社会人になって英語を学び直す人が増えていますが、長い英文だと意味をとることがなかなかできず、壁にぶつかって悩んでいる人はいませんか?これを突破するカギの1つが、句と節の理解です。句と節が理解できれば、スピーキングやライティングなどアウトプットの場面でも役立ちますよ。英語力をアップして、学習をより楽しめるようになるためにも、ぜひこの記事で句と節について理解を深めてみてください。
英語の上達に句と節の理解が必須なのはなぜ?
句と節はどちらも2語以上から構成されているまとまりで、文中では名詞や副詞など1つの品詞のような働きをします。構成する単語が増えると句や節は長くなり、文が複雑で難解に見えます。しかし句や節のまとまりが見抜けると、どんな長文もシンプルに捉えることができるので、意味をぐっと理解しやすくなりますよ。
また読解の時、句や節のかたまりごとに意味を捉えることができるようになれば、英文を前から読めるようになりスピードが速くなります。英語は長文になればなるほど、句と節の存在は無視できません。きちんと理解をして文中で気づけるようになる必要があるのです。
句と節の前に知っておきたい文の最小単位である「語」
英語をマスターするにあたって、句、節について理解することはとても重要ですがそれらを構成しているものは「語」です。語とは単語1語のことで、文を構成する最小単位でもあります。例えば、pencil、run、beautiful、usuallyなどです。これらの「語」が集まって句や節、文を構成しています。
文でない2語以上のまとまりである「句」をもっと知ろう
2つ以上の語が集まって意味のかたまりをなし、1つの品詞のような働きをするものを句といいます。句にはSV(主語・述語)の要素が含まれないことも覚えておきましょう。
例えば、the cat in the room(部屋の中にいる猫)と言った場合、in the room(部屋の中の)は1つの句であり、the catを修飾する形容詞の働きをしています。また、The cat is in the room.(猫は部屋の中にいます。)となると、in the roomの部分は文全体を修飾する副詞の働きをします。このように句には時と場合によってさまざまな働きがあります。以下で詳しく見ていきましょう。
名詞句
「名詞句」とは名詞と同じ働きをする句のことです。句の形としては「to不定詞」「疑問詞+to不定詞」「動名詞」などがあります。以下は例文です。
To pass the exam is impossible for them. (彼らが試験に合格することは不可能です。)
下線部が名詞句で「to不定詞」の形になっています。
I don’t know how to cook paella.(私はパエリアの作り方を知りません。)
下線部が名詞句で「疑問詞+to不定詞」の形になっています。
Writing an essay is not easy. (エッセイを書くのは、簡単ではありません。)
下線部が名詞句で「動名詞」の形の形になっています。
名詞は主語、目的語、補語になることができます。文中で句を見つけたら名詞句なのかどの役割なのかを見てみましょう。そうすることで文の構造がわかり意味を把握しやすくなるはずです。ます。以下で主語、目的語、補語となる場合の名詞句についてそれぞれ詳しく確認していきましょう。
主語になる名詞句
以下の例文は下線部が名詞句となっていて、主語の役割をしていので確認しましょう。
Becoming a doctor requires years of study. (医者になるには何年もの勉強が必要です。)
To do exercise regularly is good for your health. (定期的に運動することは健康によいです。)
To call others at night is not appropriate. (夜遅くに他人の家に電話をかけるのは適切ではありません。)
To choose a good living environment is important.(よい住環境を選ぶことは大事です)
主語が長くなることは英語ではあまり好まれないので、上の例文は以下のように形式的主語としてItを文頭に置いて書かれることが多いです。
→It is important to choose a good living environment.
目的語になる名詞句
以下の例文も下線部が名詞句となっていて、ここでは目的語の役割をしています。
Would you mind smoking here?(ここでたばこを吸ってもいいですか?)
下線部の名詞句がmindの目的語となっています。
I like to play tennis. (私はテニスをするのが好きです。)
下線部の名詞句がlikeの目的語となっています。
She expected to happen the earthquake. (彼女は地震が起こることを予想していました。)
下線部の名詞句がexpectedの目的語となっています。
We are fond of going to the classic concert. (私たちはクラッシックコンサートに行くのが好きです。)
下線部の名詞句がbe fond of~の目的語となっています。
補語になる名詞句
以下の例文も下線部が名詞句となっていて、ここでは補語の役割をしています。
My dream is to become an actor.(私の夢は俳優になることです。)
What you have to do is to turn in the term paper. (あなたがやらなければいけないことは期末のレポートを提出することです。)
She expected to happen the earthquake.(彼女は地震が起こることを予想していました。)
The eminent issue is getting rid of neuclear waste. (差し迫った問題は、放射性廃棄物を除去することです。)
The question is when to visit Europe. (問題は、いつ中国を訪れるかということです。)
形容詞句
形容詞句は、名詞を修飾する役割や補語になります。形容詞句にはto不定詞の形や分詞の形、前置詞を含む形があります。補語になる形容詞句と、名詞を修飾する形容詞句の2つの役割をそれぞれ例文で見ていきましょう。
補語になる形容詞句
以下の例文は下線部が形容詞句となっていて、ここでは補語の役割をしています。
This book is of no use.(この本は役に立たちません。)
Your pen is on the desk.(あなたの本は机の上におかれています。)
The computer room is on the fifth floor of the main office. (コンピュータールームは本社の5階にあります。)
名詞を修飾する形容詞句
形容詞句のポイントは、必ず名詞の後ろに置いて修飾するという点です。1語の形容詞が名詞を修飾する時は、a big apple(大きなりんご)というように、名詞の前に置いて修飾しますが、形容詞「句」では前からの修飾はしないので覚えておきましょう。以下の例文は、下線部が形容詞句で直前の名詞を修飾しています。
Do you have anything to drink?(何か飲み物はもっていませんか?)
