英検3級以上からは面接の試験が必須となりますが、面接官からの質問へ英語でサクサクと答えるのは難しいもの。本番で「何も思い浮かばない」とパニックに陥って、実力を発揮できないのは避けたいですよね。
そこでこちらでは、英検面接で答えが思いつかないときの対策をご紹介します。答えにつまらないコツや時間稼ぎのフレーズ、さらに事前にできる対策についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもすぐに答えが思いつかない・言えない理由って?
そもそもなぜ英検の面接ですぐに答えが思いつかない・言えないのか、理由を考えてみましょう。
日本語で考えた難しい話をそのまま英語にしようとしている
日本語で考えた文章をそのまま英語にしようとする方法は、トピックが比較的簡単な3級であれば上手くいくかもしれません。ですが、難しい話題が登場する準2級以上では避けたほうが望ましいです。
例えば面接で、下記の意見を言いたいと仮定します。
I think most people like to buy new things. They do not want things that other people have used.
(ほとんどの人は、新品を買うことが好きだと私は思います。彼らは中古品を欲しくありません)
英語と日本語は語順が異なるため、日本語をそのまま英語にしようとすると「Iの次はthink?それともnew things?」と混乱するリスクがあります。また中古品を意味するsecondhand goodsという単語が思い出せなかったとき、日本語の中古品という表現だけに捉われてしまうとthings that other people have used (ほかの人が使った物)という言い回しは思いつかないでしょう。
口に出すよりも頭で考えすぎてしまう
日本人にありがちなとことしてよく言われているのが、とにかく頭で考えすぎて結局何も話せないことです。特に「正しい文法で話さなければ」や「この言い回しは間違っているかも」など、完璧な英語を話すことにこだわってしまうことが挙げられます。
確かに英検の面接では単語や文法の正しさを評価されますが、失敗を恐れて何も話せなければ点数はもらえません。とにかく英語を話そうとする積極的な姿勢が評価されることもあるので、頭であれこれ考えずまずは何かしら話すよう意識しましょう。
それにいざ最初の一語目を発してみると、次に続く言葉が口からスラスラと出てくるケースもよくあります。試験日までにしっかりと面接対策をしてきた方は、英語のフレーズが口に馴染んでいるはずなので、自信がなくてもまずは口に出すことが大切です。
英検3級〜2級の面接で出される問題と配点を知っておこう
実際に英検面接ではどのような問題が出されるのか、こちらでは3級~2級の問題形式や配点、合格点をご紹介します。
英検3級の問題形式・配点・合格点
英検で面接の試験を受ける必要があるのは、中学卒業(高校受験)レベルの英語力を測定する3級から。3級の面接では、主に下記の課題が与えられます。
・パッセージ(文章)を音読
・パッセージに関する質問へ英語で回答
・イラストの情景を英語で描写
・受験者自身に関する質問へ英語で回答
最後の受験者自身に関する質問ではWhat do you like to do on weekends? (あなたは週末に何をするのが好きですか)など日常にまつわる簡単なことを聞かれます。二次試験における満点スコアは550点で、そのうち353点を取得すれば合格です。
引用元:英検|3級の試験内容
3級(二次試験)≪Sample≫
英検CSEスコアでの合否判定方法について
一次試験、二次試験の合格スコア
英検準2級の問題形式・配点・合格点
英検準2級では、筆記試験だけでなく面接で求められるレベルも3級に比べて上がります。面接の問題形式は3級とほぼ同じで、下記の問題が出題されます。
・パッセージ(文章)を音読
・パッセージに関する質問へ英語で回答
・イラストの情景を英語で描写
・カードに書かれた内容に関して英語で意見
・受験者自身に関する質問へ英語で回答
3級との違いは、面接官からの質問に対して回答するだけでなく、自分の意見を言う問題が出されること。二次試験における満点スコアは600点で、合格するためには406点以上を取得する必要があります。
引用元:英検│準2級の試験内容
英検CSEスコアでの合否判定方法について
一次試験、二次試験の合格スコア
英検2級の問題形式・配点・合格点
英検2級の面接では、大学受験レベルの英語力が問われます。問題形式は3級・準2級と大きく変わりませんが、今一度確認しておきましょう。
