TOEIC点数を英語力別に解説!評価される基準はどこ?勉強法は?

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日本での就職や進学に有利な資格として知られるTOEIC。とはいえ、どのくらいの点数を取れば資格として通用するのか分からない方も多いはず。

そこで今回は、TOEICスコアと英語力の関係、さらに平均点や企業から評価される点数の基準などを紹介します。

目標点数を達成するための対策についても解説しているので、自分のレベルではどのような対策が効果的なのか、今一度チェックしてみましょう。

TOEICの採点法を確認しよう

TOEICの試験には、リスニングとリーディングの技能を測る「TOEIC L&R」と、スピーキングとライティングの技能を測る「TOEIC S&W」がありますが、こちらでは広く普及している「TOEIC L&R」について解説します。

試験における1問あたりの点数は5点で、リスニングとリーディングの満点が各495点、2つのセクションの合計最高得点は990点です。最低点は10点で、0点は存在しません。10点~990点でスコアが算出される理由としては、採点の際にTOEIC独自の統計的処理が行われていることが挙げられます。

TOEICの採点方法では、必ずしも「正解数=点数」となるわけではないのがポイント。そ

のためTOEICが定める範囲内であれば、数問ミスしても満点の取得が可能です。

平均点と就職で使える点数とは?

TOEIC L&R公開テストの過去1年分の平均スコア・スコア分布は、公式のホームページで公開されています。2022年度の平均スコアが、608点となっています。(※2024年5月時点の最新)過去3年間で大きく変化しない点数となっています。受験者数は、学生のほうが社会人より多いですが、平均点は社会人のほうが上です。

多くの会社が、グローバル化に適応するために必要な英語スキルを重視しています。TOEIC L&Rで、技術部門の従業員には平均560点、営業部門では平均575点、国際業務を扱う部門では平均690点のスコアが期待されています。この点数と自分の点数を比較して、主食に有利な点数を目指しましょう。

TOEIC点数別にレベルを確認、勉強法も紹介

TOEICスコアは何点から資格として活用できるのか、こちらでは点数ごとの英語力を確認してみましょう。あわせて目指す点数の対策方法を紹介します。

〜250点:英語学習未経験レベル

TOEICスコアが250点未満の方は、中学で習う英語が身についていない段階です。残念ながら、250点未満のスコアを進学や就職のアピール材料として使うことはできません。

TOEICを受けてもリスニングでは何を言っているのか全く聞き取れず、リーディングでは文中の単語がほぼ分からない状態だと言えます。そのためTOEICの勉強を始める前に、まずは中学レベルの基礎を固めるところから始めましょう。

単語や文法などの基礎的な英語力をつけるためには、中学1年生レベルの単語帳やドリルを使うのが向いています。また、この段階ではTOEICの公式問題集を解いても歯が立たないため、まだ手を出さないのがおすすめです。

250点〜350点:中学入学レベルの英語

TOEICスコアが250点~350点の方は、中学英語が定着しているかどうかが怪しく、高校英語に関しては確実に身についていないレベルです。

実際の英語力としては、簡単な短文であれば何とか聞き取ることができ、片言の英語で返すことが可能。読み書きにおいては、挨拶や簡単な定型文であれば理解できますが、実際に書くとなると単語や文法のミスが目立ちます。

実践の場で英語を活用できるレベルにあるとは言えず、もちろん資格としてアピールはできません。むしろ履歴書に点数を書くことで、英語力の未熟さをわざわざ面接官へ知らせてしまうリスクすらあります。

そのため250点~350点の方は、現段階では履歴書に点数を書かないのがおすすめ。少しでも高い点数を取得するために、適切な学習方法でTOEIC対策を始めましょう。

250点〜350点を取るための対策は?

