TOEICに挑戦する人は多くいますが、自慢できるスコアとは何点からなのでしょうか?2022年度のTOEIC L&R公開テストの平均スコア・スコア分布では、608点という点数でした。小学生から大人までの幅広い年齢層が受けているので、ご自身の年齢によって平均値や目指す点数が変わってきますが、今回はスコア別の分布データを見ながら解説します。
点数ごとのレベル感、受験や就職に有利になる点数などについても解説するので、ぜひ自身の実力測定や目標設定などの参考にしてみてください。
TOEICで自慢できる点数
2022年度のTOEIC公開テストで、TOEICで795点以上を取得した人は、受験者数全体の約20%を占めています。留学すると800点以上は取れるようになると一般的に言われていることがあり、800点以上取得するとすごいと思われる傾向にあります。「800点以上なんて取れない……」という方も、以下を読んで目標にしたいスコアの参考にしてみてください。
TOEICの平均スコアは608点(2022年度)
2022年度のTOEIC公開テストの結果では、平均スコアは608点。平均スコアであれば、一般的には「仕事で少しくらいなら英語を使える」というレベルです。翻訳ツールなど多少補助を使いながらも、英語をなんとか理解できる力はあるので、平均スコアから英語力のアピールをしてもよいでしょう。履歴書に書けるTOEICのスコアも600点程度からが目安になっています。
出典:TOEIC Program DAA2023(和文)2023年8月版|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
TOEICスコアの分布
平均スコアは確認できましたので、ここでスコアの分布を社会人と学生で分けて見てみましょう。
出典:DATA&ANALYSIS 2023,2022年度 受験者数と平均スコア
まず、社会人は平均点が638点で、先ほど確認した全体の受験者数の平均608点よりも高い数字となっており、高得点者が多い傾向にあります。社会人のスコア分布について見ると、645点~745点までのスコアが多いことからも分かります。社会人であれば745点以上を取れば上位3割に入れるでしょう。社会人で初めてTOEICを受験する人は、ここから目指してみたはいかがでしょうか。
続いて、学生のスコア分布も見てみましょう。学生受験者の平均は581点で、社会人受験者の平均638点と、全体受験者の平均608点よりも低い傾向があります。ここで気になるのは、就活で活かせるスコアですよね。
就活でアピールできるスコアとは
TOEICには明確な点数基準はありませんが、700点以上は一般的に「高得点」と捉えられることが多いです。1つは、新入社員に求められるTOEICのスコアが425~645点というデータ(※)があるので、その最低限のスコアを超える700点なら、並の新入社員よりは頭一つ抜けるということから、700点以上から高得点と言ってよいでしょう。
2つ目の理由は外資系の企業で求められる最低スコアがおよそ700点のためです。外資系では英語を武器ではなく道具として使いこなす必要があります。700点以上は、英語を割と使うビジネスパーソンとして活躍するには最低限必要な点数と捉えられます。
出典:新入社員 TOEIC Listening & Reading 最新データ|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
TOEIC845点以上で上位10%に入る
2022年度のTOEIC公開テストの結果では、845点以上が全受験者の上位約10%(※1)に入っています。上位10%というのは、自慢できるほどの高得点と言っても差し支えないでしょう。
またTOEICはあくまで相対評価のため、上位10%に入れるかどうかは、回によって変わります。また、「上位10%でなければ受けてもムダ」ということもありません。845点は一つの大きな目標と捉えて、自分の実力を少しずつ上げていきましょう。
出典:公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
自慢したくなるスコア別の評価
TOEICはスコアごとにどのようなことができ、どのような特徴があるのでしょうか。評価はあくまで目安のため、参考として考えてくださいね。
TOEIC700点台の一般的な評価
TOEIC700点台の人なら、リーディングであれば長文・短文どちらもある程度理解できると見なされるレベルでしょう。リスニングも単語を聞き漏らすこともあまりなく、聞き返しも少なくコミュニケーションができるといったイメージをもたれます。700点台は平均点を上回るので、「英語が得意」とアピールしやすいスコアです。就職先は外資系企業や海外進出を考えている日本企業が考えられます。
一方で、同じ700点台でもスピーキングやライティングの能力は人によってまちまちです。オンラインレッスンなどで練習するとリーディング・リスニングのスコアアップにつながる可能性もあるので、一度検討してはいかがでしょうか。
TOEIC800点台の一般的な評価
