英語の多読とは?効果的なやり方やおすすめの本を紹介

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英語力を上げるには、普段から少しでも英語に慣れておくことが大切です。生活のなかで英語と触れる時間が少ないと、久々に向き合ったときに難度が高く感じたり、ハードルが上がったりしてしまいますよね。

そこで英語に触れることを習慣化するためにおすすめしたいのが、「多読(たどく)」という方法です。

英語のインプット力が格段にUPする多読とは、どのような方法なのでしょうか?今回は多読について徹底解説します。

英語の多読とは?メリットはなに?

「多読(たどく)」とは、文字通りたくさん本を読むことです。

英語の多読の大きな目的は、英語のインプット力を高めることです。たくさんの英文を読み続けるうちに、英文を読むことへの抵抗感が減り、英文を読む感覚が培われていきます。続けることで語彙力や読解力もだんだん身につくものです。

英文を一度頭の中で日本語に直して訳す癖も減っていき、英文を英語の順序のまま読む「英語脳」を育てるのに役立ちます。

多読で大切なポイントは、とにかく読み進めることです。わからない英単語や文法などが出てきても、立ち止まって辞書で調べることはしません。意味がわからなくても気にせず読み進めて、とにかく英文にたくさん触れることを重要視しています。

そのためにも、自分にとって難度がそこまで高くない、読みやすい本を選ぶことがポイントです。

精読との違いは?

多読と似た言葉に「精読(せいどく)」があります。精読は多読とは異なり、1つ1つの英単語の意味や文法、文章の構造などを確認しながら読み込んでいく方法です。

精読の目的は、文章の意味や構造をしっかり理解すること。文中でわからない英単語や文法があれば、毎回意味を調べながら進めます。英語の授業で教科書を読むのが、まさに精読です。

一方多読は、立ち止まってわからない英単語などは調べません。たくさんの英文を読むことがポイントなので、わからないものがあってもスキップして読み進めます。

多読の効果的なやり方を解説!おさえておくべきポイントは?

せっかく多読にチャレンジするなら、できるだけ効率良くやりたいですよね。以下では、これから多読を始める人のために、多読を行う際のポイントをご紹介します。

最低限の単語や文法はマスターしておく

多読を始める前に、まずは英語の基礎を固めておくことが大切です。

多読はあくまでも感覚的な方法です。英単語の意味がわからなくても、「この文脈だとこの単語はおそらくこういう意味だろうな」「これはたぶん地名なんだろうな」という推測と感覚で読み進めます。

そのため、TOEIC800点や英検1級のような難度の高いものまではいりませんが、最低限の英語力は必要です。それがないと意味の推測すら難しくなり、英文の内容がまったくわからなくなってしまい読み進められません。

基礎的な英語力は、具体的にいうと中学~高校で習う英語の基礎くらいまではおさえたいところ。ある程度基礎的な英語知識の土台があったうえで多読すると、少しずつ感覚的に読み進められるようになります。

本は自分のレベルに合ったもの&興味のあるジャンルから選ぶ

本選びも重要なポイントです。たくさん本や記事を読むといっても、自分に興味のない内容だと日本語でもあまり読む気にはなりませんよね。

多読に限らず、英語学習の継続のコツは何よりも楽しむことです。せっかく多読でたくさんの英文を読めるので、自分が読んでいてわくわくするもの、楽しめるもの、興味のあるジャンルを選びましょう。

特に、「多読だからたくさん英文を読むぞ!」と意気込んで、いきなり慣れない英語小説や論文などを読み始めても、なかなかうまく進みません。それよりは、興味のあるジャンルの英語のWebサイトや、エンターテイメント系の雑誌などでも十分多読の効果はあります。

例えば化粧品が好きな方は、海外の美容情報サイトのコラムを読んでみるなど、楽しんで多読できるものを見つけましょう。

英語のレベルも、自分に合ったものを選ぶのが大切。まずは多読に慣れるために、自分が自覚している英語レベルよりも、少しやさしすぎるくらいのレベルから始めるのがおすすめです。

辞書を使わずに読み進める

多読をするときは、わからない英単語や文法などがあっても基本的に辞書は使いません。意味を推測してそのまま読み進めます。

多読の目的はとにかくたくさん英語に触れることなので、わからない英単語などがあって読むのを止めてしまうとサクサク読み進められません。読み進められなくなるとモチベーションも下がり、結果的に読むこと自体億劫になってしまいます。

英語の教科書で勉強する感覚が身についていると、始めは難しいかもしれません。しかし多読の目的を思い出し、意味がわからなくても読み進める癖をつけていきましょう。そのためにも、難度が低いものから読むのがおすすめです。

どうしても気になる英単語や、意味がわからないと展開が読めないようなものは調べてもOKです。

返り読みをせず冒頭から順番に読み進める

返り読みもできるだけ避けたい方法です。返り読みとは、いったん英文を最後まで読み切ったあとに、また冒頭に戻って訳していくことをいいます。

英語の教科書を使った学習では良くある方法ですが、多読ではおすすめしません。

そもそも英語と日本語は、主語や述語などの順序がまったく異なります。英文をきれいに日本語に訳そうとつい返り読みをしてしまいがちですが、それでは読むのに時間がかかってしまいます。

例えば、

I went to Thailand last year.

