及び個別の利用金額
・税抜の場合は税額
・合計金額
・受け取り方法(現金、クレジットカード)
・受領金額・残高(料金の一部支払いの場合)
・領収書のサイン

これらが全て記載されていることもあれば、会社名と連絡先、日付、誰に対しての支払いなのか、残高及びサインのみの簡略化されたものもあります。どちらかというとこのタイプの方が日本の領収書に近いかもしれませんね。

英語領収書に使われる基本単語

では英語の領収書を見る際に覚えておくべき単語と気をつけるポイントを一つ一つみてみましょう。

領収書のタイトル:receipt / acknowledgement / statement / voucher / proof of purchase / invoice

receiptは日本語ではレシートと読みますが、発音はリスィートに近いです。場合によってはacknowledgement(領収証)、statement(取引明細書)、voucher(支払い領収証)、proof of purchase(購入証明書)、invoice(送り状)などと記載されていることもあります。

Invoiceは納品書と請求書を兼ねていることが多いです。請求書であり厳密には領収書と呼べないのですが、特にクレジットカード払いですでに料金が支払われている場合は、invoiceが商品と同封されていて領収書としての役割を兼ねていることもあります。

公共料金やサービス、授業料などはinvoiceが送られ、それを持ってコンビニなどで支払ったり、支払い部分(slip)を切り取って小切手(cheque)を同封して投函や手渡しをします。この場合は明細が表記された部分が領収書の代わりとなります。

発行会社名:company name

発行会社名は、日本では一番下に書かれていることがほとんどですが、英語の領収書では一番上の方に記載されます。

連絡先:contact

連絡先には、住所(address)、電話番号(tel / phone number)、メールアドレス(email)などが記載されています。住所は日本の場合とは逆で、「ビル番号→ビル名→通り→地区→都市・国→郵便番号」の順に記載されます。

領収書番号:receipt number

領収書番号は、番号の前にno.や#と略して記載されていることもあります。

発行日:issue date / date of issue

領収書には通常、発行日が記載されており、その場での買い物ではない場合利用日とは異なることもあります。ホテルなどの何日かにわたる場合は、日付ごとに明細が記載されています。アメリカでは「月→日にち→年」の順になりますが、オーストリアなどイギリス式を採用している場合は「日にち→月→年」の順なので気をつけましょう。

・(アメリカ式)2021年2月14日 2/14/2021 February 14, 2021
・(イギリス式)2021年2月14日 14/2/2021 14 February 2021(コンマなし)

なお数字が一桁の場合は、02/14/2021 あるいは 14/02/2021のように頭に「0」がつくこともあります。

商品やサービスの内訳:description / item / item description

利用明細はdescriptionあるいはitemの欄で確認することができます。item descriptionと書かれていることもあります。

個数:quantity

省略型のqtyが使われるものもあります。

金額:fee / price / value

授業料や相談料などのサービスに関するものはfee、商品の場合はpriceやvalueが使われます。

税額:sales tax / VAT

sales taxの代わりにヨーロッパではVAT(value added tax)と表示されます。sales taxもVATも同じ消費税のことで、パーセンテージと金額が記載されます。日本ではどんなサービスや商品も同じ割合の消費税ですが、アメリカでは州によって税額が違いますし、ヨーロッパでは商品の種類によってかかる税額が変わってきます。

余談ですが、例えば消費税が世界で初めて導入されたフランスでは、生活必需品にかかる税率は低く、贅沢品には4倍近くの消費税がかけられます。個人的に面白いと思ったのは、お花はそのままなら生活必需品と同じ5%強の消費税ですが、アレンジされたものは20%の消費税がかかることです。アレンジとはいっても、束ねただけの花束は低い方の税率ですが、バスケットにアレンジされた凝ったものは高い税率になります。同じお花でもこのように消費税が異なるのは面白いですね。

合計金額:total price / total fee

税額を含んだ合計金額はずらっと個別の金額が並んだ一番下で確認することができます。明細が掲載された通常の領収書以外に別途依頼すると、発行者・日付・受領者及びtotal priceだけが記載されたものをもらうことがあります。

受領方法:form of payment / method of payment / payment method

受領方法は、現金(cash)、クレジットカード(credit card)、小切手(cheque)の3つが一般的です。

日本では小切手を使うことはまずないと思いますが、海外では気軽に使われます。特にアメリカは小切手文化で、スーパーの少額の支払いも小切手で済ませることが多いです。同じアジアの香港でも小切手は家賃の支払いや光熱費や学費の支払いなどによく使われています。

