英会話でよく耳にするmatterってつまりどんな意味？使い方を知って「What’s the matter?」などフレーズを使いこなそう

What’s the matter?（どうしたんですか？）、It doesn’t matter.（かまいません）といった言い方を聞いて、「このmatterはどういう意味なんだろう？」と思ったことはありませんか？基本的には「問題、事柄」といった意味なのですが、名詞にも動詞にもなり、あらたまった場面でもくだけた会話でも使われる、ユニークな単語です。使いこなせるようになるととても便利なmatterの特徴とその使用例を見ていきましょう。

matterの基本の意味を押さえよう

matterの基本の意味は「問題、事柄」で、必ずしも「困ったこと」を指すわけではなく、単に「～なこと」「～なもの」という意味を表すことがよくあります。まずは基本の「問題、事柄」の意味を見ていきましょう。

典型的な意味「問題」

It’s a matter of time.（それは時間の問題だ）

matterには「問題として焦点を当てる」といったニュアンスがあり、ここでは「時間に焦点を当てる」といった意味合いです。

「事柄」「厄介ごと」

What’s the matter with you?（いったいどうしたんですか？）

「あなたとともにある事柄は何か」ということで、この言い方には少々「厄介なこと」が起こっているのでは、という意味合いが含まれています。

目に見える「物質」

No organic matter is included.（有機物は何も含まれてはいません）

「問題、事柄」といった抽象的な意味とは別に、生物や化学などの「物質」を指すことがあります。

特定のタイプの「物、こと」を表す

How do I send printed matters?（印刷物はどのように送ればいいですか？）

What do you think the subject matter of the book?（その本の題材をどう思いますか？）

printed matter（印刷されたもの）、subject matter（主題となること、題材）など、「～なもの」「～なこと」を表すのにmatterが使えます。

会話例

A: What’s the matter with you?（いったいどうしたんですか？）
B: I’m in trouble. Something is wrong with the copy machine.（困った。コピー機の調子がおかしいんです）
A: It happened before. We might need to replace it.（前もありました。交換が必要かもしれません）
B: I think it’s a matter of time.（時間の問題ですね）

動詞としてのmatter

matterは動詞だと「～が重要である」という意味になります。mattersと三人称単数になっていたりdon’t matterと否定になっていたりするとすぐに動詞だとわかるのですが、matterと原形になっていると「問題、事柄？」と思い込んで正確に意味を取れないことがあるので、注意が必要です。

動詞の否定のmatter

A: Do you think we should wear a tie?（ネクタイをするべきだと思いますか？）
B: No, it doesn’t matter. It’s a casual party.（いえ、関係ないです。カジュアルなパーティーです）

it doesn’t matterは「重要ではない」という意味から「かまわない、関係ない、どうでもいい」といったような意味になります。口語ではitを省略してDoesn’t matter.と言ったり、doesn’tをdon’tにしてIt don’t matter.になったりすることがあります。

三人称単数のmatter

Your opinion matters to us.（皆様のご意見は私たちにとって重要です）

お客様に「ご意見をお願いします」といったように頼むときによく使われる表現です。

原形のmatter

Prices matter in this case.（この場合、価格が重要です）

prices（価格）が主語、matter（重要である）が動詞です。「価格の問題」と言いたいのであれば、price matters in this case（この場合の価格の問題）となります。

会話例

A: Do you think we should add extra discount?（割引を追加すべきでしょうか？）
B: No, it doesn’t matter. They already like it.（いえ、関係ありません。すでに気に入ってくれていますから）
A: That’s good. Your suggestions matter to me a lot.（それはよかった。ご提案大変参考になります）

慣用句の中で使われるmatter

「問題、事柄」という意味を広く表すmatterは、会話の中に登場する慣用句でよく使われます。文法的に理解するのが難しい例もあるのですが、頭の中でスッキリ整理させて、自分で言えるようになりましょう。

as a matter of fact（実を言うと）

As a matter of fact, we’re behind the schedule.（実を言うと、予定より遅れています）

factは「事実」で、「事実の問題としては」といった言い方です。

no matter what（何があっても）

No matter what he says, we’ll proceed.（彼が何と言おうと、続行します）

このwhatは本来what he says（彼が言うこと）という名詞節を作る関係代名詞で、no matter what ～で「～であることに、何も問題はない、重要ではない」という言い方になります。whatの後を省略してNo matter what.だけで「何があっても」と言うこともできます。

to make matters worse（さらに悪いことに）

To make matters worse, the typhoon will come tomorrow.（さらに悪いことに、明日は台風が来ます）

直訳すると「matter（問題、事柄）を悪くするために」ですが、「さらに悪いことに」「なおさら困ったことに」という意味で使われます。逆のto make matters betterは単に「問題、事柄をよくするために」という意味です。

all that matters（～だけが重要だ）

Customer satisfaction is all that matters.（顧客満足だけが重要です）

このmatterは「～が重要である」という動詞でthatがallを修飾する関係代名詞、all that mattersは「重要であるすべてのこと」という意味になります。

matterの意味がわかってきたら、レアジョブのオンライン英会話レッスンで実際に使ってみましょう。What’s the matter with it?のようにitを使うと、「それがいったいどうしたんですか？」のように、物や出来事に対して使うことができます。It doesn’t matter to me.（それは私には関係ない）は、Does it matter to you?（それはあなたにとって重要なことですか？）と疑問形にすると、いろいろな場面で便利に使えるでしょう。

逆に先生からYour opinion matters to me a lot.（あなたのご意見は私にとって重要です）と言われたら、It’s very helpful.（とても役に立ちます）、Please give me some more examples.（もっと例を教えてください）のように、レッスンの感想を教えてあげましょう。ぜひ生きた会話の中で、matterを使いこなすコツをつかんでください。

まとめ

matterは幅広く応用が利く基本単語で、便利である一方、うっかり違う意味で理解していたり、使い方を間違えていたりということが起こります。基本の意味と応用をしっかり理解し、正確に使いこなせるようになってください。