英検には、4、5級を除く3級から1級までライティングテストが含まれます。
今回は、全体的なライティングの説明と、英検2級ライティングテストの構成や採点基準を紹介します。2024年から英検が新しい形式に変更され、総合的な英語力が試されるようになりましたが、これまで通りのライティング力を上げる勉強法で対応できます。またライティングの自力で英語を組み立てる能力は、二次試験のスピーキングテストや英会話の場でも活用できるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2024年問題形式がリニューアル|変更点
英検のリニューアルによる変更点を見てみましょう。下の図からわかるように、共通して言えるのは、3級以外は、リーディング問題が減り、その代わりにライティングが増えています。すべての級で、ライティング問題増えています。
出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/2024renewal/
英検2級ライティング形式やトピックは?
苦手意識を持つ人が多いライティングテストですが、中学生~高校生レベルの文法を正しく使い、ライティングのスコアを最低でも合格ラインまで取得しておきましょう。
ここ最近のトピックは、大学関連のものが多いですが、過去問を見ると環境問題・日常生活・技術など、社会に関する簡単な問題が出る傾向にあります。
では早速、実際に出題された新形式の問題とトピックを見てみましょう。
【2024年出題】
英文要約問題:
・以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。
・語数の目安は45~55語です。
University students often plan for their future careers by attending job fairs or searching online for information about different kinds of work opportunities. There are other ways, too. Some of them choose to join short-term work programs at companies called internships. These have some good points. Students will be able to know more about companies they are interested in, such as what kind of jobs there are and what kind of people are working there. Also, internships allow students to get to know other students. These students can encourage each other both during and after the internship.
On the other hand, if students choose to join very short internships, they may not be able to understand the job they are doing before the internships end.
Also, students who take part in internships may find it difficult to do well in their studies.
(大学生は、就職フェアに参加したり、さまざまな仕事の機会についてインターネットで情報を検索したりして、度々将来のキャリアを計画します。他にも方法があります。短期の企業での就業プログラム、いわゆるインターンシップに参加することを選ぶ学生もいます。これにはいくつかの利点があります。学生は興味のある企業について、例えばどのような仕事があるのか、どのような人々が働いているのかをより知ることができます。また、インターンシップを通じて他の学生とも知り合うことができます。これらの学生はインターンシップの期間中や終了後にお互いを励まし合うことができます。
一方で、非常に短いインターンシップを選ぶと、インターンシップが終わる前に自分がしている仕事を理解できないかもしれません。また、インターンシップに参加する学生は、勉強に支障をきたすことがあるかもしれません。)
(解答例)
Some university students decide to participate in internships. By doing so, students can have specific information about companies they are interested in and build helpful relationships with other students.
However, students may find it difficult to understand the job and perform well in their studies.
【2024年出題】
英文要約問題:
・以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。
・語数の目安は45~55語です。
University students often plan for their future careers by attending job fairs or searching online for information about different kinds of work opportunities. There are other ways, too. Some of them choose to join short-term work programs at companies called internships. These have some good points. Students will be able to know more about companies they are interested in, such as what kind of jobs there are and what kind of people are working there. Also, internships allow students to get to know other students. These students can encourage each other both during and after the internship.
On the other hand, if students choose to join very short internships, they may not be able to understand the job they are doing before the internships end.
Also, students who take part in internships may find it difficult to do well in their studies.
(大学生は、就職フェアに参加したり、さまざまな仕事の機会についてインターネットで情報を検索したりして、度々将来のキャリアを計画します。他にも方法があります。短期の企業での就業プログラム、いわゆるインターンシップに参加することを選ぶ学生もいます。これにはいくつかの利点があります。学生は興味のある企業について、例えばどのような仕事があるのか、どのような人々が働いているのかをより知ることができます。また、インターンシップを通じて他の学生とも知り合うことができます。これらの学生はインターンシップの期間中や終了後にお互いを励まし合うことができます。
一方で、非常に短いインターンシップを選ぶと、インターンシップが終わる前に自分がしている仕事を理解できないかもしれません。また、インターンシップに参加する学生は、勉強に支障をきたすことがあるかもしれません。)
(解答例)
Some university students decide to participate in internships. By doing so, students can have specific information about companies they are interested in and build helpful relationships with other students.
