ネイティブと話していて「?」という顔をされたことはありませんか?それは間違いに気づかずに英語を話しているからかもしれません。この間違いは、ある程度英語が話せる人にも言えることです。
この記事では、日本人が間違えやすい英語のフレーズや文法、さらに使い分けしにくい英単語について解説します。ぜひ間違えていないかチェックしてみてください!
よくある表現の間違い
文法的には間違えていなくても、その表現は「?」の原因になるかもしれないという表現をピックアップしました。
病院に行く
体調が悪く「病院に行きたい」と伝えるとき、日本語の通り「I want to go to a hospital」と表現すると、ネイティブにかなり心配されます。
その理由は、hospital(病院)という単語です。なぜなら、病院に行くのは“かなり重症のとき”に限られているから。単に「診察してもらう」という意味ならsee a doctorと表現します。
☓→ I want to go to a hospital. (病院に行きたいんだけど)
○→ I want to see a doctor.(病院に行きたいんだけど)
遊ぶ
遊ぶはplayと習うので、大人同士で「また遊ぼうね」や「友だちと遊ぶ」と表現するときにplayを使う人がいます。けれどもplayは子どもが遊ぶときの表現なので、大人が遊ぶ場合には使いません。大人はhang outやcatch upなどを使います。hang out with ~で「~と遊ぶ」という意味で、スラング表現です。
hang outには「遊ぶ」「一緒に過ごす」の他に、「(何かを)出す」あるいは「(何かが)出ている」という意味もあるので要注意。また、catch upにも「追いつく」や「遅れを取り戻す」などの意味があります。
☓→ Let’s play again sometime! (近いうちにまた遊ぼうね!)
○→ Let’s hang out again sometime! (近いうちにまた遊ぼうね!)
○→ Let’s catch up some time next month! (来月中にまた遊ぼう!)
sometimeは将来のある時点を指すので「近いうちに」、some timeは「期間」を表すので「来月のいつか」となります。
また、以下のようにspend time with ~(~と一緒に過ごす)やenjoy – ing with ~(~と–するのを楽しむ)のような表現を使ってもいいでしょう。
I like to spend time with my friends on the weekends. (週末友だちと過ごすのが好きなんだ)
I enjoy having brunch with my friend on Sundays. (日曜日に友だちとのブランチを楽しむんだ)
ミスする・間違える
日本語で「間違える」ことを「ミスする」と表現するためmissを使う人がいますが、英語のmissには「間違える」という意味はありません。missは「取り逃す」「間に合わない」「恋しく思う」という意味。「ミスする」「間違える」の正しい表現はmake a mistakeです。
「間違える」の正しい表現:
Anybody can make a mistake. (誰でもミスをする)
She made a mistake on purpose. (彼女はわざと間違えた)
missの正しい使い方:
Don’t miss the ball! (空振りするなよ!)
Hurry up! We are missing the opening ceremony. (急いで!開会式に遅れそうだよ)
I miss my son. (息子が恋しい[息子に会いたい])
トイレを借りる
トイレを借りたいとき、日本語のままCan I borrow the toilet / bathroom?と尋ねると、家主は驚くことでしょう。
その理由は「借りる」を意味するborrowという単語。borrowは確かに「借りる」という意味ですが、「ペンを借りる」「自転車を借りる」のように借りたものを使用した後に返すイメージ。ですからトイレを借りたいときに使うと、トイレを取り外して使い、使った後に返しに来るイメージになってしまうので適していません。正しい表現は「使う」を意味するuseです。
☓→ Can I borrow the toilet? (トイレをお借りできますか?)
○→ Can I use the bathroom? (トイレをお借りできますか?)
予約する
「予約」と聞いて思い浮かぶ単語は、appointmentとreservationかもしれませんね。この2つを混同している場合があるので注意しましょう。
appointment | 時間・場所を決めて何らかの目的で会う場合 |
reservation | ホテル・列車・劇場・レストランなどの場所を確保する場合 |
このように2つの単語は予約する内容により使い分けが必要です。「予約する」と表現するときには、どちらもmakeを使います。もちろん、動詞のreserveでも表現できますが、日常会話ではbookの方が一般的。日本語でも二重の予約を「ダブルブッキング(double-booking)」と言いますが、これはbookを使った表現のひとつです。
make an appointment | 病院・美容院・面会など |
make a reservation | ホテルや劇場・コンサート・レストラン・列車・飛行機などの座席 |
I’d like to make an appointment with the doctor. (診察の予約をしたいのですが)
I’d like to make a reservation for four people on Friday night. (金曜の夜、4名で予約をお願いしたいのですが)
Can I reserve seats over the telephone? (電話で座席を予約できますか?)
