英語の前置詞overの意味をわかりやすくご紹介!弧をイメージしてみよう

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「overっていろんな意味があるからどう使えばいいかわからない…」
こんな悩みを持っている人は多いかもしれません。頻出単語の前置詞overですが、「上に」という意味だけしか知らないという人もいるでしょう。

実際、overには様々な意味があり、表現の幅を広げるためにもぜひニュアンスの違いを知っておきたいところです。

こちらの記事では、そんなoverの意味をイメージを用いてわかりやすく紹介します。イメージさえ押さえておけば、知らないフレーズが出てきた時にも解釈できるようになるでしょう。

前置詞overのイメージ

前置詞overと聞いて「上に」と訳する人は多いのではないでしょうか。しかし、overには様々な意味があるため、まずは核となるイメージを覚えておくことをおすすめします。overは、何かの「上に弧を描いたイメージ」で捉えましょう。

例えば、cover the table(テーブルにカバーをかける)というフレーズでは、物理的にテーブルの上を覆うようにカバーがかかっているのがイメージできますね。ただ単に「上に」ではなく、上を包み込むようなニュアンスです。

英語を学習するうえでは知らない単語に出会うことが多いもの。そのような場合でも、ただ単語を丸暗記するのではなく、単語のイメージを捉えておくことで意味を推測しやすくなります。

前置詞overの意味と例文

それでは早速、前置詞overの意味について解説します。例文もたっぷりと紹介するので、ぜひ参考にしてください。

位置関係や経路を表すover

Overは上に弧を描くイメージと紹介しました。overには「~の上に」「〜の上方に」「~の向こう側に」といった、位置関係や経路を表す意味があります。まずは以下の例文を見てみましょう。

The beautiful moon is over the mountain.(山の上にきれいな月が出ています)

これは、月が山の真上にあることを表現している文章です。overを使うことで山と月の位置関係がわかります。

The boy tried to jump over the wall.(男の子は塀を乗り越えようとしました)

こちらは経路を表すoverの使い方です。overのイメージとなる弧と、塀を飛び越える動作がまさにぴったりと重なります。位置関係のoverは静的なイメージですが、経路を表すoverには動的なイメージがあります。

覆うことを表すover

物理的に何かの上を覆っていると表現したい時にもoverを使いましょう。先ほど紹介した位置関係のoverは離れた状態で上にあるイメージですが、こちらは接触し、かつ上にあるイメージです。

I put my hands over my ears.(私は両手で耳をふさぎました)

こちらの文章を直訳すると、「私は両手を耳の上に置きました」となりますね。物理的に何かが何かの「上」にあることをoverで表現することができます。以下も同様のニュアンスの例文です。

Tom’s mother put a warm blanket over his body.(トムの母親は彼の体に温かい毛布をかけました)

A black rain cloud hung over the village.(黒い雨雲が村の上にかかっていました)

She pulled her hat over her eyes.(彼女は帽子を目深にかぶりました)

また、「全域に」「一面に」と表現したい時にもoverがよく使われます。地域や場所を覆うといったイメージです。この用法ではallを伴うことが多く、以下の例文のように使用できます。

I traveled all over the world.(私は世界中を旅行しました)

超過を表すover

overには「~を超える」といった超過を表す意味もあります。以下の3つの例文は、年齢や金額を超えると表現したい時に使用します。

My father is over seventy.(私の父は70歳を超えています)

This toy is for children over five.(このおもちゃは5歳より大きい子ども向けです)

This book cost over 2,000 yen.(この本の価格は2,000円を超えています)

この場合、対象となる70歳、5歳、2,000円は対象に含まれません。日本語の「~以上」とは若干異なるので注意が必要です。

In a little over 30 minutes I lost my concentration and felt drowsy.(30分を少し過ぎると、集中力がなくなって眠くなりました)

こちらは「30分を超えた時に」と言いたい時に使えるフレーズです。

また、「理解を超える」というニュアンスで、以下のような使い方もできます。

It’s over my head.(チンプンカンプンです)

これは、「自分の頭を超える=理解できない」という表現。「理解できましたか?」と聞かれた際に使えます。

支配を表すover

何かの上に弧があるイメージのoverですが、弧の下にあるものを支配・制御しているというニュアンスも持ちます。まずは、以下の例文を見てみましょう。

The small country was ruled over by neighboring countries.(その小国は近隣諸国から支配されていた)

Ruleは「支配する」という意味の単語です。overを使用することで、the small countryの上に近隣諸国が弧のように覆いかぶさっているイメージができるでしょう。

He doesn’t want anyone over him.(彼は人に上に立たれたくない)

こちらも支配や優位を表す意味で使われます。この場合は、彼の上に弧があり、その上に人がいるイメージですね。また、自分で自分をコントロールできるという意味で、以下のような使い方もできます。

I have control over myself.(私は自制力を持っています)

さらにoverには、「~を克服する」「~を乗り越える」「~から回復する」といった意味もあります。イメージとしては、ある問題があり、これを弧状にジャンプして乗り超えるといったニュアンスです。

She got over that trouble.(彼女はその困難を乗り越えました)

get overは「~を乗り越える」という意味ですが、over自体にも「乗り越える」といったニュアンスがあります。

My son got over his cold.(息子の風邪はもう治りました)

こちらは、風邪から回復したという表現です。風邪の上に弧があり、それを乗り越えたというイメージです。

上位や優先を表すover

2つ以上のものを比較し、上位や優先を表現したいときにもoverが使われます。

I prefer wine over sake.(私は日本酒よりもワインが好きです)

こちらは日本酒とワインを比べて、ワインを優先しているフレーズです。「~よりも~が好き」と言いたい時に便利な表現ですよ。

Team A maintained 3 points lead over team B.(AチームはBチームに対して3ポイントリードしていた)

一方、こちらは上位を表すoverの例です。得点を多く獲得しているAチームの上位性を表しています。

従事や手段を表す

少し珍しいのが、「~しながら」「~によって」など、従事や手段を表す意味合いです。早速、例文を見てみましょう。

We talked about the book over coffee.(私たちはコーヒーを飲みながらその本について話しました)

Let’s discuss the plan over lunch.(お昼を食べながらその計画について話し合いましょう)

How about watching a movie over wine?(ワインを飲みながら映画を観るのはどう?)

over coffeeやover lunchをoverのコアイメージに当てはめてみると、弧で繋がっているものは何だと思いますか?そうです、「会話」ですね。coffee、lunchの上に会話が飛び交っているイメージです。

また、以下のような「~によって」という表現もよく使われます。

She heard the news over the phone.(彼女は電話でそのニュースを聞きました)

「over=~しながら」という意味が頭の中でなかなか結びつかないという人は多いでしょう。まずは単語のコアイメージをしっかりと捉えることで、知らない表現に出会った時にも臨機応変に意味を解釈できるようになるはずです。

前置詞overについて理解できたら

こちらで紹介したように、overには複数の意味があります。まず初めにoverのイメージを理解しておけば、どんな文脈の中でも意味を推測しやすいのでおすすめです。

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