会話力アップにも役立つ！秋だから英語でミステリーを読もう

じっくり読書を楽しむのにいい季節になりました。英語の本を読めば、リーディング力アップにもつながります。「洋書をそのまま読むのは大変すぎて無理」と思っている人もいるかもしれませんが、ミステリーであれば、挫折することなく読み進めることができます。学習者向けに使用語彙を限ってまとめた本もあり、初級者や中級者にピッタリ。この秋は、ミステリーで英語読書を始めましょう。

ミステリーが英語学習に効く理由

「ミステリーには興味があるけれど、英語の本を１冊読み通すなんてできる？」「読めるようになっても、話すことには役立たないのでは？」と思ってはいないでしょうか。ミステリーは結末が気になって最後まで読んでみたくなりますし、語彙力や文章理解力がアップして、会話にもいい効果をもたらします。まずはミステリーが英語学習に向いている理由をご説明しましょう。

1.飽きずに読み進められる

「ひょっとしてこの人が犯人？」「どうやってアリバイを崩すんだろう？」と、ついつい先が気になって、英語でも最後まで読まずにはいられなくなります。一度読んだことのあるお話でも、「ここで犯人だと気づくのか！」と、新たな発見があるかもしれません。英語読書を始めたい人にとって、ミステリーは最適だと言えます。

2.やさしい英語で書かれた本が出ている

「ラダーシリーズ」のように、初級者・中級者向けに使用語彙を限ってまとめられたミステリー本があります。シャーロック・ホームズもの、アガサ・クリスティーの代表作、エドガー・アラン・ポーの古典的ミステリーなど、誰もが一度は読んでおきたいタイトルがずらり。１冊終えたらすぐまた次のものを読み始めたくなるはずです。

3. 会話力アップにも役立つ

「読書だから、リーディング力アップと、少しライティングに役立つかもしれないけれど、会話力アップには効かない？」と思ってはいないでしょうか。実は、ミステリーに限らず英語の本をたくさん読むことは、次のような力を育てることにつながり、会話にも効果が表れます。

・語彙が増える。
・どんどん読み進めることで、しゃべるときのように、文を頭から理解する力がつく。
・知っている単語、すなわち聞き取れた単語をもとに、何が言いたいか内容を把握することができる。
・話の流れを追うことで、「次はこういうことを言うに違いない」という予測力がつく。

4.いつでもどこでも読める

紙の本を買うのもいいのですが、現在はAmazonのKindleなど電子書籍になっているものが多く、スマートフォンにダウンロードして、電車の中や待ち合わせ場所など、スキマ時間に目を通すことができます。英語に触れる時間が、グッと増えそうですね。

多読に挑戦してみよう

英語読書を会話に結びつけるには、じっくり読む精読よりも、「多読」が向いています。そこで、「多読」の方法とメリットもご紹介します。

「多読」とは文字通り「たくさん読むこと」ですが、いくつかの基本的なルールを守ることで英語力が飛躍的にアップするという例が多数報告されています。例えば、以下のようなやり方を心がけてみてください。

「多読」の基本的なルールを守る

１文ずつ日本語に訳し、わからないところは辞書を引き…という方法で英語を読んでいる人がいるかもしれませんが、「多読」ではだいぶやり方が異なります。

・辞書は引かない
・わからないところは飛ばして先を読む
・後戻りしない

が、黄金ルールです。

辞書を引かないので勉強している感じがなく、気楽に続けられます。わからないところは、想像力を最大限に駆使して自分で話を補います。たとえ間違うことがあったとしても、実はこれが、たくさんの英語を読んだりいろいろな人と英語でしゃべったりすることに、大いに役に立ってくるのです。

多読でこんな効果が得られる

・辞書を引かないので、知らない単語の意味を前後の文脈から判断する力がつく。
・わからないところで立ち止まらない。推測しながらとにかく先に進む。
・前に出てきたところに気を取られず、今読んでいること、聞いていることに集中する。

英語の会話は、自分の理解が及ばなくてもどんどん先へ進んでしまい、不明なところを一つひとつ確認することができません。つまり、話を推測しながら先へ進む「多読」の訓練によって、会話をスムーズにこなせるようになるのです。

おすすめ英語ミステリー５選

「英語の本を１冊読もうとするのは初めて」「ミステリーは好きだけれど、どの本を選べばいいかわからない」という方々のために、読みやすい英語ミステリーの本をご紹介します。一番興味を引かれたものから始めてください。

シャーロック・ホームズの冒険 Adventures of Sherlock Holmes

やさしい英語で書かれた「ラダーシリーズ」で、TOEICテスト500～600点・英検準2級以上の「LEVEL 3」。「赤毛組合」などの名作短編集です。試しに１冊読んでみたいという学習者の肩慣らしにピッタリ。巻末に語注があり、ざっと目を通してから読み始めると、さらにラクに読み進めることができます。

シャーロック・ホームズの冒険 Adventures of Sherlock Holmes (ラダーシリーズ Level 3)

オリエント急行殺人事件 Murder on The Orient Express

アガサ・クリスティーものは「ラダーシリーズ」ではTOEIC600～700点・英検２級以上の「LEVEL 4」になっていますが、映画を見たことがある人は、内容を推測しながら読めるはず。『ナイルに死す』や『そして誰もいなくなった』も同じラダーシリーズの中にあり、クリスティー作品に続けて挑戦してみるのもいいですね。

オリエント急行殺人事件 Murder on The Orient Express (ラダーシリーズ Level 4)

エドガー・アラン・ポー名作選 The Best Short Stories of Edgar Allan Poe

やさしめの「ラダーシリーズLEVEL 3」。史上初の推理小説とされる「モルグ街の殺人事件」など、英語圏の映画やテレビによく登場する古典中の古典が収められ、外国人と話をするときに、きっと役立ちます。

エドガー・アラン・ポー名作選 (ラダーシリーズレベル3)

Someone Like You（あなたに似た人）

映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作者ロアルド・ダール。大人向けの短編ミステリーでも有名です。ユーモアがきいていて少々ブラック。使われている単語が割合平易で、「ラダーシリーズ」卒業者におススメ。

Someone Like You

The Da Vinci Code（ダ・ヴィンチ・コード）

海外のベストセラーミステリーが読めるようになると、英語読書がいっそう楽しくなります。映画も大ヒットした『ダ・ヴィンチ・コード』。作者ダン・ブラウンの作品は意外に英語が平易で、スピード感があってどんどん読み進められます。「同じ作者の新作も読んでみたい」と思えるようになれば、もう英語読書は勉強ではなく、一生続く趣味となるはずです。

The Da Vinci Code

ミステリーを読み解くのに役立つ英単語

「辞書は引かず、知らない単語の意味は前後の文脈から判断する」といっても、ある程度基本的な単語を知っておいたほうが、ラクに読み進められます。例えば、以下のような単語は必須の最重要単語です。

事件にかかわる人々を表す英単語

事件にかかわる英単語

裁判にかかわる英単語

ミステリーについて英語で話したくなったら