英検の配点を理解しよう!合格の鍵は「バランス」にある!?

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これから英検を受験しようと思っているなら、英検の配点について知っておくとよいでしょう。英検では、聞く・読む・話す・書く、の4技能が必要で、このすべての技能でバランスよく点数を取らないと合格することはできないからです。

この記事では、英検のスコアの特徴や技能ごとの配点、各級で求められるスキルについてくわしく解説します。

英検とは?

英検とは、民間団体「日本英語検定協会」が主催する、英語技能の資格試験です。正式名称は「実用英語技能検定」といい、レベルに応じて7つの級が設定されています。英検についてもう少しくわしく知るために、英検を受験するメリットや、試験の内容について見てみましょう。

英検を受験するメリット

英検を受験することには、さまざまなメリットがあります。

自分のレベルを客観視できる

7つの級がある英検を受験すると、自分のレベルをチェックするよい機会となります。英検は語学の運用能力を測る国際基準の「CEFR」(セファール)に対応しているので、自分の現段階の習熟度をグローバルな視点から確認できるのはうれしいところです。「次はこの級に向けてがんばろう」と、英語学習のレベルアップに向けたモチベーションを維持するうえでも役立つでしょう。

入試や就職で有利になる

英検は、文部科学省が後援している信頼度の高い試験です。英検の級を持っていれば実用的な英語力があるという証明になり、入試や就職、転職活動などで有利になります。一定の級を取得していれば入試の一次試験免除、在校生への単位認定などの制度を設けている大学も少なくありません。就職活動や転職活動においては、履歴書に取得した英検の資格を書けば、英語が得意であることをアピールできます。

幅広いシーンに対応できる英語力が身につく

英検に出題される問題は、普段よく使う日常会話からビジネスシーンに至るまで、幅広い題材が扱われています。そのため、英検対策を通して、社会におけるさまざまなシーンで求められる総合的な英語を身につけられます。

英検の試験内容

英検の試験内容は、学校、家庭、買い物などの日常シーンからビジネスシーンに至るまで、さまざまな場面設定で出題されます。1~3級では、聞く・読む・話す・書く、の4技能が試され、4~5級では読む・書く、の2技能が試されます。

1~3級においては、試験は一次試験と二次試験の2つで構成され、一次試験では筆記試験とリスニングがあります。1~3級では二次試験に面接も加わるので、しっかり対策しておきましょう。4~5級では、一次試験とは別に短いスピーキングテストがあります。試験全体の所要時間は、級が上がるにつれて長くなります。

英検の合格判定は「英検CSEスコア」に基づいている

英検で合格ラインに達しているかどうかは、英検CSEスコアをもとにして判定されます。では、英検CSEスコアとはどのようなものなのか見てみましょう。

英検CSEスコアの特徴

英検CSEスコアには、技能ごとにスコアが配分されている・正解数が同じでも回次によってスコアが異なる・技能のバランスによって合否が決まるという特徴があります。

技能ごとにスコアが配分されている

英検では、4技能のそれぞれにスコアが均等に配分されています。たとえば、1級では技能ごとの配点がそれぞれ850点で、準1級では750点、2級では650点となっています。

技能によって問題数が異なることがあっても、配分されるスコアは同じです。そのため、1問当たりのスコアへの影響は、技能によって異なります。同じ技能の中であれば、1問当たりのスコアへの影響は同じです。

正解数が同じでも回次によってスコアが異なる

英検のスコアは各回の全答案を採点した後、Item Response Theoryと呼ばれる統計的手法で算出されているため、受験者が自分でスコアを計算することはできません。1問何点というような単純な採点方法ではなく、受験者の正答率や問題の難易度、過去のデータなどをもとに統計的にスコアが算出されています。

この統計的手法のよいところは、回次により問題の難易度が変わっても同じスコアが出ることです。試験の回次ごとに問題は変わるため、どうしても難易度にばらつきが出てしまうことがありますが、それも考慮に入れて正確なスコアを算出してくれます。

技能のバランスによって合否が決まる

2015年度までの英検では、苦手な技能があっても他の技能でカバーできれば合格することが可能でした。たとえば、ライティングが極端に苦手でも、リスニングやリーディングで点数を取り、総合で合格ラインを超えていれば合格とされていたのです。