However, students may find it difficult to understand the job and perform well in their studies.
ライティング問題:
・以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
・POINTSは理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
・語数の目安は80~100語です。
In Japan, some people say that famous tourist sites, such as castles and temples, should limit the number of visitors. Do you agree with this opinion?
(日本では、一部の人々が、城や寺院などの有名な観光地は訪問者数を制限すべきだと言っています。この意見に賛成しますか?)
(Points)
・Cleanliness
・Local economies
・Reputation
(解答例)
I agree with this opinion. First, visitors can enjoy sightseeing more comfortably. With the limitations, famous sites could be less crowded, and visitors could enjoy famous sites without having to wait in long lines. Second, limiting the number of visitors would help improve the daily lives of people living near tourist sites. When fewer visitors come to these sites, people living nearby can reduce the number of problems, such as garbage and noise caused by these visitors. Therefore, I think that famous tourist sites should limit the number of visitors.
出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/kakomon/2024-2-1ji-2kyu.pdf
【2024年度出題】
英文要約問題:
・以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。
・語数の目安は45~55語です。
When students go to university, they usually go to the campus and take classes in classrooms with other students. However, there are other types of classes for students to take. Some of them take online classes from home without going to the campus.
What are some benefits of this? Online classes are helpful for students living far away from the campus because they do not need to travel for long periods of time. Moreover, in the case of recorded online classes, students can watch recorded classes over and over again so that they can understand the classes better.
However, some students may have problems with their computers or their Internet connection during online classes. This can make it difficult to take the classes smoothly. Also, if students do not go to the campus, they will have fewer chances to see each other face-to-face and talk to other students. Because of this, some students may feel lonely.
(大学生が大学に通うとき、通常はキャンパスに行き、他の学生と一緒に教室で授業を受けます。しかし、学生が授業を受講できる方法はいくつかあります。一部の学生は、キャンパスに行かずに自宅でオンライン授業を受けています。
これの利点は何でしょうか?オンライン授業はキャンパスから遠く離れて住んでいる学生にとって便利です。それは長時間の移動をする必要がないためです。さらに、録画されたオンライン授業の場合、学生は録画された授業を何度も見返すことができるので、授業内容をよりよく理解することができます。
一方で、オンライン授業中にパソコンやインターネット接続に問題が生じる学生もいるかもしれません。これは授業をスムーズに受けるのを難しくすることがあります。また、学生がキャンパスに行かない場合、他の学生と顔を合わせて話す機会が減ります。そのため、一部の学生は孤独を感じるかもしれません。)
(解答例)
Some students take online classes instead of going to the campus. Online classes have benefits, such as saving travel time and improving students’ understanding through watching recorded classes repeatedly. However, some students may have computer problems and feel lonely because they do not meet other students directly on campus.
(一部の学生はキャンパスに行く代わりにオンライン授業を受けています。オンライン授業が便利な点は、移動時間の節約や、録画された授業を繰り返し見ることで学生の理解を深めることが含まれます。しかし、一部の学生はコンピュータの問題に直面したり、キャンパスで他の学生と直接会うことがないために孤独を感じるかもしれません。)
ライティング問題:
・以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
・POINTSは理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
・語数の目安は80~100語です。
These days, many novels are turned into movies. Do you think the number of such movies will increase in the future?
(最近では、小説が映画化されています。将来的に、そのような映画が増えると思いますか?)
