「適切な」を意味する英語表現を使い分けよう!ニュアンスの違いを解説

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「適切な人材」「適切な判断」「適切な処置」など、「適切な」という表現は日常生活で頻繁に使われますよね。日本語では「状況や目的等に合っていて物事にふさわしい」ときに使いますが、英語で表現する際にはいくつか相当する英単語があり、似た意味なので置き換えが可能な場合もあります。けれども、それぞれの英単語の意味が異なるように、それぞれのニュアンスも微妙に変わるため、使い分けが難しいかもしれません。

そこで今回は、「適切な」を意味する英語表現を使い分けるために、それぞれにニュアンスの違いを例文とともに解説します。

よく使われる「適切な」を意味する英語表現

「適切な」と聞いて思い浮かぶ英単語は、「suitable」「proper」「appropriate」の3つでしょう。実際にこの3つの英単語はよく使われるので、これらのニュアンスの違いから見ていきます。

条件の適切さを表すsuitable

suitableは目的・場所・人などが特定の条件に合っていることを表す形容詞です。

「(人に)都合がいい」「(目的・好み・条件などに)合う」という意味を持つ動詞のsuitと、「~できる」を意味する形容詞のableで構成されることからもニュアンスが理解できるでしょう。

I haven’t found a suitable job yet, but I still live in hope. (私はまだ適切な[条件に合った]仕事を見つけていないが、希望は捨てていない。)

It is not a suitable time for launching forth on a new business undertaking. (新しい事業を始めるのに最適な[ふさわしい]時期ではない。)

launch forth on ~で「~を始める」「~に乗り出す」という意味。

目的や状況の正しさを表すproper

properは目的や状況等に則した正しいものを表す形容詞。「適切な」「ちゃんとした」「ふさわしい」「好ましい」という意味の他、「社会のしきたりにおいて適切である」というニュアンスも含まれます。

We should have had a proper discussion before voting. (投票する前に適切な[ちゃんとした]話し合いをするべきだった。)

He gave us a proper example. (彼は私たちに適切な[正しい]例を示した。)

特定の状況や機会の適切さを表すappropriate

appropriateは特定の人・条件・場所などに行動や服装などがふさわしいことを表す形容詞で、特定の目的などに「割り当てる」という意味の動詞としても使われます。suitableと意味がよく似ていますが、appropriateの方がフォーマルな表現です。

She gave a speech appropriate to the occasion. (彼女はその場に適した[ふさわしい]演説をした。)

Is this film appropriate for young children? (この映画は子どもに適した[ふさわしい]映画ですか?)

この3つの英単語には意味が重なる部分があるため言い換えが可能ですが、そのニュアンスは異なります。以下の3つの文は、「私たちは適切な場所を見つけた。」という意味です。

We found a suitable place.
We found a proper place.
We found an appropriate place.

suitableの文は求めている条件に「好都合な場所」、properの文は「正しい場所」、appropriateの文は状況や条件に「ふさわしい場所」となります。

「適切な」を意味するその他の英語表現

上記3つの他にもニュアンスで使い分けられる表現があるので見ていきましょう。

条件を満たした適切さを表すfit

fitは人・物・事がある目的や条件を満たして「ふさわしい」あるいは「ぴったりである」ことを表す形容詞。「適合する」「フィットする」という意味の動詞、「ぴったり合うこと」という意味の名詞としても使われます。

suitableと似ていますが、suitable は目的や条件などに合致していることを表し、fitは目的や条件などに対する適応性があり、特に行動などに用意ができていることを表します。

I don’t think I am fit for the present job. (私は今の仕事に適していない[向いていない]と思う。)

She is fit for the level of responsibility she’s been given. (彼女は与えられた責任の水準に適している[満たしている]。)

状況などの適切さを表すright

rightは物事が「ぴったり当てはまる」「うってつけである」ことを表す形容詞。また、道徳的に「正しい」、行為などが「正当な」という意味もあります。副詞や名詞の働きをすることもあるので注意しましょう。

He is the right person for the job. (彼はその仕事に適した[うってつけの]人物だ。)

It is the right time to start work. (仕事を始めるのに適切な時間だ。)

方法や手段の適切さを表すcorrect

correctは方法や手段が「適切な」「妥当な」という意味の形容詞。行動・服装などが礼儀正しくふさわしいことを表す他、事実に合致して「正しい」という意味もあります。また、動詞としても使われるので要注意です。

Please choose the correct answer. (適切な[正しい]答えを選んでください。)

