毎年9月21日は国連に定められた「国際平和デー」です。世界の停戦と非暴力の平和を訴える日として、この日は敵対行為をやめるよう世界各国に働きかけられています。どの国でも平和を祈るためにさまざまな関連イベントが開催され、日本でも寺院での鐘打式が行われたり、子供達が千羽鶴を折るなどの活動が行われます。
世界のどこかで常に戦争やテロ行為が行われている状況ですが、年に一度の国際平和デーだけは争いを目にせず子供達が安らぎを感ずることができる日であることを願ってやみません。
国際平和デーに関する国内外の取り組みについて学び、平和について考えてみましょう。
国際平和デー(International Day of Peace)とは
国際平和デーに関する基本的な事柄を整理します。「なんとなくそんな日があることが知っていたけど特に意識してこなかった」という方も多いかもしれません。背景を学ぶことで平和に関するさまざまなイベント・活動により理解を深め、関連ニュースに意識を向けると気づきが得られることもあるでしょう。
歴史
平和を願うさまざまな活動は個人や団体の手によって長く行われていましたが、国連が国際平和デー(International Day of Peace)を宣言したのは、1981年というそう遠くない過去です。2002年からは9月21日が国際平和デーとなっていますが、それ以前は国連総会開会日である9月第3火曜日に各国代表が1分間の黙祷を捧げることが慣例でした。
国連は加盟国や関係機関、世界中のNGOなどの組織、また個人に対しても平和を祝うよう呼びかけています。注力するテーマは毎年少しずつ変わりますが、2020年は世界がパンデミックで混乱に陥ったことで『ともに平和を築こう』(Shaping Peace Together)がテーマとなりました。ウイルスを人類共通の敵とし、ウイルスによって引き起こされた差別や憎悪の促進に対抗するよう呼びかけられました。
世界中に国際平和デーを広める活動を行なっている団体『Peace One Day』創設者、ジェレミー・ギリー氏の活動を追った日本語の字幕つきのドキュメンタリーでより詳しく成り立ちを学ぶことができます。英語学習にもなりますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
2021年のテーマと目的
2021年の国際平和デーのテーマは、「公平で持続可能な世界のために、よりよく回復する」(Recovering better for an equitable and sustainable world)です。
パンデミックでは恵まれない人や疎外されたグループがより大きな打撃を受けました(The pandemic is known for hitting the underprivileged and marginalized groups the hardest)。特に紛争地域では適切な治療を受けられず(People caught in conflict are especially vulnerable in terms of lack of access to healthcare)、100カ国以上でワクチンの投与がなされていません(over 100 countries have not received a single dose)。経済格差による影響は非常に大きなものです。
また、パンデミックが引き金となり、世界中で差別や憎悪・偏見が増長しています(The pandemic has been accompanied by a surge in stigma, discrimination, and hatred)。2020年に引き続きウイルスを人類共通の敵とし、互いに歩み寄って力を合わせることがより一層必要となっています。思いやりや優しさ、希望を広めることで平和を祝おう(Celebrate peace by spreading compassion, kindness, and hope)、という願いが2021年のテーマに込められています。
国際平和デーの海外での取り組み
国連本部では事務総長により、1954年に日本によって寄贈された平和の鐘が鳴らされます。この鐘は平和を願い、国連加盟国の子供達やローマ法王の手によって集められた硬貨で鋳造され、「世界絶対平和萬歳」という言葉が刻まれています。
国連広報局では各国の若者や近隣の学生を招待し、平和を祝う交流プログラムも開催され、ハイライトとして加盟国の国旗と国連旗を掲げ平和を願うフラッグセレモニーが行われています。
そのほか世界中で毎年平和をテーマにした次のようなイベントが開催され、個人で行われる小規模のものから、大規模なコンサートまで多種多様な方法で平和が祝われます。
宗教を超えた平和の儀式(Interfaith peace ceremonies)
平和のための乾杯(A toast for peace)
平和の歌声(A peace choir)
キャンドルの点灯(Lighting candles)
平和への祈り(Peace prayers)
平和祈願の車列(A peace convoy of vehicles)
平和のための植樹(Tree planting for peace)
平和のための美術展(Art exhibitions promoting peace)
