IELTSで永住権を取得しよう!基本情報から必要なスコアまで分かりやすくご紹介

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IELTS(International English Language Testing System)は、英語圏の国々に進学、留学、就労、移住を希望する人たちの英語レベルを測定する、ハイクラスな英語試験です。オーストラリアやニュージーランド、カナダなどの国の永住権を取得するためにIELTSを受験する人も多いでしょう。

そんなときに気になるのは、必要なスコアや試験の対策方法についてです。そこで、この記事ではIELTSの試験の概要や、永住権を取得するのに必要なスコア、スコアアップのコツなどをまとめて解説します。

IELTSには2種類ある

IELTSには、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールという2種類の試験があります。それぞれ試験の内容やスコアの活用シーンなどが異なるため、概要をよく確認して自分の目的に合ったものを選ぶことが大切です。では、この2つにはどのような違いがあるのか見てみましょう。

アカデミック・モジュール

アカデミック・モジュール(以下アカデミック)は、英語圏の大学や大学院への留学を望んでいる学生に向けて、入学レベルの英語に到達しているかどうかを測るテストです。アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの大学においては、このアカデミックのスコアが入学許可の基準となっています。

アカデミックの試験は、ライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4分野で構成されています。試験の所要時間は合計で2時間45分です。

この試験では、大学の講義や学術論文、専門家の講演など、アカデミックな会話やシーンが設定されているのが特徴です。

ジェネラル・トレーニング・モジュール

ジェネラル・トレーニング・モジュール(以下ジェネラル)は、英語圏への就労や移住を望んでいる人に向けた、ビザを申請するときに必要な英語力を証明するためのテストです。このテストで一定のスコアを取得するとともに他の要件を満たせば、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドへの移住が可能になります。

ジェネラルの試験内容は、アカデミックと同じくライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4分野です。試験の所要時間もアカデミックと同じで、合計2時間45分です。

試験内容は、ライティングとスピーキングにおいてはアカデミックとは異なり、日常シーンで使われる一般的な英語が出題されます。アカデミックと比べるとより理解しやすく、全体的な難易度が低いのが特徴です。ただし、その分スコアを取得するために必要な正答率は高く設定されています。

永住権を申請したい人はジェネラルを受けよう!求められているスコアとは?

外国で永住権を申請するためにIELTSを受けるのであれば、ジェネラルの受験が必要です。永住権を取得できるスコアの基準は、国によって異なります。そこで、ここからは国別に、必要なスコアを紹介します。

オーストラリア

オーストラリアの永住権を申請する際は、ポイントテストという加算式のテストで60点以上を取得しなければなりません。このポイントテストにおいて、IELTSは必須の試験です。

IELTSでは、ジェネラルの全セクション(ライティング・リーディング・リスニング・スピーキング)で6.0以上のスコアが必要です。

ただし、申請する職業によっては必要なスコアが変わります。医療系などの専門職などにおいてはさらに高いレベルが求められ、7.0が必要です。こうした条件は変更されることもあるので、詳細はオーストラリアのイミグレーションサイトで確認するとよいでしょう。

ニュージーランド

ニュージーランドの永住には、技術移民・投資家・起業家・家族などのカテゴリーがあります。自分が該当する部門を選んで永住ビザを申請し、英語力を申請します。ニュージーランドの永住権申請の場合には、IELTSのスコアはアカデミックとジェネラルのどちらでもかまいません。

必要なスコアは、選択したカテゴリーによって異なります。たとえば、技能移民カテゴリーではスコアが6.5以上、申請者のパートナーおよび子どもは5.0以上が必要です。

投資家カテゴリーではスコアが3.0以上、起業家定住ビザでは、スコアは4.0以上必要です。どちらのカテゴリーにおいても、申請書に記載されたパートナーおよび16歳以上の子どもは、4.0以上のスコアが求められます。

カナダ

カナダでは、永住権を申請する際に、IELTSのスコアが「CLB(Canadian Language Benchmarks)」という基準に変換されます。IELTSのスコアをCLBに変換するには、まずIELTSの4技能の平均を出し、次に0.25以下の端数を切り捨てます。

永住権を取得できるかどうかは、ポイントシステムで判断されます。学歴・職歴・英語力などの項目があり、一定以上のポイントを取得すると永住権が取れるという仕組みです。必要な水準は、利用する制度や条件などにより異なります。

イギリス

イギリスへの移住を希望する人は、英国ビザイミグレーションが認定したテストセンターで、ビザ申請のためのIELTSを受験する必要があります。ビザ申請のためのIELTSは、IELTS for UKVIと呼ばれています。IELTS for UKVIには、「A1」「A2」「B1」という3種類のテストがあり、このうち一つを選択して受験します。

