IELTS 6.5は、海外の大学へ進学する際や海外移住する際に求められる英語レベルです。実際、難易度が高いので、どうやって達成すればよいのか不安に感じている人も多いのではないでしょうか?しかし、ポイントを押さえて学習すれば、取得も不可能ではありません。
こちらの記事では、IELTS6.5を取得するためのおすすめ勉強法や参考書を紹介します。
IELTS 6.5の難易度
IELTSの難易度やIELTS6.5を取得するために必要な学習時間などを見ていきましょう。
IELTSのバンドスコア(総合点)は9段階ある
IETLSは英語4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)ごとに、1.0(最低)~9.0(最高)でバンドスコアが算出されます。まずは4技能ごとに個別バンドスコアが出され、その平均値から算出した総合スコア(オーバーオールバンドスコア)が最終的なIELTSスコアとなります。
オーバーオールバンドスコア(以降、オーバーオール)は、0.25単位で切り上げられるのが特徴です。例えば、4技能の平均が5.81の場合、オーバーオールは6.0、4技能の平均が3.21の場合はオーバーオールは3.0となります。
以下は、IELTS公式サイトで紹介されているバンドスコアごとのレベル感です。
1 非ユーザー
単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
2 散発的ユーザー
慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
3 非常に限定的なユーザー
非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
4 限定的なユーザー
慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
5 中程度のユーザー
不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することできる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能
6 有能なユーザー
不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
7 優秀なユーザー
不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
8 非常に優秀なユーザー
不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
9 エキスパート・ユーザー
英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
IELTS 6.5が求められるケース
そもそもIELTSとは、海外進学や移住の際に必要となる試験です。特に、海外の大学や大学院へ進学する場合、8割以上の学校でバンドスコア6.5以上が求められます。ほとんどの大学で申請可能なスコアですが、医学部や法学部などの一部の学部や大学院などでは、バンドスコア7.0を基準とするところも少なくありません。
海外進学を目指している人にとって、バンドスコア6.5を取得することが留学準備の第一段階といえるでしょう。また、大学や大学院の出願時にはオーバーオールだけでなく、「スピーキング6.0以上」などセクションごとに基準が設けられていることもあります。提出先に必要となるスコアはどれくらいなのか、事前にチェックしておきましょう。
さらに、IELTS6.5はオーストラリアやカナダなどでのビザ申請や、欧州・アジアMBAの出願時などにも必要となるスコアです。
IELTS 6.5のレベル感【換算表あり】
日本人にあまりなじみのないIELTSは、実際のところレベル感がわかりにくいですね。ここではIELTSの難易度を把握するため、日本人にもおなじみの英検やTOEIC、TOEFL iBTなどのスコアと比較してみましょう。
IELTS | 英検 | TOEIC | TOEFL iBT |
---|---|---|---|
7.0-7.5 | 1級 | 940~990 | 95~105 |
6.0-6.5 | 準1級~1級 | 800~940 | 72~94 |
5.0-5.5 | 2級~準1級 | 600~800 | 55~71 |
4.0-4.5 | 2級 | 410~600 | 43~54 |
上記の表から、他の試験と比較したIELTS6.5のレベル感は以下のようになります。
・英検:準1級~1級
・TOEIC:900~940程度
・TOEFL iBT:80~95程度
IELTS6.5のレベルは高いことがわかりますね。ただし、これらの試験は特性や内容が異なるので、あくまで参考程度に捉えておいてください。
IELTS 6.5を取得するために必要な勉強時間
ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)のサイトでは、外国語学習者のレベルを示すガイドライン「CEFR」のレベル別学習時間が紹介されています。このデータを参考にCEFRとIELTSのレベルを換算してみると、IELTS6.5を取得するために必要な勉強時間は400~500時間程度です。ただし、このデータには、リスニングやライティングなどにそれほど苦労しない欧州圏の非ネイティブのスコアも含まれています。
そのため、日本人にはさらに2~3倍程度の時間がかかるとみておいたほうがよいでしょう。また、400~500時間勉強したといっても、その中身が重要。ただだらだらと学習していては、IELTS6.5を取得することは難しいでしょう。きちんと目標を定めて、自分に適した学習をすることが必要です。
参考:Guided learning hours|Cambridge Assessment English
IELTS 6.5を取得するためにはどうすればいい?