I’ve already booked a hotel room for her. (彼女のためにホテルの部屋をすでに予約した)
クレーム
苦情などを言う「クレームをつける」はclaimではありません。claimは動詞で「必要とする」「奪う」、名詞で「主張」「権利」「要求」という意味。「クレームをつける」の正しい単語はcomplainまたはmake a complaintです。
She always complains about the volume of the music. (彼女はいつも音量についてクレームを言う)
He made a complaint about the service to the manager. (彼はサービスについて支配人にクレームをつけた)
claimの正しい使い方:
The typhoon claimed many lives. (台風は多くの人命を奪った)
He said his claim is not negotiable. (彼は彼の主張が交渉可能ではないと言った)
出発する
辞書を見ると「出発する」にはstartと出ているので間違えやすいのですが、場所を「出発する」場合はleave で表現。leaveは場所から離れていくイメージです。
I have to leave (my place) early today. (今日は早く出発しなければならない)
The train left London for Zurich at 6am. (電車はチューリッヒに向けて午前6時に出発した)
どうぞ
「どうぞ」はpleaseだからと、どんなときでもpleaseを使うのは間違いです。「お先にどうぞ」「さあ、どうぞ」と相手を促すときにはgo aheadを使います。また、何かを渡したりあげたりするときの「どうぞ」はHere you areです。
go aheadを使った「どうぞ」:
A: May I borrow this chair? (このイスをお借りしてもいいですか?)
B: Yes, go ahead. (ええ、どうぞ)
Here you areを使った「どうぞ」:
A: Hey, David. Can you pass me the salt? (ねえ、デビッド。塩をとってくれない?)
B: Sure. Here you are. (もちろん。はいどうぞ)
pleaseを使った「どうぞ」:
Please come in. (どうぞお入りください)
Have a seat, please. (どうぞお座りください)
通常、命令文にpleaseを添えて、二人称(you)に対して用います。
髪を切る
「髪を切る」「髪を切った」と言いたいときI cut my hairと表現したくなるかもしれませんが、これでは自分で自分の髪を切ったことになってしまいます。I get a haircutが正しい表現。getの代わりにhaveを使ってもいいでしょう。
Did you get a haircut? (髪を切った?)
I’ll have a haircut tomorrow. (明日、髪を切るんだ)
よくある使い分けの間違い
日本語の言葉に相当する英単語がいくつもあって使い分けを間違えたり、似たような意味の英単語の使い分けを間違えたりする場合を見ていきましょう。
やめる(止める・辞める)
「やめる」には多くの英単語があり、何をやめるのかによって使う単語が異なります。
stop | 動いているものや行動を止めるとき |
quit | 仕事・習慣などを辞めるとき |
resign | 正式に辞職・辞任するとき |
retire | 退職・辞職するとき |
leave | 学校・業務・クラブなどを辞めるとき |
give up | 習慣・関係・信念などをやめるとき、あるいは断念するとき |
end | 何かを終わらせる・やめるとき |
Stop talking about that! (その話はやめて!)
She quit her job after an argument with a colleague. (彼女は同僚との口論の後、仕事を辞めた)
The President is under intense pressure to resign. (大統領は辞任を迫られている)
Most people retire on a pension at 65. (ほとんどの人は年金がもらえる65歳で退職する)
He left school in the middle of the school year. (彼はその学年の半ばで退学した)
I finally gave up smoking. = I finally quit smoking. (私はついにタバコをやめた)
It’s about time to end it. (それをやめる潮時だ)
quitの活用変化はquit – quit – quitですが、イギリス英語ではquit – quitted – quittedを使う場合もあります。
edと- ing
形容詞の- ed(過去分詞)と- ing(現在分詞) の使い分けです。代表的なものは以下の通りです。
interested (興味がある) と interesting (興味深い、おもしろい)
bored (退屈な) と boring (つまらない)
tired (疲れて) と tiring (疲れさせる、やっかいな)
excited (興奮した、ワクワクした) とexciting (興奮させる、ワクワクさせる)
surprised (驚いた) と surprising (驚くべき、意外な)
confused (混乱した) と confusing (混乱させる)
☓→ I’m boring. (私はつまらない人間だ)
○→ I’m bored. (退屈だ)
