TOEICの時間配分を知って高得点を狙おう!

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TOEICで目標スコアを達成するためには、試験時間の有効活用が鍵となります。そこで今回は、リスニングとリーディング各Partの適切な時間配分について詳しくまとめました。

また受験当日の流れや、TOEICを素早く解くために日頃からすべき勉強方法なども解説しています。初めてTOEICを受験する方や、これから本格的に対策を始める方は、ぜひ参考にしてみてください。

TOEICのPartごとの試験時間をおさえよう

TOEICの試験時間は2時間で、リスニング(45分間)とリーディング(75分間)に分かれているのが特徴です。リスニングは音声の指示に従って問題が進むため、解答スピードを大幅に上げることが難しく、リーディングで時間を管理できるかどうかがスコアアップの鍵となります。

またリスニングはPart1~4、リーディングはPart5~7と問題形式が分かれており、各Partを何分で解答すべきか細分化して計算することが不可欠。なお、リスニングとリーディングの問題構成と問題数は下記の通りです。

リスニング(45分)
Part1:写真描写問題6問
Part2:応答問題25問
Part3:会話問題39問
Part4:説明文問題30問
リーディング(75分)
Part5:短文穴埋め問題30問
Part6:長文穴埋め問題29問・25問
Part7:1つの文書・複数の文書29問・25問

出典:【公式】テストの形式と構成|一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会

そもそもなんでTOEICは時間配分が重要なの?

ここでは、TOEICで時間配分が重要な理由や、各Partの時間配分について解説します。

「TOEICは時間との勝負」といわれますが、その理由として問題数の多さが挙げられます。長文読解を含めた合計200問を2時間以内に解かなければならず、のんびりとマイペースに解答する余裕はありません。

TOEICの問題自体は中学~高校レベルの英語力でも理解できますが、ただ英語を理解できるだけでなく、時間内に解くための戦略が必須。「全問解こう」という意識で臨むのではなく、できるだけミスを減らしながら多くの問題を解くための時間配分を練ることが求められます。

上記の理由から、これからTOEICを受験する方は英語の基礎力を身につけることはもちろん、適切な時間配分で解けるよう準備をしておきましょう。

「TOEICリスニング」おすすめ時間配分

それでは具体的に、リスニングにおける各Partの時間配分を解説します。

リスニングはパートによっては先読みが重要!

リスニングは音声に従いながら解答する形式のため、解答スピードを大幅に上げることはできません。ですが、音声を聞いてからできるだけ早く解答を終え、次の問題をチェックするための時間を確保することは可能です。

リスニングで時間配分を意識するための代表的な方法といえば、問題文を先に読んで解答を想定しておく「先読み」でしょう。

例えばPart1であれば事前に写真を確認して、その写真が何を描写しているのかうっすらと頭に入れておくのも一つの方法。Part3や4であれば事前に問題を読んで、これからどのような音声が流れるのか予測しておくのもおすすめです。

先読みすることで「どのような音声がこれから流れるのか」や「音声のどの部分に注意して聞くべきか」を予測でき、スムーズに正解が選べるようになります。毎回リスニングで解答に手間取ってしまうという方は、先読みをぜひ意識してみてください。

Part1:全6問で約3分

Part1は、問題用紙に印刷された写真と音声を照らし合わせて、写真の内容を的確に描写している音声の番号を選ぶ問題です。例えば男性が寝ている写真の場合は、“A man is sleeping”といった音声が1~4番目のどこかで流れるので、該当する番号のマークシートを塗りつぶします。

Part1に関してはほとんど反射で解答を選ぶ問題のため、正解となる音声が流れたら1~2秒ですぐにマークシートを塗りつぶせるよう訓練しておきましょう。Part1はリスニング問題のなかでも最も難易度が低く、あまり考え込まず聞こえた単語を拾えば簡単に解けることが多いです。

また、どのような音声が流れるのか事前に予想しておきたい方は、音声が最初のインストラクションを読み上げている間に何枚か写真をチェックしておくのもコツです。

Part2:全25問で約9分

Part2は、英語で読まれる疑問文に対して、英語で読まれる返答のなかから適切なものを選ぶ問題です。

例えば“Where’s the fax machine?”という疑問文が流れた場合、“Next to your desk”などファックス機の場所を表した返答が正解となります。疑問文の5W1Hを確実に聞き取ることができれば、たとえ細かな単語を聞き取れなかったとしても、正解に辿り着ける可能性が高いです。

