もっと速く英語が読めたら…英語を読む速度を上げて学習に役立てよう

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英語をスラスラ読めるようになると、海外の情報をいち早く手に入れることができる上、英語の資格試験でも高得点を取れるようになります。また、英語を読むスピードはリスニング力の向上や、英語の学習効率にも影響してきます。

この記事では英語の読解スピードを上げることによるメリットや速度の目安、スピードを上げるための方法などについて解説します。

英語を読む速度を上げることのメリット

英文の読む速度を上げることにより、さまざまなメリットが得られます。特に次の3点が大きなメリットです。

英語を読むのが苦痛ではなくなる

英語学習において慣れるまでは、「英文を目にしただけで疲れてしまい、やる気がなくなる」「英文を読むのが苦痛だ」という悩みを抱えている方もいるでしょう。

これには大量の英語に触れるしかないのですが、徐々に慣れて読むスピードが上がってくると、英語を読むのが苦痛ではなくなり楽しくなります。

英語を読むのが楽しくなってくると、英語学習そのものが「やらなければいけないこと」ではなく自然と生活の中に取り入れることができるようになります。英語の学習には何よりも「楽しい」という気持ちが大切なのでこれは大きな効果と言えます。

より多くの情報量を得ることができる

英語を読む速度が上がることで、より多くの情報に接することが可能となります。例えば、それまでは短い文を読むのにも30分かかっていたものが、10分で読めるようになれば同じ30分で3倍もの情報に触れることができるようになりますよね。

どうしても日本語の情報は限定的で、特に海外の生の情報を手に入れるためには、英語での情報検索が必要になります。英語を読むスピードを上げることは、趣味や娯楽の情報を得るだけではなく、仕事上にも大きなメリットがあります。

また、必要な情報と不必要な情報を取捨選択することも可能になります。日本語で本やニュースを読むとき、端から端まで細かくは読んでいないと思います。ニュースであればざっとナナメ読みして内容を掴むことに徹するでしょうし、本であれば重要な箇所だけにしっかり時間をかけるのではないでしょうか。

同じことを英語でもできるようになると、多くの情報を得るだけではなく、得られる情報の質がアップします。

学習スピードが上がる

英文を読む速度が上がると、英語学習も効率的にできるようになります。より多くの学習量をこなすことができるようになるため、学習スピードも上がり、レベルアップが早くなるでしょう。

特に留学のために必要な試験を控えていたり、海外の資格試験やTOEICやIELTSなどの英語試験で高得点を狙っている方や、また実際留学してからの勉強を効率的に行うには英文読解のスピードアップは欠かせません。

日本人は英語を読むスピードが遅く、さらに全ての文を細かくきちんと理解しようとするため、大学の授業の復習時間に膨大な時間をかけている人が多く見受けられます。逆に同じ留学生でも欧州の方は、短時間で同じ量を読めてしまうため空いた時間を楽しむことができます。留学生活をよりエンジョイするためにも英文読解のスピードアップは有効的です。

英語を読む速度の目安は?

ではいったいどれくらいのスピードで英語を読めばいいのでしょうか。目安となるスピードを参考に、実際に自分の現在の読むスピードを測ってみましょう。練習すれば必ずスピードは上がりますので、数週間、数ヶ月ごとに計測してみると、上達が感じられて英語学習にさらなるモチベーションが期待できます。

ネイティブと非ネイティブの英語読解スピード

一般的に英語を読むスピードは、ネイティブは1分間約300語, 非ネイティブは1分間に約100語と言われています。この差はなんと3倍です。 当然得る情報量や読む効率にも大きな違いがあります。

目標とする英語読解スピード

では読むスピードの目標をどれくらいに設定すればいいかというと、平易な文章では1分間約250語、より高度な文章では1分間約150語を目安にして練習しましょう。

TOEICで求められるスピードは1分間約150語ですので、それより高い数値を目標にトレーニングするといいですね。TOEICの文章は平易の部類に入りますので、大学や大学院留学を目指すのであれば、少し難しいと感じる文章でも1分間約200語を目標にしないと授業の予習・復習に苦労するかもしれません。

