TOEFLの満点って何点?難易度や高得点を狙うポイントをチェック!

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TOEFLは大学・大学院に留学する英語を母語としない人向けのテストです。ハーバード大学をはじめ、米国の上位校ではハイスコアを要求されます。満点は相当難易度が高いものです。

TOEFLには iBT以外にITPテストなどの種類があり、満点がそれぞれ異なります。当記事では全種類のテストについて、満点や試験概要をまとめました。学習の目安としてぜひご活用ください。

チャレンジしたい人のために、何をどう勉強すれば満点やハイスコアを狙えるかのポイントもあわせてみていきましょう。

日本で受けられるTOEFLは2種類ある!その違いは?

TOEFLとは、非英語圏出身者向けの英語能力をはかるテストで、アメリカの教育試験サービス(ETS)が実施しています。日本で受けられるのは次の2種類です。

・個人で受験するTOEFL iBT
・学校や会社などの団体で受ける ITP

まずは、それぞれの違いについて、確認しておきましょう。

TOEFL iBT®

TOEFL iBTでは、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングをテストされます。

スコアは、主にアメリカ・カナダの大学・大学院など教育機関への出願に使うことができます。その他の国でもアカデミックな英語の能力の証明に使われ、現在世界150か国・約11,000以上の大学・機関で利用されています。

TOEFL iBTの4つのセクション

Reading(54分~72分) アカデミックな読み物が、約700語のパッセージが3~4出題
Listening(41~57分) 講義3~4問と会話2~3問で構成
Speaking(17分) 身近なトピックを話すタスクと、読んだり書いたりした内容を要約するタスクの2問で構成
Writing(50分) 読んだり聞いたりしたことの要約をエッセイ形式で書くタスクと、自分の意見を書くタスクの2問で構成

試験時間は合計3時間の長丁場になり、質量ともに難易度の高いテストです。

TOEFL ITP®

学校や企業の団体受験用に行われるTOEFL ITPは、スピーキングのない簡易版のTOEFLテストで、個人では受験できません。ITPスコアは、海外の大学・大学院の出願書類には使えません。主に大学や企業内部での選考・登用に客観的で信頼できる英語能力の指標として使用されています。

TOEFL ITPの3つのセクション

Listening Comprehension(35分) 北米の標準的な英語を聞き取る。50問の多肢選択式
Writing and Written Expression(25分) 標準的な文法力と表現についての40問の穴埋めと多肢選択式
Reading and Vocabulary(55分) 大学の講義を想定したリーディングが50問

Level1とLevel2があり、一般的にはLevel1のテストが実施されます。

その他のTOEFL

TOEFLにはほかに、TOEFL PBT(Paper Based Test)とTOEFL CBT(Computer Based Test)という試験があります。

PBT

現在15の国と地域のみで受けられるテストで、紙ベースで実施されています。日本では2007年に廃止されたため受験できません。

CBT

CBTはコンピューター受験のテストです。2006年にインターネットベースのiBTに切り替えられたので、今では世界中で完全に廃止されています。

なお、PBTにもCBTにも、Speakingのセクションはありません。

TOEFL満点スコアは何点?

TOEFL iBTとITPそれぞれにセクションごとのスコアが設定されており、満点のスコアはiBTとITPでは異なります。

iBT・ITPの満点とそれぞれのセクションのスコアを紹介します。

TOEFL iBTの満点スコアと各セクションのスコア

TOEFL iBTの満点スコアは120点、各セクションの満点は30点です。以下のように、公式から各スキルとスコア・レベルの対照表が発表されています。

出典:ETS公式サイト|TOEFL iBT®スコアの理解

TOEFLには合格・不合格はなく、スコアにより基礎から上級までのレベルに分けられます。それぞれ、CEFRレベルでは基礎=A1、初級=B1、中級=B2、上中級=B1、上級=C1に対応するものです。ただし、上級のなかでも29・30と満点級のスコアの場合、ネイティブスピーカーに近いレベルといわれるCEFR最上級のC2にほぼ相当するものとされます。

各大学・大学院などで、受け入れのためのスコアを設定しているので、留学先が設定しているスコアをクリアすることが受験者の目標となります。

※TOEFL iBTの各レベルの詳細な定義「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® Test(パフォーマンス・ディスクリプター)」

TOEFL ITPの満点スコアと各セクションのスコア

TOEFL ITPの満点スコアはLebel 1で677点、Level 2で500点です。

Level 1の場合、Listening・Structureで68点、Readingで67点が各セクションの満点です。これに対して、Level 2は、各セクションが50点満点です。

