計り知れない努力をして偉業を成し遂げた人の言葉は重く、心に刻んでおきたい言葉がたくさんあります。
偉人とひとことで言っても、スポーツ、ゲーム、ビジネス、文学、哲学…とたくさんの分野があります。その中でも今回はスポーツの代表的な分野におけるレジェンドの名言を、各レジェンドの簡単な紹介とともに英語で振り返ります。
自身の座右の銘として、あるいは友達や知り合いに贈る言葉として、気に入ったものがあれば覚えておきましょう。ここぞという場面でさっと使えるようにするとステキですね。
代表的な球技のレジェンドによる名言
代表的な球技の種類別にレジェンドの名言を見ていきましょう。個人的にも大好きな名言を集めてみました。バスケットボールやサッカーなど球技は日常でも身近な競技が多く、名前を聞いたことがあったり実際に競技していた場面を覚えている方も多いのではないでしょうか。
ご自身が尊敬するレジェンドの名言を調べるのも勉強になりますので、余裕があればぜひここで紹介した以外の名言も調べてみてくださいね。
バスケットボール
“I can accept failure, everyone fails at something. But I can’t accept not trying.”
— Michael Jordan
「失敗は受け入れられる、皆失敗するものだ。でもトライしないことは受け入れられない」
(マイケル・ジョーダン)
<解説>
バスケットボールの神様マイケル・ジョーダン。バスケットボールファンはもとより、バスケットに興味がない方も聞き覚えがある名前ですよね。
「受け入れる」という意味のacceptは、「accept + 動名詞・名詞」あるいは「 accept to + 動詞原型」のパターンがありますが、ここでは前者が使われています。
“Excellence is not a singular act, but a habit. You are what you repeatedly do.”
— Shaquille O’Neal
「卓越性とは単一の行為ではなく、習慣だ。人は繰り返し行うことで成り立っている」
(シャキール・オニール)
<解説>
「ザ・ディーゼル」の異名をもつバスケットボールのレジェンドの言葉。人より秀でるためには、たゆまない努力を習慣化することが大切です。英語学習者にも響く言葉ではないでしょうか。
「You are what 〜」は「人は〜である」という意味でよく使われる形です。ここでのYouは「あなた」ではなく、「あなたも含めた一般的に人全般」を指していており、英語では一般的な表現です。
この形で有名な言葉、“You are what you eat.”(食べるものが人(の体)を作る)は、フランスの政治家・法律家で美食家でもあるジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランの言葉の一部が起源ですが、米国の健康食品の先駆者ビクター・リンドラーの同名著書により世界的に知られることとなりました。
サッカー
“The more difficult the victory, the greater the happiness in winning.”
— Pelé
「勝利が難しいほど、勝った時の喜びが大きくなる」
(ペレ)
<解説>
サッカーの神様ペレの名言。
「the 比較級…, the 比較級」の形で、色々な場面に応用できて便利ですし、学校のテストや資格試験で出てくることもあるのでぜひ覚えておきましょう。
“The more, the merrier.”(大勢の方が楽しい)は、会話でも気軽に使われる表現です。
“You have to fight to reach your dream. You have to sacrifice and work hard for it.”
— Lionel Messi
「夢を実現するためには戦わなければならない。(夢に向かって)犠牲を払い、努力することが必要だ」
(リオネル・メッシ)
<解説>
100年に一人の天才と呼ばれる現役サッカー選手メッシの格言。想像もできないような努力を人一倍してきたことが垣間見れる言葉ですね。
「You have to + 動詞原型」は「〜をしなければならない」となり、意味としてはmustと同じですが、次のような違いがありますので覚えておきましょう。
1. mustが話者の主観が入っていることに対し、have toは客観的なのでもっと広く使える
2. mustが現在形のみであることに対し、have toはhad to / will have toのように過去や未来についても使える
テニス
“One important key to success is self-confidence. An important key to self-confidence is preparation.”
— Arthur Ashe
「成功するのに大切な秘訣の一つは自信だ。自信を持つのに大切な秘訣は準備だ」
(アーサー・アッシュ)
<解説>
黒人で初めてウィンブルドン、全米オープン、豪オープンを制覇したテニス界レジェンド。
この名言はスポーツに限らず、ビジネスや勉強など色々な場面で身にしみる言葉ですね。
「 key to + 名詞」(〜の秘訣・解決の鍵)という表現は色々な場面で応用できます。
“What’s the key to happiness?”(幸せの秘訣は何ですか?)“Revision is the key to good grade.”(復習が良い成績のための秘訣)のように、「key to」の後に続く名詞には冠詞がつかないことに注意しましょう。
“I love the winning, I can take the losing, but most of all I love to play.”
