「海外就職にはどのような方法がある?」「どの国を選べばいい?」海外就職を考えている場合、このような疑問が湧いてくるのではないでしょうか。日本と海外の就職事情は異なり、海外では経験やスキルが重視される傾向にあります。初めての海外就職が成功するよう、事前に情報収集することが大切です。
こちらの記事では、海外就職におすすめの国や職種、海外就職のステップ、コツなどについて解説します。
海外と日本の就職活動の違い
まず初めに、海外と日本の就職活動の違いについて解説します。
海外では新卒採用がなく就活時期もさまざま
日本では大学卒業予定者を対象に、4月から新入社員として働く「新卒一括採用」を実施している企業が多くみられます。学生は在学中、早い時期から就職活動を行うのが一般的です。一方、欧米には新卒採用という考え方がなく、通年採用が行われます。また、欧米の学生の学習量は日本と比べるととても多く、就職活動にそれほど時間を取れないというのが実情。
卒業間近の学期、もしくは卒業後に、自分のタイミングに合わせて就職活動をするのが一般的です。希望のポジションに空きさえあれば、年間を通して応募できる点も日本とは異なります。欧米では在学中に、企業が実施するインターンシップに参加する学生が多いのも特徴です。
海外では即戦力のある人材が求められている
日本では「新卒採用」と「中途採用」の2つの枠が用意されており、大学を卒業したばかりの学生は新卒扱いとなります。企業には、未経験の新卒者をじっくりと育成するための用意があるのです。しかし、欧米などの海外では新卒・中途を問わず、即戦力のある人材が求められています。言い換えると、日本の新卒者のように、じっくりと育成してもらえる枠がないということです。
企業は必要な枠が出たら人材を募集し、能力のある人材であれば新卒であっても採用されます。海外の企業に就職したい場合は、募集枠に対して即戦力として働ける能力やスキルを持っているかをチェックしましょう。
海外では研修制度が整っている企業が少ない
海外の企業では即戦力が求められるため、研修制度が整っている企業は少ないのが特徴です。入社後、業務に欠かせない情報を共有し、すぐにでも仕事を開始しなければならないでしょう。
日本企業には長い期間働いてくれる人材を採用する傾向があるため、しっかりとした研修制度を整えているところが多くみられます。しかし、海外の企業では、必要な人材を必要な時に採用するという考え方が一般的なので、人材をじっくりと育てるのはリスクにもなりかねません。
ただし、このような考え方はあくまで一般論です。海外にも研修制度が整っている企業は多くあります。また、日本企業といえど、研修制度がない場合もあるでしょう。海外の企業を狙う場合は、研修制度のある企業を探すのも一つの手です。
海外就職を目指している時の国の選び方
海外就職先を目指す際、どの国を選ぶかはとても重要です。ここでは、国の選び方について押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
言語で選ぶ
海外で仕事をし、生活するためには言語は欠かせない要素です。言語でのコミュニケーションが取れないと、円滑に仕事を進めていくことは不可能でしょう。言語を通して仕事だけでなく、文化や歴史、そこで暮らす人々についても理解を深めることができます。
「英語は堪能だから大丈夫」と思っていても、就職先の国の公用語が英語とは限りません。国選びをする際には、まず就職を希望する国で使用されている言語は何かを確認しましょう。
就労ビザの取りやすさで選ぶ
就労ビザの取りやすさも押さえておきたいポイントです。海外で働くためには必要不可欠な就労ビザ。ビザの取得条件はその国の経済状況などによっても変わりやすく、中には取得自体が困難な国もあります。就職を希望する国のビザ取得には、語学力やスキル、学歴など、どのような条件が必要になるかを確認しておきましょう。就労ビザの手続きには時間がかかるため、余裕を持って調べておくことをおすすめします。
生活環境で選ぶ
海外で就職して長期滞在する場合、生活環境も大切な要素です。日本の治安の良さは世界でもトップクラスなので、どの国へ行っても生活環境の良し悪しは気になるはず。治安はもちろん、住環境や天候、食事なども心身の健康にダイレクトに影響する重要なポイントです。
また、生活環境は国だけでなく、都会か地方かなど生活をするエリアによっても異なります。就職先が決まってからこんなはずじゃなかったということにならないよう、事前に希望する国の生活環境を調べておきましょう。
今後のキャリアに繋がるかどうかで選ぶ
せっかくなら、海外就職の経験を次のキャリアに生かしたいものですね。海外での就職後、「経験を活かして転職する」「希望の国で現地採用を狙う」などのキャリアパスも不可能ではありません。その国で経験したことが、今後のキャリアに繋がるかを考えてみましょう。
