スキルアップのため英会話を習得したいと考えている人の中には、まずは腕試しにTOEICの受験を検討している人もいるでしょう。TOEICではさまざまな英語技能のレベルを測定できるので、実力を知るにはうってつけのテストです。しかし、いざ勉強を始めようと思っても、参考書が多すぎて迷ってしまい途方に暮れてしまう人もいるかもしれません。そこで今回は、TOEICの勉強におすすめの参考書や問題集をまとめてみました。参考書選びで迷っている方にまず取り組んでもらいたい 4冊に加え、さらに学びを深めたい人におすすめの参考書もご紹介していますので、これからTOEICに挑戦しようという人はぜひ参考にしてみてください。
TOEICの参考書選びの基準
参考書を選ぶとき、「なんとなくよさそう」といった直感で決めるのは失敗のもとです。参考書選びに失敗してしまうとそもそも勉強が面倒になってしまうこともありますから、参考書は慎重に選ぶべきといえます。ここでは参考書選びの主な4つの基準について詳しく解説していきます。
自分のレベルにあっているか
自分のレベルよりも参考書が簡単すぎると新しい学びがあまり得られず、逆に難しすぎると挫折の原因になるリスクがあります。目安としては、自分の実力より少し上のレベルを選びましょう。
たとえば、今持っているスコアが600点くらいであれば、700~800点獲得に焦点を絞った参考書がおすすめです。初級/中級/上級といった表記をしている参考書は、それぞれ600点未満/600~799/800以上が目安となります。自分の現状と目標をよく考え、適切なものを選ぶようにしましょう。
新しい発行日か
TOEICの出題傾向は常に変化するため、古い参考書だと最新の傾向に対応していない可能性があります。特に、2015年以降は形式が変更されているため、それ以降に発行された参考書を選ぶべきと言えます。もちろん、2015年以前の参考書であっても文法理解度の確認など役に立つ部分はありますが、実際にTOEICでハイスコアを取ろうと考えたときには不十分でしょう。
解説がわかりやすいか
知らない単語がまだ多いという初級者の場合は、語句の説明の多いものがおすすめです。また、似たような選択肢が並ぶ問題では「なぜ不正解なのか」と悩んでしまうこともあるでしょう。TOEICではひっかけ問題が多く出題されます。次に正解へとつなげるために、丁寧でわかりやすい解説がついているものを選びましょう。
TOEICを受け続けている著者か
TOEICの参考書は一定の英語力のある人が出版しており、中には「TOEIC満点」といった実績を謳っている人もいます。そうはいっても、前述の通りTOEICの出題傾向は常に変わるので、TOEICを今でも受け続けている著者でないと、最新の傾向に対応しきれていない場合があります。
特に、2015年より前であればそもそも形式が変わっていますから、現行のTOEIC対策としては役立たないことも十分に考えられるでしょう。著者がTOEICを定期的に受験し、情報をアップデートしている人なのかどうかも重要なチェック事項です。
勉強のしやすい分量か
分厚くて内容量が多いと 開くのが億劫になり、学習そのものに対するモチベーションが下がってしまうことがあります。特に初心者は、学習へのハードルを下げるために、なるべくコンパクトなものを選ぶようにしましょう。
また、自分の学習環境を考え、使いやすいサイズの参考書を選ぶのもポイントです。たとえば家で机に向かって勉強するのであれば、A4サイズの参考書で良いかもしれませんが、電車で勉強しようと思ったときには少し使いにくさを感じるかもしれません。自分のレベルや学習環境に合わせ、勉強しやすい分量を見極める必要があります。
これで十分!TOEIC初心者におすすめの参考書4選
参考書選びの重要なポイントを絞ってもなおTOEICの参考書は数多くあり、どれを選べばいいかわからないという悩みは尽きないでしょう。そこで、初級者に最初にそろえてもらいたいおすすめの4冊をご紹介します。600点突破を目指す人にはもちろん、そこからさらなるレベルアップを図ろうという人にも対応できるのでTOEIC対策にはうってつけです。あれこれ手を出すのではなく、まずはこの4冊を徹底的に勉強することでスコアアップを目指せます。
公式問題集
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7』は実際と同じ形式で、難易度も本番に近い模擬試験が収録された問題集です。TOEICをはじめ、TOEFLなどさまざまなプログラムを実施し、運営している世界最大の非営利テスト開発機関のEducational Testing Service(EST)が発行していて、リスニングのスピーカーまで同じなので、より臨場感を持ってトライできます。すべてのレベルの人が持っていて損のない一冊です。内容は定期的に改定されるため、購入するときには最新版を選ぶようにしましょう。
オールマイティな1冊
何から手を付けていいのかわからない、という人には『はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト 全パート完全攻略』がおすすめ。TOEICならではの解法や高得点を取るためのテクニックなど、「TOEICの得点を上げること」に特化しているのが特徴です。リスニング、リーディングのどちらのセクションもまんべんなくカバーしていて、バランスよく学びを進めていけるオールマイティな一冊となっています。