— Boris Becker
「勝つのが好きだし、負けるのも大丈夫。でも、一番好きなのはプレイすることだ」
(ボリス・ベッカー)
<解説>
ウィンブルドンウィを史上最年少17歳で制覇したベッカーは、シュテフィ・グラフと共にドイツテニス界の黄金期を形成。ビッグサーバーで「ブンブン・サーブ」の愛称で親しまれました。勝敗以前にテニスが大好きなことが垣間見れる言葉ですね。
ここで「I love winning」ではなく、あえて「the winning」としているのは「勝つという行為」を強調しているためだと思われます。また、その後の「take the losing」との対比ともなっており、語調がよく聞こえます。
また「 most of all」は「とりわけ、何より一番」という強調の意味があります。
例えば、“I like swimming most of all.” (私は泳ぐのが一番好きです)“Most of all, they wanted to go home.”(とにかく彼らは家に帰りたかった)のように使うことができます。
野球
“It’s hard to beat a person who never gives up.”
— Babe Ruth
「決して諦めない人に勝つのは難しい」
(ベーブ・ルース)
<解説>
「バンビーノ」の愛称で知られる伝説の男で、最初に野球殿堂入りをした5人のうちの一人。自伝を読んだり、教科書で彼について学んだことがある方も多いのでは?
「It’s hard to〜」の形はhardの部分をdifficult、easy、greatなど別の形容詞を入れ替えて幅広く活用できるのでこのまま覚えておきましょう。
“A life is not important except in the impact it has on other lives.”
— Jackie Robinson
「人生は他の人に影響を与えない限り重要ではない」
(ジャッキー・ロビンソン)
<解説>
ロビンソンは有色人種排除の方針があったMLBにおいて、近代メジャーリーグでは黒人初のメジャーリーガーです。そういった時代背景を考えると彼らしい格言ですね。
「except (that)〜」あるいは「except (for)〜」は「〜(という場合やもの・人など)以外では、除いて」という意味の前置詞です。
exceptだけの場合は、「except in the bathroom(浴室を除いて)」「 except (that) he left early(彼が早く帰った以外では)」「except when he is tired(彼が疲れているときを除いて)」など、文節や前置詞を伴ったフレーズで使えますが、except forは、「except for John(ジョンを覗いて)」「except for medical reasons(医学的理由を除いて)」のように名詞だけが続くことに気をつけましょう。
そのほかの代表的なスポーツのレジェンドによる名言
球技だけではなく、そのほかのスポーツにも素晴らしい名言がたくさんあります。
陸上、格闘技、競泳、登山という4つの種目のレジェンドたちの言葉を振り返りましょう。
陸上
“To be number one, you have to train like you’re number two.”
— Maurice Greene
「ナンバー1になるためには、ナンバー2であるかのようにトレーニングしなくてはならない」
(モーリス・グリーン)
<解説>
男子100m元世界記録保持者からの、常に高いレベルで努力を続けることが必要というメッセージ。ここでもサッカーのメッシ選手が使用していた「have to」の形が使われています。
また、「like〜」は「〜のように」という意味で、日常会話でも非常によく使われる言葉です。この格言のように、文節でも名詞でも使うことができます。
“Scientists have proven that it’s impossible to long-jump 30 feet, but I don’t listen to that kind of talk. Thoughts like that have a way of sinking into your feet.”
— Carl Lewis
「科学者は30フィートのロングジャンプは不可能だと証明しているが、私はそのような話には耳を貸さない。そういう考えは、足に染みついてしまうものだ」
(カール・ルイス)
陸上界スーパースター、カール・ルイス。オリンピックメダル10個、世界選手権メダル10個という驚異的な成績を残している言わずと知れた陸上界のレジェンドです。1991年世界選手権の東京大会で人類初100mを9秒8台で走ったことを覚えている方もいらっしゃるのでは?
「sink into〜」は「〜に浸透する、陥る」という意味で、「sink into poverty(貧困に陥る)」「sink into despair(絶望に陥る)」などネガティブなことを表すことも多いですが、「sink into bed(ベッドに沈む)」「 sink into a hot bath(暑いお湯に浸かる)」など体を何かに沈めるという意味でもよく使われます。sinkは「下へ下へ落ちていく」という状態を表します。この状態をイメージするとニュアンスがわかりやすいですね。
格闘技
“He who is not courageous enough to take risks will accomplish nothing in life.”
— Muhammad Ali
「危険を犯す勇気のない者は、人生で何も成し遂げられない」
(モハメド・アリ)
<解説>
元WBA・WBC統一世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリには、素晴らしい格言がたくさんあります。その中でもこの言葉は色々な人の心に刺さる名言ではないでしょうか。
「He who 〜」の形では他にも「He who hesitates is lost. (ためらうものは失敗する)「He who laughs last, laughs best. (最後に笑えるものが勝ち、最後に笑う者が最もよく笑う)」のようにことわざにもよく使われています。
また英語圏で大変有名な文章に、ヨハネの福音書8章にあるキリストの言葉「He who is without sin can cast the first stone.(罪を犯したことがない者が最初に石を投げなさい)」というものがあります。「cast the first stone」は文字通りの意味だと「最初に石を投げる」という意味ですが、当時罪を犯した人に石を投げつけて死刑にするということが行われていました。このことから、現代では「cast the first stone」は「真っ先に非難する」という意味のフレーズとして使われているので、ぜひ覚えておきましょう。
“Right out of high school I never had the fear of getting beat, which is how most people lose.”