受領金額:total amount received

場合によっては請求金額(total amount due)及び残高(balance due)も記載されています。balance dueは必ず確認して支払い期限に支払うようにします。

領収書のサイン:signature / signed by

領収書の最後には、signed byあるいはsignatureの下や横に発行者のサインがあります。ちなみに芸能人などのサインは英語ではsignatureではなくautographと呼びますので覚えておきましょう。

領収書を発行してもらおう

海外出張の精算の担当者は通常、海外では日本のようにレシート以外に別途手書きの領収書を発行する文化がないことを理解しています。ただ会社によってはどうしても別途領収書が必要なときがあるかもしれません。発行を依頼する場合の英語表現は次のようなものになりますので、参考にしてください。

領収書の発行を依頼する英語表現

「領収書をください」とお願いするときは、「Could I 〜? 」あるいは「May I 〜?」の形を使います。

Could I have a receipt, please?
May I have a receipt, please?
(領収書をいただけますか?)

いずれも同じ意味ですが、May I を使った方がCould I より、さらに丁寧な表現になります。pleaseはつけなくても大丈夫ですが、つけた方がより丁寧です。

なお、「Can I 〜?」はインフォーマルな言い方になるので、カジュアルな感じの接客のお店ならいいですが、通常は「Could I 〜? 」あるいは「May I 〜?」を使う方が無難です。

宛名を指定する際の英語表現

会社宛に領収書を発行して欲しいときなど宛名を指定する場合は、前述の「Could I have a receipt」のあとに「addressed to+会社名・人名」をつけることで表現できます。

Could I have a receipt addressed to ABC Ltd., please?
(株式会社ABC宛てに領収書をいただけますか?)

May I have a receipt addressed to Hideo Yamada, please?
(山田英夫宛に領収書をいただけますか?)

メールで依頼する場合は問題ありませんが、口頭で依頼する場合はスペルも一緒に伝えましょう。「スペル+for / as in+頭に該当アルファベットを使った単語」で説明します。

H for Henry, I for Island, D for Denmark, E for England, O for Oscar
H as in Henry, I as in Island, D as in Denmark, E as in England, O as in Oscar
(ヘンリーのH、アイランドのI、デンマークのD、イングランドのE、オスカーのO)

forの方が簡単なのでこちらを使う人が多いですが、as inを使う人もいます。どちらか自分で言いやすい方を使いましょう。また、単語はすぐ思いつくもので構いませんが、広く知られている人名や国名が一般的です。

但し書きを指定する際の英語表現

但し書きは英語でpayment descriptionです。通常は「payment for〜」あるいは「for the payment of〜」と書かれている部分で確認できます。あえて但し書き内容を指定したい場合は次のように依頼するといいでしょう。

Could you put ‘birthday gifts’ in the payment description?
(但し書きを誕生日プレゼントにしていただけますか?)

putは「置く」という意味のほかに「書く」という意味もあり、putをwriteにしても同じ意味になります。

英語領収書参考テンプレートサイト

参考に実際の領収書のテンプレートを確認してみましょう。色々なタイプがあるので自分で領収書を発行する場合は、用途に応じて好きなものを利用するといいですね。

1. Invoice Simple
一般的領収書がエクセルやワードでダウンロードできるサイトです。ダウンロードするほかにも、サイト上でそのまま必要事項を記入することで簡単に領収書が作成できるようにもなっています。

2. General Receipt
こちらもシンプルな一般的領収書の作成・ダウンロードができるサイトです。商品やサービス、家賃、寄付金など決まった用途の領収書のほか、さまざまな用途に使える一般的な領収書を作ることができます。

3. Medical Expenses Receipt
医療領収書のサンプルページです。和訳付きなので、海外で医者にかかった場合の料金の確認に便利です。

4. Restaurant Receipt
簡単なレストランの領収書サンプルのページです。ホテルの領収書はこれと似たタイプのものが使われることが多いです。

5. Sample.net 
こちらも家賃の支払いや物品の購入、銀行取引などさまざまなタイプの領収書がダウンロードできるサイトです。

6. TemplateLAB 
家賃の領収書サンプルのサイトです。ごく簡単なものから、細かく記載があるものまで色々なタイプがあります。外国人への賃貸をして領収書を発行する場合にも利用できますね。

まとめ

英語の領収書と聞くと尻込みしてしまいそうですが、実際は使われている用語もシンプルですし、基本的には日本のいわゆるレシートと内容に違いはあまりありません。ご紹介したテンプレートを利用して、手元にある日本語のレシートを英語に訳してみるのも勉強になります。時間があるときにぜひトライしてみてくださいね。

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