It would be correct for you to ask for his advice. (君が彼の助言を求めるのが適切なやり方だろう。)

目的にふさわしい適切さを表すgood

goodは目的に対して「好都合で望ましい」あるいは「適している」「役立つ」ことを表す形容詞。副詞・名詞としての役割もあるので注意が必要です。

This knife is just good for slicing a loaf. (このナイフはパンを切るのに適している「ちょうどよい」。)

When would be a good time to phone? (電話をかけるのに適した[都合がいい]時間はいつですか?)

loafは一定の大きさの型で焼いたパンの「ひとかたまり」という意味。

表現や考えの適切さを表すhappy

happyは「幸せな」「楽しい」「ハッピーな」という意味を持つ誰もが知る形容詞ですが、言動や考え方などが巧みで適していることも表します。

That is a happy suggestion. (それは適切な[的を射た]提案だ。)

It wasn’t a happy choice of phrase given the circumstances. (状況を考えると、それは適切な表現の選択ではなかったね。)

circumstanceは人の置かれた「状況」「境遇」という意味。また、表現や考えの適切さを表すhappyに似た「felicitous」という言葉もあるので、併せて例文を示しておきます。意味は言葉や表現が「適切な」「うまい」という感じです。

She makes felicitous remarks that please her audience. (彼女は聞き手を喜ばすような気のきいたことを言う。)

タイムリーな適切さを表すopportune

opportuneはタイムリーで好都合であることを表す形容詞。「適切な」の他に「好都合な」「ちょうどよい」という意味もあります。

I believe that I have arrived at an opportune moment. (私は適切な[ちょうどよい]ときに到着したと思う。)

Would it be opportune to discuss the contract now? (今、契約について話すのに適していますか[都合がいいですか]?)

当面の問題に対する適切さを表すrelevant

relevantは直面している問題に対して妥当であることを表す形容詞。「適切な」の他に「関連がある」「妥当な」という意味もあります。

I don’t think that question is relevant.(その質問は適切ではないと思う。)

He copied the relevant data out of the encyclopedia. (彼は百科事典から適切な[関連のある]データをコピーした。)

態度やふるまいの適切さを表すseemly

seemlyは社会的に行動や態度が礼儀にかなって場にふさわしいことを表す形容詞。「ふさわしい」「礼儀にかなった」という意味です。

Young people should address their elders in a seemly manner. (若者は適切なマナーで年長者に話すべきだ。)

It isn’t seemly to let the baby play with scissors. (ハサミで遊ばせるなんて赤ちゃんにふさわしくない[適さない]。)

特定の目的を満たす適切さを表すadequate

adequateは資格や能力など特定の目的が要求を満たしている程度に「ふさわしい」ことを表す形容詞。「十分な」という意味もあります。

She is adequate to the task. (彼女はその仕事に適任だ。)

This material has adequate ductility. (この素材は適度な[十分な]柔軟性がある。)

ductilityは「柔軟性」「しなやかさ」を意味する名詞。

「不適切な」を意味する英語表現

「適切な」に相当する表現を見てきましたが、最後に「不適切な」を意味する表現も例文とともに見ておきましょう。「不適切な」を意味する表現は、これまでに示した「適切な」を表す英単語に反対の意味を示す接頭辞un – / in – / im – / ir – がついた表現や反対の意味を表す対義語となります。

suitable ⇔ unsuitable

unsuitableは条件の適切さを表すsuitableに接頭辞のun – がついたもの。「不適切な」「不適当な」「不向きな」という意味です。

Parts of this movie may be unsuitable for children. (この映画の一部は子どもには適さないかもしれない。)

He was wearing shoes that wear totally unsuitable for climbing. (彼は登山にまったく不向きな靴を履いていた。)

proper ⇔ improper

improperは目的や状況の正しさを表すproperに接頭辞のim – がついたもの。「不適切な」「ふさわしくない」「妥当でない」という意味です。「社会のしきたりにおいて不適切である」ことを含みます。

Jeans are improper for a formal occasion. (ジーンズは正式な場には不適切だ[ふさわしくない]。)

We were scandalized by his improper behavior. (私たちは彼の不適切な行動に憤慨した。)

appropriate ⇔ inappropriate

inappropriateは特定の状況や機会の適切さを表すappropriateに接頭辞のin – がついたもの。「不適切な」「不適当な」「妥当でない」という意味です。

It would be inappropriate for me to comment on what your boss said. (あなたの上司が言ったことについて私がコメントするのは不適切だろう。)