250点~345点を取るための対策では、何か難しい問題集を解く必要はありません。この点数の方は、中学入学レベルの英語力であることが予想されるため、まずは中学英語をマスターしましょう。中学英語のやり直しに特化した社会人向けの本を活用したり、中学生向けのドリルで演習したりするのが効率的です。

また「そもそも英語の勉強方法が分からない」という方は、英語を基礎から学べるスクールを活用するのも一つの選択肢。250点~345点を目指す方は、英語の学習方法自体を理解していないケースが考えられます。そのため講師をつけて適切な学習方法を教わることで、独学より短い期間での英語力向上が期待できます。

250点以下の方と同様に、TOEICの公式問題集にはまだ挑戦しないほうが良いです。公式問題集に挑戦したものの全く問題が解けず、自信をなくして英語学習をやめてしまう方もいるので注意してください。

350点〜500点:基礎的な英語があるレベル

TOEICスコアが350点~500点の方は、中学英語に関してはおおよそ理解できているレベルです。ただし高校英語においては理解できていない部分が多く、TOEICの問題をスラスラと解ける段階にはまだ至っていません。

リスニングではPart1のような簡単な問題であればある程度解けますが、Part3やPart4のような長い文章には対応できない可能性が高いです。リーディングでは何となく文章を理解できるものの、分からない単語や文法に戸惑うことが多々あります。

この点数では、日常生活やビジネスの場で流暢に英語を使えるとは言えず、資格としても活用できません。そのため進学や就職でTOEICスコアをアピールしたい場合は、さらなる高得点を目指す必要があります。

350点〜500点を取るための対策は?

350~500点を取るために必要なことは、まずTOEICの問題形式を知ることです。

今まで「公式問題集は使わないほうが良い」とお伝えしてきましたが、345〜495点を目指す方のなかには、中学レベルの英語であれば理解している方もいるはず。

中学英語が完了した方に関しては、公式問題集を見てどのような単語や文法が登場するのかチェックしておくのも戦略の一つです。問題形式を知った上でTOEICに特化した単語帳を使ったり、文法の参考書で不明点を潰したりすることで、より効率的に点数が上げられるでしょう。

ただ、公式問題集をチェックすること自体は悪くありませんが、基礎が固まっていないうちにやり込むのはNG。あくまで問題形式を知るための参考材料として活用し、基本的には単語帳や参考書で基礎を固めることが大切です。

500点〜600点:英語の基礎マスターレベル

TOEICスコアが500点~600点の方は、中学・高校レベルの基本的な英語力が定着しています。勘に頼らず根拠を持って解ける問題が増え、495点未満のときと比べて自信を持って回答が選べるようになります。

Part3やPart4などの長文リスニングでは、細かな内容までは理解できないものの、何となく文脈を理解した上で回答が可能。リーディングに関しては、看板やビジネスメールなどのシンプルな文章であれば読み解けます。

しかし英会話となると自分の意思を伝えることは難しく、適切なニュアンスを説明できないことがほとんどです。そのため、資格として高い評価を受ける点数だとは言えません。

ただ、なかにはTOEIC500点を一つの評価基準としている企業もあるので、応募する企業の条件を確認しておくと良いでしょう。

500点〜600点を取るための対策は?

500点〜600点を目指すのであれば、まず実際にTOEICの問題を解いてみて、現在の自分の苦手ポイントを知りましょう。

リスニングが苦手な場合はシャドウイングなどの対策を、リーディングが苦手な場合は英文法の演習などを重点的に行い、正答率を上げる努力が求められます。

向き不向きはありますが、一般的にリーディングよりリスニングのほうが高得点を取りやすいといわれているため、リスニング対策へ集中するのも一つのコツです。

また500点〜600点に届かない方のなかには、単語や文法などの基礎は身についているものの、問題形式に慣れていないため目標点数に届かないケースが少なくありません。そのため時間配分を意識して公式問題集を解くなど、本番に向けて問題慣れすることも重要です。

600点〜700点:日常生活には困らない。履歴書でもアピールが可能

TOEIC600点〜700点は、留学などの英語環境でも問題なく生活できるレベルの英語力です。多くの就活生やビジネスマンがまず目指す点数で、資格として活用できるボーダーだと考えて良いでしょう。

専門用語や難しい言い回しは理解できないものの、日常会話であれば聞き取ることができ、自分の意見をまとまった文章で伝えることが可能です。また、海外の取引先とメールのやりとりをするくらいであれば、シンプルな単語や文法を駆使して相手に伝わる英語を長文で書くことができます。

履歴書に書ける最低限の点数がTOEIC600点であり、この点数を確保しておけば多くの企業の応募基準をクリアできると考えて問題ありません。ただし外資系など高い英語力を求められる企業へ応募する場合は、さらなる高得点を目指すことが求められます。

600点〜700点を取るための対策は?