IELTS6.5のレベル感がわかったところで、気になるのが取得するためには具体的にどうすればよいかということ。ここでは、IELTS6.5を取得するために必要なポイントを見ていきましょう。
まずは英語の基礎を身に付ける
IETLS6.5を取得するためには、英語の基礎を身に付けておくことが必要です。英検準1級~1級程度、TOEIC900~940程度とレベルが高いので、基本的な語彙力や文法の知識がないとIELTS6.5を取得するのは難しいでしょう。そもそも、IELTSの試験では問題や設問が英語で表示されるので、基礎力がないと設問を理解することもできません。
まずは、英検準2級~2級程度の問題を間違わずに解けることを目安に、英語の基礎力をつけましょう。自分に合った語彙・文法の問題集を1冊選び、何度も繰り返し解くのがおすすめです。間違った箇所をそのままにせず復習することで、確実に英語力がアップします。
目的を明確にし目標を立てる
英検やTOEICに比べて試験難易度が高いIELTSの学習では、目的を明確にすることが重要です。IELTSは他の試験と比べてスコアも伸びにくいため、明確な目標がないと途中で挫折してしまう可能性があります。大学や大学院進学、MBAの取得など、IELTSのスコアを必要とする背景はひとそれぞれですね。
まずは、どれくらいのスコアが必要なのかを明確にし、目標に向けて具体的な学習計画を立てましょう。目標から逆算することで、毎日どれくらいの学習時間が必要なのかも把握しやすくなります。
6.5のスコア配分を意識して勉強する
IELTS6.5を取得するためには、スコア配分を意識することも必要です。IELTSは4技能の平均値から算出され、0.25単位でスコアが切り上げられます。ということは、4技能中、2つのセクションで6.5、もう2つのセクションで6.0を取ることができると、最終スコアは6.5になります。
なかには苦手なセクションで5.5、得意な分野で7.0を取ればよいと考える人がいるかもしれませんが、試験で安定して7.0を取るのは結構大変です。まずは、全技能で安定して6.0を取ることを目標にし、得意な分野は6.5を目指すのが現実的でしょう。ただし、スコアの提出先によっては各技能の最低点が決められている場合もあるので、事前に確認しておく必要があります。
IELTS 6.5を取得するための具体的な勉強方法
ここからは、IELTS6.5を取得するための勉強方法を分野別に紹介します。
リーディング
リーディングで高スコアを狙うには、語彙・文法・長文読解のポイントを押さえた学習が効果的です。
語彙
IELTS6.5レベルでは、3000~4000語程度の語彙力が必要です。とはいえ、問題で使用される単語をすべて覚える必要はありません。まずは、スコアに結びつく必須単語を覚えましょう。どの単語を覚えればよいかの判断は難しいので、IELTSに特化した単語帳を活用するのがおすすめです。
IELTS対策の単語帳にはバンドスコア別にわかれているものもあるので、IELTS6.0~6.5程度のものを選べばOK。また、問題集などを解く際に出てきた知らない単語もあわせてチェックしておきましょう。
文法
文法については、一通り基本を復習しましょう。なかでも関係代名詞や分詞構文などは頻出項目なので、しっかりと押さえておくことをおすすめします。これらを苦手とする人は多く、スコアに差をつけられるチャンスです。
また、5文型は長文読解の際にも欠かせない重要なポイントとなります。主語はどれか、述語や目的語はどれかを把握することで、長いセンテンスも理解しやすくなるでしょう。
読解
長文読解対策としておすすめなのが「精読」です。時間制限があるので速く読むことも必要ですが、まずは構文や単語などを調べ、英文一つひとつをじっくりと読み解くのがおすすめ。さらに、声に出して読む「音読」をするとより効果的です。
その後に再度問題を解くと、理解度がぐんと上がっていることを実感するでしょう。問題パターンに慣れてきたら、ぜひ速読の練習を。意味のかたまりごとに区切りながら読むスラッシュリーディングを活用すると、読むスピードが格段にアップします。
リスニング
日本人が苦手とするリスニングも、ポイントを押さえて練習すればスコアアップできます。ぜひ学習に取り入れてもらいたいのが、「ディクテーション」と「シャドーイング」です。
