TOEICの満点は990点です。TOEIC学習者にとって990点を取ることは憧れであり、一つの目標なのではないでしょうか。かなり高いハードルに思えるかもしれませんが、帰国子女ではなかったり留学経験がなかったりする人でもTOEICで満点を取っている人はいます。
そこでこの記事ではTOEICで満点を取りたいと思っている人のために、満点を取るための勉強法からちょっとしたテクニックまでを徹底解説!簡単に取れるものではありませんが、きちんと勉強すれば満点も夢ではありません。この記事を参考に満点を目指して勉強してみましょう。
TOEICで満点(990点)を取るのは難しい?
TOEICで満点を取るのはかなり難しく感じられるかもしれません。満点を取った人の割合や必要な語彙数、他のテストとの比較をみるとどうでしょうか。TOEICで満点を取る難易度を一緒に見ていきましょう。
満点を取った人の割合
2021年5月に行われた第269回のスコア分布によると、受験者41286人に対して、895点以上を取った人は1603人でした。TOEICは満点を取った人の人数や割合は記載されていないのですが、895点以上を取った人の割合は全体の3.9%ということがわかります。この割合は895点以上を取った人の割合なので、990点を獲得した人で考えるとさらに低くなることが予想できるでしょう。割合を見ただけでも、難易度が高いことがわかりますね。
満点を取るための語彙数
英語学習のレベルは、どれくらいの語彙数を知っているかも一つの指標となります。TOEICで満点を取るために必要な語彙数は10000〜13000語以上です。900点を取るために必要な語彙数が10000語と言われています。ただすでに900点を取れている人が990点を取るために覚えなければならない単語は頻出度が低く、覚えたからといってスコアアップに必ず繋がるわけではないようです。
他のテストとの比較
TOEICと他の英語関連のテストでは、出題内容や出題方法が異なりますが、それを踏まえて比較してみると、TOEIC970点以上はIELTSのスコア7.5、TOEFL iBTの109-116くらい、英検で1級くらいのレベルであるといわれています。
こう見てみるとかなり難しそうですが、TOEICで満点を取ると一般的に言われるのは、リスニングとリーディングのみのTOEIC L&Rです。他のテストはライティングやスピーキングも含まれるので、IELTSやTOEFLE iBT、英検の方が難易度は高いと言えるでしょう。
TOEICで満点を取るメリット
TOEICは700〜800点くらいを取ると自分の英語力をアピールできる材料になると言われていますが、さらに上の満点を取るとどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットを紹介します。
就職や転職活動で有利
あらゆる業界において英語が求められるようになりつつある今、多くの国内企業は求職者の英語レベルを測る一つの基準としてTOEICのスコアをチェックしています。英語力が求められる会社であれば、700〜800点前後を獲得している応募者は多いはずですが、そのなかで990点を獲得している人材は確実に一目置かれるでしょう。
また、ただ英語力があるという証明になるだけではなく、一つのことを成し遂げたという点に対して評価される企業もあるはずです。
英語力に自信がつく
TOEICで満点が取れたということは、TOEICで出題されるレベルの単語・文法・構文などを網羅的に理解できいるということです。TOEICの満点がネイティブスピーカーのレベルかと問われるとそうではありませんが、それでも英語を第二言語として使用するには十分なレベルの英語が身についていると言えるでしょう。実際に映画や海外ドラマを字幕なしで見ても理解しやすくなりますし、英文も比較的スラスラ読めるようになるので自信がつくはずです。
また、英語力の自信だけではなく、TOEICで満点を獲得したという事実は一つの成功体験として大きな自信になるでしょう。
TOEICの専門講師になれる
TOEICの満点を獲得した人だけが目指せるのが、TOEIC専門講師です。TOEICで高得点を目指す人はたくさんいますが、その多くがその道のプロから学びたいと思うのではないでしょうか。TOEIC満点を取得するということは、それは誰もが認めるTOEICのプロであると認定されるも同然です。
TOEICで満点を取ったという実績があれば講師として指導したり、自分が著者の本を執筆したりすることも夢ではありません。
もちろんTOEICで満点を獲得した人が全て講師になっているわけではありませんが、自分が学んできたノウハウを人に伝えるという新たな道が開く可能性があります。