基本的な使い分けは、主語が「人」のときには- ed、主語が「もの・事柄」のときには- ingを使います。
上記の例で☓とした文は文法的な誤りはなく、「退屈だ」という意味にはならないということ。ですから「彼はつまらない人間だ」と言いたいときには、He is boringと表現します。
主語が「人」のときに- edを使う理由は、- edで終わる形容詞は動詞の受身形だから。I’m boredの場合、もとになる動詞のbore(退屈させる)を受身形(be動詞 + 過去分詞 = am bored)で表し、主語の「私」が「退屈させられている」となるわけです。つまり、- edを使う場合は人の精神的・肉体的な状態を表しているということ。
I’m tired from swimming.(泳ぎ疲れる)
Swimming is tiring. (水泳は疲れる)
一方、主語が「もの・事柄」のときに- ingを使うのは受身形ではないから。- ingは主語となる「もの・事柄」の状態や気分などを表します。
meetとsee
どちらも「人に会う」という意味なので混同しがちですが、meetは初めて会う人に使います。初めて会った人へのあいさつが、Nice to meet you(お会いできて嬉しいです)になるのはそのためです。
I’ve met John before. (ジョンに会ったことがあるよ)
I‘m going to meet my sister’s new boyfriend tomorrow night. (明日の夜、妹の新しい彼氏に会うつもりだ)
また、meetは予定や計画を立てて誰かに会うときにも使います。
I suggested meeting on Friday.(私は金曜日に会うことを提案した)
Let’s meet tomorrow at 10am at the coffee shop. (明日の午前10時に喫茶店で会おう)
一方、すでに会ったことがある人にはseeを使います。ですから、すでに会ったことがある人と約束などをしたときには、I‘m looking forward to seeing you.(お会いできるのを楽しみしています)と表現しましょう。
It’s nice to see you again! (またお会いできて嬉しいです!)
I’m supposed to see Kate after work tomorrow. (明日は仕事帰りにケイトと会うことになっている)
comingとgoing
goは「視点から遠ざかる」イメージで、comeは「視点に近づいていく」イメージ。goは話し手と聞き手の両方から遠ざかる、あるいは離れていくことを表するので特に問題はありません。
I’m going to London next month. (来月ロンドンに行く)
You’re going to New York next week, aren’t you? (来週ニューヨークに行くんだよね?)
一方、「早く!」と言われて「今行くよ!」と返事をするとき、英語ではgoingではなくcomingを使います。その理由は、日本語と英語では視点が異なるから。日本語では「行く」にしても「来る」にしても話し手の視点で表現しますが、英語ではこの場合に限って聞き手の視点になります。
A: Are you coming to the party tonight? ([パーティーの主催者から]今夜パーティーに来る?)
B: Yep, I’m coming! (うん、行くよ!)
上記の文ではパーティーの主催者である聞き手に向かっているのでBはcomingを使い、下記の文では聞き手に向かっているわけではないのでgoingを使います。
A: Where are you going? (どこに行くの?)
B: I’m going to a party. (パーティーに行くんだよ)
noticeとrealizeとrecognize
どれも「気がつく」という意味なので使い分けに戸惑うかもしれませんが、以下のように覚えておくと使い分けしやすいですよ。
notice | 「五感で」気づく |
realize | 「頭で考えて・理解して」気づく |
recognize | 「以前に見聞きしたことがあると」気づく |
Did you notice a mole on her face? (彼女の顔のほくろに気づいた?)
I didn’t realize he was so ill. (彼がそんなにひどい病気だとは気づかなかった)
The dog can recognize its owner by his footsteps. (犬は足音で飼い主だとわかる[気づくことができる])
interestingとfunny
どちらも日本語では「おもしろい」という意味なので間違えやすいのでしょうが、意味はまったく異なるので注意が必要です。
interesting | 興味深い・興味をそそるなど、注目を集めるおもしろさ |
funny | おかしい・こっけいなど、人を笑わせるおもしろさ |
The movie was very interesting. (映画はとても興味深かった[おもしろかった])
The movie was very funny. (映画は笑っちゃうほどおかしかった[おもしろかった])
hopeとwish
どちらも「望む」「願う」といった願望を表す単語なため混同しがちです。両者の違いをしっかり確認しましょう。
hope | 実現が可能な願い = 実現の可能性が高い |
wish | 実現が不可能な願い = 実現の可能性が低い |
The boy is hoping for the present from his father. (少年は父親からのプレゼントを待ちわびている)
I hope it will be sunny tomorrow! (明日晴れるといいね!)
