Have a nice day!は「命令」だった!? 英語の「命令形」を見直そう

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英語の命令形と言えば、Come here.(こちらに来なさい)、Don’t move.(動かないで)などいわゆる「命令」を表す文の形として知られていますが、日常会話の中に登場する命令形を見てみると、必ずしも「命令」の意味とは限らず、あいさつだったり励ましの言葉だったり、逆に丁寧になったりする例もあるようです。

「動詞の原形で始まる文は“命令”を表す」という固定観念を捨て、普段の会話の中で「命令形」が使われるいろいろな場面を見ていきましょう。

「命令形」の基本を見直そう

そもそも「命令形」とは何かということを見直しておくと、さまざまな文の意味が理解しやすくなります。学校で習った「命令形」の基本を復習しておきましょう。

動詞の原形で始める

主語を省略し、文を動詞の原形で始めるのが「命令形」です。be動詞の場合には、常にBeが使われることになります。

一般動詞の例
Listen to me.(話を聞きなさい)

be動詞の例
Be patient.(がまんしなさい)

否定にはDon’tかNeverを付ける

「~しないで」と否定形にするには、文の最初にDon’tを入れます。これは be動詞の命令形の場合も同じです。Don’tの代わりにNeverを使うこともでき、これは「決して~するな」という強い意味になります。

一般動詞の否定の例
Don’t speak.(しゃべらないで)

be動詞の否定の例
Don’t be stupid.(ばかなこと言わないで)

Neverを使った一般動詞の否定の例
Never say that again.(もう決してそれを言わないで)

Neverを使ったbe動詞の否定の例
Never be late.(絶対遅れないで)

「~してください」はPleaseを付ける

「~してください」と丁寧に言うには、文の最初にPleaseを入れます。これは否定の場合も同じです。ただし、丁寧と言っても相手に「~しなさい」と言っていることに変わりはなく、Could you ~?(~していただけますか?)と尋ねるときほど丁寧ではありません。

一般動詞の例:
Please tell me.(私に教えてください)

be動詞の例:
Please be quiet.(静かにしてください)

一般動詞の否定の例:
Please don’t open the window.(窓を開けないでください)

be動詞の否定の例:
Please don’t be shy.(恥ずかしがらないでください)

会話例:
A: Please don’t open the window. It’s cold outside.
(窓を開けないでください。外は寒いので)
B: Be patient. We need to get some fresh air.
(がまんして。新鮮な空気が必要なんです。)
A: OK. But please close it in ten minutes.
(わかりました。でも10分後に閉めてくださいね)

「命令」だけではない「命令形」の英語表現

Listen to me.は「話を聞きなさい」というだけでなく、「いいですか、よく聞いてください」という話の前置きとしても使われます。このように、形は「命令形」でも、実際は会話の中でさまざまな役割を果たすことがあります。「命令」の意味にとらわれない、いろいろな命令形の例を見てみましょう。

あいさつに使える命令形

Have a nice day.(よい1日を)がなぜHaveから始まるのか、疑問に思ったことはないでしょうか。実はこれは、haveという動詞の原形から始まる「命令形」なのです。「~してくださいね」というカジュアルな意味合いとなって、命令形は英語のあいさつでよく使われます。

Have fun.(楽しんでくださいね)

Take care.(気を付けて)

Enjoy your trip.(旅行を楽しんで)

Letで始まる命令形

Let’s go.はLet us go.を略したもので、実は「私たちを行かせなさい」という命令形です。letは「~させる」という意味の動詞ですが、「~させなさい」と言うことで、やや丁寧な感じにすることもできます。

Let me try.(私にやらせてください)
*I’ll try.(やってみます)よりやや相手に気を配っている感じ。

Please let me know when you come.(いつ来るか教えてください)
*Please tell me ~よりやや丁寧な感じ。

否定なのにポジティブな命令形

「~しないで」という否定の命令形は「禁止」を意味するなどと言われますが、実際は相手を励ます、ポジティブな意味でもよく使われます。

Don’t worry.(心配しないで)

Don’t bother.(おかまいなく)
*botherは「思い悩む」という動詞。

Never mind.(気にしないで)
*mindは「気にする」という動詞。Don’t mind.とも言います。

会話例:
A: I’m buying a sports car.(スポーツカーを買うんです)
B: Wow! Be careful, don’t drive too fast.(わあ!注意して、スピード出しすぎないで)
A: Don’t worry. I’m thinking of driving to Mt Fuji.(心配しないで。富士山をドライブしようかと思っているんです)
B: Sounds great. Take care and have fun!(いいですね。気をつけて楽しんでください!)

オンライン英会話レアジョブのレッスンでも、注意してみるとよく命令形が使われることに気づくはずです。Repeat after me.(後について繰り返して)、Let’s go on to the next section.(次のセクションに進みましょう)、Let me say that again.(もう一度言います)など、実はすべて命令形です。

自分から話すときも、「命令形は失礼だから使わないほうがいい」なんていうことはありません。Let me think about it.(考えさせてください)、Never mind. I’m OK.(気にしないで。大丈夫です)など、命令形で言えることがいろいろあります。レッスンを活用して、いろいろな命令形の表現を試してみましょう。

まとめ

「Have a nice day.は決まり文句だから、文法を考えず丸ごと覚えるしかない」と思ってはいなかったでしょうか。これが命令形の文だとわかりさえすれば、「Haveは動詞の原形、a nice dayはHaveの目的語」とすっきり理解できるはずです。英語では、一見不規則なように見える表現でも、実は基本の文法の形に沿っていることがよくあります。身近なところにある命令形の文を、もう一度じっくり見直してみましょう。

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