出典:ETS公式サイト|Supervisor’s Manual

TOEFL ITPのスコアも、によると、CEFRのレベルにスコアが対応しています。

セクションごとに少しスコアが上下しますが、たとえばListening Comprehensionのセクションでは、64–68 =C1(上級)、54–63= B2(上中級 )、47–53= B1(中級)、38–46= A2(初級)の4レベルに分けられています。

海外の大学・大学院留学の出願には利用できませんが、客観的なレベル分けにより、企業や学校では選抜・登用などの内部における選考資料としてスコアが活用されています。また日本内では、大学・大学院の出願時に優遇するなどの取り扱いをしている例もあります。

日本人がTOEFLで満点を取るのってどのくらい難しい?

TOEFLスコアは非英語圏の英語学習者が受験するテストです。非ネイティブスピーカー向けの英語試験のなかでも、日本人にとって特に難易度が高い試験の1つといわれています。

それでは日本人がTOEFLを難しく感じる原因とは何でしょう。また、ほかの試験の受験者で「上級」とされる人がTOEFLで満点をとれるのか、比較の観点からTOEFL試験の特徴を分析してみましょう。

TOEFLは難易度が高い!

ほかの国の受験者と比較すると日本人の平均点は低いことがわかります。

<各国のTOEFL平均スコア>
・ドイツ:98
・フランス:88
・ブラジル:87
・インドネシア:86
・中国:81
・日本:72

日本人が苦戦する理由はいくつかありますが、主に次の2点が課題とされています。

(1)日本人がほかの試験でも苦手としているアウトプット型の試験内容のボリュームがほかの試験よりも圧倒的に多い。
(2)アカデミックな英語は日ごろ目にする機会が少なく、語彙の習得に時間がかかる

試験時間からも分かるよう問題の量が多いため、「集中力が続かず、ケアレスミスが出る」「試験形式になかなか慣れない」など英語以外の理由で苦戦する人もいます。一方で、日本人が満点を目指すのは一般的には厳しいとされていますが、実際に満点を取った人もいるので、不可能なことではありません。

TOEICのスコアに換算すると…

TOEFLのスコアをTOEIC・英検のスコアに換算すると以下のとおりです。なお、この表は目安のため、多少前後することがあります。おおまかなレベルの把握のためにご利用ください。

TOEFL TOEIC 英検
95~120点 945点~ 1級~
72~94点 785~944点 準1級
42~71点 550~784点 2 級
30~41点 300~549点 準2級

TOEFL満点・ハイスコアのレベルは、TOEICでも、英検でも最上級レベルです。

ただし、TOEICは主にビジネス英語のテスト、英検は実用英語のテストです。さらにTOEFLテストは圧倒的なアウトプット(ライティングとスピーキング)量が必要なことから、どちらかの学習のみでカバーできるということではありません。

TOEFLで満点を目指すなら、TOEIC・英検である程度の実力がある人が、さらにTOEFLに特化した勉強をしてチャレンジすることが必要といえるでしょう。

TOEFLを受験するならは満点を目指すべき?取得スコアの目安は?

TOEFLの満点を目指すためには、英検・TOEFLでも上級者の実力が必要であること、日本人が苦手とするアウトプットの勉強に力を入れなければならないことがわかりました。

しかし、TOEFL満点を目指すことが本当に必要かどうかは、英語を勉強する目的・スコアを利用したいシーンにより異なります。そこで、TOEFLスコアが要求される場面と、スコアの目安をまとめました。

留学する最低基準60〜79点

北米の大学の受け入れスコアとして最低基準となるのが61点といわれ、出願できる大学の範囲が限られます。

読み書き・スピーキングが60〜79点程度とれると一般的なシーンでは通用します。しかし、適切なやり取りが一部の場面では不足することがあるでしょう。そのため、大学に入学してからも英語の勉強を補う必要があります。忙しい授業の合間でも、現地の非ネイティブスピーカー向けのESLクラスに通いブラッシュアップするなど対策しましょう。

また、日本国内の企業では履歴書に書いた際にある程度評価されるものの、外資系企業の選考ではもう少しスコアを上げておきたいところ。基礎力がしっかりできているスコアではあるので、時間をどれだけかけられるかがさらにスコアアップする際のカギです。