She tends to get the giggles at the most inappropriate moments. (彼女は最も不適切な瞬間にこらえきれずクスクス笑う傾向がある。)

get the gigglesは「こらえきれずクスクス笑う」という意味。

fit ⇔ unfit

unfitは条件を満たした適切さを表すfitの接頭辞のun – がついたもの。「不適当な」「不適任で」「そぐわない」という意味です。

The court claims she is an unfit mother. (裁判所は彼女が不適格な母親であると主張している。)

This water is unfit to drink. (この水は飲むのに適さない[ふさわしくない]。)

right ⇔ wrong

wrongは状況などの適切さを表すrightの反義語。「不適切な」「まずい」「ふさわしくない」という意味の他、道徳的に「悪い」、行為などが「不正な」という意味もあります。

This is the wrong time to tell him the truth. (今は彼に真実を話すのに適切な時期ではない。)

I have come at the wrong time. (悪い[まずい]ときに来てしまったようだ。)

correct ⇔ incorrect

incorrectは方法や手段の適切さを表すcorrectに接頭辞のin – がついたもの。「不適切な」「不正確な」「間違った」という意味です。

That was an incorrect explanation. (それは不適切な[間違った]説明だった。)

It’s incorrect to address people by their first names at these formal events. (これらの正式なイベントで人々にファーストネームで話しかけるのは不適切だ[ふさわしくない]。)

good ⇔ bad

badは目的にふさわしい適切さを表すgoodの反義語。「不適切な」「不都合な」の他に「悪い」「不道徳な」「不快な」など多くの意味があります。

She arrived at the worst possible moment. (彼女は最悪な[最も不都合な]ときに到着した。)

I know that this is a bad time to ask for help. (今が助けを求めるのに適した時期ではないことは分かっている。)

worstはbadの最上級で、at the worst possible momentは「最悪な瞬間」という意味。

happy ⇔ unhappy

unhappyは表現や考えの適切さを表すhappyに接頭辞のun – がついたもの。「適切でない」「まずい」の他に「不幸な」「悲惨な」「惨めな」など多くの意味があります。

It was an unhappy choice of words. (それは不適切な[まずい]言葉の選択だった。)

It might be an unhappy opinion. (それは不適切な意見かもしれない。)

opportune ⇔ inopportune

inopportuneはタイムリーな適切さを表すopportuneに接頭辞のin – がついたもの。タイムリーな適切さの反対となるので、「時機を失した」「不適当な」「都合の悪い」ときに使います。

They arrived at an inopportune hour. (彼らは不適切な[都合の悪い]時間に到着した。)

Difficulties seem to crop up at the most inopportune times. (困難は最も不適切な[都合の悪い]時期に発生するらしい。)

crop upは問題などが「突然持ち上がる」という意味。

relevant ⇔ irrelevant

irrelevantは当面の問題に対する適切さを表すrelevantに接頭辞のir – がついたもの。「不適切な」「見当違いの」「無関係の」という意味です。

There is no call for irrelevant arguments. (的外れ[見当違い]の議論は無用だ。)

We’re focusing too much on irrelevant details. (私たちは見当違いの詳細に集中しすぎている。)

call for ~は「~を必要とする」という意味なので、no call for ~は「~を必要としない」となります。

seemly ⇔ unseemly

unseemlyは態度やふるまいの適切さを表すseemlyの接頭辞のun – がついたもの。「不適切な」「ふさわしくない」の他に「不作法な」「見苦しい」など社会の規範に反する行為も含みます。

His unseemly joke made everyone at the party feel ill at ease. (彼の不適切な[その場にふさわしくない]ジョークのせいで、パーティーにいた人たちは白けてしまった。)

Everyone was shocked by her unseemly conduct. (誰もが彼女の不適切な[見苦しい]行動にショックを受けた。)

feel ill at easeは「気兼ねする」「気詰まりする」という意味。

adequate ⇔ inadequate

inadequateは特定の目的を満たす適切さを表すadequateに接頭辞のin – がついたもの。「不適切な」「不十分な」という意味です。

The causes of social distress include inadequate housing. (社会的な苦痛の原因には、不適切な[不備な]住居が含まれる。)

This computer is clearly inadequate for my needs. (このコンピューターは私のニーズに適していない[ニーズを満たしていない]。)

「適切な」を使い分けられるようになったら

「適切な」を表す英語表現は似た意味を持つがゆえに使い分けが難しいかもしれませんが、それぞれのニュアンスの違いを理解すれば使うのが楽しくなるはずです。

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