日本語では「きれいな赤い花」を「赤いきれいな花」のように形容詞を入れ替えても、さほど違和感がありません。けれども英語では複数の形容詞を並べるとき、順番がルールにそっていないとネイティブは違和感を覚えます。
つまり、英語の形容詞には並べ方の「順番」が存在するということです。もちろん絶対的なルールではありませんが、順番通りに並べた方が自然な英語になります。
本記事では、英語の形容詞を並べる順番とその簡単な覚え方を徹底的に解説します!
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もくじ
- ●そもそも「形容詞」ってなに?
- ●英語の形容詞の順番は?
- ●簡単な順番の覚え方は?
- ●まとめ
そもそも「形容詞」ってなに?
並べる順番を見ていく前に、形容詞の働きを簡単におさらいしておきましょう。
副詞との違い
形容詞と副詞は形が似ていることもあり混同しがちです。
形容詞 ⇒ 副詞
nice (いい・立派な) ⇒ nicely (よく・立派な)
sad (悲しい) ⇒ sadly (悲しげに)
beautiful (美しい・見事な) ⇒ beautifully (美しく・見事に)
このように両者の形は似ていますが、修飾する対象は全く異なります。修飾とは、性質・状態・程度などを表して対象となる品詞を限定したり説明したりすることです。
形容詞:名詞を修飾
副詞:名詞以外を修飾(動詞・形容詞・副詞・文全体など)
↓
She is a beautiful dancer. (彼女は美しいダンサーだ。)
She dances beautifully. (彼女は美しくダンスをする。)
1つ目の文は形容詞「beautiful」が名詞「dancer」を、2つ目の文では副詞「beautifully」が動詞「dances」を修飾しています。
形容詞によくある語尾
形容詞をさらに理解するために、よくある語尾をまとめます。語尾を知っていれば形容詞を見つけやすくなるので、覚えておきましょう
-able | comfortable (快適な)、available (利用できる)、usable (使用可能な)、capable (有能な) |
-al | real (本当の)、potential (潜在的な)、royal (高貴な)、legal (法律上の) |
-ent | fluent (流暢な)、excellent(優秀な)、absent (欠席の)、different (異なる) |
-ant | important (重要な)、significant (意義深い)、vacant (空っぽの)、pregnant (妊娠した) |
-ful | grateful (感謝する)、powerful (強力な)、useful (便利な)、successful (成功した) |
-ive | active (活動的な)、creative (創造的な)、negative (否定的な)、sensitive (敏感な) |
-less | careless (不注意な)、cashless (現金不要の)、cordless (コードなしの)、topless (トップレスの) |
-ous | serious (真面目な)、famous (有名な)、various (色々な)、suspicious (疑わしい) |
名詞を修飾する限定用法と補語の役割をする叙述用法
形容詞には特定の名詞を修飾する「限定用法(attributive use)」と補語の役割をする「叙述用法(predicative use)」があります。
限定用法
限定用法の最大の特徴は「特定の名詞のみを修飾する」ことで、他の単語に関わることはありません。
He is a kind person. (彼は親切な人だ。)
I want to watch an interesting movie. (私はおもしろい映画を見たい。)
We saw some cute puppies. (私たちは数匹のかわいい子犬を見た。)
上記の文では、形容詞「kind」「interesting」「cute」が名詞「person」「movie」「puppies」を修飾しています。このように名詞を限定して形容詞を使うのが限定用法です。限定用法では、これらの形容詞を除いても文として意味が成り立ちます。
He is a person. (彼は人だ。)
I want to watch a movie. (私は映画を見たい。)
We saw some puppies. (私たちは数匹の子犬を見た。)
叙述用法
叙述用法の特徴は、形容詞が文構成の一要素である「補語の役割を果たす」ことです。限定用法では、補語の役割を果たすことはないので大きな違いといえます。
文構造とは、主語(S)・述語(V)・目的語(O)・補語(C)という要素をどのように並べるかにより分類した文型のことで、第1文型から第5文型まであります。
第1文型:SV
第2文型:SVC
第3文型:SVO
第4文型:SVOO
第5文型:SVOC
第2文型と第5文型で補語として形容詞が使われ、動詞の力を借りて名詞を修飾します。
第2文型
I got angry. (私は怒った。)
5文型
He made me angry. (彼は私を怒らせた。)
上記の例では、形容詞「angry」が第2文型では名詞「I」、第5文型では名詞「me」について説明しています。また叙述用法では、形容詞を除くと文の意味が成立しません。
英語の形容詞の順番は?
