英語で「大変」を表現するのは大変!?シーンに合ったフレーズを使い分けよう

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「わー大変だ!」
「大変な出来事が起きた」
「大変嬉しいです」

このように日本語で日常的に使われる「大変」という言葉。いざ英語で表現するとなると、「この場合はhard?difficult?それとも何か違う表現なの?」と戸惑いませんか?

その理由のひとつは、日本語の「大変」にはいくつか異なる意味があるからです。意味をしっかり理解していないと、英語で「大変」を表現するのはちょっと大変かもしれません。

そこで今回は、シーンに合った英語フレーズを使い分けられるように、「大変」を意味するさまざまな表現を詳しく解説します!

「大変」を意味するさまざまな英語表現

すでに述べたように、日本語の「大変」にはいくつか意味があり、大別すると以下の3つです。

・深刻さを表す「大変」

・難しさやつらさを表す「大変」

・程度のはなはだしさを表す「大変」

さっそく、それぞれの「大変」にどのような英語表現があるのか詳しく見ていきましょう。

深刻さを表す「大変」

「大変な病気」「大変な事故」「大変な誤り」など、深刻あるいは重大な状況を表す場合です。

serious

seriousは「真面目な」「真剣な」という意味で知られる形容詞ですが、事態や問題などが「重大な」、病気やケガなどが「深刻な」という意味でも使います。

「大変な病気」ならa serious illness、「大変な事故」ならa serious accident、「大変な誤り」ならa serious mistakeと表しましょう。

Sleep disorders are a serious psychological problem. (睡眠障害は大変[深刻]な心理的問題だ)

The flood caused serious destruction to the town. (洪水は町に大変[深刻]な被害をもたらした)

grave

graveは「お墓」の意味で知られていますが、形容詞では事態や病気などが「危機をはらんだ」「由々しい」という意味です。seriousよりも深刻な事態を暗示します。

He expressed grave concern about people’s attitudes. (彼は人々の態度に深刻な懸念を表明した)

It was the gravest political crisis in his career. (それは彼のキャリアの中で最も大変な政治危機だった)

難しさやつらさを表す「大変」

難しさやつらさを表す「大変」は頻繁に使われます。難しさやつらさの違いにより使い分けるのがポイント。hardとdifficult、toughとroughはそれぞれ似た意味があるので、ニュアンスの違いを確認しましょう。

hard

hardは「肉体的・精神的つらさ」を表します。difficultよりカジュアルな表現で、「つらさ」や「しんどさ」が含まれています。

Carrying heavy loads around all day is hard work. (1日中重い荷物を運ぶのは大変な仕事だ)

It’s hard being a single mother. (シングルマザーになるのは大変だ)

difficult

difficultは労力より「技術・才能・知恵などを必要とする難しさ」を表します。It is hard workとIt is difficult workはどちらも「大変な仕事だ」という意味ですが、hardを使った文は「骨が折れる仕事」、difficultを使った文は「難易度が高い仕事」というニュアンスです。

He’s in a difficult situation and does not know what to do.(彼は大変な境遇にあり、何をすべきかわからない)

It was a very difficult decision to make.(とても大変な[難しい]決断だった)

tough

toughは「容赦がない大変さ」を表現。達成・解決・回答・取り扱いなどが難しく、hardやdifficultより大変な状況のときに使います。

They’ve had an exceptionally tough life. (彼らは非常に大変な生活を送ってきた)

Yesterday’s rugby training was so tough! (昨日のラグビーの練習はとても大変だったよ!)

rough

roughは苦難に満ちた「不快さ」「苦しさ」「つらさ」を表現。荒波が押し寄せてくるような大変さで、「精神的なつらさ」を表します。

I had a tough weekとI had a rough weekはどちらも「大変な1週間だった」という意味ですが、toughを使った文は「厄介な問題でつらい1週間」、roughを使った文では「人間関係のゴタゴタでつらい1週間」というニュアンスです。

She had a rough time as she divorced and her father died. (彼女は離婚し、父親も亡くなり、大変なときを過ごしたよ)

I’ve been having a rough time at work. (職場で大変な目に遭っているんだ)

