スピーキング、ライティング、リスニング、リーディングすべてにおいて必要になるのが英単語。とはいえ、「なかなか英単語が覚えられない」「覚えてもすぐ忘れてしまう」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、接頭辞を利用して英単語を覚える方法です。接頭辞とは、単語の頭についている「dis」「re」「in」といったものを指します。こういった接頭辞を理解することによって、英単語をいつも以上に効率的に覚えることができるのです。そこでこの記事では、接頭辞「dis」に絞って、詳しく解説していきます!この記事を読めば、単語暗記が少し楽になりますよ。
接頭辞を学ぶべき理由
まずは接頭辞を学ぶべき理由を解説していきますね。冒頭でも触れた通り、英語力をアップさせるには大量の英単語を覚える必要があります。子供の場合、大量の英語のシャワーを浴びれば自然と英単語を覚えることができますが、大人の場合そうはいきません。忙しい毎日の中で英単語を覚えないといけないので、効率的かつロジカルに覚えていく必要があります。そこで提案したいのが接頭辞を使った暗記法です。
英単語の意味が予測できるようになる
接頭辞にはそれぞれ意味があります。例を挙げると「dis」には「反対」「否定」、「re」には「再び」「繰り返し」といった意味があります。こういった接頭辞の意味を知っていれば、初めて見た単語でも意味を予測することができるのです。例えば、dishonestという単語を知らなくても「dis(反対)」と「honest(正直な)」に分解すれば、「dishonest=不正直な」と意味を推測することができますよね。「honest=正直な」「dishonest=不正直な」と一つ一つ丸暗記するよりも効率的ですよ。
効率的に語彙力を強化できる
すべての英単語を一つ一つ覚えるには、かなりの時間と労力が必要になります。一方、接頭辞を利用した暗記法であれば、「語根」と言われる単語の核となる部分と接頭辞を覚えてしまえば、ある程度意味を予測できるので、暗記すべき量はだいぶ減ります。そして、接頭辞に加えて接尾辞も覚えるとさらに効果的です。接尾辞とは単語の最後に付いている「ness」「ful」「ly」などを指します。「ness=名詞」「ful=形容詞」「ly=副詞」のように、品詞も特定しやすくなるので、さらに単語暗記が楽になりますよ!
接頭辞「dis」の意味
先述した通り、接頭辞「dis」には、「反対」「否定」といった意味があります。「語根」に「dis」が付くことにより、「語根」の意味と反対の意味を表すようになります。
「disagree」という動詞を例にとって解説しますね。
「disagree=反対する」とそのまま覚えている人も多いかと思いますが、この単語を分解すると、「dis(接頭辞)」+「agree(語根)」といった構成になっています。
接頭辞の「dis」が「agree(賛成する)」に付いて、「disagree=反対する」となります。
接頭辞「dis」は動詞だけでなく、形容詞や名詞にも付きます。
例えば、comfort(快適)という名詞にdisが付くと、discomfort(不快)という意味になり、advantageous(都合のよい)という形容詞にdisが付くと、disadvantageous(不都合な)という意味になります。
それでは、disが付く名詞、形容詞、動詞の一覧と例文を見ていきましょう!
「dis」が付く名詞
「dis」が付く名詞一覧
名詞 | 「dis」を付ける |
---|---|
belief(信念) | disbelief(不信) |
ability(能力) | disability(無能) |
loyalty(忠実) | disloyalty(不忠) |
order(整頓) | disorder(無秩序) |
grace(優雅) | disgrace(不名誉) |
content(満足) | discontent(不平) |
favour(支持) | disfavour(不賛成) |
comfort(快適) | discomfort(不快) |
honour(栄誉) | dishonour(不名誉) |
affection(愛情) | disaffection(不平) |
infection(感染) | disinfection(消毒) |
approval(承認) | disapproval(不承認) |
harmony(調和) | disharmony(不調和) |
advantage(有利) | disadvantage(不利) |
continuance(継続) | discontinuance(停止) |
agreement(同意) | disagreement(不一致) |
satisfaction(満足) | dissatisfaction(不満足) |
proportion(釣り合い) | disproportion(不釣り合い) |
「dis」が付く名詞の例文
「dis」が付く名詞の例文を見ていきましょう!