通常のIELTSでは受験後にスコアが出ますが、IELTS for UKVIに関しては、合格か不合格かのどちらかです。永住権を取得するには、「B1」の試験に合格しなければなりません。

IELTSで必要なスコアを取得するための対策

永住権申請のためにIELTSを受けるのであれば、必要なスコアを取得できるようにしっかりと対策しておきましょう。IELTSの試験はリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4セクションに分かれているため、各分野でそれぞれの対策が必要です。そこで、ここからは必要なスコアを取得するための勉強方法をセクションごとに紹介します。

リーディング

IELTSのリーディング試験は60分で、問題数は40問です。限られた時間内でたくさんの設問に正しく答える必要があるため、ある程度のリーディング速度が求められます。普段から英文の多読をしてさまざまな文章に触れておけば、本番でもスムーズに文章の内容を理解できます。

英文を速く読むためには、英語を英語のまま理解することが欠かせません。普段から英英辞書を使うなどして、英語から英語への変換に慣れておくとよいでしょう。

長文を読むときには、まず設問のほうを先読みすることも効果的です。設問に目を通して何が問われているかを把握しておけば、長文を読むときにそのポイントに集中でき、効率よく答えを見つけられます。

読んでいる最中は、人物名や場所、時間などのキーワードに印をつけておくと、後から読み返すときに便利です。

リスニング

IELTSのリスニング試験は4つのパートで構成されており、問題数は全40問、試験時間は30分です。

リスニング音声はアメリカ、イギリス、オーストラリアなどさまざまな英語圏の音声が使われているため、普段からさまざまな発音やアクセントに慣れておく必要があります。

リスニング試験でも、設問を先読みすることが正答率を伸ばすコツです。各設問に入る前の短い時間にさっと設問に目を通し、出題内容を把握したうえでリスニング音声を聞いて答えを探しましょう。

IELTSのリスニング試験には、記述式で回答する設問もあります。記述式では一つのスペルミスでも不正解とされることがあるため、注意が必要です。特に、名詞では単数形なのか複数形なのかで間違えやすいため、リスニングの段階でしっかり聞き取るようにしましょう。

ライティング

ライティング対策では、過去の公式問題集のサンプル解答を、一度書き写してみるとよいでしょう。段落の出だしの言葉や各段落の構成など、書き写すことで新たな発見があり、正しく英文を書く感覚を身につけられます。

ライティングパートはタスク1とタスク2に分かれています。タスク1は図や表を見て、特徴を述べたり比較したりします。タスク1では自分の意見を入れず、客観的な事実だけを書くのがポイントです。

タスク2は、ある課題について自分の知識や経験を含めながら意見を述べる、エッセイ式の問題です。しっかり自分の意見を主張しているかどうかや、一貫性を持たせながら理由を展開しているかどうかがチェックされます。主張する意見の正当性は問われないので、理由を説明しやすい考えを選んでライティングするようにしましょう。

スピーキング

IELTSのスピーキング試験は、試験官と1対1の対面方式です。日常生活に関する質問(4〜5分)、スピーチ(3〜4分)、ディスカッション(4〜5分)の3つのパートに分かれています。

スピーキング対策では、よく使えるフレーズを覚えておくことが大切です。たとえば、以下のような表現が役立ちます。

Back when I was〜. (私が~だったとき、)

In my opinion, ~(私の意見としては、~)

I’m convinced that〜. (私は~だと確信しています)

There’s no way that〜. (~なはずがありません)

You’re absolutely right. (おっしゃる通りです)

I’m afraid I disagree. (残念ながら同意できません)

I can see both sides. (両方の立場を理解できます)

IELTSのスピーキング試験では、質問の意図を理解できなかったときやよく聞き取れなかった場合には、聞き返すことが認められています。そこで、以下のようなフレーズも覚えておきましょう。

Sorry, I didn’t catch that. (すみません。聞き取れませんでした)

Could you say that, again? (もう一度言ってもらえますか)

Could you explain the question, please? (質問について説明してもらえますか)

IELTSでスコアアップするためのコツ

どの試験にも言えることですが、試験対策をするときには押さえておくべきコツがあります。この段落では、IELTSでスコアアップするために役立つ3つのコツを紹介します。

過去問題を繰り返し解く

1つめのコツは、公式問題集などを使って、過去に出題されたのと同じ形式の問題を繰り返し解くことです。過去問を解くことでIELTSの出題形式に慣れることができ、傾向も把握できます。

試験前には、本番の試験と同様の問題構成・問題数が収録された問題集を使って、時間を計りながらチャレンジしてみましょう。いわばIELTSの模擬試験を受けていることになり、時間配分に慣れるのに役立ちます。