しかし、2016年度以降からは各技能に均等にスコアが配分され、4技能のバランスが重視されるようになりました。これにより、どの技能においてもバランスよくある程度のスコアを取らなければ合格できないような仕組みになっています。

各級の合格基準スコアと技能ごとの配点

英検のスコアについて考えると、どのくらいのラインで合格になるのかが気になることでしょう。英検では、級ごとに基準となる合格ラインが決められていて、そのスコアよりも高い点数を取れば合格することができます。では、級ごとの合格基準スコアと技能ごとの配点を表で見てみましょう。

一次試験の各級の合格基準スコアと技能ごとの配点

・1級
満点:3400
リーディング:850
リスニング:850
ライティング:850
合計基準スコア:2028

・準1級
満点:3000
リーディング:750
リスニング:750
ライティング:750
合計基準スコア:1792

・準2級
満点:2600
リーディング:650
リスニング:650
ライティング:650
合計基準スコア:1520

・2級
満点:2600
リーディング:650
リスニング:650
ライティング:650
合計基準スコア:1322

・3級
満点:2200
リーディング:550
リスニング:550
ライティング:550
合計基準スコア:1103

・4級
満点:1000
リーディング:500
リスニング:500
ライティング:なし
合計基準スコア:622

・5級
満点:800
リーディング:425
リスニング:425
ライティング:なし
合計基準スコア:419

1級では満点が3400点なのに対して合格基準スコアは2028点、準1級では満点が3000点なのに対し合格基準スコアが1792点です。つまり、1級や準1級では、7割くらい正しく答えられないと合格することはできないということです。一方、2級では満点が2600点に対し合格基準スコアは1520点なので、6割程度正しく答えられれば合格できるということになります。

二次試験の各級の合格基準スコアと配点

次に、二次試験も見てみましょう。

・1級
配点(スピーキング):850
合格基準スコア:602

・準1級
配点(スピーキング):750
合格基準スコア:512

・準2級
配点(スピーキング):650
合格基準スコア:460

・2級
配点(スピーキング):650
合格基準スコア:460

・3級
配点(スピーキング):550
合格基準スコア:353

・4級
配点(スピーキング):500※
合格基準スコア:324※

・5級
配点(スピーキング):425※
合格基準スコア:266※

※4級・5級のスピーキングテストは、英検の合否には関係ありません。

二次試験においても、合格ラインの基準は一次試験とほぼ同じです。1級や準1級では約7割、それ以外の級では6割くらいできていれば合格となります。

ちなみに、4級と5級のスピーキングテストは一次試験とは別の試験で、英検の合否とは関係ありません。4級・5級の受験者全員が受験できるテストで、コンピューター端末を利用した録音形式で話す力をチェックできます。

各級で求められているスキル

最後に、英検の各級の審査基準や求められるスキルについて紹介します。各級がどれくらいのレベルなのかを知って、受験する級を決めるときや試験に向けて対策を練るときの参考にしましょう。

1級

最難関の英検1級の審査基準は、広く社会生活で求められる英語を十分に理解し、使用することができるかどうかです。レベルの目安は大学上級で、英語資格試験の中でも難易度の高い試験として知られています。必要な語彙数は、9000~12000語です。

一次試験のリスニングやリーディングでは、抽象度の高い難解な単語や熟語がたくさん出てきます。普段から英語の記事や本を読んでボキャブラリーを増やし、高度な長文の読解やリスニングに慣れておくことが大切です。

二次試験は約10分の英語での面接で、社会性の高い内容が幅広く出題されます。たとえば、過去には世界経済における日本の役割や、選挙権の行使の義務化、遺伝子組み換え食品の安全性などを題材とする出題がありました。自然環境や医療、政治、芸術、歴史などの話題で出題されることもあります。1級の二次試験に合格したいなら、普段からさまざまなニュースに触れて知見を広め、自分の意見を言えるようにしておくことが必要です。

準1級

英検準1級の審査基準は、社会生活で求められる英語を理解し、使用することができるかどうかです。レベルの目安は大学中級で、1級ほどではないにしても合格率は約16%と低く、難易度の高い試験となっています。

