英語学習に取り組んでいる人の中には、長文がなかなか読めずに苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか?この記事では、難しいと思える長文がどんどん読めるようになるためのコツをご紹介します。長文読解に対する抵抗が薄れて、読解がスムーズにできるよう、長文への取り組み方について詳しく解説していきます。
英語の長文が読めない理由は?
短い文なら読めるけれども、長文になると読めないということが起こるのは、そもそもなぜでしょうか?よくある理由について以下で3つ解説していきます。漠然と苦手だなと思うのではなく、まずは読めない原因を知ることで解決法を探っていきましょう。
わからない単語が多い
長文が読めないのは、知っている単語や熟語が少ないという理由が1つあります。例えば、文中の文法がよくわかっていなくても、単語の意味がわかれば、前後の文脈から推測して読み進められることはあるかもしれませんが、10個も20個も知らない単語があれば、想像力を働かせることもできません。
英語学習の基本は、語彙力です。自身の中で語彙が増えると、英文の読みこなしがとてもスムーズになります。少しでも前よりわかるようになると、英語学習のモチベーションもアップしますよね。単語帳で暗記したり、英文中の新しい単語を文脈とともに覚えていったりと、コツコツ語彙を増やしていきましょう。
文法理解が足りない
語彙力は大切ですが、正しく読み解くにはやはり文法力も必要です。特に長文では、複数の文法ポイントを含んでいたり、複雑な構文が出てきたりするので文法がわからないと、いくら単語がわかっても、全体で何を言っているのかさっぱりわからないということが起こり得ます。
とはいえ、やみくもに文法書を最初から勉強しようと思っても、なかなか進まないという人もいるのではないでしょうか。まずは、長文を読み解くための最低限の文法事項から理解するように努めましょう。押さえるべき文法については、後ほど詳しく解説していきます。
全体の把握が苦手
語彙力と文法力を強化しても、どうも長文が理解できないという人は、全体の把握が苦手ということが考えられます。1文1文に着目しすぎて、各パラグラフや文章全体で伝えたいことが見えなくなっているのかも知れません。1つのパラグラフでは必ず伝えたいメッセージが1つ以上あります。段落ごとに内容を整理して読み進めるような練習をするのがよいでしょう。
英語の長文を読めるように語彙を増やす
語彙力の強化が大事だとわかってはいても、コツコツ勉強するのは大変ですよね。暗記にも効率的なやり方があります。2つ以下でご紹介します。
まずは、できるだけ体をフル活用して覚えることです。体を使うことで、より記憶に定着するからです。語彙力を増やす方法としては、単語帳を黙読して覚えるという人が多いかも知れません。たいていの単語帳は音声も確認ができるので、目で見るだけでなく、耳で発音を聞きながら、さらに声に出して覚えましょう。
2つ目は、1つの単語を覚える時、関連単語や派生語も抱き合わせで覚えることです。芋づる式で記憶に残るので覚えやすく、一石二鳥、三鳥で語彙力は飛躍的にアップしますよ。例えば、preserve(保存する)という単語を覚えるなら、名詞のpreservation(保存)や類義語であるstoreやconserveも一緒に覚えましょう。さらにpreserve the environment(環境を守る)など、よく一緒に使う単語と合わせてセットフレーズで覚えれば、単語1つでストーリーが広がり記憶に定着しやすくなります。
英語の長文が読めない人がまず押さえるべき文法
ここからは、英語の読解でまず押さえるべき文法項目について解説します。以下で確認してみてください。
文の要素SVOC+Mを知る
英語の長文を読むためにまず押さえるべき文法は、文を構成する文の要素です。要素は、S(主語)、V(述語動詞)、O(目的語)、C(補語)とM(修飾語)の5つ。文の要素がわかると、文中の語句と語句の関係性がわかるので、意味を捉えやすくなるのです。
まずSになれるのは、名詞と代名詞。たいてい文の先頭にきます。VはSとセットで機能する動詞のことで、文の中には1つのみあります。Oは、動作の対象となる語などのことです。目的語には名詞と代名詞がなれます。
Cは、主語や目的語を説明する語のことで、補語になれるのは名詞と形容詞です。Mは、主語や述語、文全体などを修飾して詳しい説明を付け加えるものです。
句や節に着目して意味のかたまりをとらえる
英文は「語」や「句」「節」という単位で成り立っています。句というのは、2語以上がまとまったもので、1つの品詞のような働きをします。節は、 S + V を含む2語以上のまとまりで「文の中の文」と言われたりします。以下の例文で句や節を見てみましょう。
I am in my classroom.(私は教室にいる。)
in my classroom(教室に)という部分が句となっていて、動詞を修飾する副詞の働きをしています。
When I got up in the morning, I found I wasn’t feeling well.(朝目覚めた時、体調が悪いことに気づいた。)
When I got up in the morningという部分が節となります。I found 〜から始まる文を修飾する副詞節となります。
句と節で文を意味のかたまりで理解できれば、英文を読みこなすスピードは各段に上がります。
英語の5文型を知る
文型とは、文の要素であるSVOCの配置を決めるパターンのことで、5パターンあります。文の各要素や文全体を修飾語するMは、文型の中で配置が決まっておらず自由な位置で、好きなだけ付け加えることができます。
長く複雑な英文も骨組みだけを見てみれば、必ずこの5つのどれかに分類されます。この見極めができるようになれば、長文の理解度もアップするでしょう。
第1文型:SV(SはVの状態にある。)
存在、発話や移動のパターンがあります。
She stayed at the hotel.(彼女ホテルに滞在した。)
at the hotelは、文型で配置の決まっていないMでカウントしないので、文型はSVとなります。
第2文型:SVC(S=Cの状態である。)
get、become、turn などの変化を表す動詞が第2文型をとることが多いです。
She looks sad. (彼女は悲しそうだ。)
My brohter became a doctor. (弟は医者になった。)
第3文型:SVO(OをVする。)
Vが目的語をとる他動詞の時にこの文型をとります。
Tom cleared snow from the road.(トムは道路の雪を除いた。)
第4文型:SVOO(SはO1にO2をする)
Vが目的語を2つとる他動詞の時にこの文型をとります。
I let him some money.(私は彼にお金を貸した)
himとsome moneyの2つがletの目的語になっています。
第5文型:SVOC(O=Cする)
「O=C」の関係があり、OとCが主語と述語のように訳すとしっくりくる場合が多いです。
I heard some birds singing in the balcony.(鳥たちがバルコニーでさえずっているのを聞いた)
英語の長文が読めない人におすすめの勉強法
語彙力をつけて最低限押さえるべき文法の理解を前提にして、ここからは、長文を読みこなしていくための効率的な勉強法をご紹介します。できれば以下の方法を順番にこなしていくのがおすすめです。
1.意味のまとまりを捉える練習:スラッシュリーディング
文中で意味のまとまりをとらえる練習として、スラッシュリーディングをご紹介します。やり方は句や節を意識して意味のまとまりごとに、英文にスラッシュ( / )で区切りをいれる方法です。以下の例文で練習をしてみましょう。
I still remember the time when she came back from New York.(彼女がニューヨークから帰ってきた時のことは今でも覚えています。)
上記にスラッシュを入れると以下のようになります。
I / still / remember / the time / when she came back /from New York.