ここまでは1つの形容詞しか使っていませんが、複数の形容詞を使うときにはどのような順番にすればいいのでしょうか?
順番には一定のルールがありますが、すでに述べたように絶対的な決まりではありません。そのためルールに反することがあっても、強調したい形容詞を先に置く場合もあります。ここでは自然な英語となる一般的な形容詞の順番を見ていきましょう。
形容詞を並べる順番
英語では名詞を修飾する際、限定用法で示した通り、形容詞は名詞の前に置かれます。以下が形容詞を並べる順番です。優先順位が高い順に示します。
1.Opinion (意見・評価)
2.Size (大きさ・長さ)
3.Age (年)
4.Shape (形状)
5.Color (色)
6.Origin (出身・起源)
7.Material (素材)
8.Purpose (目的)
では、それぞれにどのような形容詞が含まれるのか見ていきましょう。
Opinion (意見・評価)
意見や評価など、主観的な気持ちを表すもの。
lovely (素敵な)、difficult (難しい)、delicious (おいしい)、terrible(ひどく不快な)、 friendly (友好的な)、cool (かっこいい)
Size (大きさ・長さ)
「大きい・小さい」「高い・低い」などサイズを表すもの。
big(大きい)、 large (大きい)、small (小さい)、little (小さい)、tall (高い)、short (低い・短い)、huge (巨大な)、tiny
ちなみに、bigは形・数量・規模などに、largeは形・面積・容量などに、smallは客観的にサイズが小さいときに使われます。littleには「小さくてかわいい」という意味が含まれるため、「a small cat」と表現すれば単に猫のサイズが小さいことを意味し、「a little cat」と表現すると「小さくてかわいい猫」という意味になります。
Age (年)
「新しい・古い」「若い・年老いた」など年数を表すもの。また、「暑い・寒い」「熱い・冷たい」などの語も含まれます。
new (新しい)、old(古い・年老いた)、 young (若い)、hot (暑い・熱い)、cold (寒い・冷たい)、30 years old(年齢)
Shape (形状)
「丸・四角」などの輪郭を表す語のほか、「平らな・とがった」など形状を表すものも含まれます。
round (丸い)、square (正方形の)、triangular (三角形の)、rectangular (長方形の)、oval (楕円形の)、sharp(鋭い、とがった)、thin (薄い)、thick (厚い)
Color (色)
「色」「濃淡」「明るさ」などを表すもの。
red (赤い)、blue (青い)、dark (濃い)、 pale (淡い)、bright (明るい)、vivid (色鮮やかな)
Origin (出身・起源)
「出身」や「起源」などを表すもの。国籍や人種のほか、「西洋・東洋・アジア」などのエリアを表す語も含まれます。
American (アメリカの・アメリカ人の)、Asian (アジアの・アジア人の)、European (ヨーロッパの・ヨーロッパ人の)、Western (西洋の)、oriental (東洋の・東洋人の)
Material (素材)
修飾する名詞が「なにで作られたのか」という素材を表すもの。
wooden (木製の)、glass (ガラス製の)、metallic (金属製の)、cotton (木綿の)、paper (紙製の)、brick (レンガ造りの)
Purpose (目的)
修飾する名詞が「なにに使われるのか」という目的を表すもの。「tennis ball (テニスボール)」のように「名詞 + 名詞」で表したり、「driving career (運転歴)」のように「動名詞(- ing)」で表わしたりします。
wedding (結婚式用の)、running (ランニング用の)、shopping (買い物用の)、cleaning (掃除用の)、cooking (料理用の)
形容詞の前には冠詞・数量が必須
形容詞を並べる順番を示しましたが、形容詞の前には指示詞・代名詞を含む「冠詞(Article)」や「数量(Number)」が必要です。
冠詞とは名詞とともに使われるaやtheのこと。また、ここでいう指示詞とは「この」「その」などを表すthisやtheseのような語のことで、代名詞とはmyやtheirなどの所有格を指します。
冠詞等(Article):a /an / the / that / those / your / our
数量(Number):three / six / ten / some
例で確認してみよう!