Not being able to speak English could be a disadvantage.(英語が話せないことで不利になることもある。)
Being able to speak English is a major advantage.(英語が話せるとかなり有利です。)
advantageは「有利」という意味の名詞で、これにdisが付いてdisadvantageになると、「不利」という逆の意味になります。
また、上記の例文では動名詞が使われています。動詞のing形は「~すること」という意味で、Not being able to speak English(英語が話せないこと)、Being able to speak English(英語が話せること)が各例文の主語になります。
「dis」が付く形容詞
「dis」が付く形容詞一覧
形容詞 | 「dis」を付ける |
---|---|
honest(正直な) | dishonest(不正直な) |
obedient(従順な) | disobedient(不従順な) |
agreeable(感じのよい) | disagreeable(不愉快な) |
connected(連続している) | disconnected(離ればなれの) |
advantageous(都合のよい) | disadvantageous(不都合な) |
「dis」が付く形容詞の例文
「dis」が付く形容詞の例文をご紹介しますね!
I think he is dishonest.(私は彼は不正直な人だと思います。)
I want you to be more honest.(私はあなたにもっと正直になってほしい。)
honestは「正直な」という意味の形容詞で、これにdisが付いてdishonestになると、「不正直な」という逆の意味になります。
honestは日常会話でよく使う単語で、
・To be honest(ぶっちゃけ、正直言って)
・Be honest(正直に言ってね)
・Honest mistake(凡ミス)
など色んなことが言えるので、覚えておくと表現の幅が広がりますよ。
「dis」が付く動詞
「dis」が付く動詞一覧
動詞 | 「dis」を付ける |
---|---|
like(好き) | dislike (嫌い) |
obey(従う) | disobey(従わない) |
mount(乗る) | dismount(降りる) |
cover(覆う) | discover(発見する) |
trust(信用する) | distrust(信用しない) |
agree(賛成する) | disagree(反対する) |
appear(現れる) | disappear(消滅する) |
credit(信用する) | discredit(信用しない) |
locate(設置する) | dislocate(脱臼させる) |
embark(乗船させる) | disembark(降ろす) |
regard(関心を示す) | disregard(無視する) |
satisfy(満足させる) | dissatisfy(不満にする) |
approve(承認する) | disapprove(難色を示す) |
integrate(統合する) | disintegrate(崩壊させる) |
「dis」が付く動詞の例文
「dis」が付く動詞の例文を見ていきましょう!
I don’t dislike it, but I don’t love it either.(嫌いではないけど、大好きというわけでもない。)
I don’t really like it, but I don’t hate it either.(そんなに好きじゃないけど、大嫌いという訳でもない。)
likeは「好き」という意味の動詞で、これにdisが付いてdislikeになると、「嫌い」という逆の意味になります。また上記の例文の、eitherという単語には注意が必要です。否定文のときにはeitherを使い、肯定文のときにはtooを使うというルールがあるので、覚えておきましょう。意味としては、either, tooともに、「~も」となります。
もう少し例文を見て理解を深めていきましょう。
I agree with your opinion.(あなたの意見に賛成です。)
I’m afraid I disagree with your opinion.(残念ながらあなたの意見には反対です。)
agreeは「好き」という意味の動詞で、これにdisが付いてdisagreeになると、「嫌い」という逆の意味になります。上記のように「あなたの意見に反対です」など少し言いにくいことを言うときは、I’m afraid(残念ながら、あいにく)と枕詞を付けてあげると、少しやわらかい印象になりますよ。
「ディスる」を英語で言うと?
「dis」と聞くと「ディスる」という言葉が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。「ディスる」とは、「侮辱する」「悪口を言う」を意味する日本語のネットスラング。実はこの「ディスる」、和製英語かと思いきや、英語でもスラングとして使われています。「ディスる」の由来は、英語のdisrespect(軽蔑する)。この単語が省略された形「diss」はスラングとして、英語圏の若者が使っています。以下のように使うことができます。
She was dissing Tom.(彼女はトムのことをディスっていた。)
まとめ
今回は、接頭辞の「dis」について解説しました。いかがでしたでしょうか。最後に復習しておくと、接頭辞の「dis」には「反対」「否定」の意味があり、語根と反対のことを表す役割がありましたね。冒頭でも言及した通り、一つ一つの英単語を地道に覚えるより、接頭辞や接頭辞を使って効率的に覚えた方が、短期間で大量の英単語を覚えることができますよ。接頭辞や接尾辞を詳しく勉強するには、「英単語の語源図鑑」という本がおすすめです。気になる方はチェックしてみてくださいね。
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