大学・仕事の選択肢が広がる80~99点

海外大学の出願範囲が広がるレベルです。また、仕事のために英語を使う場合、履歴書に書いて外資系でも一定の評価を受けるレベルになります。

大学の場合、90点を超えてくると、ほとんどの上位校で出願が可能です。90点台後半なら、州立大学の上位校はもちろん、私立最上位校に位置する大学にも出願を認めてもらえます。ちなみに、国内大学の偏差値上位校の帰国子女入試で要求される英語もこのレベル以上のスコアです。

生活場面ではまず不自由がない英語力で、辞書を引かなければならないことはぐっと減るでしょう。流暢さ・細かい正確性には個人差があるものの、自分の考えを人前でもしっかり話せるようになります。

大学院への進学・外務省の採用100~109点

北米の大学院への入学の際に目安となるスコアが100点以上といわれています。また、外務省の採用にも100点が必要とされます。

大学入試の場合は、アメリカで超一流といわれるアイビー・リーグや北米・他の国の上位校でも、このレンジのスコアで出願が可能となります。国内大学の帰国子女入試であれば、東大・京大の合格ラインが100点といわれることが多いようです。

100点がとれるレベルでは、ビジネス・学術問わず、ほとんど英語に不自由を感じなくなります。人前でも流暢によどみなくスピーチが可能。日本語で行うのとほぼ同じくらいのスピードで議論に参加できます。 外資系本社幹部職員の登用試験にTOEFL100点が要求される例もあります。

最難関大学の入学が目指せる110~120点

ハーバード大学・オックスフォード大学など超一流・最難関大学では、非英語圏からの学生を受け入れる目安がTOEFL110点程度とされています。

仕事でも学術でも、不自由なく英語が使いこなせるレベルであると同時に、正確に英語で物事を理解・表現できるレベルなので、世界的に英語力・学力が高いと判断されるスコアレンジです。ただし、ネイティブスピーカーの高校卒業レベルの英語力か、それに少し欠けるといわれています。英語だけで見ると語彙力において、さらに上のレベルを目指す必要があります。

一緒に勉強や仕事をするネイティブの高校卒業レベルは、20,000以上とされ、25,000を超える人も少なくありません。TOEFL110点がとれる12,000~15,000程度の語彙力だと不足を感じられることも多いでしょう。

TOEFLで満点やハイスコアを目指すときの勉強ポイント

超難関またはそれに準じる大学を目指す、あるいは仕事でそのレベルの英語力が必要という場合は、TOEFLでハイスコアを取得する必要があります。

目的にあった勉強を進める必要があるので、ここからは満点・ハイスコアを目指す場合の英語学習のポイントを確認します。

問題のタイプや出題傾向を把握する

TOEFLの特徴は次のようにまとめることができます。

・問題の量が多い
・解答時間が長い
・文章のボリュームが多い
・英文を読み書きするスピードが遅いと解きにくい

ただし、TOEFLにも文法構造の傾向や、頻出語彙・好まれるトピックなどに一定の傾向があります。スピードも訓練で向上させることができます。傾向を攻略することにより、ハイスコア・満点を狙うことが現実のものとなるでしょう。
そのためにも過去問の活用をする必要があります。過去問に当たるうえでは、次項以降のポイントに注意して学習しましょう。

アカデミックなトピックに慣れる

大前提として、アカデミックなトピックには慣れておく必要があります。特に文系の人なら理系の文章を、理系の人なら文系の文章に多く親しんでください。

一方で、各文章のレベルが非常に高いのか、というとそうではありません。そのため、下記のように使用する教材を工夫することで、アカデミックなトピックにかなり慣れることができます。

・過去問で多くの文章に触れる
・エコノミスト(The Economist)のコラムに慣れる
・ナショナルジオグラフィックやTIMEの科学記事の語彙をインプットする

また、歴史学であれば時系列順に説明をする・理系であれば仕組みを説明しようとしているなどの特徴があります。過去問を解くときは、文章の構造にも着目し読んでみると練習の効率が上がるといえるでしょう。

幅広い語彙力を身に着ける

幅広い語彙力を身に着けることも、ハイスコアを目指すうえでキーとなります。特に効率的なのは、単語集の活用です。TOEFLに特化した単語集を使って、3,000語~4,500語補充するとよいでしょう。

過去問の語彙は、何度も繰り返して出題されるのがTOEFLの特徴です。大学の授業に使う語彙はそこまでブレるものではないため、過去問から頻出単語を抽出し、特化した単語集を使うことが有効と考えられます。 語彙に関しては工夫ではなくどれだけ覚える時間をつくるかが問題なので、細切れ時間などでも単語集を常に手元に置き、見返すようにしておきましょう。