(Points)
・Image
・Income
・Quality
(解答例)
I think the number of such movies will increase in the future. First, from the perspective of movie companies, a certain amount of sales can be expected from such movies. If the original novel is a well-known work, fans of the novel will come to see the movie. Second, from the perspective of publishing companies, such movies might help increase the sales of the novels. These movies might lead people to learn about the original novels. For these reasons above, I think the number of such movies will increase in the future.
(将来的にこのような映画数は増えると思います。最初に映画会社の視点から見ると、このような映画から一定の売上を見込むことができます。原作の小説が有名な作品であれば、その小説のファンが映画を見に来るでしょう。次に、出版社の視点から見ると、このような映画は小説の売り上げを増やすのに役立つかもしれません。これらの映画は人々に原作の小説について知ってもらうきっかけになるかもしれません。以上の理由から、このような映画数は将来的に増えると思います。)
出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/kakomon/2024-1-1ji-2kyu.pdf
【2023年出題】
Today, some companies have online interviews for people who apply for jobs. Do you think this is a good idea?
(今日では、一部の企業が求職者に対してオンライン面接を実施しています。これは良いアイディアだと思いますか?)
(Points)
・Convenience
・Cost
・Technology
(解答例)
I think this is a good idea. First, it is convenient for people who apply for jobs. They can save time because they are able to take the interviews at home without going to the company. Second, companies can reduce costs. For example, it eliminates the need for companies to pay for transportation and hotel expenses for applicants. For those two reason above, I think having online interviews is a good idea for both companies and people who apply for jobs.
(私はこのアイディアは良いと思います。まず、求職者にとって便利です。会社に行かずに自宅で面接を受けられるので時間を節約できます。次に、企業はコストを削減できます。例えば、企業は求職者の交通費や宿泊費を支払う必要がなくなります。以上の二つの理由から、オンライン面接は企業と求職者の両方にとって良いアイディアだと思います。)
出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/kakomon/2023-3-1ji-2kyu.pdf
https://www.eiken.or.jp/eiken/result/pdf/2023-3-G2-F.pdf
上記のような課題に回答するために専門知識は必要ありませんが、自分の意見が求められるため、普段から新聞などで知見を深めておくとよいでしょう。ここで培った知識は、リーディングなど他のセクションでも役に立つかもしれません。
参考までに解答用紙の画像を表示しています。
採点方法やポイントは?
ここでは、ライティングテストの採点方法や点を取っていくためのポイントについて紹介していきます。ポイントは大きくわけて4つです。2024年から追加された要約問題も基本的には同じです。
観点①:内容
ライティングテストでは、質問に対する自分の意見を述べます。まずは、尋ねられたことに対して正確に答えられているかが重要なポイントです。公式サイトでは、「課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか」と言われています。
例えば、「環境問題に関して、これからもビニール袋は有料の方がいいか?」という質問に対しては、「ビニール袋は有料の方がよい、なぜなら動物の胃に詰まり生態系のバランスを崩すから」などと答えるといいでしょう。