平和のためのピクニック(Picnics for peace)
平和のための散歩(Peace walks)
国際平和の日を祝うバーチャル・コンサート(Virtual Concert to Celebrate International Day of Peace)
また、世界で行われてきた具体的な活動の一部には次のようなものがあります。
・国際平和デーまでの1週間、デンマークのユース島にメディアハブで結ばれた世界各国のピースルーム設置。1200人の若い変革者やアーティストが、世界各地の120の「ポップアップ」ピースルームに集まり、ユニークな世界的機運を生み出します(1200 young change-makers and artists will come together in 120 ‘Pop-up’ Peace Rooms all over the world, creating a unique global momentum.)。
・パキスタンでは、3つの都市の8校計1,200人の生徒が「国際平和デー」記念集会を開きました。また、全国のロータリークラブでも、この日を祝して様々な取り組みが行われました。
・インドのデリーでは、前首相をはじめ、国連関係者、平和活動家らが参加し、記念シンポジウムが開催されました。また、全国450の学校が正式にこの日を祝しました。
・トルコでは、スカウト・ガイド連盟が「国際平和デー」記念平和賞を創設しました。
・エチオピアとエリトリアの各首都では、国連平和維持ミッションがスポーツと平和祈念の祝典を開催しました。また、両国の子どもたちが、国連本部における記念行事に衛生中継で参加しました。
・オーストラリアのタウンバ市の小学校では、平和教育プログラムの一貫として「国際平和デー」記念パレード、折り鶴作りなどを行いました。また、高校生と一緒に平和の記念碑を建て、鳩を放ちました。
この他、以下の国の学校が「国際平和デー」に参加しています。
アルゼンチン、カナダ、ガーナ、マレーシア、シエラレオネ、チリ、ハイチ、オランダ、スロバキア、オーストリア、コンゴ、ハンガリー、ナイジェイリア、南アフリカ、バングラデシュ、コスタリカ、スペイン、ベラルーシ、イスラエル、フィリピン、スイス、ベリーズ、フィンランド、イタリア、
ロシア、アメリカ、ベニン、フランス、ブラジル、ガンビア、リトアニア、サモア、ザンビア
以上引用元:国際連合広報センターの記事
国際平和デーの日本での取り組み
日本でも国際平和デーに合わせてさまざまなイベントや活動が行われています。例年行われているものや、過去に行われたものをいくつかご紹介します。
・2011年より国際平和映像祭(UNITED FOR PEACE FILM FESTIVAL, UFPFF)が開催されています。5分以内の映像制作を通じて世界中の人が平和について考え、交流することを目的としています。
・例年、全国各地のお寺や教会で平和を願って鐘打式が開催されます。2020年は国連創設75周年であり、東京の増上寺の鐘打式には東京都知事や笠宮家の彬子さまが出席されました。
・2020年は広島市の平和公園で書道家と高校生による書道のパフォーマンスが行われました。平和と新型コロナウイルスを終息させるという願いを込めて「結」という文字が縦3メートル、横3.5メートルのの大きな紙に書き上げられました。
・「Believe in Peace with Love」をテーマとする野外フェスティバル開催。2020年はパンデミックのためオンライン開催でした。2021年の引き続きオンライン開催。トークショーや音楽ライブ、キャンドルナイトが東京タワーよりオンライン中継されます。
・東京ビッグサイト、レインボーブリッジ、パレットタウン、テレコムセンターなど東京の臨海副都心周辺主要建造物でアウエアネスカラーライトアップ開催。国際平和デーはシンボルカラーのホワイトがライトアップされます。
・広島平和記念日の8月6日から国際平和デーの9月21日まで、「反核平和マラソン」(
Annual Peace Marathon Challenge)が全国で開催されます。1982年に大阪で始まり、恒例行事として毎年行われています。
まとめ
日本では広島・長崎の平和記念日にイベントが集中し、そこから1ヶ月強の間国際平和デーまで引き続きさまざまな平和を願う催しが行われる、というイメージがありますよね。日本は世界でただ一つ原爆が投下され、多大な犠牲者を出した国で、平和を願う活動には積極的に参加してきました。とはいえ個人レベルで日常的に平和について考えている人はどれぐらいいるでしょうか。英語学習者の皆さんが語学力を使って世界平和に貢献できることはたくさんあると思います。
国際平和デーについて知ることはきっかけにすぎません。国や文化・宗教・肌の色の違いなどによる差別や偏見、憎しみを少しでもなくしていくためには、世界の人と交流しながらお互いを理解する努力をすることが大切です。英語学習も世界中に友達を作って草の根レベルで平和に貢献する、という気持ちで行うとモチベーションもアップします。国際平和デーに関わる海外の活動で参加できそうなものがあれば、ぜひ積極的に参加してみましょう。
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