では、冠詞と数量、形容詞の順番を踏まえて、いくつかの例で確認しましょう。☓で示した例は日本語の順番で形容詞を並べた誤りの例です。日本語の通りに並べると不自然になる場合があるので注意しましょう。
日本のおいしい肉:
○ delicious Japanese meat:Opinion → Origin → 名詞
☓ Japanese delicious meat:Origin → Opinion → 名詞
美しいイタリアの古い街:
○ a beautiful old Italian city
冠詞 → 美しい (Opinion) → 古い (Age) → イタリアの (Origin) → 街 (名詞)
☓ a beautiful Italian old city
この丸くて古い木製のテーブル:
○ this old round wooden table
この(指示詞) → 古い (Age) → 丸い (Shape) → 木製の (Material) → テーブル (名詞)
☓ this round old wooden table
私の大きくて黒い便利なショッピングバッグ:
○ my useful big black shopping bag
私の(代名詞) → 便利な (Opinion) → 大きい (Size) → 黒い (Color) → ショッピング (目的) → バッグ (名詞)
☓ my big black useful shopping bag
若くて背が高い3人のバスケットボール選手:
○ three tall young basketball players
3人の(数量) → 背が高い (Size) → 若い (Age) → バスケットボール (目的) → 選手 (名詞)
☓ young tall three basketball players
簡単な順番の覚え方は?
形容詞の順番を理解できても、その順番を覚えなければ使いこなせません。ここでは簡単に順番を覚える方法をご紹介します。
語呂合わせで覚えれば超簡単
これまでに示した冠詞・数量と8つの形容詞の英語表記を覚えていますか?これらを優先順位通りに並べると、以下のようになります。
Article (冠詞)
Number (数量)
Opinion (意見・評価)
Size (大きさ・長さ)
Age (年)
Shape (形状)
Color (色)
Origin (出身・起源)
Material (素材)
Purpose (目的)
それぞれの頭文字を並べて、以下のように語呂合わせをすると簡単に覚えられます。
AN OSAS COMP (アン・オサス・コムプ)
この語呂合わせに意味はありませんが、暗号のような言葉を覚えれば迷ったときに困ることはありません。
2つのOは「主観 → 客観」で区別
語呂合わせの「AN OSAS COMP」の「AN」以外は形容詞を指しますが、1つ目のOpinionだけが意見や評価を表す「主観的な語」です。そして2つ目(Size)から8つ目(Purpose)はすべて事実を表す「客観的な語」となります。つまり、形容詞を並べる順番は「主観 → 客観」が基本だということです。
語呂合わせの「AN OSAS COMP」にはOが2つあるので、どちらかわからなくなる可能性がありますが、形容詞の順番が「主観 → 客観」だと知っていれば、簡単に2つのO(OpinionとOrigin)の区別ができます。
2つのSは「大きさ → 形状」で区別
語呂合わせの「AN OSAS COMP」にはOのほかにSも2つ(SizeとShape)あります。この2つのSも形状より大きさが優先される「大きさ → 形状」というルールを覚えておけば、戸惑うことはありません。
まとめ
外国人が日本語の助詞である「てにをは」を間違えると不自然に聞こえるように、ネイティブも形容詞の順番がルールにそっていないと不自然に聞こえるそうです。もちろん意味は伝わりますが、自然な英語を身につけたい人は順番を覚えることをおすすめします。そして順番を身につけたい人は、間違いを恐れずに形容詞をどんどん使いましょう。間違いは上達のワンステップに過ぎません。間違えた分だけ上達するはずですよ!
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