私・行った・タイへ・去年

のように、英語は英語の順序のまま頭の中で訳してしまうほうが、スムーズに読み進められます。

わからないところは飛ばす

辞書を使わないことに関連しますが、わからない部分は思い切ってスキップする勇気も必要です。何度読んでも意味がわからない部分でいつまでも立ち止まっていると、なかなか前に進めません。

わからない部分や読みにくい部分は、一行でも1ページまるごとでも、サッと飛ばしましょう。もちろん本自体わかりづらかったり、思ったより難易度が高かったりした際は、本ごと別のものに変えるのもOKです。

楽しんで多読することを優先して判断してください。

まずは1日1時間程度読む。無理のない時間で行う

本来英語は、1年で100万語読むことが推奨されています。これは一般的な小説で10冊ほどになります。しかしいきなりそのような量を読むとなると、心理的ハードルも上がってしまいますよね。

そのため、多読にまだ慣れないうちは、まず無理のない範囲で少しずつ読めるような目標設定をしましょう。自分のペースに合った目標は、モチベーション維持にも役立ちます。

最初は1日1時間読むくらいで十分です。例えば通勤時間が片道30分かかるなら、ちょうど往復の電車に乗っている間だけ読む。もしくはランチのあと15分、夜寝る前に45分くらい読むといった感じで、自分の生活スタイルに合わせてフレキシブルに多読を取り入れてみてください。

忙しくてまったく読めない期間があっても気にせず、無理のない範囲で続けることが大切です。

英語の多読におすすめな本を10選紹介!

多読のポイントがわかってきたところで、多読におすすめの本を10冊ピックアップしてご紹介します。気になるものにぜひチャレンジしてみてください。

※ご紹介している価格は、販売元によって異なる場合がありますこと、ご了承ください。

ハリー・ポッター好きにおすすめ!

The Worst Witch』はイギリスの児童文学で、NHKの海外ドラマ「ミルドレッドの魔女学校」の原作にもなった人気シリーズです。何巻もシリーズ化されています。

魔女学校の1年生のミルドレッドは、何をやっても失敗ばかりの落ちこぼれの魔女。そんなミルドレッドを中心にしたストーリーは、最後スカッと爽快になるような明るいストーリーです。ハリー・ポッターなど魔法系ファンタジーが好きな方におすすめ。

英文は中学英語レベルで、初心者向きです。

おすすめレベル初級
著者Jill Murphy
出版社Puffin
価格(税込み)1,553円(ハードカバー)

可愛いマッド・サイエンティストが繰り広げるコメディ

Lunch Walks Among Us (Franny K. Stein, Mad Scientist Book 1)』は、マッド・サイエンティストの小さな女の子フラニーが主人公。遺伝子操作をしたり怪物を作り出したりと、フラニーの破天荒で強烈な行動は、読んでいて刺激的で飽きません。

可愛いイラストも豊富で、イラストで状況をイメージしながら英文を読み進められるため、多読初心者に適しています。

ただし科学や動物など専門用語がたまに出てくるので、意味のわからない英単語が出てくる確率は高いです。ちょっとブラックでシニカルな話が好きな方には、ぜひ一度読んでほしい一冊です。

おすすめレベル初級
著者Jim Benton
出版社Simon & Schuster Books for Young Readers
価格(税込み)1,159円(ペーパーバック)

くすりと笑える勘違いコメディ

Amelia Bedelia (I Can Read Level 2) 』は、裕福な家庭で働く家政婦のアメリア・ベディリアが主人公の話です。アメリアは言われたことをすべて文字通りに受け取ってしまう癖があり、そのせいでさまざまなトラブルが起こります。

英語を文字通りそのまま受け取ってしまう勘違いは、英語ネイティブではない方が見ても他人事と思えないことも多いです。予想外の勘違いにくすりと笑えて、英単語の勉強にもなります。

挿絵が多く英文が少なめなので、絵本感覚で楽しみながら読むことができます。多読の最初の一冊としておすすめです。

おすすめレベル初級
著者Peggy Parish
出版社Greenwillow Books
価格(税込み)1,068円(ペーパーバック)

ニューベリー賞受賞の著者が書く、男の子の優しい日常

多読初心者向けの洋書で、よくおすすめに挙がるのがこの『Marvin Redpost #1: Kidnapped at Birth?』です。

主人公は9歳の男の子マーヴィン。彼は自分が行方不明になっている、とある国の王子様だと思い込んでいます。著者のルイス・サッカーは、アメリカで優れた児童文学に贈られるニューベリー賞を受賞。

全8巻あり、巻が進むごとにおもしろくなる話の展開は、読んでいてわくわくします。英語のレベルもやさしいので、多読初心者にぜひ読んでほしい作品です。

おすすめレベル初級
著者Louis Sachar
出版社Random House Books for Young Readers
価格(税込み)758円(ペーパーバック)