Part2は問題用紙に何も記載されていないため、残念ながら先読みすることはできません。そのためこのPart2に関しては、音声を適切に聞き取り素早く解答すること、そして次の問題の音声が流れる前に確実に解答を終わらせることを目指しましょう。

解答時間はPart1と同様で、正解となる音声を聞いてから1~2秒でマークシートを塗りつぶせるくらいのスピード感が求められます。

Part3:全39問で約17分

Part3では、まず音声から流れる2人または3人の会話を聞きます。会話の長さは約40秒間で、音声を聞いた後は問題用紙に記載される質問文を読み、会話の内容に当てはまる解答を4択から選びます。

Part3で時間をロスせず素早く解答するためには、音声が流れる前に問題を読む先読みがコツです。例えば“What problem does the man mention? (男性は何の問題について言及しますか)”という問題文がある場合、先読みしておけば音声を聞く前に「これから男性は何か問題点について語るのだな」と心の準備ができます。

またあらかじめ先読みしておくことで、音声を聞きながら解答を選ぶことができ、解答時間を多めに残しやすいのもメリットです。音声終了後にまとめてマークシートを塗るよりも早く解答が終わるため、余った時間は次の問題を先読みすることに使えます。

Part4:全30問で約16分

Part4はPart3と同じく、流れる音声を聞いて適切な解答を4択から選ぶ問題形式です。ただPart3では会話が放送されますが、Part4ではナレーションやスピーチなどのミニトークが放送されます。

Part4で時間を有効活用するコツも、ここまで紹介したほかのPartと同様に問題文を先読みすること。例えば問題文に“When can the speaker pick up his car? (いつスピーカーは車を拾えますか)”という文章がある場合、先読みしておけばこのWhen(いつ)に言及する言葉や文章が登場するタイミングに注意しながら音声が聞けます。

また、なかには問題文だけでなく解答の選択肢を先読みする受験者もいますが、あまりにも情報が多すぎると混乱してしまいやすいので、慣れない方は注意してください。

TOEICのリスニングを上げたい人は、「瞬発的に英語の聞き取りができるようになる!リスニング力を鍛える記事まとめ」を参考にしてみてください。

「TOEICリーディング」おすすめ時間配分

ここからは、リスニングよりもさらに時間配分のテクニックが求められるリーディングの解き方について解説します。

音声に沿って問題が進行するリスニングと違い、リーディングの場合は自分で時間配分を意識して解答しなければいけません。解けない問題が発生した場合は、飛ばしたり捨てたりといった決断も求められるでしょう。

リーディングでは100問を75分間で解く必要がありますが、実際はこの75分間をPart5~7で細分化して計算することが不可欠。さらにこのPart5〜7のなかでも、1問あたりにかけられる時間を把握しておく必要があります。

特にPart7は文章量が多く解答に時間がかかるため、Part7に辿り着くまでにできるだけ多くの時間を残しておくことがポイントです。Part5とPart6は英文を読んで空欄を補充する比較的シンプルな問題のため、あまり時間をかけずスピーディーに終わらせましょう。

Part5:1問15秒~20秒で解こう

Part5は、短い英文を読んで空欄を補充する問題です。文法や語彙について問われるため、知識さえあれば考え込まずとも素早く解けます。

ここでは1問あたり20秒で解答し、30問を10分以内に解く時間配分が最適です。さらにスピードアップできる方に関しては、15秒を目安に問題を解くとPart7に向けて十分な時間が残せます。

10分以内に解くコツとしては、全文を読まなくても解ける問題を見極めること。例えば「主語+動詞+( )+目的語」という語順の穴埋め問題では、すでにSVOの第3文型が完成していることから、空欄には動詞を修飾する副詞が当てはまる可能性が高いです。

このような文法問題は全文を読まなくても空欄前後の語順を確認すればすぐに解けるため、20秒よりも短い時間での解答を目指しましょう。

勉強法を知りたい人は、「TOEIC Part5で知っておくべき3つの問題傾向と解き方!おすすめ参考書も紹介」をチェックしよう!