下線部は直前の名詞anythingを修飾しています。
The boy running around the ground is my brother.(グラウンドの周りを走っている男の子は私の弟です。)
下線部はboyを修飾しています。
副詞句
副詞句は、動詞や文全体など、名詞以外のものを修飾します。以下の例文は下線部が副詞句となっています。確認しながら見てみましょう。
We started early to be in time for the next train. (私たちは次の列車に間に合うように早めに出発しました。)
下線部は、We started early という文を修飾していて、早くに出発した理由を副詞句で説明しています。
She went out, leaving the door open.(彼女はドアを開けたまま出かけました。)
下線部はShe went outを修飾している副詞句です。下線部の直前にコンマがあることから直前の文とは区切られているのがわかるので、副詞句になっている目印となっています。
Up to now I have never been late for school.(今まで、私は学校に遅れたことはありませんでした。)
前置詞から始まる句は、副詞句になるのがポイントです。上の例文の下線部は、I have never been late for schoolという文全体を修飾している副詞句です。
主語述語を含むまとまりである「節」をもっと知ろう
SV(主語・述語)含み、2語以上の意味のかたまりをなすものを節といいます。句と違って主語や動詞を兼ね備え、文の体裁をしている点がポイントです。文中のさまざまな場所に位置することができます。節も句のように、名詞節、形容詞節、副詞節の働きをします。以下で詳しく見ていきましょう。
名詞節
名詞節では、that、wheter、ifなどの接続詞やwhat、why、where、whoever などの関係詞で導かれるものが主です。以下で例文を確認してみましょう。
that, whether, ifなどの接続詞で導かれるもの
Can you ask Mark if he is coming tomorrow?(マークに明日来るかどうか聞いてもらえませんか?)
関係詞whatで導かれるもの
Please remember what I told you.(私があなたに話したことを覚えておいでください。)
名詞節は、名詞と同じように主語、目的語、補語になることができます。以下で詳しく見ていきましょう。
主語になる名詞節
以下の例文は、下線部が名詞節になっていて主語として働いています。
The thing that I like math appeared strange to my sister.(私が数学好きだというのは、姉には不思議に見えていました。)
Is it true that Japan is becoming a nation of elderly people?(日本が高齢者の国になっていっているというのは本当ですか?)
Whether it is a good plan or not is a matter for argument.(それがいい計画かどうかは議論の余地があります。)
目的語になる名詞節
以下の例文も下線部は名詞節になっていて、ここでは目的語として働いています。
We didn’t know that he had studied overseas in high school.(私たちは彼が高校時代に留学していたことを知りませんでした。)
下線部は、knowの目的語となっている名詞節です。
We must find out if the plan can be carried out.(その計画が実行可能かどうか調べなくてはなりません。)
下線部はifという接続詞に導かれた名詞節で、find out の目的語の働きをしています。
I ’m not sure whether she has enough money or not.(彼女が十分にお金をもっているかどうか、私は知りません。)
下線部はwhetherに導かれた名詞節で、be sure という動詞の目的語の働きをした名詞節です。
補語になる名詞節
以下の例文も下線部は名詞節になっていて、ここでは補語として働いています。
His guess is that the suspect has already escaped to outside country.(彼の推測では、容疑者はすでに国外に逃亡したようです。)
下線部は接続詞thatに導かれた名詞節で補語となっています。
The point is whether he will accept the offer.(大事なことは彼がオファーを受け入れるかどうかです。)
下線部は接続詞whetherに導かれた名詞節で、補語となっています。
形容詞節
形容詞節は、形容詞と同じように名詞を修飾する働きと、補語になる働きがあります。以下の例文のように、主にwho、which、 that、 when、 where などの関係詞によって導かれます。
Anyone who wants to join the party is welcome.
(そのパーティーに参加したい人は誰でも歓迎されます。)
There are some occasions when we feel like skipping class.