なかなかすぐにスピードアップは難しいですが、徐々に慣れていくように訓練しましょう。

英語を読むスピードを上げるための方法

英語を読む速度を上げるにはいくつかの「コツ」があります。英語を読むときは次の点に注意して読むと、無理なくスピードアップができるようになりますので、ぜひ練習してみてください。

チャンクリーディングをする

「チャンク」とは意味ある言葉の塊です。このチャンクごとに意味を理解するような読み方をすることを「チャンクリーディング」と呼びます。次のステップを踏んで好きな英語記事を区切ってみましょう。

この際、単語として意味を持たない冠詞などは数に入れないことに注意します。

1. 最初はまず2−3語で区切る
2. 少し慣れてきたら3-4語で区切る
3. かなり慣れてきたら5語以上の塊で区切る

レアジョブのウィークリーニュースアーティクルの記事の一部を例に区切ってみます。
労働者を見つけるのに苦労している米国のレストラン

1.  最初はまず2−3語で区切る

As the US economy / opens up / more and more, / many people / are looking forward to / eating out again, / but restaurants say that / they’re struggling / to find workers.

2. 少し慣れてきたら3-4語で区切る

As the US economy opens up / more and more, / many people are looking forward to / eating out again, / but restaurants say that / they’re struggling / to find workers.

3. かなり慣れてきたら5語以上の塊で区切る

As the US economy opens up more and more, / many people are looking forward to eating out again, / but restaurants say that they’re struggling / to find workers.

区切りを入れなくても自然とチャンクごとに読めるようになるまでしばらくは、このようにスラッシュ(/)を入れて読む練習をします。

この方法は非常に効果的で、試験の英文読解でも即座にポイントをつかめるようになります。またリーディングだけではなく、リスニングでも同じことが自然とできるようになり、相乗効果がありますのでぜひたくさんトレーニングしてみてくださいね。

実際にネイティブやネイティブレベルのスピードで英語を読める人は、無意識にこのチャンクリーディングを行なっています。またリスニングでも同じことを行なっているので、2倍速で聞いてもきちんと言っていることが理解できるのです。

英語力が伸び悩んでいる、リスニングが不得意、という方には非常に効果的な方法です。リーディングスピードアップおよびリスニング上達には最も重要なトレーニングとなりますので、ぜひ繰り返し練習してください。

日本語に訳さない

2つ目に重要なトレーニングは「文章の頭から理解するようにする」ということです。

日本語は否定か肯定かが文章の最後までわからないので、英語を日本語に置き換えて理解しようとすると、どうしても英文の後ろの方から訳さざるを得ません。日本の英語教育ではこの「後ろから訳す英文読解方法」を行いますが、個人的にはこれが日本人が英語が苦手である最大の要因の一つだと思っています。

もちろん翻訳者を目指すのであれば、後ろから訳さないとうまく表現できないので必要な方法ですが、受験英語を脱去して純粋に英語力アップを目指すのであれば、はっきり言って不要な方法です。

この癖が染み付いていると、英語をそのまま理解することが非常に難しくなります。英文であれば何度も読み返せますが、リスニングの場合は自分がやっと意味を理解した頃には話はすでにどんどん進んでおり、結局よくわからない…という状態になります。

大人になってからの語学学習では、耳で聞くより目で見た方がより早く意味が理解できます。当然、慣れるまでは読むスピードの方が聞くスピードより早いことが多いですよね。

日常的な平易な文章をナナメ読みできるようになるには、この「頭から理解していく」という訓練が欠かせません。また、この訓練によって「英語を英語のまま理解する英語脳」もできていきます。最初は慣れなくてなんだか気持ちが悪いかもしれませんが、必要なトレーニングなのでチャンクリーディングとあわせて文章を頭から理解していく訓練をしましょう。

単語を調べない

3つ目に大切なトレーニングは、「文を読んでいるときは極力単語の意味を調べないこと」です。

日本語に置き換えてみましょう。ビジネスセミナーや大学の講義、あるいはニュースを読んだり聞いたりしているときに、果たして全ての単語を一語一句理解しているでしょうか?知らない単語が出てくるたびに国語辞典を引いているでしょうか?

