give up、put onなど2語以上の単語で構成される句動詞。会話中はもちろん、新聞や雑誌などの文章にも多く登場します。使う機会が多い句動詞ですが、なかなか覚えられなくて困っている…という人も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、句動詞を覚えるメリットや覚え方、句動詞を使ううえでの注意点などについて詳しく解説します。これを読めば、苦手だった句動詞がより身近な存在になるでしょう!
句動詞とは?
「句動詞(Phrasal Verb)」は以下のように定義することができます。
「動詞 + 前置詞(もしくは副詞)」で1つの動詞として使えるフレーズ」
例えば、call onを見てみましょう。これは動詞callと前置詞onからなる句動詞です。動詞callには「電話をする」「~を呼ぶ」などの意味がありますが、句動詞call onは「〜(人)を訪ねる」という意味になります。
よく使われる句動詞
ここでは、よく使われる句動詞を4つ紹介します。
Watch out
・気をつけて、注意して
Watch out! There’s a bus coming!(気をつけて!バスが来ているよ!)
「watch=見る」という動詞ですが、句動詞watch outは「気をつけて」という意味で使われれます。be carefulと同じ使い方ができますよ。
Give up
・~を諦める、やめる
I give up smoking for health.(私は健康のためにタバコをやめます)
「~を与える」という意味のgiveを使った句動詞。give upは動詞quit(~をやめる)と同じ使い方ができます。
Put on
・~を身につける、着る
Put on your hat . The sun is very strong today.(帽子をかぶって。今日は日差しがとても強いよ)
putには「置く」「~の状態にする」などの意味があり、句動詞put onは「~を身につける」「~を着る」という意味になります。wear(〜を着る)と同じ意味で使えますよ。
take off
・~を脱ぐ、(飛行機などが)離陸する
Please take off your shoes in my house.(我が家では靴を脱いでください)
put onには「~を着る」という意味がありますが、反対に「脱ぐ」はtake offとなります。また、The Plane will take off on time.(飛行機は定刻に離陸します)のように「(飛行機が)離陸する」という使い方もできます。
イディオムとの違い
英語を学習している人なら「イディオム」という言葉を聞いたことがあるはずです。句動詞とイディオムは似ているように思えますが、厳密にいうと異なります。
「イディオム(慣用句)=直訳とは異なる意味を持つ表現」
例えば、spill the beansというイディオムは直訳すると「豆をこぼす」ですね。こちらは「秘密をもらす」と訳されるフレーズです。このようにイディオムには一般的に名詞を含むものが多く、それが句動詞との大きな違いです。
句動詞の覚え方
ここでは、句動詞を覚えるメリットと効果的な覚え方について解説します。
句動詞を覚えるメリット
句動詞を覚えるメリットとして、句動詞はネイティブの会話の中でよく使われることが挙げられます。例えば、「延期する」という意味の表現を見てみましょう。
・put off(句動詞)
・postpone(動詞)
これらはどちらも「延期する」という意味ですが、日常会話で使われるのは圧倒的に句動詞のput offが多いようです。postponeを日常会話で使うと、少々硬い印象を与えるかもしれません。また、句動詞を覚えることで表現の幅がグンと広がるのもメリット。ネイティブらしい自然な表現を身につけたいならぜひ句動詞をマスターしましょう。
句動詞の効果的な覚え方
単語の組み合わせで意味がいく通りにも変化する句動詞。使えるととても便利ですが、覚えるのは大変ですね…。覚え方のコツとしては、句動詞をひとつの動詞として捉えること。put off(延期する)の場合、「put + off」に分けるとついそれぞれの意味を考えてしまうでしょう。そうではなく、put offをひとつの動詞として捉えるのがポイントです。
また、ただ単語を暗記するだけでなく、例文などを通して覚えることも効果的です。意味が似ている句動詞は山のようにあるので、とっさに意味が出てこないことも多いでしょう。文脈の中で意味や使い方を理解するとより覚えやすくなるはずです。
句動詞の感覚を掴む方法
句動詞は数え切れないほどあるので、前述したように、ただ暗記するだけでなく感覚的に身につけることをおすすめします。感覚を掴むためにぜひ実践してもらいたいのが「イメージすること」。句動詞を構成している動詞と前置詞(副詞)の基本的な空間的イメージをしっかりと捉えることでより理解しやすくなるでしょう。
take outというフレーズを見てみましょう。こちらは「take=何かを手にしている(イメージ)」と「out=外にある状態にする(イメージ)」を組み合わせて考えます。すると、ファストフード店などでも使われる「take out=持ち帰る」という意味になることが理解できますね。
また、Please take me out tonight.(今夜どこかに連れて行って)という文では、「私を掴んで外へ」というイメージが自然と浮かべば、文全体の意味を推測することも難しくありません。
句動詞の注意点
句動詞を使う際の注意点を見ていきましょう。
句動詞には目的語を必要としない「自動詞」もある
句動詞には目的語を必要とする「他動詞」と、目的語を必要としない「自動詞」の2つがあります。
他動詞 | get over(〜を乗り越える)、look for(〜を探す)、take after(〜に似ている)など |
自動詞 | get up(起きる)、come in(中に入る)、hurry up(急ぐ)など |
例えば他動詞look forの場合、look for my smartphone(私のスマホを探す)のように、look forの後に「目的語=my smartphone」が必要です。一方、自動詞get upなどは後ろに目的語が必要ありません。
他動詞は目的語の位置に注意
他動詞であれば、look forなどの後に目的語を置くと説明しましたが、他動詞の中には目的語の位置が変えられるものもあります。まずは以下をご覧ください。
<turn off>
・Please turn off the light.(電気を消してください)
・Please turn the light off.
<take after>
・Mari takes after her sister.(マリは姉によく似ている)
turn offでは「目的語=the light」を句動詞の後に置くことはもちろん、句動詞の間に挟むこともできます。どちらが正解というわけではないので、自分の好みに応じて使い分けましょう。
一方のtake afterは、「目的語=her sister」を句動詞の後にしか置くことができません。新しい句動詞を学ぶたびに、どういう使い方ができるのかもあわせて覚えておくとよいでしょう。
まとめ
句動詞はネイティブも日常会話でよく使う便利な表現です。自然な英語を身につけたい人は、ぜひ使える句動詞の数を増やすことをおすすめします。ただし、山のようにある句動詞をひとつひとつ暗記するのはとても大変。句動詞は動詞と前置詞(副詞)のイメージを捉えることでより理解しやすくなると覚えておきましょう。
句動詞を使いこなせるようになれば表現の幅がグンと広がります。新しい句動詞に出会ったら、積極的に会話の中で使って自分のものにしてくださいね。
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