一方で、受験経験者全員が苦労しているポイントの1つがイディオムです。イディオムだけを記憶するのはかなり苦しいので、例文とワンセットにして覚えましょう。 単語と同様に、頻出するイディオムがあるため、特化した勉強時間をとるのがおすすめです。

読解スピードを上げる

問題数が多いことから読解スピードを上げることは必須といえます。読解スピードを上げるためには、必ず頭から英文を読むことが基本です。たとえば、読解テクニックとして紹介されることもある関係代名詞を後の方から読むなどの方法は、英語を日本語に訳しながら読むことになるので、読み進める速度が落ちます。英語を速く読むためには英文をそのまま理解できるよう訓練が必要です。

そのほか、問題文を先読みして、何が結論か先にさっと確認してから文章を読むというテクニックも有効です。

また、リーディングと、ライティングのエッセイでは読んで要約する力が問われているので、英文で要約文を作るスピードも上げておきましょう。さっと読んで頭のなかで情報を組み立て、すぐ次に進むといった簡易な方法でもよいので、数をこなすことをおすすめします。エッセイと、リーディングの双方に有効なスピードアップ法です。

高校レベルの英文法は完璧に使えるようにする

英文法で穴がある状態では、すべてのセクションに響いて点数が伸びなくなってしまいます。そこで、高校レベルの英文法は、書くこと・話すことを含め、完全に使えるようにしましょう。

テストでは、自然に複文を使えているかどうかも見られています。複文構文について、面倒だ・あまり書きたくないなど苦手意識を持っているとライティング・スピーキングで高得点が狙えません。同じ意味の文章を、どの構文でも自在に表現できるように英文法を肌感覚で習得することがポイントです。

一定の評価を得ているTOEFL向けの英文法の問題集はよく傾向をつかみ、言い換え・構文の書き換えなどにも対応しているものがほとんどなので、ぜひ活用しましょう。

完全に「英語を話せる」状態にする

完全に英語を話せる=英語でスピーキングをしたときにほかの構文・ほかの表現でも言い換えが利くということ、と考えて取り組みましょう。これをネイティブの速度で行うのが目標です。

過去問を使って、次のことを繰り返しチェックしてみましょう。そして、自分ができなかった部分をカバーする練習に注力してください。

・よどみなく、スピードを保って答えられるか
・語彙を適切に使えるか
・何度も同じ単語を同じ言葉を指すために使っていないか
・論理的に間違っていないスピーキングができるか
・トピックに正面から答えられるか

スピーキングとライティングは、話すか・書くかの手段は違いますが自分で文を作る点では同じです。書くとどうなるか、話すとどうなるかは、常にワンセットにして練習してみましょう。

TOEFLスピーキングテストでは4つのポイントが採点基準となっています。評価の観点からも過去問を使ってチェックのポイントを押さえておくことは重要といえます。

TOEFLの採点基準

General Description 質問に対して、流暢に、適切なスピードですべての事項に答えているか
Delivery 明瞭に言いたいことを伝えているか
Language Use 語彙・言い換え・ほかの言葉での置き換え(リフレーズ)が適切か
Topic Development トピックに対して適切な論理で答えているか。目的・理由・実例など、聞いていることの本質を押さえた答えができているか

TOEICとTOEFLどちらを受験すべきか迷ったら?

TOEICとTOEFLは、受験の目的が異なる試験です。どの目的で英語の試験を受けるのかにより、選ぶ試験が異なります。TOEICはビジネス向けの英語力を試す試験であり、TOEFLは海外留学を考える場合に受験が必要になる試験です。

そのため、社会人が仕事に使う英語力を証明したいという場合には、ビジネス向けのTOEICの方がおすすめ。

社会人のうち「海外留学をする」「留学するかまだ決めていないが興味がある」という人なら、TOEFLから手を付けてもよいでしょう。TOEFLは難易度が高いテストということもあり、TOEFLでハイスコアが取れれば、かなりの英語力が身に着いています。あとからTOEICに切り替えても、TOEIC独自の傾向に慣れさえすれば、ハイスコアが期待できるでしょう。

まとめ

TOEFLはかなり難易度が高く、特にリスニング・スピーキングは自己学習に限界もあります。過去問でしっかり学習する場合も、リスニングやスピーキングはプロの先生についてもらうと、弱点をより客観的にチェックできて、補強もしてもらえます。

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