— Dan Gable
「高校生の頃から、多くの人が負ける原因となる「やられる」という恐怖を感じたことがなかった」
(ダンゲーブル)
<解説>
ミュンヘン五輪68kg級レスリング金メダリストで、国際レスリング連盟(FILA)の殿堂入りをしているレジェンド。アシックスのシューズにはダンゲーブルという有名なモデルがあるので知っている方も多いのでは?強い人はいつも自信に満ち溢れていることがわかる言葉です。
「〜という恐怖がある」は、ゲーブルの言葉では「have the fear of 」とあります。しかし通常は「have a fear of」の形で使われます。例えば「have a fear of heights(高いところが怖い)」「have a fear of losing my partner(恋人を失うのが怖い)」など、恐怖はたくさんあるものの一つに過ぎません。この格言では「色々な要素を抜いた負ける原因となる特定の恐怖」について語っているため、定冠詞がついています。
競泳
“If you want to be the best, you have to do things that other people aren’t willing to do.”
— Michael Phelps
「一番になりたければ、他の人がやりたがらないことをやらなければならない。」
(マイケル・フェルプス)
<解説>
オリンピックメダル28個、うち23個という快挙を成し遂げた歴代最高の水泳選手で、「水の怪物」の異名があるフェルプス。北京五輪では8つの金メダル、うち7つは世界新記録という偉業を成し遂げたことが記憶にある方もいらっしゃることでしょう。
「be willing to〜」は「〜を喜んで行う」というフレーズです。いやいや後ろ向きな気持ちではなく、前向きに行う気持ちを表します。
“I heard you needed some volunteers for the next outing. I’m willing.”(次の遠足でボランティアが必要と聞きました。私やりますよ。)のように、何を行うのかわかっている場合は単に“I’m willing.”(私やりますよ)“My husband is willing.”(主人がやりたいと言っています)のように「主語 +be willing.」とだけいうこともできます。
“Persistence can change failure into extraordinary achievement.”
— Matt Biondi
「粘り強さは失敗を偉業に変えることができる」
(マット・ブロンディ)
<解説>
イアン・ソープやマイケル・フェルプス、ミヒャエル・グロスなどと並び、全盛期には世界を席巻した競泳選手。世界の一流になるためには、失敗しても諦めない不屈の精神が必要ということがわかりますね。
「change A into B(AをBに変える) 」という表現は「あるものを別の形のものに変える」という他動詞です。例えば、“I need to change my Japanese yen into US dollars.”(日本円を米ドルに交換しないといけない)“Heat changes ice into water.”(熱は氷を水に変える)など異なる場面で使うことができます。
なお、自動詞の「change into〜は「〜に着替える」「〜に変化する」「〜にギアをシフトする」などの意味があります。
登山
“Better we raise our skill than lower the climb.”
— Royal Robbins
「登る高さを下げるより自分の技術をアップした方が良い」
(ロイヤル・ロビンス)
<解説>
アメリカロッククライミングのパイオニア的存在のロビンスは、自分ができないからといって目標を下げるよりも、高い目標を達成するのに必要なスキルを磨くべきだと言っています。難関校の受験や仕事で自分の能力以上の任されたときに振り返りたい名言ですね。
この発言のbetterはその後に”we raise our skill”全体にかかっており、その後の「lower」は、「低い」という意味の形容詞lowの比較級ではなく、「下げる」という意味の動詞lowerであることに注意しましょう。better…lower…と韻を踏んでおり、リズム感のいい文章になっています。
“It is not the mountain we conquer but ourselves.”
— Edmund Hillary
「征服するのは山ではなく自分自身だ」
(エドマンド・ヒラリー)
<解説>
テンジン・ノルゲイと共に人類初のエベレスト登頂をした登山家として世界的に有名な人物。ニュージーランドの国民的英雄で5ドル紙幣の肖像にもなっており、亡くなった際は国葬されています。エベレスト・南極・北極のスリーポールチャレンジを達成した世界初の人物としても知られています。
実は多くの人が「そこに山があるから」という有名な発言が彼のものだと勘違いしていまが、これは誤訳だったと言われています。実際は「そこにそれ=エベレストがあるから」と答え、さらにその発言は英国の登山家マロリーのものです。この発言を巡っては色々な論文や本も出ていますので興味があれば読んでみると面白いかもしれません。
「It is not A but B(AではなくBである)」は、例えば“It is not me who did it but my brother.”(それをやったのは私じゃなくて弟だ) “It is not the result I was disappointed with but his attitude.”(私ががっかりしたのは結果ではなくて彼の態度だ)のように会話でも使われる表現です。
まとめ
心に響くものは見つかりましたか?英語の表現はストレートなものが多いので、同じことを日本語で聞くより、グッと心に刺さるものがあったと思います。
尊敬するレジェンドの言葉を覚えることは、英語学習の一貫としてだけではなく、日々のモチベーション保持やアップにも役立ちます。ぜひ気に入ったものを書き留めて心に留めておきましょう。
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