(時々授業をさぼりたくなります。)
It was the day before I left Tokyo.(それは私が東京を発つ前の日だった。)
形容詞句で補語になるものと、名詞を修飾するものを、以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。
補語になる形容詞節
以下の例文は下線部が形容詞節となっていて、ここでは補語の役割をしています
He is not the good teacher that he used to be. (彼はかつてのようなよい先生ではありません。)
下線部はthatによって導かれた形容詞節は補語となっています。
I’m not the fool that you thought me. (私は、君が思っていたような愚か者ではありません。)
下線部はthatによって導かれた形容詞節は補語となっています。
名詞を修飾する形容詞節
名詞を修飾する形容詞節は、名詞の後ろに置いて修飾をします。主にwho、which、that、when、whereなどの関係詞によって導かれます。以下の例文は、下線部が形容詞節となっていて、直前の名詞を修飾しています。
Is there a bank where I can exchange yen for dollars?(円とドルを交換できる銀行はありますか?)
下線部は直前の名詞のbankを修飾しています。
John bought a used car that was as good as new.(ジョンは新車同様の中古車を買いました。)
下線部は直前の名詞のcarを修飾しています。
Anyone who wants to come is welcome.(来たい人は誰でも歓迎されます。)
下線部は直前の名詞anyoneを修飾しています。
副詞節
副詞節は、副詞と同じく動詞、形容詞、文全体など名詞以外を修飾する節です。副詞節にはwhen, where, after, asなどの接続詞に導かれるものと、whoever, whatever, whenever などの複合関係詞に導かれるものとがあります。以下の例文で見てみましょう。
He came up to me as I was speaking.(私が話しているところに彼が来ました。)
副詞節である下線部は、He came up to meという文を修飾しています。
Do it like I tell you.(私が言う通りにそれをしてください。)
下線部は、doという動詞を修飾しています。
句と節を理解して英語力アップにつなげる
句と節についてきちんと理解できていると、読解力やスピーキング力、リスニング力アップにもつながります。以下で句と節の知識を、どのように実践で活かすのかについて詳しく解説していきます。
スラッシュを入れて意味のまとまりをつかむ
まずは句や節を英文中で見抜けるようになりましょう。そのために有効なのがスラッシュリーディングです。英文の句や節を意識して、意味のまとまりごとにスラッシュ( / )を入れて区切りながら読み進める方法です。以下の例文で練習してみましょう。
I will never forget the time when I passed the entrance exam.(私が入学試験に合格した時のことは決して忘れません)
上の例文をスラッシュで区切って読みます。
I / will never forget /the time /when I passed the entrance exam.
(私は / 忘れないだろう / その時を / 入学試験に合格した時を)
when I passed the entrance examはthe time を修飾する形容詞節になっています。意味のまとまりごとにスラッシュで区切ると、句や節がどこにあるのかがわかりやすくなりますね。
読解をする時もこのようにスラッシュで区切り、そのまとまりごとに意味を取っていくと文の意味を読み解くことができます。「返り読み」をすることなく、語順のまま英文を理解できるので、読解のスピードが上がるのです。慣れてくるとスラッシュをいれなくても、意味のまとまりを捉えることができるようになります。そこまでいくと、だいぶスムーズに読解ができるようになっていることに気がつくでしょう。
スラッシュごとに意味をとりながら音読する
英文を読む時、スラッシュを入れて区切った後、音読も必ずするようにしてみてください。最初は区切りで少しポーズをとるような気持ちで読んでみましょう。句や節のまとまりをきちんと意識できていないと、意外と区切りで間を置いて読むことがうまくできません。
何度か読むうちに、その区切りがしっくりしてきたら、次は自然なスピードでまた何度か音読をしてみましょう。ただし頭の中で区切りごとに意味を認識しながら、読むのがポイントです。意味のまとまりを意識しながら読むことで、スピーキングの際も相手に伝わりやすい話し方になるでしょう。
英文の音声があれば意味のまとまりを意識して聞く
リスニングにおいても、意味のまとまりを意識して聞くようにしましょう。練習には、語学教材の付属CDやスピーチ動画などでOKです。慣れないうちは、できるだけゆっくりした速度で英語を読み上げてくれる音声を選ぶといいでしょう。
まずは意味のかたまりを捉えるように意識を集中しながら、何も見ずに音声を聞きます。その後英文を確認して、スラッシュを入れてみましょう。英文を見ながら、まとまりを意識して何度か聞き、慣れてきたら聞きながらスラッシュごとに、意味も瞬時にとれるよう、繰り返し聞いて練習を行います。これによって、聞きながら英文の語順のまま理解できるようになるので、リスニング力がアップしますよ。
まとめ
句や節について詳しく解説をしてきましたが、意外ときちんと理解できていなかったという人も多いのではないでしょうか?これを機に、句と節を理解して、ご紹介したスラッシュリーディングなども実践してみてください。続けることで、読解力、スピーキング力、リスニング力が向上するのを感じるはずですよ。
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