Part6:1トピック(4問)を2分30秒以内を目安に

Part6も空欄を補充する問題ですが、短文ではなくメールなどの長文が題材に。1つのトピックにつき空欄は4つあり、4トピックで合計16の空欄を埋めなければいけません。Part6の時間配分は10分以内で、1つのトピックを2分30秒以内に解くのが目安です。

Part5と比べてボリュームはありますが、解き方自体はほとんど変わりません。空欄の前後を見るだけで解ける文法問題の場合は、文章を読み込む必要がないため短時間での解答を。

一方で文章をしっかりと読み込む必要のある語彙問題などは、少し長めに時間を確保してもよいでしょう。

1つのトピックに2.5分といっても問題の種類によって解答時間は変わるため、時間をかけてよい問題とダメな問題を見極めることが重要です。

Part7:全54問で、1問50秒程度を目安に

Part7は、TOEICのPartのなかで最も時間をかけたい山場です。ボリュームのある英文が登場するだけでなく、2つまたは3つのトピックを読まなければ解答できない問題もあり、豊富な英文のなかから要点を抜き出すスキャニングの力が問われます。

Part7を効率的に解くために大切なことは、時間をかけても解けない問題は捨てる覚悟を持つこと。問題用紙の順番通りに解き進めるのではなく、自分の得意な形式や難易度の低そうな問題から取りかかり、少しでも正答率を上げましょう。

Part7の時間配分は55分間で、1問にかける時間は約1分が目安。ただし、チャットメールや広告、新聞など文章の形式によって読解スピードは変わるので、まずは問題集を解いてみて、自分の得意な形式と苦手な形式を確認するのがおすすめです。

時間配分を意識しよう

計画通りの時間配分で問題を解くためには何をすべきなのか、テスト当日に意識したい3つのコツをまとめました。

わからない問題は潔く諦めて時間短縮を

TOEICで満点を目指している方を除いて、できるだけ高得点を獲得したい方は「わからない問題に出会ったら諦める」という決断も必要です。同じ問題に長時間立ち止まってしまえば、点数を取れるはずだったほかの問題に辿り着けず、結果としてスコアが下がってしまうリスクがあります。

わからない問題に出会ったときの対処法としては、試験時間がギリギリの場合はとりあえず適当な番号にマークシートを塗っておくのがよいです。TOEICの解答は全てマークシート形式のため、どれか塗りつぶしておけば4分の1の確率で正解する可能性があります。

解答時間に余裕がある場合は、ひとまず飛ばして最後に時間が余ったときにその問題へ戻って解き直しするのも一つの選択でしょう。TOEICで効率的に点数を稼ぐためには、わからない問題で立ち止まらない潔さが重要です。

Not問題も時間がかかりそうなら捨ててOK!

わからない問題だけでなく「Not問題」も時間がかかりそうなら捨ててOKです。Not問題とは、「この文章内に書かれていないことは何ですか?」という趣旨の問題のこと。

解答するためにまず4つの選択肢を全て読む必要があり、さらにその選択肢が文章内に書かれているかどうか消去法の確認作業をしなければいけません。通常の問題と比べて長い時間がかかるため、すぐに解けないと判断した場合は、ひとまず飛ばして適当な番号を塗っておくのも戦略です。

TOEICでは「解ける問題を確実に間違えないこと」が重要で、難しい問題にこだわらず自分の実力で解ける問題を確実に外さないことを忘れてはいけません。一通り最後まで問題を解き終えた後、それでも時間が余っていたときにNot問題をじっくりと解きましょう。

継続的な集中力が大事!前日からコンディションを整えよう

つい忘れがちなポイントですが、TOEICのスコアには英語力だけでなく当日のコンディションも大きく影響します。試験自体が2時間とかなりの長丁場で、さらに試験前の受付や音声テストなどを含めれば、会場での拘束時間は3時間以上にのぼります。

リーディングのような自ら能動的に問題を解くPartならまだよいですが、リスニングは流れる音声を受動的に聞くだけのため、つい眠くなってしまうことも。体調を万全に整えておかなければ、本番で高いパフォーマンスを出すことは難しいでしょう。

TOEICに向けて積み重ねてきた学習を無駄にしないためにも、前日は早い時間に寝たり、当日は朝食をしっかり摂ったりすることが大切です。また自分の集中力が高まる時間帯を考慮して、受験時間を午前と午後どちらにするか決めるのもよいでしょう。