間違えた問題は解答を確認して、なぜ間違えたのか理由をはっきりさせておくことが大切です。間違えた問題には印をつけておいて、少し時間が経ってから再びチャレンジしてみましょう。すべて正しく解答できるようになるまで、何度も解き直すことで苦手を克服できます。

単語帳を使って単語力を伸ばす

2つめのコツは、単語帳を使って単語力を伸ばすことです。IELTSではライティングだけでなくリスニングでも記述形式の回答があり、正しいスペルで英単語を書くことが求められるからです。せっかく正しい文法を使えても、スペルミスなどがあるとそれだけでその箇所の採点はゼロになってしまうこともあります。

もちろんリーディングパートでも、書かれている英文を正しく理解するための語彙力は欠かせません。単語をしっかりマスターすれば、スピーキングテストでも場面に合わせて最適な語を選んでスムーズに話せます。

具体的な対策としては、市販のIELTS対策の単語帳を活用して、すきま時間などに少しでも単語を覚えるようにしましょう。単語は繰り返しにより定着力がアップするため、通勤時間や休憩時間、夜寝る前など短い時間でも何度も反復することが大切です。

単語帳が1冊終わったとしても、2周目、3周目と同じ単語帳をさらに繰り返して勉強するのがおすすめです。そうすれば、時間が経つとともに忘れてしまっていた単語なども、もう一度思い出してしっかり覚え直すことができます。

英会話教室でアウトプットをする

3つめのコツは、英会話教室でアウトプットをすることです。独学ではインプットに偏りがちですが、ライティングやスピーキングを伸ばしたいならアウトプットの機会を持つことが欠かせません。

英会話教室では、特にスピーキング力をぐっと伸ばすことができます。ここで大切なのは、グループレッスンではなくマンツーマンレッスンを選ぶことです。英語のスピーキングスキルは人によってかなり差があり、英語を学ぶ目的も人それぞれです。マンツーマンレッスンを選ぶことで、IELTS対策としてのレッスンを受けやすくなり、苦手分野に合わせたアドバイスなども得られます。

オンライン英会話のレアジョブなら、入会金や教材費は無料で毎日マンツーマンレッスンが受けられます。外国人講師と日本人講師の両方が在籍していて、学習目的に合わせたレッスンが可能です。

永住権申請に使えるテストはIELTS以外にもある!

永住権の申請に使えるテストは、IELTSだけではありません。最後に、CELPIPとPTEという永住権申請の際に使える2種類のテストを紹介します。

CELPIP

CELPIP(セルピップ)とは、カナダで移民申請をする際に、英語力を証明するのに使える試験です。リスニング音声は北米発音の英語が使われているのが特徴で、カナダですでに生活している人にとっては聞き取りやすいと感じられるでしょう。

CELPIPも、IELTSと同じようにリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4セクションで構成されています。どのセクションも、完全コンピューターベースでテストが行われます。

試験内容は一般生活やビジネスなど身近な話題が中心で、カナダに関するトピックがよく出題されます。試験時間はリスニング47〜55分・リーディング55〜60分・ライティング53分・スピーキング15〜20分です。

CELPIPは歴史の浅い試験であるうえ、情報や教材などの管理が厳しく、対策教材は市場ではほとんど出回っていません。練習問題を解きたい場合は、公式サイトから教材を購入するのがよいでしょう。

PTE

PTEとは、Pearson Test of English Academicの頭文字を取ったものです。イギリスの教育サービス会社が開発した試験で、英語力証明試験として広く受け入れられています。オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・カナダでは、永住権申請の際にPTEを証明として活用できます。

PTEの試験はすべてコンピューターベースで、申し込んだ次の日に受験できます。結果が出るまでの期間も1〜5営業日と短く、スピーディーに試験を受けられるのが特徴です。

PTEの試験内容は、スピーキングとライティング77〜93分・リーディング32〜41分・リスニング45〜57分の3セクションです。IELTSと異なるのは主にリスニングで、PTEには要約する問題と聞き取り(ディクテーション)があります。スピーキングとライティングに関しては決まったテンプレートがあるので、しっかり対策すれば点数を伸ばしやすくなっています。

IETLSと永住権について理解できたら

オーストラリアやカナダなどの国の永住権を取りたいなら、十分な英語力が備わっていることを試験結果で証明しなければなりません。IELTSなどの試験を受けるのであれば、事前にしっかりと対策をして必要なスコアを得られるように準備しましょう。

試験対策では、問題演習などの独学に加えて、オンライン英会話を活用することもとても効果的です。本気で取り組みたいというひとは、レアジョブ英会話の無料体験レッスンを活用してみてください。

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