程度のはなはだしさを表す「大変」

次に「非常に」「とても」「ひどい」など、程度のはなはだしさを表す「大変」を見ていきます。

「とても」を意味する「大変おもしろい」「大変重い」などは、very interestingやso heavyのようにveryやsoが使われるのが一般的です。ここではそれ以外の表現を見ていきます。

great

「素晴らしい」「素敵な」という意味で日常的に使うgreatには、「a great reader(大変な読書家)」のような使い方もあります。また、「a great big spider(大変[すごく]大きいクモ)」のように直後の大きさなどを表す形容詞を強調して、副詞的に表現することも可能です。

A great talker is a great liar. (優れた話者は大変な[すごい]ウソつきだ)

What a great thick slice of meat! (なんて分厚い肉なんだ!)

really

reallyは「本当に」「実のところ」という意味の副詞ですが、段階的に変化する語の直前に置くと、「とても」「大変」という強調の意味になります。

He is really clever. (彼は大変[とても]賢い)

It’s really hot today, isn’t it? (今日は大変な「すごい」暑さだね)

extremely

extremelyは「極めて」「極度に」「とても」「大変」という意味の副詞。reallyと同様に形容詞を強調する働きがあります。

My mobile phone is extremely useful. (私の携帯電話は大変[とても]便利だ)

He was extremely fortunate to survive.(彼は生き残ることができて大変[非常に]幸運だった)

seriously

seriously は前述したseriousの副詞。「真面目に」「真剣に」の他、「深刻に」「ひどく」という意味もあります。

They’re seriously rich! (彼らは大変な金持ちだ!)

That boy was seriously injured in the car accident. (その少年は車の事故で大変なケガを負った)

remarkably

remarkablyは「非常に」「とても」「著しく」という意味の副詞で、驚きなどを強調するときに使います。

She plays the violin remarkably well. (彼女は大変[とても]上手にバイオリンを弾くんだ)

Tokyo is a remarkably noisy and crowded city. (東京は大変[とても]騒がしくて混雑した街だ)

super

この場合のsuperは「非常に」「ひどく」「ものすごく」という意味の副詞で、形容詞を強調します。

We eventually arrived at a super little hotel by the sea. (私たちはついに海沿いの大変[ものすごく]小さいホテルに到着した)

Do you think Chinese is super difficult? (中国語はすごく難しいと思う?)

terrible

terribleは「非常に悪い」「とても不快な」「ひどい」というネガティブな意味の形容詞で、何かを強調するときに使います。

Japan is often hit by terrible natural disasters.(日本はしばしば大変な[ひどい]自然災害に見舞われる)

I got a terrible shock the other day. (先日ひどいショックを受けた)

awful

awfulには形容詞の働きもありますが、この場合は「ひどく」「非常に」「すごく」という意味の副詞です。イギリス英語では副詞として使われません。

My boyfriend sweats an awful lot. (彼氏は大変[ひどく]汗をかく)

I’m awful tired from overwork. (過労で大変[へとへとに]疲れている)

horrible

horribleは「恐ろしい」という意味の他、「ひどくイヤな」「不愉快な」という意味がある形容詞です。

There was a horrible smell outside the factory. (工場の外で大変[ひどく]イヤな臭いがした)

I got stuck in horrible traffic this morning. (今朝、大変な[ひどい]渋滞に巻き込まれた)

日常会話でよく使う英語フレーズ

「大変」を意味する英単語のニュアンスの違いがわかったところで、普段日本語でよく使う「大変」の英語フレーズを見ていきます。

「大変だ」「大変だね」

自分自身のことを表現するなら「大変なんだ」、相手にいうなら「大変だね」「大変ですね」という意味になるフレーズです。

That’s ~

相手の話を聞いて「それは大変だね」という場合は、That’s ~で表現。~には「大変」を意味する形容詞を入れます。話の内容によって、hardをdifficultやterribleなどに変えましょう。強調するために、soやreallyを使っての表現も可能です。

That’s (so) hard. ([すごく]大変だね)

That’s (really) painful. ([本当に]つらいね)

That’s too bad. (最悪だね)

That sucks. (最悪だね)

That’s ~を使った「大変だね」を意味するその他の表現も示しておきました。painfulは「苦痛を伴う大変さ」、too badは「気の毒に感じる大変さ」です。That sucksはスラングで、自分に何かが起きたときに「大変!」という意味でも使えます。

また、自分が「大変なんだ」「大変だったんだ」というときには、事情を話した後にIt’s ~またはIt was ~で表現しましょう。

It’s really terrible. (本当に大変な[ひどい]んだ)