(私は / いまだに / おぼえている / その時を/ 彼女が帰ってきた時を/ ニューヨークから)
when she came back from New Yorkは、形容詞節となっており、the timeを説明しています。when she came back from New Yorkの節の中には、from New Yorkというcame backを説明する句が含まれていますが、when she came back from New Yorkと大きなくくりで捉えてよいでしょう。
スラッシュリーディングのよい点は、区切りごとに意味をとり文を解釈できることです。返り読みをせずに、語順通りに読み進めていくことができるので、読解のスピードが上がりますよ。
2.段落ごとに意味を把握する練習:パラグラフリーディング
次に、段落ごとに意味を整理していくパラグラフリーディングに取り組んでみましょう。段落ごとの意味を捉える時のポイントは接続詞です。接続詞は文脈を左右するもので、接続詞の前後をヒントに話の流れを探ることができます。接続詞には以下のようなものがあります。
・前後の文を並列の関係にするand、or (および・また)
・添加の意味を加えるfurthremore、stil(しかも・なお)
・選択肢を提示するor(または)
・順接でつなぐtherefore、 then(したがって・だから)
・逆接の関係にするbut, though(しかし・けれども)
3.意味のまとまりでとらえて英語のまま理解する練習:音読
英文の前後を行ったり来たりして返り読みをすると、効率が悪く時間もかかります。しかし英語を、前から順に理解できればよりスムーズに読み進められますよね。それをするための練習が音読です。
音読は、スラッシュリーディングとセットでするのがおすすめです。スラッシュで区切ったまとまりごとに、意味を頭の中で思い浮かべながら読みましょう。そうすることで、前から順に読みながら、意味をつかめます。初めは慣れなくても繰り返し音読をすることで、英語の語順で理解する感覚を体にしみこませることができます。
4.全体の内容をつかむ練習:長文の要約を書く
仕上げに全体の内容をつかむ練習として、要約を書いてみましょう。いきなり要約を書くのが難しければ、まずは主旨に関わりそうなキーワードや本文中の重要な文を見つけてピックアップします。文章全体の主旨を見抜くことに集中して読む練習をすると、長文読解力が格段にアップしますよ。
英語の長文が読めない人におすすめの参考書
一通り文法が理解できているけれど、英語の長文に自信が持てない人が取り組みやすい参考書を選びました。以下でおすすめをご紹介します。
大学入試 世界一わかりやすい英文読解の特別講座
『大学入試 世界一わかりやすい英文読解の特別講座』では、取り上げられている英文は、難しすぎず、簡単すぎないレベル感でとっつきやすいトピックがピックアップされています。解説のボリュームが多く、複雑な構造のわかりやすく噛み砕いて説明してあるので、文法の知識を読解に活かして読めるようになりますよ。何気なく読み進めるのではなく、見出しの英文の和訳のロジックをきちんと理解できるまで読み込んでいくと力がつくでしょう。
おすすめレベル | 中級 |
---|---|
著者 | 関 正生 |
出版社 | KADOKAWA/中経出版 |
価格(税込み) | 1,650円 |
英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版
『英文読解入門基本はここだ!-代々木ゼミ方式 改訂版』は英語の基礎固めに最適な1冊です。特に、つまずきやすいポイントを中心にした説明は丁寧でわかりやすいので、読解で伸び悩んでいる人には壁を突破するきっかけになってくれるでしょう。品詞などの文法用語が多く用いられていますので、慣れるまでは読みこなすのに時間がかかるかもしれませんが、1つ1つの文章をしっかり読み込んでいけば、読解のプロセスが身につきます。
おすすめレベル | 初級~中級 |
---|---|
著者 | 西 きょうじ |
出版社 | 代々木ライブラリー |
価格(税込み) | 935円 |
まとめ
英語の読解力をアップするために必要な英語学習について、説明をしてきました。文の要素や句と節、文型といった基本的な文法を理解した上で、スラッシュリーディングに取り組み、まとまりで英文をつかめるようになりましょう。意味のまとまりが捉えられるようになると、長文でも前から順に意味をとらえて、スムーズに早く読めるようになりますよ。そうなれば、苦手意識が薄らぎ、もっと英語学習に前向きになれるでしょう。
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