・パッセージ(文章)を音読
・パッセージに関する質問へ英語で回答
・イラストが示す展開を英語で描写
・ある事象・意見に関して英語で意見
・日常生活の一般的な事柄について英語で意見
準2級との違いは、日常的なトピックだけでなく社会的なトピックについても意見を言わなければいけないことです。二次試験における満点スコアは650点で、合格するためには460点以上が必要なため参考にしてみてください。
引用元:英検│2級の試験内容
英検CSEスコアでの合否判定方法について
一次試験、二次試験の合格スコア
【問題別】英検の面接で答えにつまらないためのコツ
級によって難易度は異なるものの、英検面接で答えにつまらないためのコツは全ての級で共通です。
こちらでは、英検面接中に実践したい2つのコツを紹介しているので、回答に困ったときは意識してみましょう。
イラストの状況説明:カードに書かれた英語をそのまま使ってOK
イラストの情景を説明する問題で、適切な英文が思い浮かばなかった場合は、カードに記載された言葉をそのまま使って問題ありません。
例えばカードに、下記のようなセリフが登場したとします。下記はササキさんが妻とショッピングセンターで買い物する際、赤ちゃんを保育所へ預けようとして発言したセリフです。
They’ll take care of our baby while we look around.
(僕たちが見て歩いている間、彼らは僕らの赤ちゃんの世話をしてくれるよ)
この場面について英語で説明したいとき、受験者は下記の通り伝えられます。
Mr. Sasaki said to his wife, “They’ll take care of our baby while we look around”.
オリジナルの文章が思いつかないときは、上記のように「ササキさんは妻に言った」とだけ文章を追加し、あとは元の文章を流用しても大丈夫です。文章を全文コピーするのは良くありませんが、一部分を流用して減点されることはないため安心してください。
意見を問われる問題:難しく考えない!定型文を活用すると話しやすい
英検の面接では、受験者自身の意見を聞かれる問題が出題されますが、あらかじめ定型文を用意しておけば必要以上に緊張することはありません。
例えば意見を言うための定型文としては、I think (私は~と思います)やI believe (私は~と信じています)が挙げられます。事前に「意見を聞かれたときはI thinkから始めよう」と準備しておけば、言葉の出だしにつまることはないでしょう。
またイラスト内容を描写するときは、単純にIt is (それは~です)やThere is (~があります)など「主語+be動詞」の簡単な構文を使って大丈夫です。
英検面接で大切なことは、難しく考えすぎないこと。難しい英文を話そうとして答えにつまるくらいなら、無理にチャレンジせず簡単な英文で面接官へ伝えたほうが良いです。
ただ難しい話を簡単な英語に直すためには、事前に訓練しておくことが必要。そのため日頃から目に入るものを英語に直したり、自分の考えをシンプルな英語で伝えたりなどの方法で練習をしておきましょう。
【状況別】困ったときに使える便利フレーズや時間稼ぎ
それでは次に、面接の場で困ったときに使いたい便利なフレーズをご紹介します。
答えるのに少し時間がかかりそうなとき
質問への回答に困ったときは、「考え中です」という意思を表明する時間稼ぎのフレーズを使いましょう。代表的な例としては、下記の2つが挙げられます。
Let me see…
Well…
上記2つの表現で、「えーと」と考え中であることを示せます。ただこの2つのフレーズでは長時間持ちこたえることが難しいため、少しまとまった時間がほしい場合は下記がおすすめです。
How can I say…
(どのように言えばいいのだろう)
What should I say…
(何と言うべきだろう)
That’s a good question.
(それは良い質問ですね)
That’s a difficult question.
(それは難しい質問ですね)
沈黙のまま時間が過ぎると、早く話さなければというプレッシャーから余計に混乱してしまうことがあります。面接官に「少し待ってください」という意思を表示し、落ち着いて回答するためにも上記のフレーズを使ってみましょう。
質問が聞き取れなかったとき
そもそも質問が聞き取れなければ、答えることはできません。そのため面接官の発言を聞き逃したときは、焦らずもう一度話すようお願いしてみましょう。
I beg your pardon?