意識したいポイントは、その国で働いたからこそ身につけられるスキル、言語のスキル、海外でのビジネススキルなどです。将来を見据えて就職先を選ぶことで、より充実した経験やスキルを得ることができます。
海外就職におすすめの国
ここでは、海外就職におすすめの国を5つ紹介します。それぞれの特徴を知って、就職先選びの参考にしてください。
アメリカ
ITはシリコンバレー、金融はニューヨーク、製造業なら中西部と、地域ごとの産業に特徴のあるアメリカ。大都市がたくさんあるので、就職先や仕事の選択肢が多いのが特徴です。アメリカの求人ではネイティブレベルの語学力と高い専門性が求められるため、就職の難易度は最難関といえます。
すでに専門スキルを持っている人や高い語学力のある人は、世界的な企業で働けるチャンスです。ただし、就労ビザの取得が困難で、学歴や職務内容などの厳しい条件をクリアする必要があります。
オーストラリア
オーストラリアは観光地としてはもちろん、就職先としても日本人に人気があります。国をあげて労働者の保護に力を入れているため残業や休日出勤も少なく、必要な場合はしっかりと手当てをつけることが法律で定められています。仕事とプライベートのバランスを取って働きたい人におすすめです。
生活物価は高いもののそのぶん給与も高いので、給与アップを目指せるはず。ただし、ビザ取得のためにはビジネスレベルの英語力が求められるため、ワーキングホリデービザで就労する人も多くみられます。
シンガポール
多国籍国家のシンガポールは、外資系企業が多く進出している国。アジア地域全土に渡るビジネスを展開している企業も多く、語学力を生かして活躍したい人、キャリアアップを狙いたい人などにぴったりです。即戦力のある人材が求められるため、就職の際には高い英語力や実務経験、学歴なども必要になります。
また、就労ビザの取得条件が厳しいことでも知られています。生活の面では外国人が住みやすい環境が整っていて、アジア圏ということもあり食事も日本人の口に合いやすいでしょう。
ベトナム
比較的治安が良く、インフラも整って生活しやすい国ベトナム。製造業の拠点として注目を集めるほか、近年はサービス業やITの分野でも求人が増えています。給与は高くありませんが、物価も日本と比べて安いので生活しやすいでしょう。親日家が多く、日系企業の増加に伴い、第二外国語として日本語を学ぶ人も増えています。
公用語はベトナム語ですが英語や日本語を使用できるシーンも多いため、あまり語学力に自信がないという人でも挑戦しやすいはずです。欧米の企業に比べてハードルが低いため、初めての海外就職先としても人気を集めています。
インド
近年、経済成長が著しいインドは、世界中の企業が注目しているマーケットです。製造業を中心に日系企業も多く進出していて、最近では流通・サービス業のバックオフィスなどの求人もみられます。求人が多いインドでは、仕事を得やすいというメリットがあります。
海外就職で難しいのが就職先を探すことですが、インドでは特別なスキルがなくても就職しやすい傾向にあります。未経験OKとする仕事も多く、働きながらスキルを身につけることも可能。若さや多様性など勢いのある国で、自らも成長したいという人におすすめの国です。
海外就職におすすめの職種
ここでは、海外就職におすすめの職種を5つ紹介します。
駐在員
海外就職の職種としてあげられるのが駐在員です。駐在員とは、日本の企業に就職し、一時的に海外勤務になる会社員を指します。日本で経験やスキルを積んだ後、海外にあるオフィスや工場などに派遣されるのが一般的です。商社や銀行、証券会社、メーカー勤務などの人にチャンスがあるでしょう。
基本的には能力やスキルがある人が駐在員として選ばれることが多く、現地には支店や工場のトップクラス、管理職、専門職などの地位で赴任します。そのため年収が上がり、住居も日本企業に用意してもらえることがほとんどです。
現地の日系企業の営業職
駐在員よりもハードルが低いのが、現地の日系企業の営業職として働く選択肢です。日本企業が海外進出する際に、現地で100%の子会社を設立、もしくは現地企業と合弁法人を設立するケースが多くみられます。これらの企業に就職すれば、海外で生活しながら働くことが可能です。
日本人同士でのやりとりも多いため、働きやすい環境といえます。駐在員に比べて給与は低く待遇面も充実していない点はデメリットですが、働く国や就業期間などを自由に選べる点が魅力です。
日本語教師
日本語を習得したいという海外の人に、日本語を教えるのが日本語教師です。日本語教師として働くために教員免許の取得は不要ですが、以下の要件のいずれかを満たしていることが必要とされています。
・日本語教師養成講座を受講済み
・日本語教育能力検定試験に合格