ディクテーション
リスニング力をアップするためには、聞き取れない英語を拾い上げることがポイントです。聞き取れない英文を何度聞いても、意味を理解するのは難しいでしょう。まずは、ディクテーションをすることをおすすめします。
ディクテーションとは、聞こえた英文を一語一句そのまま書きとること。書き取ることで聴覚と視覚の両方から英語をインプットできます。一般的に、リスニングで使用される英文はリーディングと比べて難易度が低い傾向にあるので、出てくる単語や文法はすべて覚えてしまいましょう。
シャドーイング
英文を聞き取るためには、英語の発音に慣れる必要があります。その訓練としておすすめなのがシャドーイングです。シャドーイングでは音源の後を追って、すぐに同じ音を発音するのがポイント。英文を聞き終わってから繰り返すリピートとは異なります。
繰り返し練習すると英語のスピードに慣れ、聞き取れなかったフレーズが理解できるようになるはずです。まずは1文ずつ行い、完璧にできるようになったら次の文へ。はじめはスクリプトを見ずに何回か繰り返し、どうしてもわからない箇所はスクリプトで英文を確認します。
そして再度シャドーイングすることで、しっかりと英語の音を聞き分けられるようになるでしょう。
ライティング
ライティング学習のポイントは、大きく以下の3つです。とにかくたくさん書いて、ライティングへの苦手意識を克服しましょう。
論理的に文を組み立てる
まずは、英文を論理的に組み立てる練習をしましょう。特に自分の意見を述べるエッセイでは、最初に主張を明確にすることが大切です。日本語では起承転結の流れに沿って文を構成しますが、英語でははじめに結論を持ってきます。
主張を述べた後に、その理由や具体例などを提示します。エッセイのライティングには大まかなパターンがあるので、問題集などを繰り返し解いて型に慣れましょう。また、難しい単語やフレーズは使わず、自分の知っている簡単な表現を使って書くこともポイントです。
制限時間内に書く練習をする
ある程度書くことに慣れてきたら、制限時間を設定して書く練習をしましょう。ただし、いきなり本番と同じ時間で取り組むのはハードルが高いので、少しずつ段階を踏んで時間を短くしていきます。IELTSの本番ではライティングの制限時間が60分です。練習ではまず120分、次に80分、最終的には60分というように、徐々に慣れていくとよいでしょう。
書いたものを添削してもらう
ライティング対策には、とにかく「たくさん書くこと」が効果的です。実際にアウトプットをしないと、いつまでも書けるようにはなりません。その際、書いたものを誰かに見てもらうことも重要です。
添削してもらったものを見直し、書き直すところまですればOK。自分では気づかない不自然な表現などをチェックできるよい機会です。
スピーキング
IELTSのリスニング試験は自己紹介とインタビュー・スピーチ・ディスカッションで構成されています。本番の試験を意識して、何度もシミュレーションしてみましょう。
発音を強化する
IELTS6.5を取得するためには、英語を流暢に話すことが求められます。きちんと英語らしい発音ができているかもポイントです。日本人の苦手とするLとRの違いやTHの発音などもしっかりと確認し、スムーズに発音できるよう練習しておきましょう。
自分の発音を客観的に聞くためには、声を録音するのがおすすめです。発音が不明確な箇所や間違っている箇所などに気づき、矯正しやすくなりますよ。さらに、録音した内容を文字に書き起こすことで、視覚からもスピーキング内容をチェックでき効果的です。
日頃から英語のニュースに触れておく
試験では試験官から身近なトピックについて質問が出され、それについて自分の意見を述べる機会が与えられます。どんなトピックが取り上げられるかはわからないので、日頃から英語のニュースや記事を見たり読んだりしておくことがおすすめです。
ある程度のスピーキング力があったとしても、トピックについての知識がまったくないと回答するのは難しいはず。週に2~3つ程度でもよいので、さまざまなニュースに触れてアイデアをストックしておくと安心です。
IELTS 6.5を目指している人におすすめの参考書3選
ここでは、IELTS6.5対策におすすめの参考書を3つ厳選して紹介します。
これ1冊でIELTSの単語対策はバッチリ!