「エコバッグがあるからビニール袋は買わない」では、的を外しているため減点対象となります。
出典:英検 ライティングテストの採点に関する観点および注意点
観点②:構成
自分の意見を伝えるためには、読者が混乱しないように適切な筋道を立てる必要があります。「英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか」という点を意識しましょう。
まずは自分の意見と内容を一致させます。問いに対してYESならYES、NOならNOで意見を一貫させましょう。もっと長いエッセイや小論文では、あえて反論を入れるというテクニックがありますが、英検では考えなくて大丈夫です。
次に、論は最小限で無駄なくまとめましょう。言語の種類に関わらず、文章は読みやすいものが評価されます。もしくは、テンプレートに沿って書いても構いません。
模範解答の流れを研究したり、自分が書きやすい構成を覚えたりすると、端的にまとまった文章構造について理解が深まります。記事の後半で例の1つを紹介するので、そちらも参考にしてください。
出典:英検 ライティングテストの採点に関する観点および注意点
観点③:語彙
英検の公式では「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」という基準が記載されています。しかし、簡単な言葉ばかりを使っているからといって減点されるわけではありません。
採点基準はあくまでも語彙のスペリングや用法であり、単語そのものの難しさではないので安心してOK。とはいえ、同じ単語を多用しすぎた場合は減点の対象になるので注意が必要です。
語彙に関して、英語ではない単語を使うことは避けましょう。例えば「会社員」が英語でどう言うかわからなかった場合、kaishiyainと書くことはおすすめしません。
英単語としてはcompany employeeが正解ですが、本番で思い出せない場合はwho given money from companyと形容しても大丈夫です。表現したい概念を、手持ちの言葉でうまく表現することが重要と言えます。
出典:英検 ライティングテストの採点に関する観点および注意点
観点④:文法
文法では「文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか」という観点で評価されます。すなわち、同じ言い回しを使わないよう注意する必要があります。
ライティングでは自分の意見を述べますが、毎回I think~から始まると表現が単調になり、点数の加算は見込めません。これを防ぐには、あらかじめ複数のフレーズをストックしておくことが重要です。
意見を述べたり、理由を補足したりする時に使えるフレーズを、自分で使えるようになるまで何度も練習しましょう。
出典:英検 ライティングテストの採点に関する観点および注意点
時間配分はどうすればいい?
以下の表を見ていただくと分かりますが、変更されたのは、準2級と3級です。英検2級は、これまで通りの85分です。
級 | 試験時間 |
1級 | 100分(変更なし) |
準1級 | 90分(変更なし) |
2級 | 85分(変更なし) |
準2級 | 80分(5分延長) |
3級 | 65分(15分延長) |
要約問題は、接続詞を使いながら、まとめてみましょう。時間にして、10分ほどみておきましょう。仮に早めに終わってもライティング問題に取り組めます。
ライティング問題は、全体をざっくりと組み立てるために5分ほど使ってください。英検のライティングテストでは、論そのものの正しさは求められませんが、前後の文で論がずれていないかは重視されます。構造でしっかり加点するためにも、まずは日本語で書きたい内容を整理しましょう。次に、本文を執筆するのに15分ほど割きましょう。
どの級もライティングが増えて、解答時間に時間を割くことになり、合格基準点には10点以上必要です。では、次にライティングのコツを説明したいと思います。
英検2級に合格するライティングのコツ
次に、ライティングのコツについて徹底解説していきます。ライティングは苦手とする人も多い分野ですが、ポイントを抑えれば怖くありません。確実に点が取れるよう、以下のコツをチェックしてみてください。
結論から述べて理由は後付け!型にそって書こう
英語のライティングは、結論から書くのが基本です。本記事では「結論→理由①→理由①の具体例→理由②→理由②の具体例→再度結論」という型を例として紹介します。これを本番でも使えるように自分に叩き込めば、自信を持って受験することができるでしょう。
もちろん、書きやすい型は人によってさまざまです。他の参考書も確認しつつ、自分なりの必勝パターンを編み出してください。
お題:食品ロスの削減
実際に英検で出た問題をもとに、ライティングテストの型について解説します。今回の題材は2021年5月の回です。
It is often said that restaurants and supermarkets should try to reduce the amount of food that they throw away. Do you agree with this opinion? (レストランやスーパーマーケットでは、廃棄される食品の量を減らす努力をすべきだとよく言われます。あなたはこの意見に賛成ですか?)