TOEICで600点〜700点を取得するためには、漫然と単語帳や問題集を繰り返しているだけでは難しいです。例えばTOEIC600点に必要な語彙数は、約5,000語といわれています。試験日までに膨大な単語を覚えられるよう、まずはスケジュールを組むことが大切です。

基本的な対策としては、目標点数に合ったレベルの単語帳や文法書を繰り返す方法で問題ありません。それに加えて公式問題集の分からない単語をまとめたり、時間配分を意識して解く練習をしたりする必要があります。

また、リスニングとリーディングで満遍なく点数を取ることが求められるため、片方の対策に偏らないこともポイント。得意な技能を伸ばすこと自体は悪くありませんが、どちらも300点を下回らないよう対策しましょう。

700点〜800点:企業の国際部門にエントリーができる。仕事で英語を活用できるレベル

TOEICスコアで700点〜800点というと、英語を使った仕事にも難なく対応できるレベルが想定されます。外資系など一部の企業を除いて、国際部門や海外営業部門など、英語を使ったポジションで求められる点数が700点〜800点です。

まずリスニングに関しては、Part1~Part4まで一通り理解でき「何となく分かるレベル」を卒業していることがほとんど。リーディングに関しても、文中で理解できない単語がかなり減りストレスなく読解できます。

ただ、700点〜800点は一般的に高得点とされるものの、ビジネスの場で流暢に使えるレベルだとはまだ言えない段階です。自分の言いたいことをシンプルに伝えることはできますが、専門用語を使ったり、論理的に話したりすることは難しいでしょう。

700点〜800点を取るための対策は?

700点以上などの高得点を目指す場合は、それなりの勉強時間を確保することが前提です。会社の休憩時間に単語帳を開いたり、寝る前に読解問題を解いたりなど、日々の生活のなかに英語学習の時間を組み込むことを意識しましょう。

また、単語帳や文法書のほか、公式問題集を繰り返し解くことも目標達成のコツです。700点〜800点を取得している方の多くに単語力があるのは当たり前として、その上で公式問題集を何度も解いているケースが少なくありません。

いきなり試験時間の120分間で問題を解こうとしても上手くいかない可能性があるので、最初のうちはPart5を10分間、Part7は55分など、Partごとに時間を測るのがおすすめ。スピード感を身体で覚えて、TOEICの時間配分に慣れることがポイントです。

800点〜900点:外資系企業にエントリーできる。本格的に仕事で英語が使えるレベル

TOEICで800点〜900点の実力がある方は、ネイティブスピーカーとの会議や海外への出張にも対応できる英語力があるとみなされます。ビジネス用語を基本的に理解でき、会話や文章として使いこなせるレベルを想定して良いでしょう。

リスニングでは話の流れが分かることはもちろん、細部まで聞き取ることができ、400点~満点が取得できます。リーディングでは難易度の高い問題でミスすることはあるものの、メールやチャットなどの簡単な問題で確実に点を稼げるレベルです。

資格としても十分アピールでき、800点程度あれば外資系企業へ応募しても足切りされることはほとんどありません。外資系企業だけでなく、将来的に海外駐在員を目指す方などは800点〜900点が一つの基準となります。

800点〜900点取るための対策は?