模試もついているので学んだ内容を確認しながら進めます。「まずは600点突破」という人から、それ以上の得点を目指したい人にも対応できる参考書です。
文法強化の1冊
TOEICのpart5、part6でよく出される問題にフォーカスした『1駅1題 新TOEIC TEST文法特急』は効率的に文法事項を学ぶのにおすすめの1冊です。文法は英語の基礎であり、対策をすれば比較的スコアを上げやすいパート。ぜひ早めに取り組んでより正確に素早く解答する力を養っていきましょう。
「1駅1題」の名の通り、電車の中で次の駅までの間に1題取り組めるほど、1題あたりのボリュームが最小限に抑えられています。持ち運びに便利な新書サイズで、通勤中などスキマ時間に取り組める一冊です。初級~中級に対応していますので、忙しい中でTOEICのスコアを上げたいビジネスパーソンにぴったりの参考書といえます。
全レベル対応の単語帳
単語帳はいろいろありますが、特におすすめなのは『 TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』です。持ち運びがしやすい新書サイズで、過去のTOEICテストで出された頻出単語をまとめた一冊です。全レベルに対応しているのも特徴で、600〜990点レベルの単語を段階的に学べます。スマートフォンの無料アプリと連動して音声フレーズを聞くこともできますので、リスニングの強化にも役立つ単語帳です。もし、取り組んでみて少しレベルが高いと感じる人は同じシリーズで初級者向けの『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』を手に取ってみてください。
TOEICのスコアアップや、弱点補強におすすめの参考書
学習を進めていくと、自分がよく間違える問題や理解の深まっていない部分がだんだんわかるようになります。あるいは、実際にテストを受けてみてスコアがいまいち伸びないパートがあることにも気づくでしょう。そこで苦手分野を徹底的に勉強したい人に向けて、リーディングパート、リスニングパートのそれぞれに特化したおすすめ参考書をいくつかご紹介します。ハイスコアを目指す人にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
リスニング
全200問中、part1~4の 100問は、写真描写、応答問題、会話問題、説明文問題とさまざまな角度から問われるリスニング問題です。発音は イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアの4か国のネイティブ音声がランダムに使われています。音声は一度しか流れないので、集中して耳を傾ける訓練も必要です。
次では初級の人、中級以上の人それぞれにおすすめの参考書をご紹介します。自身のレベルや目指すスコアに合わせ、適切なものを選ぶようにしましょう。
初心者でもわかりやすい
『世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)』は、解き方の詳細な解説があるのはもちろんのこと、英語を聞き取るためのコツについても詳しく解説していて、600点を目指す初級者に特におすすめの一冊です。発音の聞き取りについて体系的にまとめられており、英語特有の音に耳を慣らす訓練ができます。レベルは本番と同程度ですので予行演習にもぴったりです。各パートについてポイントを絞った解説が載っているので、解法のコツを効率的に習得できるでしょう。
中級以上の人におすすめ
700点、800点を目指したいという中級者なら『TOEIC® L&Rテスト精選模試 リスニング3』を使ってみてください。5回分の模擬試験が収録された問題集で、予想されるあらゆる問題をカバーでき、かつ問題数が多いので数をこなして本番の感覚を身につけるにはもってこいの参考書です。すべての設問において、正解を導きだす方法を解説してくれています。それぞれの問題について正答率が載っているのも特徴です。改訂版が出ていますので、購入の際には最新のものを選ぶようにしましょう。
リーディング
リーディングはpart5〜7の3つあります。part5、6は穴埋めで文法の習熟度が試され、part7は長文の読解力が問われます。75分で100問を解かなければならないため、正確さだけでなくスピードも必要です。そのため、中級以上でさらなるハイスコアを目指すなら、スムーズに問題を解く力をつける必要があります。ここでご紹介する5冊は、そういった課題に効果的なアプローチが期待できる参考書です。
集中的に文法問題を演習できる
『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』はpart5、6で頻出の文法問題を1000問以上集めた問題集で、とにかく数をこなしたい人におすすめです 。模試もついているので、スピードを意識して取り組む練習ができるのもうれしいポイントです。見開きの左には問題、右には解答と解説というページ構成ですので、問題を解きながらすぐに内容の確認ができます。設問ごとに丁寧な解説が添えられているため、初級者でも取り組みやすいでしょう。著者は実際にTOEICを何度も受験し、満点を取り続けている実力者です。