POINTS
・Cost(コスト)
・Health and Safety(健康と安全)
・The environment(環境)
ライティングテストでは上記のようにPOINTが3点提示されますので、回答を組み立てる参考にしましょう。なお、POINTに触れないからといって減点されることはありません。もし自分の意見を積極的に出せそうなトピックがあれば、それを利用して書くと時間短縮につながります。
出典:2級の過去問・対策
(結論)
I agree that restaurants and supermarkets should try to reduce the amount of food that they throw away.(レストランやスーパーマーケットが廃棄する食品の量を減らすことに賛成です)
まず I agree that ~ か I disagree that ~ で意見に同意するかどうかを述べます。英語では基本的に結論から述べるため、まずどちらの立場に拠るかを明確にしましょう。
この時、必ずしも自分自身の意見と一致させる必要はありません。個人的には「食品ロスを減らす必要はない」と考えていたとしても、首尾が一貫すれば問題ありません。どちらの意見の方がより説得力を持って書けるかで判断するとよいでしょう。
また、意見の内容は問題文から引用することをおすすめします。適切に言い換えることができれば語彙や文法の部分で加点があるかもしれませんが、自由記述の観点で減点される危険性も。ここは問題文をそのまま引用して、点を増やすことよりも落とさないことを意識する方が安全でしょう。
理由①
次に、下記のように理由を1つ述べます。
Firstly, a large amount of carbon dioxide is released into the air when food waste is burned.(まず、生ごみを燃やすと大量の二酸化炭素が空気中に放出されます)
ここでも、専門的な用語を使う必要はありません。例文ではcarbon dioxide(二酸化炭素)などあまり見慣れない単語も出てきますが、the air is dirty(空気が汚れる)と言い換えても大丈夫です。自信が持てる単語で表現できるよう工夫しましょう。
理由①の具体例
理由を述べた後は、以下のように理由の具体例や補足情報を書き足します。
Reducing the amount of food that is thrown away has a good impact on the environment and can help stop global warming.(食べ物を捨てる量を減らすことは、環境に良い影響を与え、地球温暖化の防止にもつながります)
ここでは、食品ロスを減らすことによるさらなるメリットを説明することで、自説を補強しています。上記例では一般論を述べていますが、自分の感想をつけ加えても構いません。
理由①の具体例では、reduce the amount of food that they throw awayという問題文の文章を書き換えて使用しています。最初に結論を述べる際と同様に、問題文の単語をそのまま使うことで、ミスや考える時間を減らすことができます。
理由②
次に、さらにもうひとつ別の理由を述べます。
Secondly, it costs restaurants and supermarkets a lot of money to throw away their food.(ふたつ目に、レストランやスーパーマーケットが食べ物を捨てるには多くの費用がかかります)
ここでは、POINTでヒントとして出されたコスト面の問題を取り上げました。
理由①と理由②の書き出しは同じ形に揃えることが望ましいです。今回は一番ベーシックなFirstly, Secondlyを使いましたが、他にも以下のような書き出しを使うことができます。ものによっては字数を稼ぎつつ採点者に語彙力をアピールすることができるので、いくつか覚えておくといいでしょう。
The first reason is that~
The second reason is that~
One reason is that~
Second reason is that~
First of all~
Also~
理由②の具体例
理由①と同様に、理由②も具体例や意見で論を補強します。
Cutting the cost would allow them to use more money on their products and services.(コストを削減すれば、製品やサービスにもっとお金を使うことができる。)
例えば以下のように、自説を補強できるなら自分の経験を言っても大丈夫です。