IELTSの英単語・熟語対策におすすめの1冊『IELTS必須英単語4400』。IELTSに必須とされる英単語3300、英熟語1100を収録しています。IELTSの過去問を徹底的に分析してつくられているため、効率よく学習できるのが魅力です。
単語は難易度別にA~Dに分類され、それぞれの単語・熟語には試験でよく出題されるフレーズがついています。また、「見出し語」「英語の例文」「例文の和訳」「見出し語の同意表現」という配列になっていて、試験によく出るポイントもあわせて紹介されていますよ。
登場する見出し語はもちろん、日本語訳や英語のフレーズをすべて音源で聞くこともできます。
おすすめレベル | 初級~上級 |
---|---|
著者 | 林功、小玉英央 |
出版社 | ベレ出版 |
価格(税込み) | 2,970円 |
英語4技能を総合的にアップできる万能テキスト!
『スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集』は、バンドスコア6.0以上を目指す人向けのIELTS対策書です。本書の特徴は、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4分野すべてについて、解き方を丁寧に解説している点。高スコアを狙える「ストラテジー」も紹介しています。
問題のパターンや解き方のポイントがわかりやすく学べるので、初めてIELTSを受験する人にもおすすめです。試験直前の腕試しにぴったりな模試2回分がついていて、自分なりの時間配分を割り出せるのもうれしいポイント。
また、アメリカ・イギリス・オーストラリアのネイティブスピーカーによる音源(CD2枚)付きなので、リスニング対策にも活用ください。
おすすめレベル | 中級~上級 |
---|---|
著者 | ケビン・ダン |
出版社 | ナツメ社 |
価格(税込み) | 2,530円 |
英語上級者向けのリスニング対策に
IELTS6.0以上を狙う人におすすめのリスニング対策書『Listening for IELTS』。本書は洋書なので、当たり前ですがすべて英語で書かれています。そのため、日本語を使わず「英語で英語を理解する」訓練にぴったり。ある程度英語力のある上級者に適した1冊です。
本書にはさまざまな形式のリスニング問題が収録されているため、IELTSのリスニング形式に慣れることができます。ただし、日本のIELTS対策本と比べ、問題に対する解説が少ないのが難点。解説よりもとにかく良問をたくさん解きたいという人におすすめです。
音声がダウンロードできるので、ディクテーションやシャドーイングの練習もできるでしょう。
おすすめレベル | 上級 |
---|---|
著者 | Fiona Aish、Jo Tomlinson |
出版社 | Collins Publishers |
価格(税込み) | 2,342円 |
まとめ
他の英語試験のスコアと比較してもわかるように、IELTS6.5は決して簡単に到達できるレベルとはいえません。IELTS6.5を取得するためには、ポイントを押さえた学習が必要になります。まずは目標を明確にし、自分は今何をするべきなのかを把握することからスタート。
本記事で紹介した勉強方法を、ぜひ毎日の学習に取り入れてみてください。特に苦手な分野を徹底して学習し、オーバーオールスコアを上げることを目指しましょう。
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