リーディングのスコアアップにおすすめ
読解力の強化には『TOEIC® L&Rテスト精選模試 リーディング3』がおすすめです。リーディングセクションの模試が5回分収録されており、予想されるあらゆるタイプの問題が網羅されているので、ばっちり対策ができるでしょう。解説が充実しているのも特徴で、すべての問題で正解への道筋を詳細に示してくれています。ただし、難易度が高いため初級者が取り組むと挫折してしまう恐れがあります。700、800点を目指す中級以上におすすめの参考書です。
単語のさらなる増強
単語力の強化はTOEIC対策に絶対に欠かせませんが、特にリーディングセクションではスコアに大きく影響します。ここでは『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』をご紹介します。前述した同シリーズの「金のフレーズ」だけでも上級レベルに対応していますが、「黒のフレーズ」を併用するとさらなる単語力強化が期待できます。中級以上、900点以上を目指す人におすすめです。同シリーズで『TOEIC L&R TEST 超上級単語特急 暗黒のフレーズ』もありますが、こちらは満点を目指す人向けの単語帳です。
模試形式
『TOEIC L&Rテスト 至高の模試600問』は全セクションをカバーした模試形式の問題集で、3回分の演習ができます。正解、不正解の理由を解答の選択肢ごとに丁寧に説明しているため、問題を解きながらより理解を深められるのがおすすめポイントです。また、解説の中にTOEICの問題を解くためのテクニックや対策法をまとめたコラムが散りばめられており、スコアアップに役立ちます。ただし、本番よりやや難易度が高いため600点未満の初級者だと高い壁を感じてしまう恐れがあります。そのため、中級以上の人におすすめです。
ハイスコア獲得に向けた対策本
さらなるハイスコアを目指す人は、ぜひ『TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応』に取り組んでみてください。これはタイトルにもある通り、990点すなわち満点取得を目標にした参考書で、難易度はかなり高めです。上級者でも見落としやすい文法事項や語彙までカバーされており、繰り返し学習をすることで自分の弱点や苦手な部分をきちんと把握できるようになります。力を入れるべき部分がわかったら徹底的に演習と、確認を繰り返しながら進めることで自信を持ってテストに臨めるはずです。
TOEICの全体を体系的に学べるおすすめおすすめ参考書
参考書の中には、セクションや分野ごとにまとめたものがシリーズ化されているものもあります。あれこれ参考書を買うのではなく、シリーズに沿って勉強を進めていくのもひとつの手です。ここでは、特に人気の2つのシリーズをご紹介します。
世界一わかりやすい TOEICシリーズ
「世界一わかりやすい」シリーズはタイトルで謳っている通り、その解説のわかりやすさが魅力です。ポイントを絞って体系的に解説されており、初心者でも取り組みやすい内容となっています。すでに前述では『世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)』をご紹介していますが、他にも英文法や単語、模試などのポイントでシリーズ化されているので、あらゆる角度からTOEIC対策ができるでしょう。ちなみに、著者の関正生氏はTOEICを受け続けており、何度も満点を獲得しています。
TOEIC 特急シリーズ
「TOEIC特急」シリーズには、すでにご紹介した文法問題集の『1駅1題 新TOEIC TEST文法特急』、単語帳の『 TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』をはじめさまざまなシリーズがあります。初級者~上級者まであらゆるレイヤーに対応しており、自分のレベルや目標に合わせてピンポイントに対策できるのが魅力です。新書サイズで持ち運びに便利なところもうれしいポイントでしょう。シリーズによって著者は変わりますが、全員TOEICを複数回受け何度も満点を経験している著者たちです。
まとめ
今回ご紹介したTOEIC対策におすすめの参考書を丁寧に取り組めば、英語力が底上げされリスニング力、リーディング力が鍛えられます。
しかしグローバル化の中で、英語は「わかる」だけでなく「使う」場面も多くなり、よりコミュニケーション能力も必要になってきています。ビジネスパーソンとしてスキルアップを目指すなら、ぜひスピーキングにも力を入れたいものです。そうなるとTOEICの勉強だけではなかなか難しいかもしれません。
そこで「どうやって学べば…」と悩む人は、ぜひレアジョブのオンライン英会話学習を試してみてください。レッスンは早朝から深夜まであり、好きなタイミングで受講可能。継続して取り組みやすい環境が整っています。気になった方は、まずは 無料体験レッスンから。
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