It wasn’t easy. (簡単ではなかった = 大変だったよ)

It was a pain. (苦痛だった = 大変だった)

That sounds ~

相手の話を聞いて「大変だね」という場合は、That sounds ~の方がより適しています。なぜなら、soundは「~に聞こえる」「~に思われる」という意味で、「大変そうだね」というニュアンスになるから。とても自然な英語です。

That sounds awful. (ひどいね)

That sounds rough. (大変だね)

That must be ~

must be ~は「~に違いない」という意味なので、「大変に違いない=大変だね」となります。

That must be tough. (それは大変に違いない = 大変だね)

That must be a serious problem. (それは深刻な問題に違い = 大変だね)

「大変だったね」

多忙だったり、トラブルに巻き込まれたり、不幸があったりしたときに、「大変だったね」と相手をねぎらうときには、上記で示したThat’s ~やThat sounds ~を過去形に変えてで表現しましょう。

That was pretty heavy. (かなり大変だったね)

That sounded a long day. (大変な1日だったね)

heavyは「重い」「激しい」という意味ですが、予定がビッシリつまったり仕事がきつかったりしたときに「大変」という意味でも使えます。prettyは形容詞の「かわいらしい」ではなく副詞の「かなり」「非常に」という意味ですが、強調する語ではありません。また、a long day(長い1日)やa tiring day(疲れる1日)も、「大変」という意味になるでしょう。

ここでは、上記以外の表現を見ていきます。

I’m sorry to hear that.

「それを聞いて気の毒に思う = お気の毒に」という意味。ひどい知らせや不幸があったことなどを聞いたときの表現です。

A: I crashed my car last night. I’m so bummed. I only bought it last week. (昨夜、車をぶつけちゃったんだ。かなり落ち込んでるよ。先週買ったばかりだもの)

B: I’m sorry to hear that. (それはお気の毒に = それは大変だったね)

You must have had ~

must haveは「~したに違いない」という意味。もちろん、roughやtoughの代わりにhardやterribleなどの形容詞でもOKです。

You must have had a rough time. (大変な時間を過ごしたに違いない = 大変だったね)

You must have had a tough year. (大変な1年を過ごしたに違いない = 大変な1年だったね)

「~するのが大変」

次は、「~するのが大変」「~するのに苦労する」という意味のフレーズです。

have trouble ~ing

troubleには「困難」「骨が折れること」という意味があるので、直後に- ing(現在分詞)を置くと、「~するのが大変」「~するのに苦労する」となります。

Many people have trouble sleeping after a long flight. (多くの人は長いフライトの後で眠るのに苦労する = 眠るのが大変)

If you domesticate this wolf, it will have trouble living in the wild. (このオオカミを飼いならすと、野生で生活するのが大変になるよ)

struggling

strugglingは「もがく」「努力する」を意味する動詞のstruggleの形容詞で、「奮闘する」「必死に頑張っている」という意味。

Are you struggling to learn French? (フランス語を習うのは大変?)

She was struggling to keep back the tears. (彼女は涙を抑えるのが大変だった)

having a hard time – ing

「~するのが大変」「~するのに苦労している」という意味。hardを他の形容詞に変えても表現できます。

He’s having a hard time living within her budget. (彼は予算内で生活するのに苦労している)

I’m having a rough time losing weight. (体重を減らすのが大変だ)

「仕事が大変」

Work is really hard(仕事は本当に大変だ)とシンプルに表現してもいいのですが、他にも表現があります。challengingは「大変だけどやりがいのある」という意味。

I’m having a really tough time at work. (仕事が本当に大変なんだ)

I’m so busy with my work at the moment. (今仕事が大変な[とても忙しい]んだ)

Your job sounds very challenging. (あなたの仕事は大変そうだね = やりがいがありそう)

「わー大変!」「まあ大変!」

予想外のことが起きて独り言のように「わー大変!」「まあ大変!」と表現するフレーズです。

Oh no!

「わー大変!」「なんてことだ!」「大変だ!」「あらまあ!」「うわーっ!」のように驚き・喜び・うろたえなどを表現。似た表現にoops!(しまった!)もあります。

Oh no! I’ve lost my wallet! (大変!お財布を失くしちゃった!)

Oops! I hit the wrong button. (おっとっと!違うボタンを押しちゃった)

Wow!