I wish I could understand what he’s saying in Spanish. (彼がスペイン語で言っていることが理解できればいいのにな)
We wish you would stop blaming us. (私たちを非難するのをやめてくれるといいのだが)
be allowed toとbe able to
どちらも「できる」を表しますが、be allowed to ~は「~することを許されている」、be able to ~は「~する能力がある」という意味です。
Is your child allowed to use a computer? (あなたの子どもはパソコンが使えるの[使うことを許されているの]?)
Is your child able to use a computer? (あなたの子どもはパソコンが使えるの[使いこなせるの]?)
put onとwear
どちらも「着る」という意味ですが、put onは「着る・身につける動作」を、wearは「着ている・身につけている状態」を表します。対象は服、メガネ、靴、帽子、手袋、アクセサリーなど。
I’ll hold your bag while you put on your coat. (コートを着る間、バッグを持っているよ)
She’s always wearing the engagement ring. (彼女はいつも婚約指輪をつけている)
finishとcomplete
どちらも「終える」「完了する」という意味です。finishは「目的を達成して終える」、completeは「時間をかけて初めから終わりまで完全に終える」ことを表します。
We worked round the clock to finish the job. (私たちは1日中働き、その仕事を終えた)
The project has been successfully completed.(プロジェクトは無事に完了した)
round the clockは「昼となく夜となく」「24時間」「1日中」という意味。
よくある文法の間違い
文法を正しく理解していないために起こる間違いをピックアップしました。
忘れがちな目的語
動詞の中には「目的語」を必要とするものがあり、このような動詞を「他動詞」と言います。他動詞を使う場合、必ず目的語を示さなければなりませんが、忘れてしまう場合があるので注意しましょう。
enjoy ☓☓
「とても楽しかったです」と表現するとき、目的語のitを忘れがち。もちろん、itではなく具体的に示してもいいでしょう。
☓→ I enjoyed so much!
○→ I enjoyed it so much!
○→ I enjoyed walking on the beach so much! (ビーチでの散歩はとても楽しかったです)
like ☓☓
「その場所が気に入っているんだ」と表現するときも、目的語のitを忘れがちです。thereは副詞なのでlikeの目的語にはなりません。もちろん、itを具体的に示してもいいでしょう。
☓→ I like there.
○→ I like it there.
○→ I like having coffee there. (その場所でコーヒーを飲むのがお気に入りなんだ)
appreciate ☓☓
「本当に感謝しています」とお礼を伝えるときのappreciateも目的語が必要です。
☓→ I really appreciate.
○→ I really appreciate it.
○→ I really appreciate your kindness . (あなたの親切に本当に感謝しています)
look forward to – ing
toは前置詞なので直後は名詞あるいは動名詞(- ing)のどちらかですが、toがあるのでto不定詞(to + 動詞の原形)にしがちです。これはネイティブでも間違える人がいるほど、よくあるミスです。頻繁に使う定番フレーズなので、間違えないようにしましょう。
☓→ I’m looking forward to see you this winter vacation.
○→ I’m looking forward to seeing you this winter vacation. (この冬季休暇にお会いできるのを楽しみしています)
○→ We look forward to your visit next week. (来週のご訪問を楽しみにしています)
toの後が動詞の原形seeは誤りで、seeingと動名詞にするの正しい表現。また、toの後のyour visitは名詞です。
What happened?
「どうしたの?」「何があったの?」と尋ねるとき、What’s happen?と表現するのは間違い。これでは「happenは何ですか?」という意味になってしまいます。
☓→ What’s happen? (= What is happen?)
○→ What happened?
○→ What’s happened? (= What has happened?)
○→ What’s happening? (= What is happening?)
○の3つはどれも「どうしたの?」「何があったの?」という意味。厳密には上2つはすでに起きたことに、3つ目は起こっている最中に使うのが自然です。
have been to ~
明確な過去と現在完了形は一緒に使えません。明確な過去を表すときには過去形を使います。以下の文の場合、明確な過去はfive years agoですから、動詞はgoの過去形wentを使うのが正しい表現です。
☓→ I have been to Egypt five years ago.
○→ I went to Egypt five years ago. (5年前にエジプトに行った)
ただし、「行ったことがある」と表すときにはhave been to ~を使います。
I have been to Egypt twice. (エジプトに2回行ったことがある)
have been – ing
期間を表す言葉は現在進行形と一緒に使えません。過去の一点から現在までを表すときには現在完了進行形(have been – ing)を使います。以下の文の期間を表す言葉は、for 3 yearsです。
☓→ I‘m living in Canada for 3 years.
○→ I have been living in Canada for 3 years. (カナダに3年住んでいます)= 今も住んでいる
日本人が間違えやすいフレーズや文法が理解できたら
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