人とは違う顔を持った男の子の成長物語

こちらは映画化もされた大人気作品です。『Wonder』は2017年に映画「ワンダー 君は太陽」として公開され、世界中の映画ファンを魅了しました。

主人公のオギーは10歳の男の子。オギーには生まれつき遺伝子の疾患があり、人とは異なる目立つ顔を気にしていました。そのオギーの自分探しの成長物語に加え、オギーを取り巻く家族や友人たちの成長物語でもあるハートフルストーリーです。

使われている英語もわかりやすく、難度もそこまで高くありません。心がじんわり温かくなるようなストーリーに触れたい方におすすめです。

おすすめレベル中級
著者R J Palacio
出版社Corgi Childrens
価格(税込み)1,203円(ペーパーバック)

ナチス占領下での、少女と家族の勇気ある物語

Number The Stars』は、第二次世界大戦中のユダヤ人迫害を題材にした作品です。ナチス占領下のデンマークで暮らす10歳の女の子アンマリーと、家族の勇気ある行動を描いたスリリングで感動的な物語です。

戦争と迫害という重いテーマを扱っていますが、児童向けの作品なので使われている英語の難度は低めです。日本語で読むのとはまた違う感覚で、重要な歴史や現実を知ることができる、読む価値のある一冊です。

著者のロイス・ローリーも、ニューベリー賞の受賞者です。

おすすめレベル中級
著者Lois Lowry
出版社Clarion Books
価格(税込み)1,848円(ハードカバー)

金融街をゆるがしたウォール街の狼の実話

The Wolf of Wall Street』は、2013年に「ウルフ・オブ・ウォールストリート」としてレオナルド・ディカプリオ主演で映画になった作品なので、知っている人も多いかもしれません。

1980年代の、ニューヨーク随一の金融街・ウォール街。そこを舞台に、瞬く間にトップ証券マンになったジョーダン・ベルフォートの実話をもとにした話です。破天荒なジョーダンの生きざまはスリリングで、最後までどきどきしながら読み進められます。

ブラックコメディやアメリカの金融業界に興味がある人、仕事や生きざまについて考えたい人におすすめです。

おすすめレベル中級
著者Jordan Belfort
出版社Bantam
価格(税込み)3,216円(ハードカバー)

世界的に有名なミステリーを原作で

The Adventures of Sherlock Holmes Illustrated』は、誰もが知っている世界的人気シリーズ、「シャーロック・ホームズ」の一作目です。日本語では「シャーロック・ホームズの冒険」として有名ですね。

シャーロック・ホームズシリーズの英語レベルはTOEIC500点ほどと言われており、英文の難度はやや高めです。もともとシャーロック・ホームズが好きな人や、ミステリーや謎解きが好きな人にはきっとわくわくする多読体験になることでしょう。

ある程度多読に慣れてきて感覚をつかめてきたら、新たなステップとしてぜひチャレンジしてみてください。

おすすめレベル上級
著者Arthur Conan
出版社Independently published
価格(税込み)2,045円(ペーパーバック)

動物たちによる独裁政治を描く

Animal Farm』は、日本語で「動物農場」としても知られています。動物たちが主人公の寓話です。著者のジョージ・オーウェルは、『1984』で有名なイギリス人作家。彼の作品は人気があり、高校の教科書などにも採用されています。

この作品は100ページちょっとという短さと、動物たちの会話が多く入れこまれているため、多読の練習に適しているのが魅力。

動物たちの話ですが、独裁政治や政治的自由を題材にしており、人間社会に当てはめて考えさせられる内容です。

おすすめレベル上級
著者George Orwell
出版社Penguin UK
価格(税込み)1,475円(文庫本)

誰にも解き明かされていない究極の質問

イギリスで大きな人気を誇る物理学者、スティーブン・ホーキングが書いた『Brief Answers to the Big Questions: the final book from Stephen Hawking』。

「神は本当に存在するのか?」「人類は宇宙に移住できるのか?」「人工知能は人間より賢くなるのか?」など、人々が抱く大きな疑問にホーキング博士が回答しています。

上記のような疑問を一度でも抱いたことがある方にはもちろん、科学や物理学に興味がある人にはとても楽しめる内容です。英語もそこまで難しすぎるわけではないので、多読上級者におすすめ。日本語でもぜひ読んでほしい、ホーキング博士の未来への熱いメッセージが満載です。

おすすめレベル上級
著者Stephen Hawking
出版社John Murray
価格(税込み)4,986円(ハードカバー)

英語の多読について理解できたら

多読を続けて英文に慣れることで、英語力やインプット力は驚くほどUPします。英語に対する抵抗感が減り、自信もついてくるでしょう。何より、英語原文のまま作品を読めるのはとても楽しい体験です。

多読でインプットが増え、英語脳が育ってきたら、次はぜひその知識をアウトプットしましょう。レアジョブ英会話の無料体験レッスンなら、英語ネイティブのフィリピン人講師との英会話レッスンを2回まで無料で受けられます。興味のある人は、ぜひ検討してみてください。

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