When I was working part-time in a restaurant, the manager told me about the high cost of food loss.(飲食店のバイトをしていた時、店長から食品ロスにかかるコストが大きいことを聞いた)
再度結論(締め)
最後は、冒頭で述べたagree, disagreeを繰り返し、内容をまとめます。
Therefore, I agree with this opinion.(したがって、この意見に賛成します)
文字数としては、締めを書いた時点で10行は超えていることを目標としましょう。字数の目安は80~100単語です。もし結論を書き始める時点で行数が足りない場合は、理由の具体例を増やしてみてもいいでしょう。
また、以下のような結論の書き出しによく使われる言い回しも、覚えておくことをおすすめします。
Because of all the reasons above, (上記の理由を総じて)
For these reasons,(これらの理由により)
In conclusion,(結論として)
簡単な文法や単語でもOK!自分の知っている言葉で表現しよう
簡単な文法や単語でも構わないので、「賢く」よりも「正しく」書くことを念頭に置きましょう。もちろん、難しい語彙を正しく使えれば加点が見込めます。しかし、あくまでも英検で注目されるポイントは文の構造や細かな文法の正確さです。
限られた時間で自分の意見をまとめることは、日本語でも難しい問題です。ましてや英語であればなおさら難易度が上がります。無理に難しい単語を使おうとして筆が止まってしまうよりは、覚えている言葉で表現することを意識しましょう。テストだからと気負い過ぎることはなく、簡単な言い方に変えられないか考えてみましょう。
内容自体が正しいかどうかは気にしなくてOK!自分の意見を述べることが重要
英検でチェックされるポイントは内容の精度ではなく表現力です。細かい出来事や年代の正確性、好ましい意見かどうかが問いただされることはありません。書いている内容が真実かどうか思い出せずに筆を止めてしまうよりも、まずは気にせず書き進めてみましょう。
また、主張のクオリティが低いからといって減点されることもありません。回答する上で大切なことは、あくまで自分の意見を正確な英語で表現できるかどうかという点です。
さらに、自分が心から感じている主張を述べる必要もありません。自分が書きやすい主張を書けばOKです。
例えば、「在宅ワークは推奨すべきか」という題で考えてみましょう。回答者自身は常日頃から「業務効率が上がるから推奨すべき」と考えていたとしても、英語での表現が思いつかなければ違う理由を述べて大丈夫です。
英検ライティングに役立つフレーズ集
便利な表現を丸暗記すると、さまざまなメリットが生まれます。まず、文の骨子となる表現を覚えておくと、自分の意見をまとめる余裕が出るでしょう。さらに、語彙や構造の面での加点も見込めるかもしれません。
以下では、よく使われる接続表現や文法を紹介します。これらの単語やフレーズは、リスニングやリーディングの試験で問われることもあるので、実際に使えるかどうかは別として意味は覚えておくとよいでしょう。
In general(一般的に)
In other words(言い換えれば)
To put it another way(言い換えれば)
Thus(よって)
As well as(同様に)
On the other hand(一方で)
However(しかしながら)
Frequently(頻繁に)
Moreover(さらに)
Not only…but also(だけでなく~も)
ラボ記事では、接続詞について解説しています。参考にしてみてくださいね。
・主な英語の接続詞49選一覧|ここをおさえておこう!種類と使い方も解説
書き終わった後のチェックポイント
回答が一通り完成したら、必ず見直しをしましょう。書いている最中は気づかなかった間違いや、スムーズに書くために飛ばした部分が必ずあるはずです。答案の完成度を高めるために、以下のチェックポイントを参考にしてください。
問いへの答えになっているか。別の内容になっていないか
まず、問いに対してきちんと答えが述べられているかをしっかりと確認しましょう。4つの採点基準のうち特に重視されるポイントは「内容」です。
スペルが合っていて文法が正しくても、内容が本筋から外れていたら大幅に減点されてしまう可能性もあります。そうならないように、最後の見直しでは内容が乱れていないか念を入れて見直しましょう。
自分の回答がトピックから外れていないか不安な人は、与えられているPOINTを積極的に活用してください。
メインのトピックとPOINTを押さえるよう意識することで、論が本筋から離れすぎてしまうことが防げます。また、過去問を解く段階で英語の先生や英検の有資格者に確認してもらい、フィードバックを得ることも有効な対策です。
理由はちゃんと2つ書けているか
