米国公認会計士(USCPA)に必要な英語力は?勉強法も解説!

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アメリカの各州が認定する米国公認会計士(USCPA)は、転職や就職、キャリアアップなど、ビジネスの場で活用できる魅力的な資格です。「日本人が合格するのは難しいのでは?」と感じる人もいますが、正しい方法で対策すれば決して手が届かない資格ではありません。

今回は、そんなUSCPA合格に必要な英語力、受験に向けて特に鍛えるべき力、英語力を鍛える勉強法などを詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

米国公認会計士(USCPA)試験の科目は?

はじめに、米国公認会計士(USCPA)試験にはどのような科目があるのか見ていきましょう。

Financial Accounting and Reporting(FAR)

Financial Accounting and Reporting(FAR)は、財務会計に関する科目です。出題内容と配点は、下記の通りです。

出題内容配点
Conceptual Framework, Standard-Setting and Financial Reporting25~35%
Select Financial Statement Accounts30~40%
Select Transactions20~30%
State and Local Governments5~15%

参考:米国公認会計士協会(AICPA)「the CPA Exam Blueprints, detailing content eligible for testing as of July 1, 2021」

出題形式は、4択問題の「Multiple Choice(MC)」と総合問題の「Task-based Simulation(TBS)」の2つで、MCが66問、TBSが8問。配点は、MCとTBSがそれぞれ50%です。

FARでは基本的な会計の知識が問われるため、日本で公認会計士や税理士の知識がある人にとっては馴染みやすく感じるでしょう。

Business Environment and Concepts(BEC)

Business Environment and Concepts(BEC)は、ビジネスに関する科目です。出題内容と配点は、下記の通りです。

出題内容配点
Enterprise Risk Management, Internal Controls and Business Processes20~30%
Economics15~25%
Financial Management 10~20%
Information Technology15~25%
Operations Management15~25%

参考:米国公認会計士協会(AICPA)「the CPA Exam Blueprints, detailing content eligible for testing as of July 1, 2021」

問題形式は先ほど紹介したMCが62問、TBSが4問、そして記述問題「Written Communication(WC)」が3問出題されます。配点はMCが50%、TBSが35%、WCが15%です。

BECでは、ビジネスにおける商取引の知識、そして実務での応用力などが問われます。

Auditing and Attestation(AUD)

Auditing and Attestation(AUD)は、監査および諸手続きに関する科目です。出題内容と配点は、下記の通りです。

出題内容配点
Ethics, Professional Responsibilities and General Principles15~25%
Assessing Risk and Developing a Planned Response25~35%
Performing Further Procedures and Obtaining Evidence30~40%
Forming Conclusions and Reporting10~20%

参考:米国公認会計士協会(AICPA)「the CPA Exam Blueprints, detailing content eligible for testing as of July 1, 2021」

問題形式はMCが72問、TBSが8問で、配点はそれぞれ50%です。

AUDでは、監査手続に関する知識や業務を円滑に進めるための応用力などが問われます。

Regulation(REG)

最後に紹介するRegulation(REG)は、職業倫理や法的責任など諸法規の科目です。出題内容と配点は、下記の通りです。

出題内容配点
Ethics, Professional Responsibilities and Federal Tax Procedures10~20%
Business Law10~20%
Federal Taxation of Property Transactions12~22%
Federal Taxation of Individuals15~25%
Federal Taxation of Entities28~38%

参考:米国公認会計士協会(AICPA)「the CPA Exam Blueprints, detailing content eligible for testing as of July 1, 2021」

問題形式はMCが76問、TBSが8問で、配点はそれぞれ50%です。

REGでは、ビジネス法や契約、税法など幅広い内容が問われます。

米国公認会計士(USCPA)試験の出題形式は?

それでは次に、USCPAの出題形式であるMC・TBS・WCの3つについて詳しく見ていきます。

Multiple Choice(MC)

四択問題のMultiple Choice(MC)は、4科目すべてで登場します。PCの画面上に四択問題が出題され、正しい選択肢をクリックするシンプルな形式です。問題を解く際は、電卓やエクセルなどのツールを使うことができます。

下記は米国公認会計士協会(AICPA)が2019年に公表したUSCPAのリリース問題ですので、イメージを掴むための参考にしてみてください。

Which of the following statements is correct concerning both an engagement to compile and an engagement to review a nonissuer’s financial statements?

A.The accountant expresses no assurance on the financial statements.
B.The accountant should obtain a written management representation letter.
C.The accountant need not obtain an understanding of internal control.
D.The accountant must be independent in fact and appearance.

