日本国内だけでも本当に多くの方言がありますが、同様に英語にもたくさんの異なる方言があります。アメリカ英語とひとことで言っても、地域によって特徴的な方言がありますし、イギリス国内も同様です。さらに世界中のなんと80ヶ国以上で英語が国語、あるいは公用語の一つとして話されそれぞれ方言があります。
この記事では特徴ある方言を話すシンガポールと、英語教師の多いアメリカ・南アフリカ・オーストラリアの3つを取り上げ、その方言の概要について解説します。
英語を話す国
英語圏と呼ばれる国には、英語を第一言語として扱っている国と、英語を母国語に順ずる公的な第二言語として扱っている国の2つのタイプがあります。英語を唯一の公用語としていても地元の言語や他の国の言語の方が優勢なこともあります。多くがイギリスかアメリカの植民地ですが、そのほとんどがイギリスの植民地となっています。それぞれどのような国があるのかみてみましょう。
英語が第一言語の国
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ合衆国(英語は公用語ではないが国民の大多数が英語を第一言語とする)、カナダ(ケベック州ではフランス語のみ公用語)、マルタ、ジブラルタル、ベリーズ、バハマ、ジャマイカ、アンギラ、ヴァージン諸島、タークスアンドカイコス、モンセラト、北マリアナ諸島、グアム、クリスマス島、南アフリカ、サモア、ツバル、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、ミクロネシア、クック諸島、セントヘレナ、バミューダ、ニウエ、トケラウ、ノーフォーク、ピトケアン、キリバス、ソロモン諸島、バヌアツ(フランス語も同じくらい使われている)、セーシェル(フランス語も広く使われ仏語圏ともみなされる)、モーリシャス(公用語は英語だがクレオール語・フランス語の方が優勢)
英語が公用語かつ第二言語の国
アイルランド(第一公用語はアイルランド語)、プエルト・リコ(住民のほとんどはスペイン語が第一言語)、インド、シンガポール(国語はマレー語)、マレーシア(国語はマレー語)、スリランカ(シンハラ語・タミール語が公用語で英語は順公用語)、パキスタン(国語はウルドゥー語)、フィリピン(フィリピノ語が国語)、香港(第一言語は広東語、国語は中国語)、カメルーン、ケニア、ナミビア(公用語は英語だがアフリカーンス語とドイツ語が主要)、ボツワナ(国語はツワナ語)、マラウイ(国語はチェワ語)、スーダン(主流派アラビア語)、トンガ(主要言語はトンガ語)、フィジー(主要言語はフィジー語)、トンガ(主要言語はトンガ語)、レソト(主要言語は南ソト語)、ソマリランド(国語はソマリ語)
代表的な4カ国の英語方言の特徴
イギリス英語をスタンダードな基準として、方言を話す代表的な4つの国の英語の特徴をみてみましょう。アメリカについては、南部と東部、西部ではかなり異なるアクセントの英語が話されますが、共通としてある一般的なアメリカ方言の特徴をご紹介します。
(注)()内はイギリス英語
アメリカ
アメリカでは地域によってアクセントや使われる言葉の特徴がありますが、一般的な大きな特徴としては次のようなものがあります。
・イギリス英語に比べ、イントネーションの上下の抑揚が少なく単調に聞こえる
・tが「ラ」に近い音になる:get up→「ゲラップ」
・oが「ア」に近い音になる:hot→「ハット」
・rの音が強調されたり発音される
bitterはイギリスでは「ビタ」ですが、アメリカでは「ビタール」に近い音になります。
・スペルでuが落ちる
harbor (=harbour 湾), favor(=favour 親切な行為), color(=colour 色)など
・末尾のreがerになる
center(=centre 中心), letter(lettre 手紙)など
・単語の綴りが省略される
catalog(=catalogue カタログ), diarrhea(=diarrhoea 下痢)など
・iseのスペルがizeになる
realize (=realise 気づく) finalize (=finalise 完成させる) など
・イギリスとは異なる単語が使われる
trunk(=boot 車のトランク)、gas(=petrol ガソリン)、subway (=underground/tube 地下鉄)、elevator(=lift エレベーター), apartment(=flat マンション)など
オーストラリア
オーストラリアの英語はロンドンの下町やイギリス南部で話される訛りやアイルランドの英語がベースになっています。一般的にイメージするオーストラリア方言というとキツイ訛りを想像するかもしれません。確かに地方の人は訛りの強いアクセントで話す人もいますが、シドニーやメルボルンなど都会出身の人は聞き取りやすい英語を話します。
オーストラリア方言の代表的特徴としては次のようなものがあります。
・「a/ei」が「アイ」に近い発音になる
mate(マイト)、eighty(アイティ)、say(サイ)など
・「i」が「oi」に近い発音になる
like(ロイク)、night(ノイト)など
・語尾のgが発音されない