(もう一度言ってもらえますか)
I’m sorry but could you repeat the question again?
(申し訳ございませんが、もう一度質問を繰り返してもらえますか)
質問内容自体は聞き取れたものの、自分が理解している内容で本当に合っているのか自信がないときは下記のフレーズも使えます。
Did you say~?
(あなたは~と言いましたか)
You mean~?
(あなたは~を意味していますか)
上記の聞き返しフレーズを使うこと自体は問題ありませんが、何度も質問するとリスニング力が無いとみなされ減点される可能性があるため注意が必要です。最大2回までの聞き返しで内容を理解できるように、日頃からリスニングの訓練もしておきましょう。
よくわからなくて答えられないとき
面接官の質問内容が理解できず、「何を答えれば良いのかわからない」という状況に遭遇する可能性もゼロではありません。そんなときにI don’t know (私はわかりません)と答えてしまうと、答える気がないとみなされ減点対象になります。
最もおすすめの方法は、たとえ質問の内容がわからなくても、聞き取った単語から質問内容を推測して何かしら回答すること。試験日までに問題集や過去問のサンプルを見ておくと、どのような質問が本番で出されるのか傾向がつかめます。事前の対策に力を入れておけば、面接官の質問を推測する精度を高められるでしょう。
また質問内容がまったく理解できないのではなく、一部の単語だけがわからない場合は、What does~mean? (~はどういう意味ですか)と聞き返してみるのも良いかもしれません。
とにかく質問内容がわからなくても、何かしら英語を話すことが大切です。たとえ質問と回答の内容がずれていたとしても、何か答えることで積極性を評価してもらえるはずです。
その他ここだけはおさえて!重要なポイントや対策
ここでは、面接で評価を上げる重要なポイントをお伝えするので、確実におさえておきましょう。
態度点を意識して!話す意欲を見せることが大事
英検の面接では、英語力のほかにattitude(態度)という基準でも受験者を評価します。attitudeとは英語を話す姿勢のことで、面接官と積極的に話す気があるか、大きな声でハッキリと話しているかなどが評価対象です。
attitudeで高得点を得るためには、面接官へ好印象を与えることが大切です。何か特別なことを意識するわけではなく、入退室で挨拶を忘れないことやアイコンタクトをとること、笑顔で対応することなど基本的なマナーを心がけましょう。
逆に挨拶を無視したり沈黙の間が長かったり、質問に対してI don’t knowと答えたりといった行為はattitudeで減点対象となるため気をつけてください。
とにかく楽しもう!面接官は受験者の味方
英検のような合否が決まる試験では、「絶対に失敗してはいけない」とプレッシャーを感じ面接官を必要以上に怖がってしまう方もいます。ですが、あまりにも面接官を怖がってしまうと本来の実力が出せず、発言が消極的になりattitudeの評価が下がってしまうかもしれません。
面接を受ける上で覚えておきたいのが、面接官は受験者を応援してくれる味方だということ。そのため受験者が質問を聞き返したり、答えにつまったりしたときは助け船を出してくれることもあります。本番で緊張するのは仕方ありませんが、試験では会話を楽しむくらいの気持ちでリラックスして臨むのが良いでしょう。
挨拶や簡単な雑談にも明るく笑顔で対話を。簡単な表現でOK
英検の面接では、いきなり問題が出されるわけではありません。入室を済ませた後、緊張をほぐすために面接官とスモールトークを行います。この入室とスモールトークを甘く見る人もいますが、ここではattitudeの評価が関わってくるため手を抜かないことが大切です。Good morningやHelloなど、特に入室時の元気な挨拶は忘れないようにしましょう。
入室後のスモールトークでは、今日の調子や今朝は何をしたのかなど簡単なことを聞かれます。スモールトークで聞かれる内容は大抵決まっているので、事前に回答を考えておき、本番で焦らないよう対策しておくのがベストです。笑顔で答えることを意識しつつ、余裕があれば話を膨らませてみるのもおすすめ。積極性が評価され、attitudeの点数を上げられるかもしれません。
入室の方法やイスに座るタイミングなど面接の基本的な流れは英検公式サイトの「英検バーチャル二次試験」から確認できるので、事前に確認しておきましょう。
雑談例1:How are you?