800点〜900点を取得するためには、TOEICで登場する単語や文法を確実に押さえていることが前提です。単語帳の内容を定着させるために、1周だけでなく最低でも2〜3周は繰り返しましょう。特に、800点以上を狙うのであれば、『キクタンTOEIC TEST SCORE 800』などの目標点数に合った参考書を使うことが重要です。

また公式問題集を解いた後は、どういった問題が解けなかったのか確認することも忘れないように。TOEICは試験回によって問題の種類や難易度があまり変わらないため、事前に公式問題集を何度も解いておくと、本番で「似た問題を見たことがある」と気づけるはずです。

さらに800点以上の高得点では速読力も求められるため、『新TOEIC TEST 読解特急2 スピード強化編』などの速読に特化した参考書を利用するのも良いでしょう。

900点〜:仕事で困ることのないレベル。会議や商談でも使える

TOEICスコアが900点以上の方は、英語を主体とした仕事でも困ることのないレベルです。海外の取引先をアテンドしたり、英語の会議を仕切ったりなど、自らが中心となり業務を遂行することができます。

TOEICレベルのリスニングであればほぼ完璧に聞き取ることができ、回答ミスすることはほとんどありません。リーディングに関しても、ただ英文を読めるだけでなく速読が可能です。

資格としての有効性もかなり高く、この点数で足きりする企業はほぼありません。外資系企業や海外駐在など、応募できる企業やポジションは大きく広がります。

ただ「TOEICの点数は高いけど、実際の英語力はどのくらい?」と考える企業も多いため、TOEICの点数を維持するとともに実践的な英語力も高めておくと尚良いでしょう。

900点〜取るための対策は?

現在の英語力にもよりますが、TOEICで900点以上取るためには、単語帳や参考書、公式問題集などの基本的な対策だけでは足りない可能性があります。

そこで「900点の壁を越えられない」と悩んでいる方は、様々な英文に触れる多読がおすすめです。多読する際はじっくりと英文を読み込むのではなく、文章の要点を速く掴むよう意識しましょう。TOEICでは難しい文章を読解する力ではなく、たくさんの文章を速く読み解く力が求められるため、多読・速読の練習が役に立ちます。

そのほか、空き時間を活用してリスニングの音源を耳に慣れさせるなど、TOEICで900点以上取得するためには毎日継続して学習することが必要。目標点数を取るためには1日どのくらいの学習時間が必要なのか理解し、スケジュールを立てた上で対策を始めましょう。

100点上げるごとにかかる学習時間の目安は?

TOEICのスコアを100点上げるために必要な学習時間は200時間以上だとされています。下記に点数ごとの学習時間をまとめているので、自分の現在の点数と照らし合わせてみてください。

点数 学習時間
250→350 200時間
350→450 225時間
450→550 225時間
550→650 225時間
650→750 225時間
750→850 275時間
850→950 325時間

上記の表は、Oxford University Press(オックスフォード大学出版局)がTOEICを受験する生徒向けに作成したものです。

例えば250点から350点に伸ばすためには、200時間の学習時間が必要とされています。ほかの点数と比べて学習時間が短く済むのは、250点程度の方は基本的な英語力が身についておらず、単語や文法を少し学習するだけで点数がぐんと伸びる可能性があるからです。

一方、すでに850点レベルの実力がある方は基本的な英語力がすでに備わっているため、自身の苦手分野を少しずつ潰していくような長期間の努力が求められます。

参考:A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success|Oxford University Press(オックスフォード大学出版局)

まとめ

TOEICを資格として活用したいなら、自分の点数がどこまで通用し評価されるのか目安を知ることがまず大切です。目標点数にまだ足りていないと感じる場合は、点数別の対策方法を参考にしながら学習内容を見直す必要があります。

また、TOEICで100点アップさせるためには、最低でも200時間以上の学習時間が必須。進学や就職でTOEICスコアを使う予定の方は、期限までに目標点数を取得できるよう学習スケジュールを立てましょう。

TOEICを熱心に勉強している人なら、実力がついてきたのか、不安になりますよね。そんな人は、ぜひその基礎力をベースに英会話にもチャレンジしてみましょう。コミュニケーションが取れるようになれば、さまざまなビジネスシーンで活躍の幅が広がるでしょう。レアジョブではオンライン英会話レッスンの無料体験を実施しています。ぜひ一度お試しください。

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