TOEICで満点を取るための条件
TOEICで満点を取るということは全問正解しなければならないと思われますよね。TOEICの配点は公表されていませんが、実は1〜5問程度間違えても満点になるよう設計されています。ここではリスニングパートとリーディングパートに分けて、満点を取るための条件を解説していきましょう。
リスニングの条件
リスニングパートで出題される問題数は、以下の100問です。
Part1:写真描写問題 6問
Part2:応答問題 25問
Part3:会話問題 39問
Part4:説明文問題 30問
以前は1問あたり5点の配点で、4〜5問間違ってもリスニングパートで満点が取れると言われていましたが、TOEICは1問何点という配点は公表していません。受験者の正答率が低い、難易度の高い回は他の回と差が出ないようにされています。ただこの点についても明確に公表されているわけではないため、1~5問程度間違えても満点が取れる、と断言はできません。
しかし1問も正解しなくても5点もらえる形式になっているので、リスニングパートで99問正解すれば満点を取れます。
リーディングの条件
リーディングパートで出題される問題数は、以下の100問です。
Part5:短文穴埋め問題 30問
Part6:長文穴埋め問題 16問
Part7:1つの文書:29問
複数の文書:25問
リーディングパートもリスニングパートと同じで、1問あたりの配点は公表されていません。また正答率が低い回の統計的処理方法も公表されていないのも、リーディングパートと同じです。
リーディングも1問も正解しなくても5点もらえる仕組みになっているので、99問正解すれば満点を取ることが可能です。
TOEICで満点を取るための勉強法
TOEICで満点を取るためにはポイントを押さえて勉強をすることが大切です。満点を取るための5つのステップを紹介しますので、参考にしてみてください。
ステップ1:今のレベルをチェックする
目標を立てる前に、まず今のレベルをチェックしましょう。今のレベルをチェックするためには、公式問題集を使って実際のTOEICと同じように時間設定をして問題を解きます。採点をして現在のレベルをチェックしましょう。
TOEICは回によりますが、600点が大体の平均です。600点あれば英語の基礎を理解しているということになりますが、600点以下だった場合は990点を目指す前に基礎から学ぶようにしましょう。
ステップ2:英語の語彙数を増やす
TOEICを含めて他のテストでも、テスト以外で英語を学ぶ場合でも語彙数を増やすことは非常に大切です。語彙力がなければ文法や構文を理解していても、肝心の内容がわかりませんよね。
TOEICはリーディング問題がありますが、リーディング問題は多少文法や構文が分からなくても語彙力があれば予測して読めます。特に長文問題では全てを理解するのではなく、全体を流し読みして問題を解くことが鍵となるので、語彙数を増やして大体の内容を把握できることはとても大切なのです。
語彙数を増やすためには、TOEIC990点獲得に必要な単語帳を使いましょう。また単語帳だけでなく、普段から新聞や雑誌の英文に触れることも重要です。長文を読むスピードも上がりますし、より実用的な単語を覚えられます。覚えられない単語は自分でまとめて、自分だけの単語帳を作ってください。
ステップ3:英語の発音に慣れる
TOEICのリスニング問題ではアメリカ英語・カナダ英語・イギリス英語・オーストラリア英語などが登場しますが、同じ英語でも国が違えばかなり発音が違います。学校で習うのはアメリカ英語なので、日本人はイギリス英語やオーストラリア英語に馴染みがない人が多く苦戦してしまう人が多いです。
TOEICのリスニング問題やさまざまな国の英語の発音が聞けるアプリなどを使って、日頃から色々な英語を聞くようにしましょう。特に聞き取りが苦手な国の英語がわかったら、その国の英語を重点的にリスニングするのもおすすめです。実際に問題を解かなくてもいいので、移動中などにも聞いて、英語の発音に耳を慣れさせてください。
ステップ4:アウトプットをする
アウトプットは「話す・書く」などの自発的行動のことです。TOEICはリスニングとリーディングしかないので、インプット中心の学習になりがち。しかしTOEIC学習でも話す・書くといったアウトプットは記憶に定着させるために非常に重要です。
リスニング
リスニングのアウトプットは聞いた英語を繰り返して発音するリピートや、聞きながら発音するシャドーイングを取り入れましょう。これらのアウトプットは英語独特の発音や音の繋がりを理解しやすくなり、リスニング力アップにつながります。
リーディング