問いに対して異なる理由が2つ書けているか確認しましょう。理由はTOPICで提示されたものでも大丈夫ですし、自分で独自に設定しても構いません。
大事なことは、問いに対して異なる2つのポイントから理由を述べることです。また、Firstly,やOne reason is that~のように、理由を述べる書き出しが使えているかも確かめましょう。
英検のライティングテストにおいて、「理由を2つ述べよ」と問題で指定されているわけではありません。しかし、理由が1つでは論の展開が難しくなり、逆に3つでは字数の上限に引っかかってしまいます。結果として、別々の観点から2つの理由を述べることが、数多くの試験を経て導き出された合理的な解き方だと言われています。
トピックと関係のない話が入っていないか
次に、理由やその具体例にトピックとは関係のない話が盛り込まれていないか確認します。agreeと答えた場合は同意の意見だけを、disagreeと答えた場合は否定の意見だけを書きましょう。
また、具体例の部分をふくらませ過ぎて、本題と直接つながりのない話をしてしまう事例も多く見られます。例題として先述した食品ロスの話であれば、「スーパーなどが食品ロスを減らすべきか」について論じるべきであって、「堆肥による食品ロスの再利用」や「スーパーの営業体制の変化」について述べる必要はありません。
上記のようなトピックからの脱線は、英語に限らず日本語でも陥りやすい落とし穴です。英語学習とは別に論理的な思考力も鍛えられると、より安心して本番に臨めるでしょう。
スペルミスはないか
スペルにミスがないかも、特に念を入れて見直ししましょう。マークシートテストが増えたことや、web上での自動スペル修正機能が普及したことで、英語学習者のスペリングに対する注意力は自然と低下する傾向にあります。
しかし英検ではスペルも採点基準ですので、aとeやrとlといった間違えやすい部分をもう一度チェックしましょう。
もし不安であれば、よく使う単語のスペルを事前にしっかりと暗記することをおすすめします。
agreeを始め、basically(基本的に)といった論述に便利なつなぎの言葉や、environment(環境)などトピックとして取り上げられやすい単語をピックアップしましょう。紙に何十回と書いて手に馴染ませれば、自然と覚えることができるはずです。
時制は合っているか
同じ節の中で違う時節を使っていないかも確認しましょう。原則としてライティングテストの文章では現在形を使います。しかし、At first,~but now(初めは~だったが今は)など、過去と現在の変化を表す場合は前者を過去形・後者を現在進行形にします。このように、同じ文中で時間の変化を扱う場合は、間違いがないかもう一度確認しましょう。
また、時制の変化を使わずに内容が表現できないか考えてみるのもおすすめ。もちろん書き直す時間がある場合に限られますが、減点されやすい時制の変化はなるべく避けた方が望ましいです。
単数・複数が合っているか
単数・複数は日本人が間違えやすいポイントのひとつなので、注意深くチェックしてください。主語がItであるにも関わらず複数形にしていないかなど、主語と動詞が一致しているかどうか確認しましょう。
また、可算名詞・不可算名詞も間違いが発生しやすいポイントです。information, adviceなど、よく使う不可算名詞はスペルとセットで覚えることをおすすめします。
さらに、三人称単数現在のsも忘れやすい部分です。ItやThey、名詞節を主語にした場合は欠かさず確認しましょう。このライティングテストでは、I以外の主語(HeやShe)を使うことはあまりありません。そこで、I以外の主語から始まる文には基本的に三単現のsをつける、という風に考えることもできます。
最後の難関は冠詞です。a/anとtheの他にも、another/otherなどに使う冠詞が正しいかどうかの感覚は、一朝一夕で身につくものではありません。ライティングテストの過去問演習だけでなく、リーディングやリスニング・スピーキングでも意識を払い、感覚を養えると今後も役に立ちます。
まとめ
英検2級のライティングテストは、いくつかのポイントに気を配ることで難易度が下げられます。まずは時間内にライティングの型を満たせるよう過去問を演習しましょう。完成度を上げるためは、他の人からフィードバックを受けるのもおすすめ。
一次試験を突破した後はスピーキングの二次試験が待っています。合格後に備え、英会話レッスンで準備をしておくといいでしょう。自分の頭で英文を組み立てる英会話は、ライティングの練習にもいい影響を与えます
レアジョブ英会話のレッスンでは、英検対策など豊富な教材を用意しているので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
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