イギリスでもカジュアルな場面でgの発音が省かれることもありますが、オーストラリアの方がより広く一般化されています。jumping(ジャンピン)、 singing(スィンギン)など
・単語が省略され語尾が「イー」に変わる
brekky (=breakfast 朝食) 、mozzie (=mosquito 蚊) 、Aussie (=Australian オーストラリア人)
南アフリカ
基本的にはイギリス英語ですが、使われる語彙にはオランダ語やアフリカーンス語の影響を受けている独特の表現が用いられます。白人、黒人、インド系それぞれのアクセントがあり、さらに白人も社会的階級によって異なるアクセントを使います。南アフリカの方言はオーストラリア方言と間違われることもあるようですが、個人的にはだいぶ違うなという印象があります。
では南アフリカ方言の主な特徴をみてみましょう。
・母音がイギリス英語と比べて口腔内の前の方で発音される
bad(ベッド) penny(ピニー)pin(パン)など
・子音をイギリス英語のように声門で止めず歯切れよく発音する
・同じ言葉を二つ続けて強調する
アフリカーンス語の影響のようです。”now-now”(今) “soon-soon”(もうすぐ)
・南アフリカ独特の語彙がある
オーストラリアの英語では意味を知らなくても想像できるものが多いですが、南アフリカでしか使われないけれど知らないと日常生活で知らないと困るような独特の表現がたくさんあります。
Ja (=yes 発音は「ヤー」) 、lekker (=nice/great 美味しい、ナイス) 、howzit (=how are you? 元気?)、 braai (=BBQ) 、 biltong(干し肉。ビーフジャーキーに似ている)boerewors(長い巻いた形のソーセージ。braaiでは定番)、is it? (=is that so?/eally? へえ?本当?) sharp-sharp (=good bye 別れの挨拶や同意の意味で使う)、kief (=coo かっこいいl) 、robots (=traffic lights 信号機) 、takkies (=trainers スニーカー)
シンガポール
シンガポールの国語はマレー語で、他にも中国語やタミル語を話す人も多くいます。異なる民族が小さな国集まっているシンガポールでは、互いの言語を理解することが難しいため英語が共通語として英語が話されています。国が発行する公的文書も英語であるなど、英語は国語に近いポジションにあります。
シンガポールでは「シングリッシュ」と呼ばれる方言があり、マレー語・中国語・タミル語の影響を受けた英語が話されます。シンガポール政府は「正しい英語を話す」活動に積極的で、シングリッシュが含まれる曲は放送禁止になったり、大学にはシングリッシュを矯正する講座を設けるなどシングリッシュには否定的です。しかし国民の多くはシングリッシュを日常的に使っています。
シンガポール方言の特徴としては次のようなものがあります。
・文末に「lah」をつける
日本語でいうと「〜だよね」という感じです。強調する意味で、”Don’t worry, lah”(心配しないでね)のように使います。
・質問は通常の文章の末尾に「hah」や「mah」をつける
とにかくいかに簡単に話すかが特徴で、”Do you…?” ”….isn’t it?”のような形は使いません。 “Jane is your friend mah?”(ジェーンはあなたのお友達だよね?) “Take this away hah?”(お持ち帰りですか?)
・主語やbe動詞を省く
”Tomorrow can.”(=Tomorrow i can.)(明日なら大丈夫) “No good lah.”(=I’ts not good.)(よくないね)”Can or not?”(=Can you or cannot?)(大丈夫?できる?来れる?)”I going shopping today.”(=I am going shopping today.)(今日ショッピングにいくつもり)
・単語を短くいう:park(パッ) steak(ステク)
・thの発音がtやdになる:this→dis、three→treeなど
・マレー語や中国語などから単語を引用する
Alamak(ありゃ)、jalan jalan(お散歩する)など
・音節を切って発音する
英語が一つの単語の中で強調する部分が一つなのに対し、シングリッシュは音節を強調するためカクカクした感じで聞こえます。
・接続詞を省く
whenやifなどは使いません。”Call me, can wake up.”(If you call me, I can wake up.)(電話してくれたら、起きられる)
まとめ
実際の方言のアクセントや語彙を、YouTubeなどの動画プラットフォームでその国のネイティブの方が紹介しているものもたくさんあります。興味があれば探してチェックしてみてくださいね。いろいろな英語があって、どれが100%正しいということではありません。今回ご紹介した国以外にも興味を持った国があれば、その国の英語を調べるとさらに英語に親しめるとことでしょう
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