リーディングのアウトプットは、間違えた問題や分からなかった単語を使って、自分で文章を書きましょう。複雑な内容の文章でなくてもいいので、自分に身近な話題などを書きます。これだけでも記憶が定着しやすくなるのでおすすめです。
また、できれば日々英語で日記を書くというアウトプットもしてみてください。文法や構文への理解が深まりますし、実際の英語力も確実に上がります。
ステップ5:公式問題集を繰り返し解く
TOEICで満点を目指すなら、公式問題集を繰り返しときましょう。公式問題集は実際のTOEICと完全に同じ形式で問題が掲載されています。公式問題集を解くとTOEICの形式に慣れるうえ、自然と時間配分の感覚も掴めます。TOEICは時間配分が重要ですから、どの問題にどれくらい時間をかけていいのか体感で掴んでいきましょう。
また、問題を解いたら必ず採点し、間違った問題をどうして間違えたのか必ず理解してください。これを何度も繰り返すことで、自分がどんな問題を苦手としているのか、どんな問題で間違える傾向にあるのかがわかります。
TOEICで満点を目指すときに心がけたい3つのこと
では最後にTOEICで満点を目指す人に心がけてもらいたい3つのことを紹介します。できるだけ早く満点を獲得するためには、ただ勉強するだけでなくポイントを押さえた勉強が重要です。
時間配分に注意する
TOEICは2時間で200問の問題を解きます。800点以上取れている人であれば、最後まで辿り着けるようになっていますが、それ以下の場合は全ての問題を解くことすら難しいかもしれません。満点を取るには全問解く必要がありますから、必ず全問解く必要があります。
リスニングは決まった時間の流れで解くのでそれほど意識する必要はありませんが、リーディングパートは時間配分に気をつけましょう。
単純計算で言えばPart 5・6は一問20秒、Part7は一問1分で解かなければいけません。普段勉強している段階から分からない問題があれば後回しにするなどして、時間配分を感覚で掴むようにしましょう。
時間を効率的に使って勉強する
あくまで目安ですがTOEICで満点を獲得するためには、英語初心者の状態からだと1800〜3000時間程度の学習が必要と言われています。600点以上の人が100点アップさせるためには300時間の学習が目安です。学校や仕事の合間に時間を確保するのはなかなか大変ですが、できる限り効率よく勉強することで目安時間よりも短い時間でスコアアップが望めます。
移動時間や隙間時間を有効活用する
なかなか机に座って勉強する時間を毎日取れないという人でも、通勤や通学の時間はあるはずです。その時間はリスニング対策の時間に当てましょう。実際に問題を解かなくても、聞いているだけで耳が英語に慣れてきます。
朝活を取り入れる
学校やバイト、仕事が終わって学習時間を取ろうとしても続かないという人は多いです。そこでおすすめなのが朝活。朝は脳のゴールデンタイムとも言われているため、効率よく勉強できます。30分でもいいので早く起きてTOEIC対策をしましょう。
TOEIC以外の勉強もやる
TOEICの勉強というと公式問題集や参考書を使った勉強が思い浮かぶ人もいるかもしれません。ただ満点を取るレベルになると応用力も必要になります。他の英語の勉強を取り入れていれば自然と応用力もつきますし、ただTOEICで満点が取れたというだけでなく、本当に使える英語が身につくのでおすすめです。
英語の雑誌や新聞を読む
英語の雑誌や新聞を読めば、長文を流し読みしながら全体の内容を把握する癖が自然につきます。知らない単語が出て来れば単語帳に加えられますし、時事ネタや興味のあるネタなら記憶にも残りやすいです。
オンライン英会話を受ける
オンライン英会話はリスニング対策にぴったりです。インプットもアウトプットも同時にできます。そのうえ英語を使ったコミュニケーション力がつくので、より実践的な英語が身に付きますよ。スマホがあればどこでも英会話ができるレアジョブ英会話は、マンツーマンレッスンが格安で受けられるのでおすすめです。
映画や海外ドラマを見る
色々な発音になれるという意味では映画や海外ドラマを見るのもおすすめ。好きな映画や海外ドラマを見たり日常的に流したりして、リスニング力を上げましょう。字幕をつけてセリフのシャドーイングをするのもいいですね。
まとめ
TOEICで満点を取るのは、確かに難易度が高く簡単なことではありません。ただ勉強法やコツを掴んで効率よく勉強すれば、誰でも目指せる点数でもあります。
今回紹介した勉強法やコツを参考にして勉強してみましょう。まずは今のレベルを把握して、そこから無理のない目標を立ててくださいね。
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