TOEIC800点台の人ならリーディング・リスニングどちらも長文を理解でき、自分の考えも述べられるでしょう。専門的なことや慣れないトピックではつまずくこともありますが、基本的な英語を使った実務には十分対応できるレベルです。
TOEIC800点台は英語がメインの企業でも問題なく就職できると見なされるスコアです。特に845点以上であればTOEIC全受験者の上位約10%に入るので、英語力が求められる企業へもアピールとなるでしょう。
TOEIC900点台の一般的な評価
TOEIC900点台はリーディング・リスニングともに最高水準のレベルと見なされます。900点台まで求める企業は多くないため、面接時に提示すれば先方にいい印象を持ってもらえるでしょう。
さらに自身の英語力を裏付けるアピールをしたい場合、スピーキングやライティングの実力を測る資格への挑戦もおすすめします。例えば英検や、TOEIC Speaking & Writing Testsの試験などです。
「TOEIC点数を英語力別に解説!評価される基準はどこ?勉強法は?」記事に、詳しい分析や勉強法も紹介していますので、参考にしてくださいね。
TOEICで自慢できる点数をとる3つのメリット
TOEICで自慢できるような点数を取るメリットは3つあります。この記事だけでなく、「TOEICの平均点は?社会人、学生が目指すスコアを解説!」も参考にしてください。
就職や転職活動で英語力をアピールできる
例えば楽天グループでは、入社選考には関係ないとしつつも入社までには800点(※1)を取得するようにと明記されており、アマゾン(アマゾンウェブサービスジャパン、アマゾンジャパン)では新入社員に求めるスコアとして700点(※2)を一つの目安と明言しています。大企業ではより高い点数が求められる傾向があるといえるでしょう。高いスコアを取得しておけば、就職や転職先の候補もそれだけ幅広く選べるでしょう。
(※1)出典:エントリー前に関するご質問|楽天グループ
(※2)出典:エントリーについて|アマゾン
昇進・昇格の条件となっていることがある
就職同様、昇進でもTOEICのスコアが求められるケースがあります。国際ビジネスコミュニケーション協会の調査によれば(※)、「TOEICのスコアを昇進の要件・参考としている」と答えた企業は全体の約3割前後。これは係長・課長・部長・役員どのポジションでも同じでした。
さらに「新たに要件・参考とする可能性がある」と答えた企業も約10%いました。今すぐには必要でないとしても、将来に備えて自慢できるだけのスコアを取っておくことは重要でしょう。
出典:昇進昇格の条件|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
海外出張や赴任のチャンスが増える
海外への出張や赴任には高い英語力が欠かせません。国際ビジネスコミュニケーション協会の調査では、海外部門に期待するTOEICスコアは570~810点(※)でした。この数字はかなり範囲が広いですが海外へ赴いて仕事をするなら、TOEICで高スコアを取れる英語力は必要です。上位10%の845点ならほとんどの企業で要件をクリアできる他、700点以上でも十分に海外赴任を狙えるでしょう。
同調査によれば、海外出張や赴任の選考にTOEICを活用する企業は全体の60%近くに上りました。海外赴任を考えている場合、まずはTOEICを受けて自分の実力を測ってみてはいかがでしょうか。
出典:海外出張や赴任の基準|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
TOEICで高得点を取るための勉強法
何から始めていいのか分からない人は、過去問を解きましょう。そうして、今ご自身がどのくらいのレベルにいて、どんな問題につまずいているのかを分析し、弱点を知りましょう。やはり高得点を取るには、それなりの時間の確保が必要だと思います。ここでの基礎力アップ勉強法はシンプルに3つです。
- 語彙力を伸ばそう
- 英文をなるべくたくさん読もう
- 聞き流しの英語を聞いてみよう
過去問を解いて、自分の弱点が分かれば、それに合わせた参考書を解いてください。この時、色んな参考書に手を出さないで、1つの参考書を最後まで、何回も解いた方が記憶に残ります。
詳しい内容は、「TOEICを初めて受ける人は必見!目指すべきスコアや高得点を取る勉強法とは?」で紹介していますので、なるべく短期間でスコアアップを目指しましょう。
TOEICで自慢できる点数を目指すとともに
これまでTOEICスコアについて見てきましたが、自慢できるスコアや目標とするスコアをみつけられましたか?745点以上であれば学生・社会人どちらも上位20%には入れるため、800点以上が難しい方はひとまず745点以上を目指すのも一つの手です。
英会話力もつける
TOEICで英語の読み書きだけでなく、コミュニケーションツールとしてきちんと使える英語力を持っているとアピールできれば、より高い評価を得られるでしょう。TOEICは学校や企業で受ける機会も多い身近な試験です。TOEIC L&Rでは測れない英会話力を身につけていれば、就職や昇進だけでなく、世界で通用する英語力が得られるでしょう。
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