参考:米国公認会計士協会(AICPA)「140 free CPA Exam multiple-choice questions (MCQs)」

Task-Based Simulation(TBS)

Task-Based Simulation(TBS)では、表の穴埋めや数値の入力、資料のレビュー、データベースの検索など、さまざまな事例問題を通して総合的な知識を測定します。このTBSは、MCと同様に4科目すべてで登場します。会計や監査の知識があるだけでなく、思考力や処理能力をチェックされるのが特徴です。

例えば穴埋め問題では、問題をしっかりと読んで理解した上で、自分で比率などの数値を導き出して打ち込まなければいけません。電卓やエクセル、文献、提示資料、ハイライトなどのツールを必要に応じて活用し、何を求められているのか正しく答える能力が不可欠です。

Written Communication(WC)

Written Communication(WC)は、BECの3問でのみ出題される記述式の問題です。監査法人として取引先へビジネスレターを書いたり、経理担当者として上司にビジネスメモを書いたりなど、設問のシチュエーションに応じて適切な英文を書くことが求められます。

そのテーマに関する知識や単語力が求められるのはもちろん、英語で文章を書く際の手順やノウハウを理解していなければいけません。何をどのような構成で書くべきなのかを、一度頭の中で整理してから、導入・本論・結論を意識して書くことが重要です。

また、減点方式であることから、機械採点でより高い点数を獲得するためのテクニックなども磨いておくべきでしょう。

米国公認会計士(USCPA)に必要な英語力

“米国公認会計士”と聞くと難易度が高そうに感じますが、一体どのくらいの英語力が必要なのでしょうか。

結論から言うと、大学受験で学ぶレベルの英語力があればチャレンジが可能です。特別に難しい英単語や文法の問題が出題されることはなく、大学レベルまでの英語を習得している方であれば合格の可能性は十分にあります。

また、ペーパーテストのためリーディングとライティングのスキルだけが測定され、スピーキングスキルが不要な点も英会話が苦手な人にとってはうれしいポイント。リーディングとライティングの基本を押さえつつ、さらに会計用語などの専門的な英単語を習得すれば合格の確率を上げられます。

USCPAの難易度が具体的にどのくらいかと言うと、英検であれば1〜2級程度、TOEICであれば800点が目安のため、一つの指標として参考にしてみてください。

最も重要なリーディングスキル

USCPA試験のほぼ9割を占めるのが、リーディングテストです。リーディングテストに登場する英文に複雑な表現は少なく、簡単な文章を中心に問題が展開されます。もちろんすべて英語で出題されますが、先ほどお伝えした通り大学受験レベルの英語力で読み解けるため過度な心配はいりません。

ですが、問題数が多いことからも、スラスラと読み進める力がなければ時間が不足してしまうため要注意。特にAUDは計算問題がなくすべて文章問題のため、要点を押さえつつ速く読むことが重要です。

USCPAのリーディングテストを攻略するためには、問題を解く際の基礎となる単語力を鍛えてから、速読力を磨くことが鍵となります。解答時間が足りないと焦りからミスも増えてしまうので、まずは確かな基礎力を固めましょう。

1科目だけで勝負するライティングスキル

ライティングスキルが問われるWritten Communication(WC)は、BECでしか出題されません。配点もBEC全体のうち15%のみと割合が低く、リーディングスキルと比べると重要度は下がります。なお、採点は機械が行います。

IELTSなどの英語試験で出題される高度なアカデミックライティングとは違い、基本的な英文構造を理解していれば十分な点数を取ることが可能です。ライティングの学習をしたことがない人でも、過度な不安を感じる必要はありません。

とはいえ、まったく対策をせず完全に落としてしまうと合格率は下がるので、最低限の対策はしておきたいもの。汎用性の高いフレーズを暗記したり、論点を簡潔に書く練習をしたりといった基礎はしっかりと固めておきましょう。

リスニング・スピーキングは不要。ただし今後導入される可能性も

ここまでお伝えした通り、USCPAの試験はリーディングの問題がほとんど、そしてライティングが1科目で3題だけ出題されます。そのため現時点では、スピーキングとリスニングの対策は不要だと言えるでしょう。

ただ、今後スピーキングとリスニングの試験が導入される可能性もゼロではなく、実際に検討しているという噂も。それに、もし導入されなくても、スピーキングとリスニングのスキルは英語の基礎力を身につける上で重要です。そのため今後のキャリアを見越して、個人的に学習を進めておくのも悪くはありません。

ただ、現時点の話でいえばUSCPAの対策においては不要のため、学習を進めていないからといって焦る必要はないでしょう。

米国公認会計士(USCPA)受験のために特に鍛えるべき力

こちらでは、米国公認会計士(USCPA)受験に必要とされる速読力・読解力・会計専門用語について詳しく解説していきます。

速読力・読解力

USCPAでは1科目あたり70~80問を超える問題が登場し、サクサクとスピード感を持って解くことが求められます。時間内に解答を終えるためには速読力が必要ですが、正答率を上げるためには内容を正しく理解する読解力も必要です。