準1級に合格するには、7500~9000語ほどの語彙数が必要だといわれています。出題範囲は広いので、社会のあらゆる分野で使われる語彙力を身につけるとともに、リスニングのスピードにも慣れておく必要があるでしょう。

ライティングでは、社会的なトピックに対して自分の意見を含めながら、120~150語でライティングするスキルが問われます。過去問などを使って、序文・本論・結論と話を展開させる練習をしておくことが欠かせません。

二次試験は約8分の英語での面接で、社会性の高い分野の話題が出題されます。過去の出題例は、在宅勤務、レストランでの喫煙、住民運動などです。

2級

英検2級の審査基準は、社会生活で必要な英語を理解し、使用することができるかどうかです。レベルの目安は高校卒業程度で、必要な語彙数は約3800~5100語です。ビジネスシーンも含めて社会の中で使われる英語が出題され、経済活動や社会参画に関する表現、学術的な単語なども出てきます。

リーディングでは、文脈をつかみながら長文を理解することに慣れておくことが大切です。ライティングでは、あるトピックに対して自分が賛成か反対かどちらの立場に立つかを決め、それについて理由を挙げるなどして説明しなければなりません。序論・本論・結論の形式で論理的に話を発展させながら、説得力のある文章を書くスキルが求められます。

二次試験は約7分の英語面接で、社会性のある話題が出題されます。過去の出題例は、環境にやさしい素材、オンライン会議、新しいエネルギーなどです。

準2級

英検準2級の審査基準は、日常生活で必要な英語を理解し、使用することができるかどうかどうかです。レベルの目安は高校中級レベルで、必要な語彙数は約3600語です。

リーディングでは、段落ごとに要点を把握しながら長文を読むスキルが求められます。構文を正しく理解しておくことや、会話特有の表現を覚えておくことも必要です。リスニングでは英語が一度しか流されず、一度で正確に聞き取る力があるかどうかが問われます。

ライティングでは、質問文に対して自分の意見を理由も含めながら英語で記述します。スペルミスに気をつけながら、正しい文法で自分の意見を伝えることが大切です。

二次試験は約6分の英語面接で、日常生活に関する話題です。過去に出題されたトピックは、ホームシアター、食品フェア、プリペイドカードなどです。

3級

英検3級の審査基準は、身近な英語を理解して、使用することができるかどうかです。レベルの目安は中学卒業程度で、必要な語彙数は約2100語です。

3級では、学校や家庭、近所などでよく使う基本的な単語に加え、イベントや施設などに関する単語が出てきます。不定詞や受動態、関係代名詞など、中学校で勉強する文法事項に関する理解も必要です。

ライティングでは、質問文に対して25~35語で、理由を含めながら自分の意見を伝えます。リスニングでは、5W2H(When・What・Where・Who・Which・How・How much)に対して正しく解答するスキルが問われます。

二次試験は約5分の英語面接で、身近なことに関する話題が出題されます。過去の出題例は、携帯電話、読書週間、冬のスポーツ、四季などです。

4級

英検4級の審査基準は、簡単な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができるかどうかです。レベルの目安は中学中級で、必要な語彙数は約1300語です。

4級に合格するには、中学2年生までで学習する基本的な英文法や単語、熟語に関する正しい理解が必須です。文法問題では、be動詞や時制、助動詞など、中学校前半で習う文法事項が出題されます。

4級のスピーキングテストは約4分で、25語程度のパッセージを音読します。その後、音読した内容についての質問や、イラストに関する質問などがあります。合格するには正確に質問を聞き取り、単語ではなく文章で回答することが大切です。

5級

英検5級の審査基準は、初歩的な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができるかどうかです。レベルの目安は中学初級で、必要な語彙数は約600語です。

5級では、基本的な日常の動作を表す単語がよく出てきます。be動詞や一般動詞、代名詞など、中学1年生で勉強する文法事項の理解が必要です。

約3分のスピーキングテストでは、20語程度のパッセージを読み、それについての質問に答えます。最後に、受験者自身の日常生活に関する問題もあります。

まとめ

英検で合格するためには、聞く・読む・話す・書く、の各技能をバランスよく勉強することが大切です。4技能をまんべんなく対策するには、一定の学習時間がどうしても必要になります。さっそく英語学習の計画を立てて、受験する級の合格に向けて努力を続けていきましょう。

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