・教育機関で日本語教育の単位を取得済み
日本語は世界でも難しい言語と言われていて、日本ネイティブの日本語教師が求められています。特にタイやベトナム、フィリピンなどのアジア圏で日本語教師の需要が増えつつあります。
通訳・翻訳者
現地の日本企業には英語が堪能な人が多いとはいえ、通訳・翻訳者の需要は高いといえます。通訳・翻訳者は語学がただ堪能というレベルでは通用しません。外国語の微妙なニュアンスも理解し、それを正確に伝える高度なスキルが求められる職種です。通訳にはビジネス通訳や会議通訳のほか、医療通訳という分野もあり幅広く活躍できるでしょう。持ち前の語学力を徹底的に磨いて、通訳・翻訳者へとキャリアアップする人もみられます。
ITエンジニア
システムエンジニアやプログラマー、Webエンジニアなど、幅広い職種があるITエンジニアも海外で働きやすい仕事の一つです。海外では日本よりもITエンジニアの給与水準が高い傾向にあります。海外就職の際、ITエンジニアに求められるのはプログラミングなどのスキルはもちろん、高いコミュニケーション能力やマネジメント力など。給与アップも期待できますが、経験や実績が求められるため、未経験の場合は転職は難しいでしょう。
寿司職人
海外でも人気の日本食、特に寿司を提供する寿司職人も海外で活躍できる職種です。和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、日本食はますます注目を集めています。寿司職人を養成するコースも増えていて、寿司職人は引く手あまた。求人も多いので、仕事も得やすいはずです。将来的には独立も視野に入れ、現地の寿司屋や日本料理店で働くことができます。
海外就職をするための5つのステップ
海外就職をするためには、主に以下の5つのステップがあります。
1. 働きたい国を決める
2. 履歴書や証明書などの書類を準備する
3. 求人情報を確認し企業に応募する
4. 面接をする
5. 内定をもらったら採用手続きをする
まずは、働きたい国を決めます。治安や生活環境をはじめ、文化の違いや物価、食事などについてもしっかりと調べましょう。せっかく希望の企業に就職できても、国が合わずに辞めなければならなくなるのは避けたいですね。
希望の就職先が決まったら、履歴書や証明書などの書類を準備します。国によっては、履歴書だけでなく卒業証明書や前職からの推薦書などが必要なところも。海外には日本のような履歴書フォーマットはなく、自分で一からパソコンで作成します。
求人へ応募するには主に2つの方法があり、企業に直接応募するか、現地の人材派遣会社を通すことになります。気になる企業がある場合は、ホームページをこまめにチェックして求人のタイミングを逃さないようにしましょう。一方、人材派遣会社を利用する場合は、どんな分野の求人に強いかをチェックした上で登録することをおすすめします。
いよいよ、面接です。海外では即戦力になる人材が求められるので、「今の自分にできること」をきちんと伝えることが大切。自分の強みや海外で働きたい理由、将来のキャリアプランなどを答えられるようにしておくと良いでしょう。
無事採用が決まっても、採用から現地での仕事開始までには3~4ヶ月かかることがほとんどです。まずはビザの申請を行い、海外転出届け、社会保険、年金、住民税などの手続きが必要になります。直前で慌てなくて済むよう、計画的に準備を進めましょう。
海外就職を成功させるためのコツ
最後に、海外就職を成功させるためのコツを見ていきましょう。
就職したい国が決まったら1~3週間滞在してみる
観光で訪れたことがある国でも、実際に住んでみると意外な面が見えてくることもあります。就職したい国が決まったら、まずは1~3週間滞在してみることをおすすめします。実際に暮らしてみて、イメージ通りに生活できそうかを判断しましょう。物価や食事、衛生面、インフラなども体感できますよ。
英語の資格や専門スキルの資格を取る
海外就職で有利になる英語の資格や専門スキルの資格を取るのもおすすめです。どの国で働くにしても、基本的に英語は必要になります。英語力の証明となるTOEICは最低でも700点、できれば900点前後の取得を目指しましょう。また、ITエンジニアや通訳・翻訳、Webライターなどの専門スキルがあれば即戦力として活躍できますよ。
まとめ
海外では即戦力となる人材が優遇されるため、自分の強みやスキルなどを伝えることが重要です。また、国によっても就職事情や待遇などが異なるので、どこの国を選ぶのかしっかりと検討しましょう。専門スキルはもちろん、高い語学力があると就職先の選択肢が広がるため、まずは英語を身につけることをおすすめします。
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