寝ている間に聞いたことが暗記できるという「睡眠学習」。英語学習にピッタリのように思えますが、「ほんとにそんなことが可能なの?」と疑っている人も多いかもしれません。実は、「起きている間に聞いたことを眠っている間に再度聞くと、記憶が定着する」ということが、科学的に実証されているそうです。睡眠学習を効果的なものにするには、何をどのように勉強すればいいかご紹介します。
睡眠学習で英語を身につけるための条件
「眠っている間に英単語が覚えられる」と言うと、「なんか怪しい」と思ってしまうかもしれませんが、海外の研究者たちの実験により、ある一定の条件下で音を聞くと、それが記憶に残りやすくなることがわかっているそうです。どのような条件が必要なのか、見ていきましょう。
起きているときに学習しておく
眠っている間に初めて聞いたことを覚えられるわけではありません。「あらかじめ知っていることを、眠っている間にしっかり記憶することができる」のです。そこで、起きている間に、覚えたいことを学習しておく必要があります。
「ノンレム睡眠」の間に聞く
人の睡眠には、深い眠り「ノンレム睡眠」と浅い眠り「レム睡眠」とがあり、一晩眠っている間に、この2つを繰り返しているそうです。記憶力を高めるのに効果があるのは、「ノンレム睡眠」の間に聞くこと。このとき、脳が記憶を定着させる働きをしています。
一般に、人は眠ってからすぐに深いノンレム睡眠に入り、1時間ほどで浅いレム睡眠が訪れます。つまり、確実に記憶に定着させるには、眠りに入ってからすぐのノンレム睡眠の間に聞くのがよい、ということになります。
起きているときより、眠っているときのほうが覚えられる
「起きている間は脳が活発に働いているのだから、眠りながら復習するよりは、起きているときに復習するほうがいいだろう」と思うかもしれませんが、実は、起きている間に再度聞いたことより、眠っている間に再度聞いたことのほうが、より記憶に残っているという実験結果もあるそうです。脳の記憶のメカニズムとは不思議なものですね。
ニオイも役に立つ
音だけでなく、ニオイも記憶に定着するそうです。例えば、自分の好きなアロマの香りとともに勉強し、眠っている間にまだそのアロマの香りをかぎます。すると、起きている間にそのアロマをかぐと、前に勉強したことが思い出しやすくなります。
睡眠学習を活用して、単語やフレーズを覚えよう!
やみくもに「寝ながら聞く」のではなく、きちんと手順を踏んで実践すれば、睡眠学習を効果的に活用することができそうです。例えば、こんなふうに勉強してみてはいかがでしょうか。
1) 起きている間に、覚えたい単語やフレーズを聞いておく
「この単語やフレーズを覚えたい」という教材を決め、起きている間に学習してきちんと意味をとらえておきます。電車に乗っている間や昼休みに流して聞くということでもいいでしょう。
YouTubeには睡眠学習用のさまざまな動画がアップされているので、好きなものを選ぶといいかもしれません。いくつか役に立ちそうなものを紹介します。
基礎英語&初級英会話の睡眠学習法 ☆☆☆前編☆☆☆
Have fun!(楽しんできてね!)など会話に役立つ短い英文を、日本語・英語の繰り返しで再生。聞いているだけでフレーズが覚えられます。
Deep Sleep Story – Inspired Story for Adults to Sleep
「音が気になって眠れないのでは」と心配な人へ、「眠くなる読み聞かせストーリー」の英語動画です。「cc」ボタンで字幕を再生し、起きている間に内容を理解しておきましょう。
2) ベッドに入ったらすぐに再生
起きている間に聞いた音声を、眠りながら再生します。記憶が定着しやすいノンレム睡眠は最初の1時間ほどなので、ベッドに入ってすぐに再生するのがポイントです。
*YouTubeで同じ動画を繰り返し再生するには、睡眠学習用に新しい「再生リスト」を作成してそこに動画を追加し、リスト名の左に現れる「リピートアイコン」をオンにします。
*「眠っている間に自動再生でずっと流れているのが気になる」という人は、スマートフォンの再生停止機能を利用しましょう。
iPhone:「タイマー」アプリから「再生停止」で時間を設定します。
Android:「Super Simple Sleep Timer」のような、自動再生停止のためのアプリを使います。
3) 起きているときに記憶の定着を確認
目が覚めたら、「日本語を聞いたらすぐに英語を言ってみる」「英語を1文ずつ聞いて、意味がわかるかどうか確認する」といった方法で、どれくらい覚えているか確かめてみましょう。
1日や2日ではすぐに効果が表れないかもしれませんが、同じ音声を毎晩聞くことを習慣にすると、いつしか無意識のうちにパッと英語が出てきたり、聞くとすぐ意味がわかるようになっていたりするはずです。
4) 音楽や香りも活用して読んだことを覚える
音や香りと結びついた記憶を睡眠中に定着させることができるので、例えばこんなことも可能です。
a) 自分の好きな音楽をかけたりアロマを焚いたりしながら英文を読みます。
b) 眠っている間にその音楽を流したり、同じアロマを香らせたりします。
c) 起きているとき、その音楽を聞いたりアロマの香りをかいだりすると、読んだ英文がよみがえります。
こうすれば、単語のスペルなども覚えられるようになります。
レアジョブでオンライン英会話レッスンを受けても、復習する時間が取れないという人は、ぜひこの睡眠学習を活用してみましょう。レッスンを録音して眠っている間に聞くようにすれば、自然に記憶に定着します。レアジョブのレッスン時間は、1回25分。同じレッスンを繰り返し再生してもいいし、複数のレッスンを続けて再生するようにしてもいいでしょう。
レッスン中にいつも好きなアロマを焚くようにして、眠って音声を聞くときも同じアロマの香りをかぐようにすれば、さらに効果があるかもしれませんよ。
まとめ
私自身は、寝る前にいつも英語のオーディオドラマを聞くことにしていて、いわゆる‟寝落ち”(fall asleep while listening)してしまいますが、眠っている間もリピート再生でずっとドラマが流れています。すると、起きている間に何かのはずみでふっとそのストーリーやセリフが頭の中に浮かんでくるのです。意識して覚えようとしているわけではないのに、面白いですね。どんな人にも同じように効果があるというわけではないかもしれませんが、睡眠学習が果たしてどれくらい自分に効くか、一度試してみるといいですよ。
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