そんなことしてませんよね。難解な単語の意味を知らなくても全体の内容が理解できるので、支障はありません。英語も同じです。

リーディングの最中に知らない単語や、知っている単語でも文章で使われている意味がわからないときは、まず前後から推測します。もしそれが文全体の意味を理解するために大事なキーワードで何度も出てきて、かつ推測が難しい場合は、全て読み終わった後で調べるようにします。

わからない単語全てにマークをして調べる方がいらっしゃいますが、学習が苦痛になるだけなのでやめましょう。中にはめったに出現しないのに、たまたまその記事に出てくる単語もあるからです。

はっきりとした単語の意味を知りたい場合は、重要なキーワードや頻出単語のみに絞ります。多くのリーディングをこなしていくと、スピードだけではなく、この「単語の意味の推測力」もアップしますので、最初は不確かな単語がたくさんあっても気にせずどんどん読み進めていくことが大事です。

当然ながらこの「単語の推測力」は英会話でも必要なスキルです。リスニングが苦手という人に話を聞くと、「知らない単語が出てくるとそこで思考が停止してしまって、続きが耳に入らない」という方が相当数います。推測力があれば思考が停止しないので、単語の推測力トレーニングは我慢して続けましょう。

記事・本のサマリーをする

リーディングスピードを上げることに注力するあまり、実はきちんと内容を理解していなかった、という場合もあります。内容をしっかりと理解しつつ速く読む訓練には、読んだ英文のサマリーをすることが有効的です。

まずはざっと全体の意味を把握することに努め、個別の細かい言い回しや文法などは気にしないようにします。その時点でひとことで記事のテーマとポイントのサマリーをします。それができたら、さらに細かい理解度を確認するためにパラグラフごとにサマリーしてみましょう。

この際に、文章は読み返さず一回でどれぐらい理解しているかをまずテストします。そしてもう一度読んで細かい理解度を図るようにするといいですね。

サマリーは日本語でかまいませんが、文章の一部やタイトルを訳すのではなく、自分の言葉で説明できるようにします。慣れてきたら、英語でのサマリーにトライしましょう。余力があれば、記事に対する自分なりの意見やコメントをひとこと書いたり口頭で言ってみてください。

この方法は英語の資格試験で非常に役に立ちます。IELTSにはエッセーの試験がありますし、英語技能検定の2次試験にも短い文章を読んで自分の言葉でまとめる、意見を述べる、といったものがあったと思います。

わざわざそのための試験対策をしなくても、普段の英語学習にこの「サマリーをする→自分の意見を添える」トレーニングを行なっていると、それが自然と試験対策になります。また、英話のディスカッションや日常会話で自分の意見を言うことにも役立ちます。

興味あるものをたくさん読む

最後にリーディング素材ですが、最初はスラスラ楽に読めるものを選びます。少し内容が難しいものを選ぶ場合は、80%ぐらい理解できるものにします。英語を多く楽しく読むことが、リーディング訓練を挫折しないことにつながります。

慣れてきて自信がつき、「もう少しチャレンジングなものを読みたいな」という気分になったら、難しくても内容は自分の興味や既に自分が詳しく知っている分野のものを選択しましょう。

たとえば、テクノロジーに全く興味ないのに読もうとしても、それが日本語であっても苦痛なだけです。好きなバンドがあれば、彼らに関するニュースやブログでもいいですし、専門が金融であれば金融に関する英文記事がいいですね。

無理に興味のない分野のものを読もうとするのはやめましょう。英語を読むことに慣れ、スピードがかなり上がってからで十分です。英語学習に終わりはありませんし、少し学習したからといって劇的に英語力が上がることはありません。コツコツと長く楽しく続けることが最も重要です。

まとめ

英語を読む速度が上がるとリスニングにも効果があります。だからといって、スピードだけにとらわれて焦らず、上達速度はゆっくりでも着実にトレーニングをしていきましょう。

今は英語のニュースや本、論文をナナメ読みできる人でも、簡単な文を読むのにも苦労していた時期は必ずあるのです。「千里の道も一歩から」楽器の練習と同じように、すぐに目に見えた効果はなくても必ず上達をしていますので、諦めずトレーニングしてくださいね。

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