スモールトークでよく聞かれる質問が、How are you? (お元気ですか)です。どのように答えれば良いのか、いくつか例文で見ていきましょう。
I’m good, thank you. How are you?
I’m fine. Thanks. And how are you?
上記2つは、「私は元気です」と答えた後「あなたは?」と聞き返しているパターンです。I’m goodやI’m fineだけでも問題はありませんが、相手に対しても質問することで会話を継続する気があることを示せます。
少し長めに自分のことを話したい場合は、下記のような表現を使うのも良いかもしれません。
I’m ok, but I’m a little nervous.
上記の表現では、調子は悪くないけど少し緊張していることを伝えられます。ほかにも「少し風邪を引いて調子が悪い」など、I’m fineやI’m goodなどの単調な表現だけで終わらせないことがコツです。
雑談例2:How did you come here?
How did you come here?は、どうやって試験会場まで来たのかという質問です。この質問もよく聞かれるため、あらかじめ答えを用意しておきましょう。
I came here by train.
(私はここへ電車で来ました)
I came here by bus.
(私はここへバスで来ました)
I came here on foot.
(私はここへ徒歩で来ました)
上記のように、会場までの交通手段を答えるだけでOKです。さらに情報を追加したい場合は、下記のような表現も使えます。
I came here by train. It took about 30 minutes.
(私はここへ電車で来ました。約30分かかりました)
I live around here, so I came here on foot.
(私はこの辺りに住んでいるので、ここへ歩いて来ました)
上記のように情報を一言追加するだけでも、会話を膨らませることが可能です。
雑談例3:How was your morning?
How was your morning?では、試験会場へ訪れる前に朝起きてどのように過ごしたか聞かれています。基本的には自身の朝の様子を自由に話せば良く、例えば下記のような答え方が可能です。
It was nice because I drank delicious coffee.
It was not good because I lost my favorite notebook.
1つ目は「美味しいコーヒーを飲んで良い朝だった」、2つ目は「お気に入りの手帳を無くしてあまり良い朝ではなかった」という意味を表しています。
ほかの質問と同様に、It was niceやIt was not goodなどの一言で終わらないよう詳細を軽く説明するのがポイント。また必ずしも正直にその日の朝の話をする必要はないので、スラスラと答えられる自信がない方は、答えやすい定型文を用意しておくのもコツです。
毎日英語を話してみることも大切。10分程度で取り入れてみて
英検面接を成功させるためには、日頃から英語に慣れることが鍵です。面接の場で頭が真っ白になる方のなかには、そもそも今まで英語を話してきた量自体が少なく、経験不足により本番で緊張してしまうケースが少なくありません。
本番で緊張しないためにも、普段からランチの感想を英語で話してみたり、寝る前に今日あったことを英語でスピーチしたりなど、1日10分程度で良いので英語を話す習慣を身につけることをおすすめします。
普段から生活のなかに英語を取り入れておけば、本番では英語を話すハードルが下がり「何を言えば良いのかわからない」とパニックに陥る事態を避けられるかもしれません。何度も同じフレーズを繰り返し話すことでそのフレーズが口に馴染み、本番では意識しなくてもスラスラと口から英語が出てくるはずです。
まとめ
英検面接で答えが思いつかないピンチを乗り切るためには、時間を稼ぐフレーズや聞き返しのフレーズなど本番での対処法を覚えておくことがポイント。またそれと同時に普段から英語を話し、面接で緊張しないよう英語慣れしておくことも大切です。
英語でひとりごとを言ったり、スピーチの練習をしたりなどの方法ももちろん効果的ですが、レアジョブ英会話で英語に慣れるのも一つの方法なので、英語への抵抗感を減らしたい人はぜひご活用ください。
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