また、試験は約4時間と長丁場のため、最後まで集中力を切らさないことが不可欠。特に、今まで長時間の試験を受けたことがない人は、途中で問題を解く気力が無くなってしまうケースも珍しくありません。せっかく英語力があっても、集中力がなければ不合格になってしまう可能性があるため気をつけたいところ。

USCPAの試験を受ける方は、まず速読力と読解力を鍛えることが大切。その後、時間を計って問題を解く練習をするなど、集中力を養う学習にも取りかかるようにしましょう。

会計専門用語

USCPAの試験に登場する文法は、中学レベルの知識が完璧ならある程度問題ないといわれています。そのためすでに文法の基礎が身についている人は、それよりも専門用語をしっかりと覚えることが重要です。

まず、会計や監査、財務の分野で使用する単語や熟語は、確実に押さえたいところ。これらの専門用語に加えて、ビジネス関連の英文によく登場する表現や慣用句をマスターすれば、速読力と読解力は格段に上がるでしょう。

TOEICや英検などの試験とUSCPAでは単語の種類が異なるので、学習を進める際はUSCPAに特化した参考書を活用することがポイントです。

米国公認会計士(USCPA)試験に必要な英語力を鍛える勉強法

それではどのように英語力を鍛えるべきなのか、こちらでは学習に使う教材や具体的な学習法について解説していきます。

専用のテキストを使用する

すでに大学受験レベルの英語力が身についている人は、専門のテキストや問題集を使って勉強を進めましょう。

USCPAは英検やTOEIC、IELTSなどほかの英語試験とは違い、会計や監査に特化した単語や問題が出題されます。また問題の内容も英語力を問われるだけでなく、会計や監査の知識があるかどうかを問われるのが特徴です。専門的な試験であることから、専門分野と関連性のないテキストを使うのは効率が悪いと言えます。

また、インターネットで検索すればUSCPAのサンプル問題が解ける米国公認会計士協会(AICPA)のサイトも出てくるので、こちらで力試しをしてみるのもおすすめです。

米国公認会計士試験に出る英語をたくさん読む

先ほど、USCPAの試験を突破するためには、専門の参考書や問題集を使うことが大切だとお伝えしました。速読や読解力が何より重要なため、USCPAに特化した英語を読んでとにかく問題に慣れるようにしてください。

学習の際は、一度解いた問題を解きっぱなしで放置するのではなく、完璧に解けるまで何度も反復して解き直すことが重要です。

また、記憶を定着させるためには、毎日コツコツと継続して学習することも不可欠。時間がある方は毎日長時間の学習を続けるのももちろん良いですが、忙しい社会人の方などは30分でも良いので学習を途切れさせないようにしましょう。

専門用語をしっかりと暗記する

USCPAでは専門用語がたくさん登場するため、会計に関する単語力は欠かせません。速読力・読解力を高めるためにも、分からない単語がないくらいしっかりと単語を暗記しましょう。

「単語を覚えるのが苦手」や「効率的な暗記方法が分からない」という方は、自分で単語帳を作ったりノートに書き留めたりするのも一つの方法。参考書や問題集を解いて、分からない単語に出会ったら、その都度記録することがポイントです。

また、単語を暗記する際は一度にすべて完璧に覚えようとするのではなく、同じ単語を毎日見返して少しずつ記憶に定着させるのがおすすめです。毎日の単語学習で確実にインプットしながら、自分のやりやすい暗記方法を模索してみてください。

米国公認会計士(USCPA)の勉強は独学でもできる?

USCPA試験に向けた勉強は、独学でできないことはありません。すでに一定レベル以上の英語力がある人、試験に向けて腰を据えて学習する時間がある人などは、参考書や問題集を購入して独学で進めるのも一つの選択肢です。

また、モチベーションを自分で維持できる人や、自分に合った学習方法を見つけるのが得意な人など、英語学習に慣れている人も独学で挑戦できるでしょう。

ただし、基礎的な英語力が身についていない人や、出願までの手続きがよく分からない人など、不安が多い場合は予備校へいくのがおすすめ。予備校であれば効率的な学習方法やUSCPA突破のコツを教えてくれるだけでなく、出願までの手続きなどもサポートしてくれるので安心感があります。

米国公認会計士試験に必要な英語力について理解できたら

本記事を通して、USCPAの試験内容、必要とされる英語力、具体的な学習方法などが分かったはず。「USCPAに合格したいけど何から始めたら良いのか分からない」という人は、専用の参考書や問題集を使った学習から始めてみてください。

また「一人で試験勉強をするのが不安」や「効率的に学習したい」という方は、レアジョブ英会話を利用するのもおすすめ。

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