Oh noと同じように、驚き・喜び・うろたえなどを表現。「わー大変!」「うわーっ!」「すごい!」という意味です。

Wow! What a fantastic house! (大変!なんて素敵な家なの!)

Wow! Look at that! (わー大変!あれを見て!)

Oh, my goodness!

Oh, my goodnessはOh, my Godをソフトにした表現。Oh, my goshという表現もあります。どれも「わー大変!」「あらまぁ!」「なんてことだ!」という意味。

goodnessとgoshはGodの婉曲表現です。キリスト教では「神の名をみだりに唱えてはならない」という教えがあるため、Oh, my Godが神を冒涜する表現になるそう。宗教に敏感な人もいるので、Oh, my Godをやたらに使うのは避けた方が無難です。

Oh, my goodness! I’ve never seen anything like that! (なんてこと!そんなものは見たことがないよ!)

Oh, my gosh! What a mess! (あらまぁ!これは大変だ!)

What a mess!は「面倒なことになったな!」という意味で、この表現だけで「大変だ!」と表現できます。

フォーマルな場でよく使う英語フレーズ

最後に、「大変お世話になっております」「大変恐縮ですが」など、ビジネスやフォーマルな場でよく使われる英語フレーズを見ていきます。

「大変お世話になっております」

「お世話になっております」にはいくつか異なる表現があるので、内容によって使い分けましょう。

Thank you for your constant support. (変わらぬご支援に感謝いたします = 平素は大変お世話になっております)

Thank you very much for your cooperation. (ご協力に感謝いたします = いつもお世話になっております)

We’re always very grateful to you. (私たちはいつもあなたにとても感謝しています = いつも大変お世話になっております)

Thank you so much for always looking after my son. (いつも息子の世話をしてくれてありがとうございます = いつも息子がお世話になっております)

constantは「絶え間なく続く」、 supportは「支援」、cooperationは「協力」、gratefulは「感謝して」、look after ~は「~の世話をする」という意味。

「大変お世話になりました」

「大変お世話になりました」にも異なる表現がいくつかあります。

Thank you very much for all you have done. (あなたがしてくれたことすべてに感謝します =大変お世話になりました)

I really appreciate your kindness. (あなたの親切に本当に感謝します = 大変お世話になりました)

Thank you so much for everything. (いろいろとありがとうございました = 大変お世話になりました)

「大変恐縮ですが」

「大変恐縮ですが」を意味する表現も見ていきましょう。I’m terribly sorryは、I’m very sorryやI’m sorryでも構いません。

I’m terribly sorry but could you please show me how to use this? (大変申し訳ございませんが、使い方を教えていただけませんか?)

I’m sorry to bother you, but can you tell me how to get to the station? (大変恐縮ですが、駅への行き方を教えていただけますか?)

We apologize for any inconvenience caused while you’re busy, but could you explain it again? (お忙しいところ大変恐縮ですが、改めてご説明いただけますでしょうか?)

「大変申し訳ありません」

「大変申し訳ありません」は、I’m sorry for ~で表現。terribleやveryの代わりにdeeplyを使っても、「大変」という意味になります。

I’m very sorry for the delay in contacting you. (ご連絡が遅くなり、大変申し訳ありません)

We’re deeply sorry for causing you trouble. (ご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません)

「大変助かりました」

「大変助かりました」も日常的に使う表現ですね。helpは「助け」、helpfulは「助けになる」という意味。以下はどれも「大変助かりました」という意味です。

It was a great help.

You’ve been quite helpful.

You’ve helped me a lot.

「大変お待たせしました」

以下はどれも「大変お待たせしました」を意味する表現ですが、上から下へ向けて丁寧度が増します。

Thank you for waiting.

Sorry to keep you waiting.

I’m sorry to have kept you waiting.

Thank you for your patience.

「大変お久しぶりです」

「久しぶり!」とカジュアルに表現する場合は、Long time no see!と表現します。「大変お久しぶりです」は以下の通りです。

It has been ages since we last met.

It has been a long time since I saw you last.

We haven’t seen each other for a long time.

「大変」に関する英語フレーズを使ってみたいなら

日本語の「大変」には幅広い意味があり、英語で表現するのは大変かもしれません。まずは、どのような意味で「大変」を使うのかを考えましょう。シーンに合った使い分けができるようになるには時間がかかりますが、大切なのは何度も使ってみること。間違えを恐れずにどんどん使っていきましょう!

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