TOEICの得点を上げるための最短勉強ポイント

TOEICで時間をロスしないためには何が必要なのか、素早く問題を解くためにすべき勉強方法を紹介します。

やっぱり語彙力!知っている単語が多ければ多いほど素早く解ける

「英語の試験といえば文法が重要」というイメージがある方もいるかもしれませんが、TOEICの場合は中学〜高校レベルの文法力さえあれば十分です。時間内に問題を解くためには文法力よりも語彙力が鍵となるため、まずは自分の目指すスコアに必要な単語数を確実に押さえましょう。

例えばTOEICで800点を取るためには、8,000~8,500語の単語が必要だとされています。単語の知識があればあるほどスラスラとスピーディーに解答できるようになるので、単語の学習を重点的に行うのがおすすめです。

学習方法としては、まず自分の英語力では何点向けの単語帳が合っているのかを調べ、レベルに合ったTOEIC対策用の単語帳を選ぶこと。そして同じ単語帳を何度も繰り返し、学んだ単語を確実に定着させることが基本です。

精読・多読も重要!読むスピードを上げよう

TOEICは様々な英語試験のなかでも問題数が多く、速く正確に英語を理解する力が求められます。

まず英文を正確に理解するためには、精読という学習方法がおすすめです。精読とは文章をじっくりと読む作業のことで、その英文に登場する単語や文法を確実に理解することを目的としています。

ゆっくりと読んでも理解できないのに、時間配分を意識して急いで解答したところで正答率を上げることはできません。そのためまずは時間を気にせず精読し、わからない単語や文法はその都度調べ、TOEICで使われる単語と文法を確実にクリアすることを目指した学習を進めましょう。

そして精読が済んだ後は、とにかく大量の英文を読む多読を行います。多くの文章に触れることで読解スピードを上げられるだけでなく、TOEICの膨大な問題数にも耐えられる集中力を養うことが可能です。

過去問でひたすら演習を!毎回時間をきっちり測ろう

そして最後に紹介する学習方法が、過去問など本番を想定した問題集を使って何度も演習することです。実際のTOEICと同じ難易度や問題形式に慣れるためにも、テスト開発機関のETSが発行する公式問題集を活用するのがよいでしょう。

演習時には実際に時間を計ることがポイントで、すでにTOEICの時間配分に慣れている方であれば本番同様に2時間で全てのPartを解いても問題ありません。ですが、まだ時間配分通りに解けない方は、まずは各Partで時間を区切りながら時間感覚を徐々に掴むのがベストです。

また、目標時間内に問題を全て解けなかった場合は、あと何分足りないのか記録することも忘れてはいけません。どのPartで何分または何秒足りなかったかのかを記録し、解答スピードが遅いPartを重点的に対策しましょう。

100点上げるごとにかかる学習時間の目安は?

ここまでお伝えした通り、TOEICで目標点数を達成するためには適切な時間配分で解答する必要があります。ただし、時間配分のようなテクニックだけでなく、試験日に向けて必要な学習時間を確保し、毎日着実に英語力を向上させる努力も忘れてはいけません。

下記はTOEICスコアを100点アップさせるのに必要な学習時間をまとめているので、ぜひ学習の参考にしてみてください。

点数学習時間
250点から350点200時間
350点から450点225時間
450点から550点225時間
550点から650点225時間
650点から750点225時間
750点から850点275時間
850点から950点325時間

スコアが低い方ほど100点アップへの学習時間が短く済み、逆にスコアが高い方ほど学習時間は長くなる傾向にあります。ただし上記の点数はあくまで目安であり、TOEICの受験経験やもともとの英語学習経験で時間は変わることに留意してください。

出典:『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』P.6|Oxford University Press(オックスフォード大学出版局)

TOEICのスコアを短期集中で上げたいときは、「TOEIC2か月で100点スコアアップできる!短期集中で目標スコアを目指そう」を参考にしてみてくださいね。

時間配分を意識した学習で高得点を狙おう

「TOEICの本番に向けて効果的な学習を始めたい」という方は、時間配分を意識した演習をぜひ取り入れてみてください。各Partの時間を気にしながら計画的に問題を解くことで、自分の苦手な問題や課題となるポイントがわかるだけでなく、本番で焦らず問題に取り組める集中力が身につきます。効率的にスコアをアップできるよう、単語力の強化や精読・多読などに力を入れた学習を始めてみましょう。

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